ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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Episode番外編

リアス・グレモリーの婚約騒動から数日が経過した。

そして、今日は待ちに待った使い魔と契約する日だ。

俺たち二学年、使い魔を欲しいという生徒たちは体育館に集合している。

百人以上いるはずだが、体育館にいる人数が約半数以下だった。

家の都合か、使い魔を必要としないのか、どっちかなのだろう。

 

「清楚。どこで魔物を使い魔にするんだ?」

 

「使い魔とする魔物が住んでいる深い森の中。

と言っても私自身すら行ったことがないから分からないの。

先輩たちに訊けば、冥界っぽい場所だって言うけどね」

 

冥界・・・・・最近行っていないな。修行以外行かないしあそこ。

 

「でさ」

 

「うん」

 

「―――どうして、リアス・グレモリーたち、三年生の上級生方がいるのかな?」

 

俺の隣の列、三年生の生徒たちが俺たち二学年のように並んで佇んでいる。

その理由を清楚はこう説明する。

 

「私たちの付き添い。強力な魔物を使い魔にしたいという生徒もいるし、

その生徒のために護衛と言う形で一緒に付き添ってもらう事になっているの」

 

「お優しいことで・・・・・因みに、それは全員に付き添うのか?」

 

「そうだよ。魔物の強さに比して、その魔物に対処できる先輩が付き添ってくれる」

 

ということは・・・・・俺の場合はあれだから・・・・・。

 

「サイラオーグと一緒という事になりそうだな」

 

「・・・・・一誠くん。一体どんな魔物を使い魔にしようとしているのかな。

最強の上級生が一緒になりそうだといきなり言うなんて」

 

清楚が呆れた風に言ってきた。だから言ってやった。

 

「五大龍王のティアマット」

 

「・・・・・納得」

 

ポツリと清楚は呟いた。ああ、やっぱり?最強なら最強でしょ。

 

「それで、清楚はどんな魔物に?」

 

「うーん、馬、かな?」

 

「馬って・・・・・飼育できるスペースあるの?」

 

「馬自体が特殊でね?体を自由に変化できるの。大きくなったり小さくなったり。

これなら私でも使い魔にできると思ったの」

 

体を自由に変化できる馬って・・・・・珍しいな。

 

「さて、そろそろ時間だよ」

 

清楚がそう言った次の瞬間。足元が急に光り輝きだした。

俺の視界は白く塗りつぶされ、何も見えなくなったのだった―――。

 

―――○●○―――

 

光が止み、視界が回復した頃。俺たちは怪しげな森の中に佇んでいた。上級生たちも一緒だ。

 

「ゲットだぜ!」

 

いきなり声が聞こえた。上を見上げれば、帽子を深く被り、ラフな格好をした中年の男性だ。

男性は木に登ったまま自己紹介をする。

 

「俺の名前はマダラタウンのザトゥージ!使い魔マスターを目指して修行中の悪魔だ!」

 

よっ、と木から降りたった。

 

「えーと、今年も使い魔にしたいやつらはいやがるな。よーし、俺から注意事項を伝えるぞ。

よーく聞けよ」

 

ザトゥージの話に耳を傾ける。

注意事項その1、一人で使い魔を探しに行かないこと。

その2、先輩と必ず行動すること、

その3、使い魔にしたい魔物は必ず出現するとは限らないので、時間以内に見つからない場合は

その時点で契約失敗と捉える。

その4、契約を失敗してもめけずに違う魔物と契約に挑戦すること。

その5、魔物に攻撃されたら直ぐ上級生に従い逃げること。

 

「以上だぜ!そんじゃ、制限時間は三時間!

自分の使い魔をする際にサポートしてくれる先輩たちと一緒に使い魔をゲットだぜ!」

 

それが始まりなのか、上級生たちが動き始めた。さて、俺は誰だ?予想だと―――。

 

「では行こうか。兵藤一誠」

 

「ああ、よろしくお願いするよ。―――サイラオーグ先輩」

 

案の定、こいつとだった。・・・・・って、

 

「どうしてリアス・グレモリーまで?」

 

「忘れたの?彼は魔力がない悪魔だと、だから彼の代わりに私があなたの使い魔を補助するの」

 

そういえば、そうだったな。清楚の方は誰だ・・・・・?ああ、ソーナか。

なら、安心した。和樹と龍牙もそれぞれの先輩たちと合流して、どこかへといなくなっていく。

 

「それじゃ、私たちも行きましょう。時間は有限だしね」

 

「そうだな。それじゃ、行こう」

 

図鑑を開いて、出現地へと赴く。お前らも、頼むぞ。

 

『向こうから現れてくるかもしれんがな』

 

まあ、そうだろうけど、よろしく頼む。

 

『任された』

 

内にいるドラゴンたちにも頼みながら、俺たちは森の中を進む。

 

「それでイッセー。あなたはどんな使い魔をする気なの?」

 

「五大龍王ティアマット」

 

「・・・・・あなたらしいわね。ドラゴンを使い魔にしようとする人間はあなたぐらいよ?」

 

「悪魔と堕天使、天使はいないのか?」

 

「一応、いることはいるわ。私たちの時だって、あの龍王を使い魔にしようとした者もいた。

でも、姿を現さなかったり、見つけても一蹴りとばかり、

ブレスを吐いて攻撃してくることが殆どらしいわ」

 

うーん、やっぱりそんな感じか。

 

「サイラオーグたちはどんな使い魔?」

 

「私は蝙蝠よ。サイラオーグは獅子だったわよね?」

 

「ああ、家の中で留守番をしている」

 

獅子が番犬の代わりになっていないか・・・・・?獅子がいる家って絶対に近寄りがたいって。

 

「兵藤一誠。見ていたぞ」

 

「何をだ?」

 

「リアスとライザー・フェニックスの戦いだ」

 

あー、あれか。あいつ、ドラゴン恐怖症とかいう恐怖症になっているとか

サーゼクス・グレモリーから聞いたな。

 

「グレートレッドの力を具現化にした鎧・・・その姿で何時か、

お前と真剣勝負がしてみたいものだ」

 

「案外、すぐだったりするぞ?」

 

「くくくっ、それなら嬉しい事だな」

 

楽しみだとばかり、サイラオーグは笑んだ。リアス・グレモリーは苦笑を浮かべるだけであった。

 

「えーと、この辺りなんだけどな。ティアマットの出現地」

 

湖がある場所まで歩いてきた俺たちだ。時間はそれなりに経っている。

 

「もしも、現れたら用心しなさい?

相手は魔王並みに強いという五大龍王最強のドラゴンなのだから」

 

「そうする。でも、魔王並みってどのぐらいだ実際の実力」

 

サイラオーグとリアス・グレモリーに問うた。俺の問いに二人は―――。

 

「まーた、私を使い魔にしようとバカが来やがったようだな」

 

答えることはできなかった。俺の背後から、女の声が聞こえたからだ。

俺はゆっくりと後ろに振り向く。

 

「んん・・・・・?」

 

そこにいたのは腰まで伸びたロングストレートの青い髪。瞳は金色で、

青を基調とした服を身に纏っている女性がいた。彼女は俺を見るなり、ジロジロと見詰めてきた。

 

「お前・・・・・へぇ、これは珍しい。ドラゴンを宿しているのか。

しかもなんだ、意外な奴らがいるじゃねぇか。ははっ、こいつは面白い」

 

俺に興味を持ったのか、俺から視線を逸らすことはない。

 

「なるほど、今回のバカは一味も二味も違うようだな。私を使い魔にしようというバカは

どいつもこいつも、ちょっと突っついただけで直ぐに逃げやがるばかりだった」

 

「もしかして・・・・・五大龍王のティアマット?」

 

「ああ、『天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)』ティアマット。それが私の名だ」

 

・・・・・最近のドラゴンは人化が流行りなのか?誰だか分らなかったぞ。

 

「お前、名は何だ?」

 

「兵藤一誠だ」

 

「兵藤一誠・・・・・なら、兵藤一誠。お前は私を使い魔にしようとここにきたんだな?」

 

彼女の問いに俺は頷いた。でも、と付け加えて言い続ける。

 

「俺の場合、使い魔と言うよりはお前を俺の家族にしようと思っているけどな」

 

「・・・・・家族・・・・・?」

 

「うん、家族」

 

「・・・・・」

 

ティアマットは俺を凝視してくる。彼女は無言で俺を見続ける。と、思ったら―――。

 

「ははははは!はーっはははははっ!」

 

いきなり腹を抱えて笑い始めた。

 

「ド、ドラゴンの私を、か、家族だなんて・・・・ははははははっ!

は、始めて言われた!や、ヤバい!ツボに入った・・・・・・!あはははははっ!」

 

仕舞にはゴロゴロと地面に転がり始めた。

 

―――数分後。

 

「あー・・・・・あんなに笑ったのはいつ以来だぁ・・・・・?笑い疲れたぜ全く」

 

「・・・・・そこまで笑わなくてもいいじゃないか」

 

大いに笑い続けたティアマットはようやく落ち着いて、口を開いた。

 

「悪い悪い。私を家族にするなんてお前が初めてだったんだ。

私を使い魔にしようとするバカは、私の力だけを目当てでやってくるからさ。

お前が本当に初めてだ。私を家族にしようと笑わした人間は」

 

「それで・・・・・俺の家族になってくれるか?」

 

彼女にストレートで問うた。暗に俺の使い魔になってくれるか?と。

 

「その前に私が質問していいか?もしも、私が断ったらどうする?私以外にもドラゴンがいるけど、

私が断ったらそのドラゴンの所に行って使い魔にするか?」

 

「いや?しないけど」

 

「・・・・・なんだと?」

 

不思議そうに問うてきた。何でって言われてもな・・・・・。ティアマットに図鑑を見せ付ける。

 

「確かにこの図鑑には、ティアマット以外のドラゴンが載っている。

でも、俺はお前を家族にしたいんだ」

 

その理由は、と俺は告げた。

 

「最初に見た時、全身が青く、綺麗なドラゴンだなってティアマットを気に入ったんだ」

 

「・・・・・」

 

「でも、ドラゴンだけ限らず、生物には意志がある。俺は相手の意志に尊重して決める。

だから、ティアマットが嫌なら俺は無理強いしないつもりだ。

逆にティアマットのようなドラゴンがいると知って良かったと思うさ」

 

俺の話しを聞いても彼女は無反応。

まあ、散々ティアマットに強引で使い魔にしようとした奴らもいただろう。

そう思うと、俺も引くべきだろうな。

 

『いいのか?こいつを加えれば、お前はさらに強くなるぞ?』

 

そうだろうけど、俺はドラゴンの力だけ頼って勝つつもりはないよ。

時には肉体のみで勝ってみせる。

 

『・・・・・お前がそう言うのであれば、我は何も言わん』

 

ん、ありがとうな。内の中にいるドラゴンに感謝する。

 

「二人とも、行こう」

 

「・・・・・いいの?もう、二度とこの場所には来れないわよ?」

 

「いいさ。姿を見れただけでもラッキーだ」

 

「・・・・・分かったわ。あなたがそう言うのであれば私たちは従うまでよ」

 

「では、元の場所に帰ろうか」

 

サイラオーグの言葉に頷き―――俺は駆け走った。

 

「って、イッセー!?」

 

「元の場所まで駆けっこだ!いざ、勝負!」

 

「面白い、負けんぞ!」

 

「って、サイラオーグ、あなたまで乗ってどうするのよ!?ああもう、待ちなさい!」

 

俺とサイラオーグ、リアス・グレモリーは元の場所まで走って戻った。順位は秘密だ。

 

―――○●○―――

 

「えっ、見つけたけど使い魔にしなかったの!?」

 

元いた場所に戻って二時間後。殆どの生徒たちは使い魔を得て戻ってきた。

清楚も傍らに大きな馬を引き連れて戻ってきた。名前は騅と名付けたらしい。

 

「ん、そっとしておこうと思って」

 

「そっか・・・・・でも、確かにこの子たちも自由に暮らしていたものよね。

なんだか、今になって申し訳なくなちゃった」

 

「後悔しても後の祭りだぞ。そう思うんなら、幸せにするべきだ」

 

「・・・・・そうだね。半端な気持ちで共に過ごしたらダメだよね」

 

騅の額を擦って、よろしくね?と話しかけた。そんな彼女を見ていると、

チラホラと戻ってくる生徒たち。しばらくして、学校に戻る時間と迫った。

 

「よーし、揃ったかー?今回は使い魔を無事に得たようだな。使い魔は生き物だ。

ちゃんと大切に育ててやれよ。そうすれば、そいつらだってお前らに応えてくれる。いいな?」

 

『はいっ!』

 

「そんじゃ、お前らを学校に転送する!」

 

ザトゥージがそう告げた。この森ともう別れか、あっという間だったな。

 

「(ティアマット、元気でな)」

 

心の中で彼女に別れの挨拶を済ました。―――だが、それは意味をなくさせられた。その理由は―――。

 

ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!

 

突然の咆哮が轟き渡った。ザトゥージを含め、俺たちは何だ!?と辺りを見渡した。

 

『やはり向こうから来たようだな』

 

ガイアは楽しそうに弾んだ声で言った。えっ・・・・・マジで?

 

バサッ!バサッ!バサッ!

 

真上から翼を羽ばたかす音が聞こえた。

その音の発信源を見ようと視線を向けたら・・・・・。全身が青く、綺麗なドラゴンがいた。

 

「なっ、あれは!『天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)』ティアマット!?

どうして、ここに現れるんだぁっ!?」

 

ザトゥージが仰天して腰を抜かした。そう、彼女だ。ティアマットだった。

彼女は地面に着陸すると、俺に顔を近づけてくる。

 

「お前・・・・・別れの挨拶に来たのか?」

 

「違う。お前の質問に答えていないから言いに来た」

 

質問・・・・・?はて、なんだっけ・・・・・?首を傾げると、ティアマットは溜息を吐いた。

 

「もう忘れたのか?お前の家族にならないか?という質問だ」

 

「・・・・・ああ、その質問か。でも、お前は自由に生きるべきだと思う。だから―――」

 

「私の意志に尊重するのだろう?」

 

ティアアットは全身を輝かす。見る見るうちに小さくなって、人の形になった。

 

「お前のことを気に入った。だから、私はお前についていこう」

 

「・・・・・いいのか?」

 

「いいんだ。それに、お前が諦めたところで、その後のバカが私の所にやって来て追い返す日々を

繰り返すだけだ。なら、私が気に入った奴の傍にいれば、退屈な思いはしないだろう」

 

それは・・・・・そうだけど・・・・・。

 

「おい、そこの紅髪の女。契約の準備をしろ」

 

「・・・・・人にこき使われるのが一番嫌いなことなんだけど・・・・・しょうがないわ。

今回だけよ」

 

嫌々と、渋々とリアス・グレモリーは俺とティアマットの間に立って魔方陣を展開した。

 

「拒否するなら今のうちだぞ」

 

「それはお互い様だ」

 

そういえば・・・・・契約ってどうやってするんだ?聞いていないから分からないな。

 

「なあ、どうやって契約するんだ?」

 

「え?ああ、それは―――」

 

リアス・グレモリーが契約の仕方について説明しようと口を開いた。だが、それは叶わなかった。

 

「一番簡単な方法ならこうだ」

 

ガシッ!

 

「え?」

 

「お互いの唇を交わすことだ」

 

―――チュッ。

 

『・・・・・・』

 

空間に亀裂が走ったような感じがした。足元に展開している魔方陣は一層に光り輝き、

俺たちを包む。

 

「「・・・・・」」

 

しばらくして、光が治まると彼女は唇を離した。そして、ニッコリと笑んだ。

 

「ふふっ、これからよろしくな。私の旦那さま♪」

 

彼女がそう言った。―――刹那。

 

『はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!?』

 

驚愕、怒声が交った叫びが轟いたのだった。

 

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