ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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Episode4

 

 

さーて、今日がリアス・グレモリーとライザー・フェニックスが結婚を懸けた真剣勝負の日だ。

時間はまだまだある。家の自室でのんびりと時間になるまで読書をしていた俺は、

どう戦おうか思案していた。

 

「(ライザーとちょっとだけ戦うのも悪くはないだろうな。倒さなきゃいいだけだ)」

 

コンコン。

 

部屋をノックする音が聞こえた。

 

「入って良いぞ」

 

入室の許可を発すると、ガチャリとドアを開けて入ってきたのはリーラだった。

しかも『SILKY』のメイド服の姿だった。

それに、後ろに結んでいるはずの銀色の髪がストレートになっていた。

 

「リーラ、その格好・・・・・」

 

「イメチェン、というのです・・・・・どうでしょうか?」

 

「可愛いよ。リーラ」

 

即答で言った。惚れた弱みという奴かな。彼女が着る服は可愛いのと、綺麗のと思ってしまう。

まあ、世界で一番幸せ者だろうな俺。

 

「ありがとうございます」

 

俺が褒めてあげると、リーラは心底嬉しそうな笑顔を浮かべた。

そして、ベッドに寝転がっている俺の傍に来て、

「失礼します」と言いながら腰を下ろして座ってきた。

 

「プリムラは?」

 

「お眠りになりました。最初、一誠さまの応援をしたがっていましたが、

流石に眠気に勝てなかったようで自室で就寝しました」

 

「明日、ガッカリしているかもな」

 

「そうかも知れませんね」

 

彼女と共に小さく笑んだ。

 

「一誠さま、準備は整いましたか?」

 

「後は出撃するだけだ」

 

「・・・・・」

 

そう言うと彼女は無言で俺に近づき―――徐に唇を重ねてきた。

しばらくして、唇を離したかと思えば、もう一度重ねてくる。さらに俺の首に腕を絡めてきた、

体を密着して絶対に放さないとばかりと。

 

口の中に舌を入れて来て、リーラは激しく動かして俺の口の中を蹂躙する。

俺も応えて彼女の舌を激しく絡めながらも彼女の口に侵入して歯や歯茎、舌の根の元、

口の中の隅々まで俺のものだと蹂躙していく。

 

メイド服の上からも感じる彼女の豊満な胸の温もりと感触と共に心臓の鼓動が伝わる。

激しく脈を打って、激しく興奮していることを俺の胸板に伝えてくる。

 

「「・・・・・」」

 

数分か十数分ぐらいか、どのくらい彼女と深いキスをしていたのか分からない。

彼女の唇と艶めかしい銀色の糸が完成するほど俺とリーラはキスをしていた。

顔が上気するほど息が絶え絶えで、お互い顔を覗きこむように見詰め合った。

 

「一誠さま・・・・・」

 

「リーラ・・・・・」

 

彼女は上半身を起き上がらせた。そして・・・・・メイド服に手を掛けた。

シュルリと胸元のリボンを解いて、ボタンを外していき、静かに音を立たせながら彼女は

下着姿へとなった。さらにはブラジャーや下着まで脱ぎだした。

一糸纏わず生まれた姿になったのだった。月の光で照らされる彼女の白い肌は幻想的だった。

無駄な肉つきは全くなく、スラリと細い腕、肉つきの良い太もも、

女の象徴ともいえる豊満な胸は崩れず、形を保っている。

―――彼女の全てが俺の眼前に曝け出されている。

 

「一誠さま・・・・・」

 

リーラはその状態で俺に覆いかぶさってきた。

 

「お願いします・・・戦いに行く前に、

このはしたないメイドに一誠さまのものだという証を刻んでください」

 

「リーラ・・・・・・」

 

「私は・・・・・怖いのです。

私を置いて戦いに行かれるあなたがもしものことがあったら・・・・」

 

彼女は瞳を潤わせて、初めて弱音を吐いた。

そんな彼女を生まれて初めて見たがため、一瞬驚いた・・・、

 

「大丈夫だ」

 

「え・・・・・?」

 

「大丈夫だ、リーラ」

 

腕を伸ばして彼女の頬を添えた。

 

「お前を置いて俺は死なない。絶対に帰ってキミのもとへ戻るよ」

 

自分から彼女の唇に重ねた。そして、真っ直ぐ彼女の瞳を覗きこみながら言った。

 

「そしたら・・・・・この続きをしよう」

 

「―――――」

 

自分で言って気恥ずかしくなった。彼女から視線を逸らしていると、リーラは目を丸くした。

でも、直ぐに笑みを浮かべた。

 

「はい、今日は寝かせませんよ?ずっと待ち望んでいたことですから、

私が満足するまでは寝かせないつもりです」

 

「・・・・・それ、男の言うセリフだよな?」

 

何とまあ、ズレた言葉だった。だが、彼女の不安は取り除けたようだ。これで安心して臨める。

 

―――○●○―――

 

深夜十一時四十分頃―――。俺とグレモリー眷属じゃ旧校舎の部屋に集まっていた。

それぞれ、一番リラックスできる方法で待機している。

基本的に、シスター服と胸元に十字架をぶら下げているアーシア・アルジェント以外の者は

学生服だった。木場祐斗は手甲を装備し、脛当ても付けていた。剣は壁に立てかけている。

塔城小猫は俺の膝に座らせて俺の気が済むまで頭を撫でている。最近、猫が欲しくなった。

野良でもいいから飼おうかな。塔城小猫の手にはオープンフィンガーグローブ。

格闘家が付けているようなものだ。しかも肉球の絵柄付き。姫島朱乃とリアス・グレモリーは

何故か、ソファに座っている俺の隣に座って優雅にお茶を口にしていた。

で、成神一成は言うと・・・・・。

 

「・・・・・っ」

 

血涙を流して俺を睨んでいた。えー、なにそれ・・・・・。

塔城小猫はともかく、この二人は勝手に座ってきたんだぞ。そんな目で睨まないでくれよ。

と、目の前に座る変態に呆れる俺だった。

 

―――カチッ。

 

時計の大きな針が開始十分前になった頃、部屋の魔方陣が光り出し、シルヴィアが現れる。

 

「皆さん、準備はお済みになられましたか?開始十分前です」

 

シルヴィアが確認すると、俺以外の皆が立ちあがった。シルヴィアは説明を始める。

 

「開始時間になりましたら、ここの魔方陣から戦闘フィールドへ転送されます。

場所は異空間に作られた戦闘用の世界。そこでどんな派手なことをしても構いません。

使い捨ての空間なので思う存分にどうぞ」

 

体育の授業と同じ仕組みなんだろう。なら、派手に暴れまわるとするか。

 

「あの、部長」

 

「何かしら?」

 

「部長にはもう一人、『僧侶(ビショップ)』がいますよね?その人は?」

 

「なんだ、まだいたのか?リアス・グレモリーの眷属に悪魔が。だったらそいつもゲームに

参加させたらどうなんだ?」

 

成神一成の言葉に俺は反応してリアス・グレモリーの顔を見詰めると俺、成神一成と

アーシア・アルジェント以外のメンバーの様子がおかしかった。

何だか、腫れ物に触ってしまったような感じだ。空気がガラリと変わってみな一様に口を閉ざした。

 

「残念だけど、もう一名の『僧侶(ビショップ)』は参加できないわ。

いずれ、その事について話す時が来るでしょうね」

 

・・・・・何か問題でも抱えているようすだな。グレモリーが俺たちに目線を合わせよう

ともせずにいるし・・・・・。ま、どうでもいいか。

 

「今回の『RG(レーティングゲーム)』は両家の皆さまも他の場所から中継で

フィールドでの戦闘をご覧になります」

 

「因みに、俺のことは知っているのか?」

 

「はい、魔王ルシファーさまや他の魔王さま方も今回の一戦を拝見されておられます。

そして、この学校の理事長も拝見されております。それをお忘れなきように」

 

「お兄さまが?・・・・・そう、お兄さまが直接見られるのね」

 

うわー、それはやり辛いなー。リアス・グレモリーにとってだがな。

無様な戦いを見せれる訳がない。と、彼女を見ながら思っていると、

成神一成が信じられないものを見る目でリアス・グレモリーに手を上げながら口を開いた。

 

「あ、あの、いま、部長が理事長のことをお兄さまって・・・・・。

俺の聞き間違いでしょうか?」

 

「いや、この学校の理事長のサーゼクス・グレモリーはリアス・グレモリーの兄だぞ?

知らなかったか?」

 

さらりと言うと、成神は驚愕の声を上げた。リアス・グレモリーも頷いて肯定の意を示す。

 

「サーゼクス・グレモリー・・・・・。この学校の理事長とし、

悪魔としても有名で別名『紅髪の魔王(クリムゾン・サタン)』、それが私のお兄さまであり、

理事長なの。本当はお兄さまがグレモリー家の当主になるハズだったのだけれど、

四種族交流の維持と監視も兼ね、高校の理事長として身を置いているの」

 

「・・・・・だから、部長は家を継がないといけないのか」

 

「なるほどな、だから同時にライザーと婚約する羽目になったわけか。

今日がその縁談を破談にするためのゲームだことを忘れるなよ?」

 

「ああ、分かっているさ!俺があの焼き鳥野郎をぶっ潰してやる!」

 

気合を入れる成神一成。だが、修行してもお前はまだあいつに勝てない。

なにせ、相手は不死の能力もつ悪魔だからな。―――――俺の中にいる奴らと同じようにな。

 

「そろそろ時間です。皆さま、魔方陣の方へ」

 

シルヴィアに促され、俺たちは魔方陣に集結する。

 

「なお、一度あちらへ移動しますと終了するまでの転移は不可能となります」

 

「兵藤くん、頑張ってください」

 

「生徒会室で貴方を応援しています」

 

「ああ、分かった」

 

二人に見送られる最中に魔方陣の紋様がリアス・グレモリーから見知らぬものへ変わり、

光を発した。ゲーム用の魔方陣の転移用魔方陣か。そんな事を思っていると俺たちを光が包み込み、

転移が始まった。

 

―――○●○―――

 

『皆さま。このたびグレモリー家、フェニックス家の「RG(レーティングゲーム)」の、「審判役(アービター)」を担う事になりました、グレモリー家の使用人シルヴィアでございます』

 

校内放送・・・・・シルヴィアの声がするな。

 

『我が主、サーゼクス・ルシファーの名のもと、ご両家の戦いを見守らせていただきます。

どうぞ、よろしくお願いたします。さっそくですが、今回のバトルフィールドはリアスさまと

ライザーさまのご意見を参考にし。リアスさまが通う人間界の学び舎「駒王学園」の

レプリカを異空間にご用意いたしました』

 

似て非なる世界だな。窓を開けると空は緑のオーラみたいなものが俺の視界に映り込んだ。

 

『両陣営、転移された先が「本陣」でございます。リアスさまの本陣が旧校舎の

オカルト研究部の部室。ライザーさまの「本陣」は新校舎の生徒会室。「『兵士(ポーン)』」の方は

「プロモーション」をする際、相手の本陣の周囲まで赴いてください』

 

ライザーの『兵士(ポーン)』8人がこの本陣に来たら『騎士(ナイト)』、『戦車(ルーク)』、『僧侶(ビショップ)』、『女王(クイーン)』に

プロモーションが出来る。まあ、大抵は『女王(クイーン)』に成るだろうがな。

 

「全員、この通信機器を耳につけてください」

 

姫島朱乃がイヤホンマイクタイプの通信気を配る。

それを耳につけていると、リアス・グレモリーが言う。

 

「戦場ではこれで味方同士やり取りするわ」

 

『なお、今回のゲームでライザーさまのご希望で人間を一人、

リアスさまの眷属として特別に参加をしてもらってます。

(キング)」、「女王(クイーン)」以下の駒としか戦闘をしないと本人のご意見を聞き、

さらにルールを加えました。仮に「(キング)」、「女王(クイーン)」に攻撃された場合は

迎撃を許されておりますが「(キング)」を倒してしまった時は

ライザーさまの勝利となります』

 

アナウンスを聞き、頷いた。これでいい、これで俺が主役じゃなくてあいつらが主役になった。

 

「今回の主役はリアス・グレモリー、お前だ。俺が倒したら意味が無いからな」

 

「ええ、貴方の好意に心から感謝するわ。お礼としてこのゲームに勝ってみせるわ」

 

「俺は遊撃として好きに動かせてもらうぞ。試合開始と同時にな。お前たちの体力温存をして

ライザーに勝ってもらわないと」

 

「・・・・・分かったわ。私は貴方を縛ることすらできないですもの」

 

「はぁ・・・・・」と溜息を吐くリアス・グレモリーに俺は笑う。

 

『開始のお時間となりました。なお、このゲームの制限時間は人間界の夜明けまで。

それでは、ゲームスタートです』

 

キンコンカンコーン。鳴り響く学校のチャイム。さて、俺とグレモリー眷属合同での体育の授業が

始まった。俺はテーブルの上にある地図を見て・・・・・皆に向かって手の平を開いた。

 

「五分だけここで待機してくれるか?罠を仕掛けてもいいけど、

それ以外の行動は五分過ぎてからにしてくれ」

 

「その間・・・・・あなたはどうするの?」

 

俺か?ふふ・・・・・当然。

 

「ちょっくら、悪魔の団体さんを殺してくる♪」

 

笑みを浮かべた。皆に手を振って窓から外に飛び足して地に着地する。

さーて、思いっきり楽しませてもらおうか!

まずは・・・・・そうだな、体育館の方へ行こうとしよう。

 

地図によれば、体育館は新校舎と旧校舎と隣接しているし、相手へのけん制にもなるだろう。

体育館に向かって駆ける俺。でも、あっという間に体育館の裏側にある裏口に到着した。

扉のノブを回して開き、悠然と中に入る。と、同時に体育館に近づいてくることが分かった。

 

そして、それは直ぐのことだった。4人の少女が体育館の中に入ってきた。

チャイナドレスを着た少女と双子らしき幼女、長い棍を持った小柄で童顔な少女。

俺の顔を見るなり驚いた表情を浮かべた。

 

「悪いな。体育館は俺が占拠させてもらった」

 

「ゲームが始まって間もないのに私たちより速く来ているなんて・・・・・!」

 

「お前等が遅いだけだ。―――――さてと」

 

俺は思いっきり息を吸った。―――開戦前に気合を入れようか!

 

「ギェエエエエエエエエエエエエエエアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

 

「「「「―――――っ!?」」」」

 

上に向かって両腕を広げながら大声で叫んだ。体育館の窓ガラスが全て俺の咆哮で割れ、

体育館全体が激しく揺らいだ。

 

「・・・・・・」

 

思いっきり叫び終わると、天井からパラパラと何かが落ちてきた。

気合を入れた俺は改めて相手の四人を見詰めた。双子らしき少女が身体を振るわせて涙目になる。

チャイナドレスを着込む悪魔と棍を持つ悪魔も顔の表情を強張らせて攻撃態勢になった。

 

「ははは、悪魔が嫌いな。俺がこうして堂々とお前たちを殺すことできる機会が恵まれた。

俺は悪魔なら、例え女だろうと子供だろうと容赦しないから」

 

よろしくな―――?と殺気を全開に放って笑みを浮かべた。

 

「こ、怖いよ・・・・・!この人間、怖いよ・・・・・・!」

 

「雪蘭・・・・・こいつ、ただの人間じゃない・・・・・!」

 

「分かってる。だけど、ここでこいつを倒せば―――!」

 

ほう、面白いことを言うな。じゃあ、俺を倒してもらおうか?

 

「そいつができるものならなぁ?」

 

「「「「っ!?」」」」

 

俺が一瞬で四人の背後に佇んで、耳元で呟いた。―――――刹那。

 

ドドドドドドドドンッ!

 

四人の足を思いっきり足で潰した。そうしたらどうなる?

 

「「「「あああああああああああああああああああああああああああああああああっ!?」」」」

 

まともに立てるわけがなく、俺の前に跪いて痛みに耐えるしかない。

 

「痛い!痛いっ!ライザーさまぁっ!」

 

「痛いよう!助けてぇっ!」

 

・・・・・弱過ぎだろう。

フェニックス家の眷属は強いのかと思ったんだけど・・・・・見誤ったか。

 

「ついでだ。その腕も潰しておくとしよう」

 

「「ひっ!?」」

 

そう思い、俺は容赦なく四人の肩腕を踏みつぶした。これでこいつ等は動けないだろう。

悲痛な叫びが聞こえる中、体育館の外へと出た。

 

『随分と惨いことをするな。楽に止めを刺せばいいもの』

 

「それすら価値がないだけだ」

 

『くくく、そうか』

 

クロウ・クルワッハが苦笑のような声を発した。

 

「さーて、次の獲物はどこかな?そろそろ五分になるから、さっさと倒したいところだ」

 

強い気配を探知しながらキョロキョロと首をあちらこちらへと動かしたその時だった。

 

ドォンッ!

 

俺がいた場所に爆砕音が生じた。ん?と気配が感じる場所へ目を向けた。上だ。

見上げれば、翼を広げて空に浮遊している人影が一つ。

フードを被り、魔導士の恰好をしている女性。あいつの下僕か。

 

「あら、私の攻撃をかわすなんてやるじゃない」

 

「なんだ、さっきの爆発はお前か。大方、爆発させるしか能がない悪魔か?」

 

「・・・・・爆発しか能がないか、ボウヤの体で分からせましょうか?」

 

「生憎、俺は『(キング)』と『女王(クイーン)』を倒さないことにしてもらっているんでね。

もしも、あんたが『女王(クイーン)』だったら、倒すことはできないな」

 

笑みを浮かべてそう言うと、相手は嘲笑するような態度で言った。

 

「そう、それじゃ本当に残念ね?

このライザーさまの『女王(クイーン)』、ユーベルーナの前に手も足も出ずに倒される運命なんて、

参加しなければよかったと後悔しなさい?」

 

「・・・・・何を言っているんだ?」

 

「なに・・・・・?」

 

「倒すことはできないけど、攻撃をしてはいけないなんて一言も言っていないぞ?

それに、攻撃されたら反撃してもい言ってシルヴィアが説明しただろう」

 

トン、と跳躍してユーベルーナの前に移動した。

 

「っ!?」

 

「随分と濃い化粧だな。そんなお前は泥を塗って綺麗にしてやるよ」

 

ガシッ!と彼女の頭を掴んで一緒に地面に向かって落ちた。

 

「まっ、まち―――!」

 

「嫌だね」

 

そう言った直後。魔力で土を泥に変えて、そのままユーベルーナを押し付けた。

ベチャベチャと塗りたくるように頭を掴んだ状態で動かし続けた。

 

「よいしょっと」

 

泥から離せば、彼女の顔は泥まみれになった。・・・・・ごめん、余計に悪くなったな。

 

「ん?」

 

彼女の豊満な胸の谷間の間に何か挟まれているものがあった。

なんだ?と思いながら、谷間の間に手を差し込んで何かを取り出した。高級そうな小瓶だった。

さて、これはなんだ・・・・・?

 

「まあ、いいや。貰っておこう」

 

ユーベルーナを放り捨てて―――背後から感じる怒りから俺は一瞬でこの場から去った。

 

―――○●○―――

 

「おー、こえーこえー」

 

あれ、マジで切れていたな。出会わないようにしないと、面倒なことになるな。

んと、今いる場所は・・・・・運動場か。それにしてもこの子瓶、何なんだろうな?分かるか?

 

『それは「フェニックスの涙」に間違いないだろう』

 

フェニックスの涙?

 

『ああ、飲めばたちまち傷が治るだけじゃなく、切断された一部の肉体とくっ付けて、

そこに「フェニックスの涙」を降れば元に戻るというフェニックス家しか生産できない

高価な代物だとか』

 

へぇ、つまり、かなり便利な回復薬ということか。それはいい物を手にしたよ。

 

『―――イッセー、聞こえる?』

 

不意に耳元でリアス・グレモリーの声が入ってきた。ああ、通信用のイヤホンか。

 

『五分過ぎたから私たちも動くわよ』

 

「わかった。体育館に四人、戦闘不能状態にした奴らがいるからな。

それと体育館付近にかなりお怒りの『女王(クイーン)』がいるはずだ。気をつけろよ」

 

『・・・・・あなた、なにをしたのよ』

 

「顔に泥を塗った。それと『フェニックスの涙』を貰ったぞ。欲しいか?」

 

そう言うと、沈黙になった。

 

『あなた、どこにいるの?』

 

「運動場・・・・・ああ、いま、囲まれた」

 

ザッ!と俺を中心に7人の少女と女性が警戒しながら囲んで寄ってきた。

 

『大丈夫?』

 

「大丈夫だ。それじゃ、勝手ながらそっちに涙を送らせるぞ。じゃあな」

 

一方的に通信を切った直後、足元の影から一匹の大蛇が出てきた。

その大蛇に小瓶を咥えさせて指示を出した。

 

「悪いな。そいつをリアス・グレモリーのもとへ届けてくれ」

 

大蛇はコクリと頷いて、うねうねと旧校舎へと移動して行った。

 

「そうはさせませんわ!」

 

お姫様のような喋り方をする少女が叫んだ。その叫びに呼応して、

大蛇に向かう数人の悪魔たち―――。

 

「―――ギェエエエエエエエエエアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

 

『―――――っ!?』

 

咆哮で意識をこちらに向ける。まあ、突然咆哮されたら誰だって何事だ!?

って意識を向けてくるよな、これでいい。

俺が咆哮を上げたその間に大蛇はあっという間に姿を消していた。

 

「おいおい、相手を見間違えるなよ?」

 

「くっ・・・!さっきの声はあなたでしたのね・・・・・!?」

 

「正解。体育館に行ったそちらの仲間はまだ倒していないけど、

戦闘不能の状態に陥っているのは間違いない。倒すまでもない価値だったからな」

 

「では、ユーベルーナも!?」

 

「いや、あいつはピンピンしていると思うぞ。物凄く怒っていたから逃げたけど・・・・・」

 

周りを見渡して俺は笑みを浮かべる。

 

「お前らなら楽しめそうだな」

 

六対十二枚の金色の翼を展開した。さらに―――俺の髪が金色に変色し、腰にまで伸びた。

瞳も誰かの目で見れば、俺の瞳は黒から翡翠と蒼のオッドアイになっているだろう。

 

「―――天使っ・・・・・!?あなた、人間じゃないですの!?」

 

「正真正銘の人間だぞ?この姿は神滅具(ロンギヌス)、『神愛護珠(ゴッド・ラブ・ディフェンス)』の禁手(バランス・ブレイカー)の状態だ」

 

「ろ、神滅具(ロンギヌス)・・・・・っ!?」

 

酷く狼狽をしているな。まあ、どうでもいいけど・・・・・。かかってこいと、手を招く。

 

「来いよ。お前らの力、俺が確かめてやる」

 

不敵の笑みを浮かべて俺は自ら窮地に立った。さあ、死闘の始まりだ

 

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