ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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停止教室のヴァンパイア
Episode1


「紫藤イリナです!私は親の都合でしばらくイギリスに住んでいましたが、

久し振りにこの日本に戻った帰国女子なので、勝手が分からないことがあるかも知れません。

皆さん、その時はご迷惑をおかけすると思いますがよろしくお願いします」

 

「ゼノヴィアだ。イリナの友達だ。よろしく頼む」

 

―――と、二年F組にゼノヴィアと幼馴染の紫藤イリナが編入してきました。

転校や編入してきた生徒は必然的にこのクラスに所属するようだから、

不思議じゃないが・・・・・。

 

「よーし、一限目はこの二人と交流を深めるために自習とする!

お前ら、根掘り葉掘り何でも聞きだしてやれ!」

 

『いやっほぉぉぉぉぉう!』

 

このクラスの最初の難関が二人を襲った―――。

 

「と、言いたいところだが」

 

ピタッ。

 

ん?どうしたんだ?教師が俺たちの顔を見渡して口を開いた。

 

「そろそろ夏休みだ。だが、夏休みの前にお前たち生徒がするべき行事がある。

―――期末試験だ」

 

『・・・・・』

 

あー、もうそんな時期なんだ?Fになるように片方だけ0点になればいいんだよな。

 

「目前に迫った期末試験の時間割を発表する」

 

教師の言葉にクラスメートの反応は。

 

『まあ、ペーパーテストだけは余裕だから、問題ない』

 

・・・・・完全に頭脳派の言い方だった。テストの成績はSクラスには劣らないようだが、

体力の方だと他のクラスには劣るようだ。いや、比べる相手が悪過ぎるからか?

教師はそんな態度のクラスメートに苦笑を浮かべた。

 

「お前ら、もう少しやる気を出せって。総合で百一点でも出せばDクラスなんだぞ?

テストだけ良い成績でどうするんだよ?」

 

『いやー、社会に出る時に恥ずかしくないよう必要な知識が得れば十分なので』

 

ダメだ・・・・・ここは頭脳派しかいない!間違ってはいないけどさ!

 

「「・・・・・」」

 

だが、帰国女子のイリナと外国育ちのゼノヴィアにとって最悪なタイミングで編入してきた。

ので、二人にとって崖っぷちに立たされた状態に違いない。

 

「三つの教科を赤点になった奴は夏休みの殆どが補習だからな。

お前ら、テストができるからと言って、油断すんじゃないぞ」

 

『了解でございます!大佐!』

 

「誰が大佐だ!・・・そんじゃ、自習だ」

 

教師は教室から去った。ストッパーともいえる存在がいなくなれば・・・狼の群れに放り込まれた

羊当然だったイリナとゼノヴィア。

 

―――数十分後。

 

「つ、疲れた・・・・・」

 

「質問攻めとは酷く疲れるものなのだな・・・・・」

 

グテー、と自分の机に突っ伏す二人だった。お疲れさま、そしてその気持ちは痛いほど分かるぞ。

 

「はい、元気ドリンクですよ」

 

「「ありがとう」」

 

龍牙に受け渡された小瓶を受け取って、飲む二人の様子を見て俺は疑問をぶつけた。

 

「そう言えば龍牙。『九十九屋』ってなんだ?」

 

「えっ?ああ・・・簡単に言えば何でも屋ですよ。小さいことから大きいことまで、

更には汚れ仕事や暗殺。払う金額によって九十九屋は動きます。

僕の兄がその店長の立場にいるんです」

 

「ふーん、有名なのか?」

 

「普通にネットに載っていますよ?まあ、知名度はあるほうです」

 

ネ、ネットに・・・・・・?秘密組織とかそういうもんじゃないのか?うーん、わからないな。

 

「一誠さんもどうぞご利用くださいね。何でも請け負うので」

 

「うん・・・・・考えておく」

 

九十九屋・・・・・か。いざって時に頼るとするか。

 

「・・・・・」

 

視界の端にジッと期末試験の時間割を見詰めるカリンの姿が写り込んだ。

そういえば、あいつはどうするんだ?気になり話しかけてみる。

 

「カリン」

 

「どうした?」

 

「いや、お前はどうするんだ?期末試験の結果によってクラスが変わるんだろう?」

 

「ああ・・・そうなんだ。何時も通りに受ければSクラスに戻れるのだが・・・・・」

 

珍しく言葉を濁らすカリンだった。首を傾げて「どうした?」と尋ねたら、

 

「このクラスに転属してからというものの、ゆとりができて居心地が好いんだ。

Sクラスは休み時間でも気を引き締まった空間で支配しているからな、互いが互いに競争相手と

認識して簡単に自分の弱みを見せない」

 

「うん、あの空気は嫌だね」

 

和樹が話に加わってきた。

 

「それにカリンちゃん、Sに戻っても多分同じだと思うよ?」

 

「それはどうしてだ?」

 

「だって、僕たちF組がまたS組と体育の授業を受けて勝利したら

カリンちゃんを引き抜くからね」

 

うーん、それもそうだな。体育の授業でぶつかれば、どっちにしろ同じだな。

和樹の話しを聞いて俺もそう思う。

 

「まっ、カリンちゃん次第だよ。このクラスに残るかSに戻るか。ねっ、一誠」

 

「個人的に言えば、Sに戻ったら戻ったらで寂しいがな。

せっかくカリンという友達ができたのにいなくなるなんてさ」

 

「・・・・・そうなのか?」

 

「ああ、そうさ」

 

肯定と頷く。他意はない。純粋な気持ちだ。友達がいなくなるなんて寂しい。

 

「結局、和樹の言う通りカリン次第になるがな」

 

無理強いはできない。相手の意志に尊重する。

 

「うん・・・・・わかった。ちょっと楽になった気がする」

 

カリンが薄く笑んだ。・・・・・そうだ。

 

「なあ、皆で期末に向けて勉強しないか?」

 

「勉強会?」

 

「うん、イリナとゼノヴィアの勉強を見るためにも決まった教科を勉強しよう」

 

「分からないところがあれば、聞けばいいしね」

 

「・・・・・そうだな。それじゃ、皆にも声を掛けて誘おう。それと勉強会は休日で?」

 

皆が集まる日はその日ぐらいしか無いだろう。彼女の問いに首を縦に振って頷く。

 

「そうだな。それにする場所は俺の家でいいか?」

 

「うん、いいよ」

 

「ああ、私も構わない」

 

決まりだ。他の奴らにも声を掛けようと足を動かした。

 

「清楚、ちょっといいか―――」

 

―――○●○―――

 

―――昼休み

 

「どこだぁー!兵藤一誠ぃっ!」

 

「くそ、こっちに逃げたハズなのに・・・・・!」

 

「探せー!色魔兵藤一誠に天誅するのじゃー!」

 

ドドドドドドドドドドドド・・・・・・ッ!

 

「・・・・・」

 

いなくなったか。

 

柱の影から姿を現す。まったく、昼の時ぐらいゆっくりさせてくれよ。

 

「・・・・・初めてだが、学食で食うか」

 

丁度今いる場所は学生が昼食を食べにくる食堂だ。

手には弁当が持っているからどこかの席でも―――。

と食堂を見渡せば、空いているようにも見える席に荷物が置かれていたりする。

 

あまり騒がしい席も座りたくはない・・・・・と探していると、

四人席に一人だけ座っているテーブルを見つけた。

 

「すみません。この席いいですか?」

 

座っている女子生徒の体面に弁当箱を置いて聞いてみ金色の髪に、紫の瞳の女子生徒。

 

「はい、どうぞ。私はもうすこしで席を立ちますから」

 

落ち着いた受け答えをして、にっこりと微笑む。こんな綺麗な人、この学園にいたか?

 

「・・・・・どうかなさいましたか?」

 

「・・・・・いや、なんでもない」

 

綺麗と一言で言っても色んな種類がある。

この女子生徒のは、俺が知ってる種類の「綺麗」とはまたなにか違う。

周囲に流れる時間を、優雅なものに変えてしまう。少し言葉を交わしただけで、

そんな感覚を覚えた。

 

「そうですか。何か学食に関してご要望があれば、生徒会にご一報くださいね。

すぐに対処を・・・・・」

 

生徒会?ソーナ・シトリーの眷属か?でも、こんな女子生徒がいるとは

聞いていないんだが・・・。と俺がぼんやりそんな事を考えていたら、彼女はそう言いながら、

俺の顔を真正面に捉えた。すると彼女の表情に変化が・・・・・。

 

「・・・・・そんなはずは・・・・・いえ、でも私の記憶が正確なら・・・・・」

 

「ん?」

 

整った美貌に、漠然とした疑問が浮かんでいる。彼女は目を見開いて、

少し首を傾げて俺の顔をいろんな角度から眺める。

 

「これほど記憶と一致しているのに、

偶然なんて・・・・・い、いえ・・・・・まだ決めつけるのは尚更ですね」

 

彼女は一人でを問答しながらも、俺から目を逸らさない。

 

「あ、あの・・・・・不躾な質問ですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

 

いよいよ彼女は瞬きもせず、怖々という感じで尋ねてくる。

 

「兵藤一誠だけど」

 

「ひょうどう・・・・いっせい。ひょう・・・・・兵藤・・・・・い、いえ。

漢字が違うかもしれません、きっとそうです」

 

ブツブツと呟けば尋ねるように訊いてくる女子生徒。

 

「兵は兵士の兵、藤は藤木の藤、一は数字の一、誠は誠実の誠・・・・という漢字でしょうか?」

 

そんな風に確認されたことは一度もない。兵藤の名前なんてありふれた名前だと

思うし・・・・・しかしさっきから、彼女の様子が思いきりおかしい。

 

「漢字も合っている。兵藤一誠はこの学園に一人しかいないぞ」

 

「・・・・・この学園に、ひとり・・・・・」

 

彼女はそこで、実に久し振りの瞬きをした。

次の瞬間、唇がフルフルと震え始め・・・・・そして、

 

「本物・・・・・なのですか・・・・っ!?」

 

「ぐっ・・・・・!?」

 

その言い方は・・・・・魔王にも神王にも人王にも凡人にもなれる男だと言いたいのか・・・!?

 

「言いたいことは分かる、だけど・・・・・っ」

 

「あ・・・・・う・・・・・・」

 

さっきまで落ち着いた応対をしていたのに、彼女は突如として酷く動揺し始めた。

前髪で表情を隠そうとするが、明らかに顔が赤い。

 

「・・・・・俺に何か?」

 

「・・・・・な、何かと・・・・・」

 

ぱくぱくと音を出さずに口を動かす。まともに話せていないことに気付き、

彼女は自分を落ち着かせるように胸に手を当てた。

 

「わ・・・・・私のことはどうかお気になさらず・・・・・

この場の空気と思っていただいて・・・・・」

 

「というか、生徒会の人だと言うならソーナ・シトリーのことを知っているよな?

てか、そんな反応を見て、気にするなって言うのは無理だって」

 

「で、では・・・・・私はもう食事をすみましたので、退席します。

ということでよろしいですか」

 

「いや、あの?人の話しを―――」

 

と口を開いたその瞬間だった。

 

「そこかぁ!兵藤一誠ぃっ!」

 

嫉妬集団に見つかってしまった!ちっ、まだ諦めていなかったか!

 

「―――悪いが、一緒に来てもらうぞ」

 

バサッ!

 

「へ・・・・・?」

 

「どうやら、彼女と知り合いらしいしお前をつれて行けば分かるだろう」

 

謎の女子生徒を―――青白い翼で包んで拘束する。そして嫉妬集団が迫ってくる中、

彼女のトレイを手にして食堂のおばさんに渡して、

 

「外から行くとしよ」

 

壁に向かって駈け出す。

 

「ま、待って下さい!そこは壁―――!」

 

「待てと言われて待った、その数秒が戦況を左右することもままあるんだけど?」

 

「で、ですが―――!」

 

「まあ、ぶつからないって」

 

そう言い合いながら壁に向かって走ると、壁の表面に暗い穴が生じた。

その穴に潜るように飛びこんで―――学校の外に出た。

 

「・・・・・な・・・・・」

 

「なっ?」

 

ぶつかるはずの壁をすり抜けて外に出た。そんな有り得ない光景に女子生徒は目を見開いた。

さてと、屋上に向かうか。青白い翼を羽ばたかせて一気に屋上へと移動した。

 

バサッ!

 

「到着」

 

「あっ、一誠・・・・・と、誰?」

 

「さぁ?ソーナ・シトリーの知り合いっぽかったから連れてきたんだけど」

 

出迎えの言葉を放ってくれた和樹が、翼に包まれている女子生徒に目を向けて疑問を浮かべた。

 

「おや・・・瑠璃ではないですか」

 

やっぱり知っていたか、ソーナ・シトリーが女子生徒の名を呟いた。

 

「あっ、瑠璃さん」

 

「シア、知っている人なのか?」

 

「お父さんから聞いたっす。私の護衛の人だよ」

 

「ああ、彼女がシアの護衛の人だったのか」

 

瑠璃と呼ばれた女子生徒を見れば、顔を真っ赤にして俯かせていた。

 

「あうあうあうあう・・・・・・」

 

「・・・・・なに、この可愛い生物・・・・・」

 

頭を撫でたくなる衝動が・・・・・手を震わせていると、

ソーナ・シトリーが苦笑いを浮かべていた。

 

「彼女は人付き合いが苦手でなんですよ」

 

「はっ?そうなのか?」

 

「ええ、それと彼女の正式名称は瑠璃=マツリといいます。クラスは三年A組です。

しかし、良く彼女を見つけましたね?」

 

「食堂で会った。何か知んないけど、生徒会のメンバーだって言うから

ソーナ・シトリーの眷属悪魔かと思ったぞ」

 

そんな俺の発言に首を横に振ったソーナ・シトリー。

 

「彼女は天使です。ですので、悪魔ではありませんよ」

 

「なるほどね。しかし、ある意味デイジーと似ているな。人付き合いが苦手なところが」

 

「い、今は皆さんとお付き合いしているおかげで、

少ないですが何人かクラスメートとお話もできるようになったので大丈夫です!」

 

「おっ、そうなんだ?進歩しているんだな偉いぞ」

 

翼で離れたところにいるデイジーの頭を撫でた。

 

「ねぇ、まだその翼の色が元に戻らないの?」

 

「ああ、定着してしまったみたいだ。だから、ほら」

 

髪が腰まで伸び青白くなり、瞳が金色に変化した。

 

「前の禁手(バランス・ブレイカー)状態にはなれなくなっている」

 

「・・・・・神滅具(ロンギヌス)にバグが発生したとでもいうのかしら」

 

「能力は変わっていない。ただ、威力が増加しているようだ。特に浄化の方が」

 

浄化・・・・・?とリアス・グレモリーが尋ねてきた。

 

「どういうこと?」

 

「この状態の能力の一つ、浄化はけがれたものを清浄にする力だったんだけど、

どうやら相手の心まで浄化してしまうようだ」

 

「つまり、悪の心を持った人間がまるで更生したかのように、

綺麗な心を持って優しくなるってこと?」

 

「まあ、そんなところだ。だけど、コカビエルのような奴だと効かない。

知らないまま浄化の効果を相乗した力で攻撃していたんだけど、あの事件の後、

冥界でこの姿で色々と試したら理解した」

 

バンッ!

 

『兵藤一誠、覚悟ぉ!』

 

「いいところに実験台が現れたな」

 

屋上に現れた嫉妬集団の一部。翼を動かして嫉妬集団を拘束した。

 

「浄化」

 

カッ!

 

青白い翼が閃光を放った。それは一瞬で直ぐに光は消失する。

 

『・・・・・』

 

皆が見守る最中、拘束している翼を解いて嫉妬集団を解放すると。

 

「あっ、すみません。お騒がせしました」

 

「ご迷惑をおかけしました!」

 

「兵藤一誠くん、今まですまなかった。もうキミには迷惑を掛けないよ」

 

『―――――っ!?』

 

あの嫉妬集団が言う言葉とは思えないほどの謝罪だった。

謝罪した三人を筆頭に他の嫉妬集団は一言謝ってから屋上から姿を消していく。

 

「と、まぁこんな感じだ」

 

『・・・・・』

 

唖然としている皆に話しかけると、カリンが徐に立ち上がった。

 

「イッセー、どの力ってどんな奴にも効くのか?」

 

「まだ分からない。人間に浄化の能力を使ったのは今ので初めてだ。

悪魔にやったらどうなるか・・・」

 

悪魔であるリアス・グレモリー、ソーナ・シトリー、ネリネ、リコリスを一瞥する。

 

「試してみないと分からないな。

最悪、本当の意味で浄化しちゃうかもしれないけど・・・実験台になってくれる?」

 

「嫌よ!?」

 

一刀両断とばかり直ぐに拒否された。うん、当然の反応だ。

 

「冗談だ。さて、瑠璃先輩?」

 

「な、なんでしょうか・・・・・それよりも、解放して欲しいです・・・・・・」

 

「シアの護衛ってアンタだったのか?」

 

「そ、その通りですけどそれがなにか・・・・・・」

 

「なら、今後シアの傍にいるためにも屋上で一緒に食べないか?」

 

そう提案をして尋ねる。と、彼女は目を丸くして首を横に振った。

 

「シ、シアさまの護衛をする者としてそんなことできません。

影ながらシアさまを守るのが私の務め・・・」

 

「うーん、私的にはイッセーくんの提案に賛成なんだけどねー。

ということで、瑠璃さん。私と一緒に食べるっす♪」

 

「シアさま!?そんな、殺生な・・・・・!」

 

「ダーメ♪もう決めたことですからね。

ちゃんと来てくれないとイッセーくんに迎えに行ってもらうっす」

 

満面の笑みを浮かべるリシアンサス。対する瑠璃=マツリは、

「ぅぅぅ・・・・・」と断わることができないのか、否定する仕草をしなかった。

 

―――○●○―――

 

―――放課後―――

 

 

午後の授業は全て終わり、俺たちは家に帰るため町中に歩を進めていた。

 

「えーと、一日目の期末試験の教科は・・・・・現代文と世界史、数学・・・・・か」

 

「現代文と世界史・・・・・」

 

「シア、苦手な教科か?」

 

「覚えるのが一杯で大変っす・・・・・」

 

苦笑いを浮かべるリシアンサス。

イリナもゼノヴィアももうすぐ期末試験というところに編入したせいで、大慌てだ。

 

「うう・・・編入していきなり期末なんて・・・・・」

 

「主よ・・・・・これも試練なのですか?突然の極東の地に住むことになった

我らに対する試練なのですか・・・・・」

 

いや、ゼノヴィア。そうヤハウェに問うても現実は残酷だから・・・・・。

 

「俺も世界史は微妙だ。色々と覚えることが多いし、理解しながら暗記しないといけない」

 

「ここに同士がいたっす!」

 

急に握り拳を作ったリシアンサス。

 

「今日は近所同士の勉強会でもするか。ネリネ、リコリス、シア、いいか?」

 

「はい、私は構いませんよ」

 

「うん、大賛成!」

 

「私の夏休みが懸っているから是が非でも補習から免れたいっす!」

 

と、冥界と天界のプリンセスが賛成した。

というか、リシアンサスの場合は補習を受けるなんてことがあったら、

天界のプリンセスとして致命的なイメージダウンに繋がる。

ヤハウェもそんなことは望んでいないはずだ。

 

「(なんとしてでも、シアを赤点を二つまで留めさせなければ・・・・・!)」

 

神王が面倒なことを起こさないとは限らない。親バカな神王ならば・・・・・。

 

『シアが夏休み中ずっと補習とやらで学校に閉じ込められるだとぉ!?

これは天界への、俺への対する挑戦だと思ってもいいんだぁ!?

こうなったら、俺が直々シアを不幸に陥れる学校を―――!』

 

「(やばい・・・違和感が全くないどころか、現実になりかねないぞ・・・!?)―――シア」

 

「はい?」

 

「お前を何がなんでも補習なんかさせないからな。だから一緒に頑張ろう」

 

「イッセーくん・・・・・うん」

 

・・・?なぜ顔を赤くする?しおらしくなったリシアンサスに少し首を傾げて怪訝になった。

 

「私も頭が悪かったら・・・・・」

 

「羨ましいですシアちゃん・・・・・」

 

ネリネとリコリスが羨望の眼差しを向けてくる?

 

「それじゃあ、家に戻ったら―――」

 

歩道を渡って公園を通り過ぎようとしていた。

 

『待て、兵藤一誠』

 

が、俺は内にいるドラゴンに呼び止められ、足を停めた。

だから皆は俺を不思議そうに視線を向けてくる。

 

「どうしたの?」

 

「いや、俺の中にいるドラゴンに呼ばれた」

 

で、なんだよ?

 

『近くにとんでもない龍の波動を感じる。すぐ傍だ』

 

とんでもない龍の波動・・・・・?辺りを見渡しても誰もいない。

 

『―――いや、まさかな』

 

苦笑したような声音を吐くクロウ・クルワッハ。なんだ?

 

『お前はよほどドラゴンに好かれるタイプのようだな』

 

はっ?いきなり何を言って・・・・・。

 

『来たぞ―――』

 

―――――っ!?

 

ここに来てやっと不気味な気配を感じた。―――俺の肩に確かな重みを感じた。

俺はあまりにも突然なことで、体を硬直させた。

 

「イ、イッセーくん・・・・・っ」

 

イリナが驚いた表情で俺を見詰める。他の皆も驚愕の色を浮かばせている。

 

「見つけた」

 

肩から声が聞こえた。少女の声だ。

 

「っ―――!?」

 

「邪龍と知らない龍を宿す者。我の手伝いをする」

 

この、絶対的な力・・・・・この瞬間でも俺の命を奪えることが造作もないと、

思えさせる圧倒的な力。ダメだ、とてもじゃないが俺でも歯牙にも掛けれないぞ・・・・・。

 

「・・・・・お前、誰だ?」

 

尻目で見ても膝しか見えない。後頭部から感じる温もりは生きている証拠を感じさせてくれる。

だから問うた。お前は誰なんだと。

名を尋ねられた少女は―――小さく笑んだように俺には思えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我、『無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)』オーフィス」

 

 

 

 

 

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