ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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Episode3

 

休日の日、以前決めた期末試験に向けて清楚と和樹、カリンと龍牙を家に招いてリシアンサスと

ネリネ、リコリス、イリナとゼノヴィアと俺とリーラのメンバーで教科書を開き勉強会を開始した。

 

「なあ、これをどう解けばいい?」

 

「うーん、信長って誰よ?―――六天魔王?このヒト魔王なの?」

 

「・・・・・ダメ、全然分かんないっす」

 

案の定、四苦八苦しているメンバーが現れた。教われる側と教える側がハッキリと別れ、

俺たちは環境が整った場所で勉強会をするのだった。

日本語があまり読めないゼノヴィアに至っては、リーラがワンツーマンで教えている。

 

「期末に出そうな問題はどこなんだかな。そこを集中してやればいいんだけど」

 

「そうだね。記憶力が良い方じゃないと直ぐに覚えたことが忘れちゃうし」

 

「戦闘能力と運動能力もあるので、そちらのほうも―――って、

僕たちがする意味なんてないですね」

 

「「そうだな(ね)」」

 

龍牙の発言に俺と和樹は異口同音で同意する。全校生徒で上位は硬いだろう俺たちの戦闘能力。

いまさら鍛えたところで意味がない過ぎるほど問題が無いんだ。

俺たちはテストに集中をすれば大丈夫だ。

 

「ところで・・・・・重くないんですか?」

 

「気にしたら負けだ」

 

「さいですか・・・・・」

 

俺を見て発現する龍牙の理由、

 

「・・・・・」

 

無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)』オーフィスが肩に乗っかっているからだ。

それに、俺の太腿に銀色の毛並みの猫が陣取っている。

 

「だけど、あの最強のドラゴンがこの家にいるなんて驚いたよ」

 

「ええ、ファフニールが突然反応したのでどうしたのかと思いました。

一体どこでオーフィスと出会ったのですか?」

 

「学校の帰りに出会った。話を聞けば、俺の両親と知り合いだったからこの家に住ませたんだよ」

 

「そうなんだ?」

 

首を少しだけ傾げる和樹だった。本当は他にもあるんだけど、言わない方がいいだろう。

 

「・・・・・あ、そう言えば」

 

「どうしました?」

 

「この時期って他の行事と重なるんだったね」

 

「ええ・・・・・ああ・・・・・確か、期末試験の他にも・・・・・」

 

和樹と龍牙が何か思い出したかのように呟き始めた。しかも思いつめた表情だ。

 

「なにかあるの?」

 

「はい、期末試験の他にも一緒に行う行事があるんです。―――授業参観です」

 

「「「・・・・・」」」

 

それを聞いてリシアンサスとネリネ、リコリスが一瞬だけ時が停まったかのように固まった。

 

「じゅ、授業参観・・・・・」

 

「絶対に、お父さんが喜んできそうだよ」

 

「は、恥ずかしいです・・・・・」

 

神王と魔王・・・・・あの親バカの二人なら仕事を放り出して駆けつけて、

三人を盛大に応援しそうだな。

 

「・・・・・」

 

カリンに至っては、小刻みに体を震わしている。って震えている?

 

「おい、どうした。体が震えているぞ」

 

「・・・・・私の両親が、母が来る・・・・・」

 

「・・・・・」

 

どんな人なのか知らないが、あのカリンが震えるほどだ。俺は応援しかできない。

頑張れ、カリン!

 

「両親が来るとなると・・・和樹、お前の家族も来るのか」

 

「伝えなくても向こうから現れてくるほどだからね。

というか、伝えないと後が怖いから・・・・・」

 

和樹の額に薄らと冷や汗が・・・・・な、なにが和樹の身に遭うんだ・・・・・?

 

「僕も兄か同僚の人が来るので・・・きっと騒がしい授業参観になるかと」

 

『九十九屋』の人たちか。どんな人なのか会ってみたいもんだ。

 

「清楚の方は?」

 

「私は来ないかも。両親は海外で出張だからさ」

 

「葉桜さんの両親って海外に働いているんだ?」

 

「初めて知りました。生活費の方は送られるので?」

 

「うん、だから奨学金と合わせて学校に通ってるの」

 

海外で働くほどだから有能な両親なんだろう。凄い親のもとで生まれたんだな。清楚、

 

「じゃあ、一人で家事炊事洗濯しているんですか、大変ですね」

 

「もう慣れたから平気だよ」

 

微笑む清楚。一人暮らしか・・・・・和樹はともかく、龍牙はどうなんだろう?

 

「龍牙、お前は一人暮らしなのか?」

 

「えっ?ええ、まあそうですね。兄たちと別れて一人で暮らしていますし」

 

「男一匹一人暮らしか。お前も大変そうだな」

 

「ははは、慣れって怖いものですよ。ちょっと一人で食べる食事は寂しさを感じますが」

 

「あっ、私もそうかな」

 

二人が同じ気持ちを抱いていたようだ。俺もリーラがいなければ、

一人で食べていたかも知れない。父さんと母さんが時々いなくなることがあったしな・・・・・。

 

「では、清楚さまと龍牙さま。この家に住んでみませんか?」

 

「「「はい?」」」

 

突然の提案を問うたリーラに、清楚と龍牙だけじゃなく俺も唖然となった。

 

「御二方は一誠さまのご友人ですし、一人暮らしに寂しさを感じるのならば、

この家に住む方がよろしいかと私は思います。

この家には空き部屋が多いのでお二方が住んでも十分足ります」

 

「えっと・・・・・本気で言っているんですか?」

 

「私は冗談を言えませんので。ご決断はお二方に委ねます」

 

「・・・・・一誠さん、あなたはどうなんですか?」

 

え?うーん・・・・・急に話を振られてもな。

 

「まあ、別に構わないけど?確かに空き部屋が多くあるし、何時までも未使用のままだと

創造した意味がない。だけど、リーラはいいのか?仕事が増えるぞ?」

 

「私はメイドです。どんな仕事でもメイドとして務めを果たすまでです」

 

「わあ、凄い。お母さんが聞いたら感動しそうだよ」

 

リコリスが感嘆を漏らす。メイドのリーラに感動って・・・・・なぜ?

 

「・・・じゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます」

 

恐縮とばかり彼女の提案に快諾した。龍牙が一緒に住むことになるとはな。

 

「清楚さま、あなたはどうでしょうか?」

 

「えっと・・・・・リーラさんと一誠くんが迷惑じゃないかな・・・・・」

 

「何時も迷惑なのは嫉妬集団の方だ。清楚を迷惑だなんて一度も考えたことはないぞ」

 

「はい、私もそう思っております。なにより・・・・・」

 

徐に清楚の耳元で声を殺して口を動かすリーラ。次第に、清楚の顔に朱が染まる。

 

「あうあうあう・・・・・」

 

「清楚さま、返事をお聞かせ願います」

 

・・・・・何だろう、清楚が可愛いぞ。頭を撫でたくなる。いや、ここは銀華を撫でよう。

 

「・・・・・わ、私も・・・この家に住みます・・・・・」

 

彼女もこの家に住むことになった。

 

「かしこまりました。では、休憩を兼ねてお二方の部屋を案内しましょう」

 

「あっ、僕もいいですか?」

 

「和樹?お前もか?」

 

「うん、僕の家にもメイドが一人いるからリーラさんに手伝ってもらう。それに―――」

 

リーラの全身に視線を送りだした和樹。一拍して、

 

「同じメイド服を着ているから、顔見知りなんじゃないかなって思うんだよね」

 

「同じメイド服?」

 

「うん、最初に彼女のメイド服を見て、僕の家にいるメイドが着てる服と同じだなぁーって

思ったんだ。その制服って上級家政学校から支給されている服だと彼女から

聞いたことがあるんだよね」

 

上級家政学校・・・・・?一度聞いた事があるな。昔リーラから。リーラに振り向けば、

彼女は珍しく目を見開いていた。

 

「・・・・・和樹さま、あなたに仕えているメイドの名前は?」

 

「シンシア・フロスト。知っていますか?」

 

「・・・・・」

 

リーラが天井を見上げた。珍しい光景だった。この瞬間を俺は覚え続けるだろう。

 

「ええ、元同級生です。まさか、彼女が和樹さまのメイドとは・・・・・」

 

「彼女のメイドとしてのスキルはリーラさんの足を引っ張らないかと思いますが・・・・・」

 

「寧ろ、メイドに銃を持たせるようなほど頼もしさです。

彼女の上級家政学校の成績は申し分ないほど。文句など何一つございません」

 

「じゃあ、僕と彼女をこの家に住んでもいいかな?」

 

「勿論です。和樹さまは一誠さまは深い関係の方。共にいる方が自然というものです」

 

俺と和樹は深い関係。・・・・・リーラ、お前は知っていたんだな。兵藤家のことを・・・・・。

 

バンッ!

 

『っ!?』

 

「一誠殿ぉっ!」

 

部屋に現れ、俺に突っ込んでくる和服の男。

神王ユーストマ。なんだ、あの焦りと怒りが混ざった顔は―――!

 

「一誠殿!一誠殿ぉっ!大変だぁっ!」

 

何が大変なんだよ!?オーフィスが危険を察知したのか

俺の肩から降りたと同時にユーストマが俺の肩に手を置いた。

 

「一体、何事だよ・・・・・?」

 

「何事もクソもねぇ!一誠殿、試験で赤点とかいうのを取ったら

夏休みが丸ごと無くなっちまうってのは本当なのか!?」

 

「はぁ?」

 

何言っているんだ、この神王はと思っている最中、ユーストマは切羽詰まった表情で言い続ける。

 

「なんでも補習とかいう儀式に連れて行かれて、毎日学校に閉じ込められるらしいじゃねぇか!」

 

「えっと・・・・・確かに補習あるけど」

 

そう言った瞬間だった。

 

カッ!

 

「やっぱり・・・!」

 

事実が本当だと知り、

 

「本当なんだな・・・・・!」

 

ユーストマの目が大きく開いた。あっ、今ようやく分かった。この親バカは―――。

 

ギリッ!

 

「っ!?」

 

「くぅぅっ!せっかくこの夏はシアと海に行ったり、

シアとキャンプに行ったりして家族団欒を計ろうとしていたのにぃっ!」

 

肩に置いていた手が俺の胸倉を掴んで、徐々に俺を持ち上げるユーストマ。

 

「い、一誠くん!」

 

「ちょっ、ユーストマ・・・・・ッ!きまっている、きまってる・・・・・っ!」

 

手を離せと何度も腕を叩くが、ビクともしない・・・・・!

寧ろ、俺を掴んでいると、こいつは頭からすっぽ抜けている!

 

「間違いねぇ、これは俺たちに天界に対する挑戦だ!」

 

んなわけあるかぁぁぁっ!?いいから手を離せ!俺の目に花畑が浮かんで、

挟むように流れている川の向こうに手を振っている父さんと母さんの姿がぁ・・・・・っ!

 

「かくなる上は、天界最強特殊部隊を召喚し、学園をこの世から消滅―――!」

 

―――刹那。

 

ドゴンッ!

 

意識が遠のいていく中、ユーストマの背後から家の椅子で殴ったリシアンサスの姿が

最後に俺の視界に映った。

 

 

―――○●○―――

 

 

暗い、暗い、闇よりも深く常闇と思わせる暗い空間に目が覚めた。

 

『よう、災難だったな。兵藤一誠』

 

・・・・・お前か。

 

『はははっ、見ていた。神王に殺されかけていたところな』

 

六つの怪しく煌めく赤い双眸が俺に話しかけてくる。

 

『だが、死なれては困る。お前の「闇」は俺を強くするのだからな』

 

俺の闇を喰らってお前の糧となる・・・・・か。

 

『人間とは思えないほど、お前の心は闇の塊だ。

まあ、それは光に覆われて隠されているからか、闇が表に出ない』

 

・・・・・。

 

『兵藤一誠、お前は本当に人間か?』

 

なんだ、いきなり。

 

『本来、ドラゴンを宿せるのは一匹だけだと思っていた。

しかも邪龍を宿す人間はお前が初めてだろう』

 

できてしまうのはしょうがないと思うけど?

 

『それだけ片付けられて納得するわけがない。

体質なのか、それともお前自身の何かがそれを成せるようになっているのか、興味深いものだ』

 

目を細める六つの双眸、笑っているのか・・・・・。

 

『ドラゴンに愛され、愛するお前の行く末が楽しみだ。お前を狙う輩も出て来よう、

その時こそ俺を現世にだし暴れさせてくれよ?』

 

お前らを出せばそれこそ俺は狙われるだろうな。

 

『なにを今さら、すでにアルビオンたちに姿を晒したではないか。

―――グレートレッドにですら隠している力の一つをな』

 

・・・・・緊急脱出だ。致し方あるまいて。

 

『はっ、そうか。だが―――俺たち邪龍はドラゴンですら危険視されている。

お前は嫌われ者になるが?』

 

別に嫌われようと構わない。俺は俺だ。そして、お前らはお前らだ。俺の大切な家族さ。

 

『ふん、物好きな人間だな。お前は』

 

それはお互い様だろう。いつでも俺からいなくなることができるお前がこうしているんだからな。

 

『お前の闇を気に入っているからだ。じゃなきゃ、俺が人間の中にいるか』

 

はは、そうか。でも―――ありがとうな。

 

『・・・・・さっさといけ、グレートレッドとオーフィスが待っているぞ』

 

六つの双眸が闇の中へと消えた―――その瞬間だった。俺の視界が黒から白に塗り替わった。

 

「―――一誠!」

 

「・・・・・ガイア」

 

「ああ・・・・・良かった・・・・・!」

 

おぼろげな瞳の向こうには俺の顔を覗くガイアが映り込んだ。

彼女は安心した様子で俺に覆い被さってきた。

 

「(・・・・・家族、いいもんだな)」

 

視界の端に首まで床に減り込んで、五段の大きなタンコブを作っている神王を余所に

俺は嬉しく感じだ。

 

 

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