ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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Episode6

―――Heros.―――

 

「おーい、曹操」

 

「どうした?」

 

「兵藤一誠と同じ気を感じる奴がいたってあいつらが言っていたよ」

 

「誰からだ?」

 

「上級生のシオリっていう女だ。どう思う?」

 

「似ているならばともかく、同じ気を感じることはまずあり得ない話だ。

だが、感じたって言うんだろう?」

 

「あいつは嘘を吐くやつじゃないって」

 

「・・・・・分かった。そのシオリと言う者と接触してみよう」

 

―――○●○―――

 

今日もまた、川神学園のシオリのクラスで共に授業を学んでいる(透明中の)俺であった。

 

『今日、あなたを連れていきたい場所があるの。お願い、一緒についてきて』

 

彼女から言われた言葉を聞いてから妙な胸騒ぎが覚える。シオリ自身もどこか可笑しかった。

だけども、俺は彼女のことを全部知っているわけじゃない。

だからここは彼女を信用して一緒に行こうと思っている。

 

「・・・・・」

 

授業を真摯に受けているシオリ。瞳は真っ直ぐ黒板にチョークで文字を描きながら

言葉を発し続けている教師に向けて耳も傾けている。

こうしてみると、彼女が魔人とは誰も気付くことは不可能に近いだろう。

そんな彼女に頭を撫でたいと駆られ、腕を伸ばしシオリの髪を梳かすように頭を撫でたら、

目を細め、口元を緩ました。すると、心が急に暖かくなる。

彼女の心から伝わっている証拠なのだろう。

 

―――誰も見えていないからって私以外の子の胸とかお尻とか触っちゃダメよ?

 

―――良い雰囲気が台無しだぁっ!?

 

頭の中からシオリの言葉が伝わった。たくっ、俺がそんな事をすると思うのかよ・・・・・?

 

ヌルッ・・・・・。

 

その時、あの生温かい感触を感じた。

下に視線を落とせば―――霧がシオリと俺の足元に発生していた。

―――ここで、あいつらがお出ましかよ・・・・・!?

 

「・・・・・」

 

シオリは俺に視線を配る。この事態でも冷静でいる彼女は

俺の手を握って霧に包まれる俺と共にどこかへと転移されたのだった。

 

 

 

 

転移された場所は、川神学園をベースにした異空間だった。

ここ、俺にとっては意味のある場所だな。

足元に広がる霧は向こうまでも漂っている。

 

「イッセー、この霧ってなんなの?」

 

「知っているかどうか分からないけど、禍の団(カオス・ブリゲード)の一派、英雄派の仕業だ」

 

「ああ・・・・・英雄と神滅具(ロンギヌス)神器(セイクリッド・ギア)の集団ね?

話だけなら聞いたことがあるわ」

 

知っていたのか。まあ、世間に知れ渡っているし当然か。さて、奴さんも現れた。

大勢の奴らを引き連れてな。漢服を身に包み、

槍の柄を肩でトントンと叩きながら―――現れた曹操たち一行。

 

「初めまして、シオリ殿」

 

「ごきげんよう、英雄派の首魁の曹操・・・・・だったわね?」

 

「ええ、合っていますよ。さて、あなたに問いたいことがある」

 

「答えれる範囲ならどうぞ」

 

悠然と答えるシオリ。曹操は槍をシオリに突き付ける。

 

「聞けば、あなたから兵藤一誠の気を感じると気の扱いが長けた同士から聞いたんでね。

是非ともその理由を聞きたいので授業中のところ失礼の承知の上であなたをここに招いた。

素直に答えてくれるなら、無傷で下界に戻すことも約束しよう」

 

「またその話?川神百代からもそんな事を言われたけど私にとって見知らぬことよ」

 

「シラを切ると?」

 

「事実よ。それにテロリストの言うことは信じられないわね。

この場で私を拘束して、調べられることもできそうだし、

なによりそんな大勢の人間を引き連れてきたもの。

―――どっちにしろ、私を捕まえる気なのね?」

 

シオリの発言に曹操は溜息を吐いた。

 

「やれやれ、最終的には確かにそうしようと思っていたが・・・・・まあ、

結果は予想の範囲だ。気になる素材だから俺たちと一緒に来てもらう」

 

英雄派の構成員たちが一斉に動き出す。幹部クラスは動かない・・・・・。

シオリ、どうする?

様子を窺うと・・・・・彼女の顔に紋様が走るように浮かび上がった。

 

「正当防衛。成り立ってしまったわね」

 

刹那、彼女の姿が見えなくなり、

構成員たちが歯牙にも掛けれずにシオリの格闘術で倒された。

 

「まったく、こっちから手を出していけないし

正体も明かしちゃいけないっていうのに・・・・・やってくれたわね」

 

「ほう・・・・・もしや魔人かな?これは良い意味で誤算だった」

 

「最近、変な奴らが私たちを探しているってこともしっていたけど、あなたたちなのね」

 

「その通りだ。俺たち英雄派は魔人に協力しようと思っていてね。

どうかな、一緒に冥界を侵略しないか?」

 

なんで英雄派が魔人に協力をしようとする?英雄派の考えることはよく分からないもんだ。

 

「理由は分からないわね。魔人に手を貸すなんて英雄派の名が地に堕ちるんじゃない?

―――答えはNOよ。私たちは私たちの思いで冥界に行くんだから。その方法も既に会得済み」

 

「敵の敵は味方・・・・・だと思ったがね。

致し方が無い、捕獲するか。魔人の力を調査、研究したかったところだったしね」

 

「じゃあ、俺が行こう」

 

ジークフリート・・・・・。

 

「手足を切っても問題ないよね?」

 

「ああ、生きていれば問題ない」

 

早々に確認したあいつは聖剣と魔剣を両手に持って襲いかかった。シオリは迎撃態勢になるが、

 

ガキンッ!

 

「なに・・・・・?」

 

両腕を気で纏いジークの剣戟を防いだ。

シオリの前で透明中の俺の防御に怪訝に面持ちでいるジーク。

 

「彼女だけじゃないんだよ。この場にいるのは」

 

「なっ・・・・・!?」

 

口内から火炎球を吐きだす。その後、透明化を解いて姿を現した。

 

「よう、久し振りだな英雄派」

 

「驚いた・・・・・まさか一緒にいたとは気付かなかった」

 

「新しい力だ。川神百代ですら俺の存在に気付かないぞ」

 

「・・・・・なるほど、合点した。キミと彼女の気が共有しているんだな?

そう言うことであれば納得できる」

 

あっさりと見破られましたよ。別に隠していることでもないけどさ。

 

「彼女には手を出すなよ?それでも襲い掛かってくるなら―――」

 

魔人化(カオス・ブレイク)と化となって、威嚇する。

 

「俺が纏めて相手になってやる」

 

さて、曹操はどうする?

 

「・・・・・」

 

曹操は一息吐く。

 

「止めておこう。一人とはいえ、ここで甚大な被害を出して

魔人を捕獲する事は俺にとっても好ましくない」

 

あっさりと退くことをした曹操。

 

「兵藤家と式森家を倒したその力を俺たち英雄派も

欲しかったが・・・・・また別の機会にしよう」

 

霧に包まれる曹操たちは最後まで俺たちを見据えた。

その後、俺たちは無事に現世に戻れた。彼女のクラスメートたちは

唖然と俺たちを視線を向けていたのがとても印象的だった。

あっ、姿を曝したままだった。

 

―――○●○―――

 

「イッセー、守ってくれてありがとうね」

 

「当然のことだ。それにあいつらは俺が認めるほど強い。

ラクシャだけじゃ苦戦に強いられる」

 

「魔人は光の攻撃が弱いしね」

 

「そうなのか?」

 

「だからこそ、私たちはこの力を得たのよ。相手の気と魔力を奪う能力をね」

 

学校から去り、ラクシャにとある建物の中へと案内されている。

そして、地下へ続く階段を降りると、とてつもなく威圧感を放つ扉の前に辿り着いた。

ラクシャは扉を開け放って横に移動する。俺から先に入らせるための行動だろう。

その通りに動き、中へ侵入する―――その時、扉が閉められた。

 

「ラクシャ?」

 

「―――きたな」

 

「・・・・・」

 

暗闇の空間から声が聞こえた。その声に呼応して俺を囲むように照明が光りだす。

光が闇を照らし、この場の空間が俺の視界に飛び込んできた。

眼前に階段のように鎮座している置き物があり、

その段の下から三人、二人、一人と六人の初老の者たちが胡坐を掻いて座っていた。

 

「お前が来るのをずっと待っておった」

 

「我ら魔人の希望よ」

 

「ようやく我らの悲願が叶う時が来た」

 

「あの裏切り者が離反した結果がこのような形になろうとは皮肉なものだがな」

 

「その上、裏切り者の顔とよく似ておるわ」

 

「忌々しい限りだな。だが、我らにとっては好都合なことかもしれんな。

別の形で魔人の力を残し、増やし続けたのだからな」

 

何だか好き勝手に言われているけど・・・・・この人たちがフォーベシイたちの

時代からいた魔人たちの生き残りなのか・・・・・。

 

「イッセー・D・スカーレットよ」

 

「なんだ?」

 

「同じ魔人、我らのために悲願を叶えるのは当然のことである。

お前の力は我らを冥界に導くための―――」

 

手で制して古の魔人の言葉を遮る。

 

「悪いけど、俺はこの力で冥界に侵略する気はない。俺は現在の五大魔王と接しているし、

天界の神と堕天使の総督とも交流をしている。お前たちの望んでいることは知っている。

冥界に戻りたいだけなら俺がルシファーたちに頼んでやるよ。それでじゃダメなのか?」

 

「ルシファーの小娘どもか。それが本当なら好都合だ」

 

・・・・・話、乗ってくれたのか?

 

「あのルシファーどもの子娘どもに近づき、殺すことも容易いだろう?」

 

「―――――っ!?」

 

「冥界は悪魔の世界ではない。我々魔人の世界だ。

今度は悪魔が人間界に追いやる番である」

 

こいつら・・・・・もはや交渉の余地すらしないってのか!

 

「そこまで、お前たちを追い出した魔王に恨んでいるのか?前魔王たちじゃないんだぞ」

 

「その血筋である者たちも我らの復讐の対象者だ」

 

「俺が何とか冥界に住まわせるように説得しようとしても、お前らは侵略する気なのか」

 

古の魔人は憮然とした態度で言い放った。

 

「悪魔の、魔王の恩恵で冥界に居座る気はない。―――魔人が冥界に住まう悪魔どもを蹂躙し、

我らの力を見せ付けて恐怖を植え付け、

冥界から追い出したその時こそが、我らの願望なのだよ」

 

「もう過去のことだろう。お前たちがどんな目に遭ったか

骨を齧った程度しか知らないけどな、

今のあいつらにまで巻き込むことはないだろうが。あいつらは()を生きているんだぞ。

自分たちのエゴのためにあいつらを利用して冥界に侵略させるなんてあんまりだ!

可哀想だろうが!」

 

「我らを残して死んでいった同士たちの無念を、

何時しか共に故郷へ帰ろうと想って死んでいった同士を背負う我らの想いを、

高が十数年しか生きていない小童に口出しするでないわ!」

 

「―――うるせぇっ!んなこと分かっているよ!このクソジジイどもが!」

 

「「「「「んなっ!?」」」」」

 

あー、ダメだ。久々にキレたわ。別の意味で。

 

「あーだーこーだ言って、お前らは何もしないのか!こんな暗い場所で引き籠って

ウジ虫のようにウジウジしてよ!ちったぁ外の世界に目を向けろ!

お前らが知らないことが星の数ほどあるわ!今の魔王たちだって、話せば分かる奴らだし、

前魔王の頃からいる魔王フォーベシイだって

お前たちを追いだしたことに悔いていたんだぞ!?お前らがしようとしているのは、

罪もない純粋な子供たちに銃を持たせて戦場に送らせる

非道な人間と同じ、テロリストと同列だ!」

 

「貴様・・・・・っ!」

 

「お前らの話を聞いて良く分かったよ。誰がお前らみたいな奴に手を貸すか!

俺も悪魔と堕天使は好きじゃないけど、殺してやりたいほどじゃない。

お前らの気持ちだって分からなくはないさ。

だけどな、解決の糸口があるっていうのにお前らは滅びの道へと自ら歩いていることを

気付いていない!」

 

踵返してこの場から去ろうとする。もう、あいつらと話すことなんてない。

ラクシャと一緒にあの家に帰ろう。

 

「待て貴様!」

 

「我らを裏切る気か!」

 

「裏切る?俺は魔人の力を宿しているだけであって、俺自身はドラゴンだ。魔人じゃない」

 

「おのれ・・・・・貴様もあの裏切り者と同じ道を歩むというのか・・・・・!」

 

その裏切り者も愛想を尽きたんだろうさ。本当のことは知らないけどさ。

 

「お前らと出会っただけでも良しとするよ。それじゃあな」

 

扉に触れようと腕を伸ばした。―――――だが、身体が何かに縛られたかのように動けなくなった。

 

「愚かな者よ。素直に我らの命令に従っておればよかったものの」

 

「致し方ないな。貴様は我らの有意義な手駒として扱わせてもらおう」

 

刹那―――全身に激痛が走る。

 

「我らとて、何もしてなどいないわ」

 

「魔人を洗脳、支配する力を我ら六人は編み出した」

 

「お前を支配した後は、冥界に侵略しよう」

 

ふざけんな・・・・・っ!そんなこと、俺が跪くわけが・・・・・!?

 

「言っておくが、我らが編み出した能力は対象の心に宿す闇の大きさに比例する。

さてさて、お主の闇はどこまで深いかのぉ・・・・・?」

 

「ち・・・・・く・・・・・しょ・・・・・・っ!」

 

意識が朦朧としてきた・・・・・せめて、皆に知らせないと・・・・・。

―――クロウ、頼む・・・・・!

 

『一誠・・・・・!』

 

最後の力を振り絞って、龍門(ドラゴンゲート)を展開させてクロウ・クルワッハを

現世に召喚した時に意識が途絶えた・・・・・。

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