ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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Episode6

 

 

 

「イッセーくんッ!」

 

頬を涙で濡らしながら、彼女は俺に抱きついてきたのだった。

 

「良かった・・・・・っ!生きていたんだね、イッセーくん、生きていたんだね!」

 

「イリナ・・・・・」

 

偶然にも昔の幼馴染と再会した。まさか、あの時の少年が女の子だったなんてビックリしたな。

俺の幼馴染、紫藤イリナの背中に腕を回して安心させるように撫でた。

 

「ごめんな・・・・・本当に・・・・・ごめんな」

 

「イッセーくん・・・・・」

 

俺の胸に押し付けていた顔を上げた。―――涙で顔が濡れた幼馴染。指で優しく涙を拭く。

 

「驚いたよ。まさか、イリナが女の子だったなんて。しかも教会側の人物だなんてな」

 

「驚いたのはこっちの方よ。イッセーくんのご両親が死んで、

イッセーくんまで行方不明になって、しばらく経ったらあなたの話が聞かなくなった。

私自身もあなたが死んだと思った。でも―――!」

 

イリナが俺の腕に回して強く力を籠めだした。

 

「イッセーくんは生きていた!ああ・・・!この瞬間を巡り合わせてくれた主に感謝です!

神よ、ありがとうございます!」

 

・・・・・イリナ。感謝するなら神王じゃなくてヤハウェにしとけ。

感謝してもした気持ちにならんぞ。

 

「あー・・・・・そろそろいいか?感動の再会はまた後程ってことでよ」

 

「あっ、すいません神王さま」

 

「なに、久し振りに会った奴との再会を何度見ても感動するぜ。良いものを見せてもらった」

 

ニカッ!と神王ユーストマが笑みを浮かべた。

魔王フォーベシイもウンウンとユーストマの言葉に同意とばかり頷いていた。

 

「さて、そろそろ話をしたいところだが、最初にお互い名を名乗ってからだな。

お互い、初めて会う者同士として居合わせているんだからよ」

 

「それじゃ、最初は私たちからね」

 

ユーストマの言葉にイリナは、俺から離れて髪に緑色のメッシュを入れた少女の隣に立った。

 

「私の名前は紫藤イリナです。教会はプロテスタント教会に所属していて

イッセーくんとは幼馴染の関係です」

 

イリナが自己紹介を終えると、今度はもう一人の少女が口を開いた。

 

「私の名前はゼノヴィアだ。所属している教会はカトリック教会」

 

青い髪に緑色のメッシュを入れた鋭い目つきの少女が名を名乗った。

俺たちの自己紹介を終えたことを確認したユーストマは席に座るように促され、

ソファーに座った。

 

「んじゃ、本題に入ろうか。紫藤イリナ、ゼノヴィア」

 

「「はい」」

 

「お前たちは俺の娘とまー坊の娘の婚約者である兵藤一誠と共にエクスカリバーの奪還、

最悪の場合、破壊をするんだ」

 

「えっ、イッセーくんが『神にも魔王にも人王にも凡人にもなれる』男だったんですか!?」

 

「・・・・・」

 

驚愕するイリナの言葉に俺は物凄く落ち込んだ。

が、外国まで俺のことが伝わっていただなんて・・・!

 

「不満か?」

 

「いえいえ、ただ純粋に驚いただけなんです。

まさか、幼馴染がシアさまの婚約者だなんて思いもしませんでした・・・・・」

 

「婚約者にされた俺も驚きっぱなしだがな」

 

溜息を吐けばイリナが苦笑を浮かべた。

 

「まあ、今回の事件で一誠殿は役に立つ。

なんせ、一誠殿は子供の頃じゃあはぐれ悪魔と戦って生き延びるほどの実力を持っているんだ。

しかも真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)グレートレッドに鍛えられている。

実力は申し分ないぜ」

 

「「・・・・・」」

 

イリナとゼノヴィアが絶句した。そんで、その表情のまま俺に向けてくる。

 

「イッセーくん・・・・・あなたは行方不明になっている間に何をしていたの?」

 

「次元の狭間に住んでいて、グレートレッドと過ごして鍛えてもらっていた」

 

「それは・・・・・本当なのか?」

 

「神に誓って嘘は言わん」

 

そう言うと二人は顔を見合わせた。それから直ぐに首を縦に振って頷いた。

 

「わかった。そこまで言うなら、真龍に鍛えられたお前の実力を知りたい」

 

「ごめんね。疑うつもりはないけど、イッセーくんもこの件に関わるのなら、

私たちにあなたの強さを知りたいの。

ゼノヴィアの言う通り、あの伝説的なドラゴンに鍛えられているのなら、尚更・・・・・」

 

まあ、それもそうだよな。足手まといだと思われたくないし、

この二人に俺の実力を知ってもらうか。ソファーから立ち上がって二人に促す。

 

「分かった。それじゃ、トレーニングルームに行こう。そこで俺の実力を知ってもらいたい。

イリナとゼノヴィア、俺と勝負だ」

 

俺の発言に二人も立ち上がった。

 

「こちらは聖剣を使わせてもらうがいいかな?」

 

「聖剣?奪われていない方の聖剣か?別に良いけど」

 

「やるからにはイッセーくんが死なない程度に戦うわ。

それでも、いくら幼馴染とはいえ容赦しないよ」

 

「当然だ。全力で来ても構わない」

 

さぁ、聖剣の力とやらを見せてくれ。ゼノヴィアとイリナ。

 

―――トレーニングルーム

 

「へぇ、ここがトレーニングルーム。結構広いね?」

 

「その上、どんな攻撃でも耐えれるから心置きなく戦える」

 

「なるほど、それはいい。手加減なんて小難しいことは嫌いだからね」

 

身に付けていた白いローブを二人は脱ぎ捨て最初から着ていたようで、黒い戦闘服を着込んでいた。

肌の露出があまりない服だった。あれが教会側の戦闘用の制服というのか?

さらにゼノヴィアの片手に持っていた布に巻かれた長い得物。その布が解かれていく。

姿を現したのは一本の長剣だった。

 

「それが、現在のエクスカリバーか?」

 

「ああ、名前は破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)。元々カトリック教会が保管していた聖剣の一つ」

 

「で、私の聖剣はこれ」

 

腕に巻き付けていた腕輪みたいなものがグニャリと動き出す。意志が持っているかのように

イリナの手に一本の刀へと変化した。

 

「『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』。こんな風に形を自由自在にできるから、

持ち運びにすっごく便利なんだから。このようにエクスカリバーはそれぞれ特殊な力を

有しているの。こちらはプロテスタント側が管理しているわ」

 

ふむ・・・・・じゃあ、ゼノヴィアの聖剣は破壊に特化した聖剣ということか。

 

「―――禁手(バランス・ブレイカー)

 

バサッ!

 

背中に金色の六対十二枚の翼が生えた。

さらに、外見から見れば俺の髪は金色の髪に変貌して腰まで伸び、頭上に金色の輪、

瞳が蒼と翡翠のオッドアイになっただろう。と、力を解放した俺の姿に

「―――天使!?」とイリナが目を丸くして驚愕した。説明でもするか。

 

神滅具(ロンギヌス)の一つ、神愛護珠(ゴッド・ラブ・ディフェンス)禁手(バランス・ブレイカー)

熾天使変化(セラフ・プロモーション)』だ。普段は翼だけ展開しているけど、

相手は聖剣の使い手だ。―――少し本気を出させてもらうぞ」

 

神滅具(ロンギヌス)をイッセーくんが所有していただなんて・・・・・というか、

一つって言わなかった?」

 

「俺、神滅具(ロンギヌス)を四つ所有している」

 

「「んなっ!?」」

 

「―――さて、いくぞ」

 

足に力を籠めて、一気に二人の懐へと飛び込んだ。

一対の翼を刀状に変化させて二人の体を切り刻まんとばかり振るった。

 

ガキキィィィンッ!

 

二人が咄嗟に聖剣を盾にして防ぎきった。聖剣と翼が直撃して火花を散らす。

 

「重・・・・・っ!」

 

「今度は二対だ」

 

四枚の翼でイリナとゼノヴィアに斬りかかった。

二人は聖剣で対応するが、防戦一方で攻撃する暇がない状態に。

 

「コカビエルの強さはよくわからないけど、俺をコカビエルだと思って戦ってみたらどうだ?

今度は三対」

 

「くっ・・・・・!」

 

ゼノヴィアが苦し紛れに聖剣を俺の翼に振った。―――刹那。

俺の翼が強い衝撃によって地面に叩きつけられた。しかも、クレーターができているし!

 

「翼が斬れないのか。かなり頑丈なんだな」

 

「俺の翼をそこまでしたのはお前で三人目だ」

 

「ほう?一人はグレートレッドだとして、もう一人は誰なんだ?」

 

興味深そうに訊いてくるゼノヴィアだが―――教えるか。

 

「俺の体に傷を付けたら教えてやるよ。―――四対だ」

 

バサァッ!

 

潰された三枚の翼も動かして計四枚の翼が四方からゼノヴィアを襲う。一方のイリナは、

 

「あうっ!」

 

翼に拘束されて身動きが取れなくなっていた。まあ、そうしたんだけどな。

 

「イリナ、その聖剣を貸してくれ」

 

「へっ?」

 

唖然としている余所の彼女から、聖剣を翼で取った。確か、自由自在に変化できるんだったな?

 

「あの、イッセーくん。聖剣の適正と適応がないと能力が使えないよ?」

 

「ん?そうなのか?でも・・・・・」

 

イリナの聖剣に対し、心の中で大剣になれと思ったら―――。

 

「俺でも使えるようだけど?」

 

俺の手の中で刀だった聖剣が大剣に成った。

 

「嘘・・・・・」

 

「まさか、兵藤一誠が聖剣の適性を持っていただなんてね。驚いたよ」

 

イリナが絶句し、ゼノヴィアが不敵に笑みを浮かべた。金色の翼を戻して大剣を構える。

 

「聖剣って誰でも使える代物じゃないのか?」

 

「ああ、適正と適応がないと扱えないんだ。私とイリナは適性があり神の祝福を得て、

晴れて聖剣を使えた。まあ、私は天然だったようだけどね。

キミも数少ない天然の聖剣の使い手といったか。

いや、大天使に成れるキミだからこそ当然の結果なのだろうかな?」

 

そう言われてもな・・・・・。俺自身、よく分からないぞ。

 

「まあ、聖剣が使えようが使えまいが俺には関係ないことだ。

ゼノヴィア、聖剣同士で勝負といこうじゃないか」

 

「面白い、私の聖剣とイリナの聖剣。どっちが強いか使い手の技量によって

勝敗が決まるというものだ」

 

「俺って剣術がまだまだだからよろしくな。負ける気はないけど、な!」

 

聖剣の刀身を鞭のように伸ばした。ゼノヴィアは伸びる刀身を弾き、接近する。

 

「よっと」

 

弾かれた刀身を蛇のようにどくろ巻いて、背後からゼノヴィアを襲う。

だが、彼女はそれを察知して体勢を低くしてそのまま―――。

 

「せーの!」

 

「っ!?」

 

聖剣をバッドのように形を変えて、ボールを打つ感じで迫るゼノヴィアに振るった。

そんな俺の行動に彼女は聖剣を前に出して防ごうとした。しかし、ゼノヴィアは、

 

カキーンッ!

 

俺の一撃で後方に吹っ飛んだ。んで、すかさず、吹っ飛んだ彼女に瞬時で近づいては、

聖剣を枝分かれしてゼノヴィアの四肢に纏わりつき、拘束して首元に鋭い聖剣の刃を突き付けた。

 

「チェックメイト」

 

背後から降参しろと暗に言った。そして、彼女は―――、

 

「・・・・・降参だ」

 

自分の敗北を認めたのだった。

 

 

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