ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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Episode9

―――アザゼルside

 

あいつらが穴に落ちてしばらくした頃、穴から光が漏れ出したかと思えば、

膨大な熱量と質量で螺旋状に出てきた炎。それがなくなったら今度は『兵藤家』のリーダーと

人工生命体四号が京都ドームの上からど真ん中に落ちてきた。

さっきの炎に呑みこまれて吹っ飛ばされていたようだな。

 

『し、試合終了・・・・・勝者、「ロンギヌス」チームの兵藤一誠』

 

落ちてきた二人を見て、娘っ子の震えた声音が耳の中に入ってくる・・・・・。

 

『優勝は・・・・・「ロンギヌス」チームです!』

 

刹那―――。大勢の観客大きな歓声が絶え間なく聞こえた。

当然、俺の隣にいる奴らも混じっている。

 

「やったーっ!」

 

「あの子がやったのね!」

 

「イッセーくんッ!」

 

「信じていましたよ・・・・・」

 

「さっすがだぜっ!」

 

「一誠ちゃん、よく頑張ったね!」

 

他の奴らも喜び、安堵の胸を撫で下ろす。

ドームの中にいるヴァーリたちが穴の方へ駆け走る光景が視界に入る。

すると、穴から兵藤一誠が飛び出てきた。

ドームの中に現れた二人をさらに観客が湧いた。

 

『優勝したチームの皆さんは中央に集まってください。

これから兵藤家式の結婚式を執り行います』

 

さーて、これで何の心配もなくなったぜ。はー、よかったよかった。

だが・・・・・あいつの中にいる妖怪とやらは気になるな・・・・・九尾・・・・・まさかな?

 

―――一誠side

 

「―――一誠!」

 

結婚式の準備が始まる時、和樹たちが駆け寄ってきた。

 

「お前ら、勝ったぞ」

 

「うん、喜ぶ前にあのヒト・・・棺桶にいたヒトどうしちゃったの?それが聞きたいよ」

 

「ああ、九尾の肉体と同化した。その結果、九尾の力を手に入れて勝利した」

 

ほら、と証拠を、腰に九尾の尾を生やした。皆は俺の体をジロジロと見詰めてくる。

 

「妖怪・・・・・になっちゃの?」

 

「龍化みたいなもんだ。だから人間に戻れる」

 

「私はどんな一誠でも受け入れるつもりだがな」

 

「ありがとうな、ヴァーリ」

 

相変わらずヴァーリは俺を受け入れる気満々だ。

 

「あの、その尻尾を触ってもいいですか?」

 

「ん?いいぞ」

 

ユラリと尾を龍牙に差し出せば、「失礼します」と優しく尻尾を触りだした。

 

「フワフワですね。触り心地がいいですよ」

 

思わず笑みを零した龍牙。そんなあいつの表情を見て―――、

 

「・・・イッセー、私も触る」

 

「興味があるな。俺も触らせてもらうぞ」

 

「妖弧の尻尾を触る機会は滅多にないですからね。すいません、私も触らせてもらいます」

 

俺に一言を言ってから触り出す面々。

 

「―――我も触る」

 

何時の間にか俺の内から出てきたオーフィスでさえも触りだした。

 

「イッセー!」

 

俺に呼ぶ声が聞こえた。振りかえれば、リアス・グレモリーたち『デビル×デビル』。

川神百代たち『☆川神ズ』が集まってきた。

 

「おめでとう、やはりあなたが勝ったわね」

 

「イッセーくん、おめでとうございます」

 

「穴の中の戦闘、見ていたぞ!お前はやっぱり強いな一誠!」

 

「フハハハ!流石だな、一誠」

 

「おめでとう、一誠くん」

 

皆から労いの言葉を送られる。

 

「―――ところで、その尻尾・・・・・あの穴の中で何が遭ったの?」

 

俺はまた説明をしなければならないようだった。

和樹たちに説明したように穴の中の出来事を言った。斯く斯く然々・・・・・。

 

「九尾の魂が抜けていた肉体と同化・・・・・あなたの中にいる九尾の魂は

自分の肉体と同化したのね?」

 

尻尾の一つを触りながらリアス・グレモリーは納得したとばかり言葉を発した。

 

「なるほど、だからイッセーくんは妖怪化となっているんですね」

 

ソーナ・シトリーも俺の尻尾を触れながら納得の言葉を発する。

 

「―――ていうかさ、お前ら・・・・・いい加減に触んのやめてくんね?」

 

胡坐を掻く俺の足にオーフィスが座って九本の狐の尾を全て触り尽くすリアス・グレモリーたち。

 

「・・・・・触り心地抜群の毛並み」

 

塔城小猫ですら尻尾を梳かすように触り続ける、

 

「一誠、その状態で私のペットになってくれないか?」

 

「断わる!」

 

「我のペットとなれば、三食は当然で不自由のない生活を送らせるぞ?」

 

「却下!」

 

「松永納豆を一年分タダで!あっ、やっぱり冗談だよん。家が破産しちゃうからね」

 

お、お前らな・・・・・。

 

「・・・・・そう言えば、あなたたちは彼と親しいわね」

 

「戦った仲なんだから、仲良くなるのは当然だろう?ほら、昨日の敵は今日の友とかいうし」

 

「それは・・・・・まあ、そうでしょうけど・・・・・」

 

複雑そうなリアス・グレモリーの声。大丈夫だ、仲が良いだけだからな。

 

『あのー、皆さん。そろそろ結婚式が始まりますよー』

 

「だとよ」

 

ポン、と九本の尾が煙と共に消失した。着物も甲冑も消えて何時もの服装に戻った。

オーフィスを抱えて立ち上がり前を向いた。

兵藤悠璃、兵藤楼羅がいて巨大な魔方陣のような術式が描かれた場所の中央に佇んでいた。

その周りに兵藤源氏を中心に大勢の人たちが囲んでいる。

 

「あの術式・・・・・兵藤家しか扱えない術式だな・・・・・」

 

「僕も初めて見たよ・・・・・」

 

ゲオルグと和樹が興味深々と、場に描かれた術式を目に焼き付ける感じで視界に入れる。

 

「さて、誰が次期人王となる?」

 

『・・・・・』

 

兵藤源氏の発言に周りから視線が集まってくる。何も言わない。言おうともしない。

 

「「・・・・・」」

 

兵藤悠璃と兵藤楼羅が俺に視線を向けてくる。

その瞳にどんな想いを籠めているのか分からない俺じゃない。

 

「―――俺だ」

 

一歩前に出て名乗った。そんな俺を兵藤源氏は一度瞑目して沈黙した。場は静寂に包まれる。

 

「・・・・・この術式の中に入るがいい」

 

そう促され二人のもとに歩み寄る。術式の中に入ると、大勢の人たちが跪く。

 

「兵藤一誠。お前はこの二人のどちらを選ぶ?もしくは二人ともか?」

 

「ああ、二人ともだ」

 

「「―――」」

 

ハッキリと言ってやった。約束したもんな。二人を守るって。

 

「・・・・・兵藤悠璃、兵藤楼羅。この者を未来永劫、どんな時でも傍らにいると誓うか?」

 

兵藤源氏が二人に問うと、二人は静かに頷いた。

 

「はい、誓います。次期人王と一生お傍にいます」

 

「私の身と心は全て次期人王のもの。私の全てを捧げると誓います」

 

「「私たちは兵藤一誠さまの妻として尽くし、支えます」」

 

カッ!

 

二人の告白の発言が言い終わったその瞬間。術式に光が生じた。

 

「兵藤一誠。二人を妻にし、人王となれば永遠の命を得て千年間、

この世界の人類のために人族の王として君臨し続けると誓うか?」

 

永遠・・・・・悪魔より寿命が長いな。でも―――皆と一緒にいられるなら―――。

 

「兵藤悠璃、兵藤楼羅を幸せにして、人族の王として君臨し続けると兵藤一誠は誓います」

 

真っ直ぐ兵藤源氏を見据えて告げる。人王になればやりたいことができる。権力も得れる。

 

「―――言い切ったな?一誠よ」

 

「ああ、言ったよ。文句あるか?」

 

不敵の笑みを浮かべる。というか、初めて俺の名前を言ったな。

兵藤源氏は何かをこっちに放り投げてきた。それを掴んで手の中を見れば、一本の刃物だった。

 

「ならば、お互いの血を重ね合え。それで儀式は完成する」

 

血を重ね合う?俺と彼女たちのか?不思議でいると兵藤楼羅が俺から刃物を取り、手の平を切った。次に兵藤悠璃に渡すと自分の手の平を切った。

 

「はい、いっくん」

 

嬉しそうに兵藤悠璃は刃物を渡してくる。・・・・・笑顔で刃物を渡されて怖いんだけど。

 

「・・・・・」

 

二人と手を繋ぐ必要がある。だから両手の平を切った。俺の両手に血が流れ出る。

刃物を下に捨てて二人に手を差し伸べる。

 

「悠璃、楼羅・・・・・今まで待たせてゴメン。でも、約束は果たすことができた」

 

「いっくん、私、嬉しいよ。やっと、やっと夢が叶うんだから」

 

「一誠さま・・・・・永遠に私はあなたの傍におります・・・・・」

 

血に濡れる手を俺たち三人は指を絡め、重ねた―――。その瞬間、術式の光が強まり、

俺たちを包みこんだ。

 

―――オーディンside

 

「二人とも、帰るぞい」

 

席を立ち北に帰ろうと足を運ぶ。二人は当然のようについてくる。

 

「いいのですか?最後に話をしなくても」

 

「もう、孫は成長しておる。ワシの言葉なんぞ必要ないじゃろう」

 

「・・・・・」

 

ロスヴァイセは思ってのことじゃろう。対してセルベリアは無言じゃな。

まったく、誰とも接しようとしないその性格だからロスヴァイセと一緒に職場の隅にいたんじゃ。

 

「のう、ロスヴァイセ」

 

「はい?」

 

「あやつはもう立派な『勇者』じゃよ」

 

『オー爺ちゃん。僕、立派な勇者になるよ!僕が勇者になったらオー爺ちゃんを守るからね!』

 

幼い頃、遊びに行った日に嬉しいことを言ってくれた孫が、

今ではとんでもない方向に強くなろうと成長しておる。

 

「ほっほっほっ、案外、ロスヴァイセの勇者を見つけれるのは近いかもしれんな」

 

「え・・・・・!?」

 

「セルベリア、今まで勇者の付き人になれる話を蹴り続けたお前さんも―――」

 

「オーディンさま、私は気になる者がいます」

 

ワシの話を遮るセルベリア。・・・・・珍しいことじゃな。こ奴が自分から言い出すとはのぉ、

 

「そうか、この大会に来て正解じゃったそうだな。で、お前さんの目に留まったものは誰じゃ?」

 

「それは―――」

 

セルベリアの口から出た人物の名に、ワシは「そうか」と愉快そうに頷く。

 

「(孫よ、いつかまた会う日が来よう。その時は爺ちゃんと一緒に遊ぼうな)」

 

―――○●○―――

 

一誠side

 

 

夏休みが終わり、二学期が始まった。この一ヶ月以上の夏休みは俺に

とって有意義なものだったのは確かだった。

敵であった者と共闘し、力を高め合えて強敵と戦えた。

 

『兵藤一誠。今回はお互い利益になり、楽しめただろう。

こんな日も偶には悪くないと俺自身も思った。だが、次に合う時は敵同士だ。

死闘となるだろうし、色々と覚悟をしよう。お互いにな』

 

『一誠、キミと一緒にいれて私は楽しかったよ。またキミと共闘をしたい。

そうだ、今度キミの家に遊びに行くよ。テロリストとしてじゃなく、一人の女としてでね』

 

大会が終わってすぐ、曹操とヴァーリたちは俺だけ別れを告げて姿を暗ました。

当然、アザゼルたちは追手を密かに出していたようだけど、結局は逃げられた。

悪い、強くしちゃったよ。

 

「一誠さま、登校の時間です」

 

「ああ、そうだな。でも、まだあいつら(・・・・)が来ていない」

 

登校の時間と迫っているにも拘らず、外で佇んでいる俺たち。

しばらくして―――玄関の扉がガチャリと開いた。

 

「ごめんなさい、イッセー」

 

「待たせてしまい申し訳ございません。イッセーくん」

 

「・・・・・すいません、遅れました」

 

「ごめんなさいね?リアスったら彼女と兵藤くんのお部屋で―――」

 

「ちょっ、朱乃!」

 

・・・・・・ほう?それは後ほど聞かせてもらおうか。リアス・・・・・?

 

「それで、あの二人は?」

 

「ええ、もう間もなく来るでしょう。・・・・・ほら、来ましたよ」

 

ソーナが家の中に視線を送った。彼女の言う通り、家から二人が出てきた。

 

「いっくん、遅れてごめんね」

 

「ごめんなさい。まだ、大丈夫でしょうか?」

 

「お前らを乗せて飛べばギリギリだな」

 

家から現れた二人の名は―――兵藤悠璃と兵藤楼羅。

 

「で?どうして遅れたんだ?」

 

「・・・・・いっくんの部屋に悪魔がいたから」

 

「もう言わなくていい」

 

はぁ・・・と溜息を吐いて呆れ顔でリアスと悠璃を見た。

 

「お前ら、同じ家に住む者同士仲良くしろよ」

 

「「だって・・・・・」」

 

「縛るぞ」

 

縄を見せ付ければ、リアスは青ざめて頷き、

悠璃は両腕を広げて「縛って」と全身で伝えてくる。

・・・・・こいつに至ってはお仕置きにもなんないから無意味だ。

 

「まあいい。行くぞ。―――龍化!」

 

カッ!

 

一瞬で俺は龍になり、皆を背に乗せて翼を動かして空を飛ぶ。そんな最中、二人に訊く。

 

『悠璃、楼羅。お前らにとって学校は初めてだろうが、皆いい奴だ。学校生活を楽しめ』

 

「いっくんがいれば他は何もいらない」

 

「悠璃と同じ気持ちです」

 

『・・・・お前らの知らないものはこの世界にまだまだ存在する。

だから、触れたり学んだりしてくれ』

 

そう、悠璃と楼羅、二人は駒王学園に通うことになった。

歳は俺と変わらず、学校も通っていなかったことでサーゼクス・グレモリーに頼んで

二人を通わせるようにしてもらった。

 

「いっくん、私は今、幸せ」

 

『そうか、俺も幸せだよ』

 

「一誠さま・・・・・お慕いございます」

 

『俺もだよ、楼羅。それに悠璃』

 

あっという間に駒王学園へ到着した。ドラゴンが学校に現れたことで、

生徒たちは驚愕して逃げまどうが気にしないで皆を下ろし、人間に戻った。

 

「さあ、二人とも行こうか」

 

二人に手を差し伸べる。俺の手を二人は重ね頷いた。

 

「「はい、あなた」」

 

笑みを浮かべる俺の妻。そんな時、色んなところから―――。

 

「兵藤一誠覚悟!」

 

「死ねぇっ!」

 

「テメェだけ良い思いなんてズルイ!」

 

「お前を倒して我らのアイドルを奪ってやる!」

 

二学期初日に嫉妬集団が現れた。何気に前より多くなってないか?と、他人事のように

思っていると―――。

 

「おっと、彼をやらせないよ?」

 

俺を守るように木場祐斗が現れて剣を構えた。

 

「そうだな。一誠はやらせない」

 

ゼノヴィアも聖剣を構えだす。

 

「お前たち、風紀委員長の私の前で風紀を乱すなんて許さないぞ」

 

カリンも軍杖を構える。

 

「ははっ、皆さん。元気が良いですねー」

 

龍牙も大剣を構えた。

 

「あなたたち、私のイッセーに攻撃するなら消し飛ばしてあげるわ」

 

「ええ、そうですね。彼に攻撃とは生徒会として許せません」

 

リアスとソーナも魔力を具現化させて臨戦態勢に入った。彼女たちだけじゃない。

―――俺と悠璃楼羅以外の皆が攻撃態勢に入った。

 

「・・・・・あー、お前ら。半殺しで留めておけよ?」

 

一応、フォローしてみたものの。皆は敵を倒さんとばかり、攻撃を始め出した。

あいつら、人を殺したりしないよな?

 

「―――兵藤一誠!」

 

「・・・・・?」

 

まだいたのか、と思って背後に振り返った。―――そして、俺は唖然とした。

 

「お、お前ら・・・・・なんでここにいんの?」

 

「・・・けっ、当主からの命令だ。『世界を知り己を知れ。

その一歩として駒王学園にでも通え』ってよ」

 

次期人王決定戦の大会で戦った『兵藤家』のメンバー全員が・・・・・駒王学園の制服を

身に包んで俺の目の前にいた。

 

「ムカつくが、てめぇの言う通り。兵藤家に籠っていた俺たちは弱かった。だからよぉ」

 

兵藤照が俺に向かって指した。

 

「やってやろうじゃねぇか!世界を知って、自分を知って俺はもっともっと強くなって

お前をいつか倒してやる!

 

ドンッ!と、兵藤照が闘気を纏い始めた。

 

「まずは一回、お前と勝負だ!」

 

あいつはそう言って俺に飛びかかってきた。

反射的に俺も拳を前に突き出して兵藤照の拳をぶつけあった。

 

「世界を知る前に俺と勝負なんておかしいだろうが」

 

「はっ!関係ないな、んなことよぉっ!」

 

片方の腕も突き出してきた。一旦あいつから離れて距離を置いたら、

 

「あ、あの・・・・・一誠さま」

 

「え?って、お前らは・・・・・・」

 

何時の間にか俺の傍にあの時の少女たちがいた。

 

「は、はい。私は兵藤千夏、こちらは私の姉の兵藤麗蘭です」

 

ああ・・・成神一成に二重の意味で破られた『兵藤家』のメンバーだったな。で、なんだ?

 

「え、えっと・・・悠璃さまと楼羅さまとご結婚成されているのは承知の上でお願いが・・・」

 

「・・・・・なんだ?」

 

「はい、私たちを妾としてあなたさまのお傍に居させてください」

 

姉の麗蘭が俺に密着してきた。・・・・・妾・・・?愛人ってことだよな・・・?えっ?へっ?

 

「―――なに、いっくんに手を出そうとしているのかな?」

 

「「っ!?」」

 

悠璃がどこからともかくだした大鎌を二人の首に突き付けた。

 

「聞こえていましたが妾ですか・・・・・・大した根性ですね」

 

楼羅が全身からどす黒いオーラを纏って笑みを浮かべていた。二人とも・・・・・怖いよ?

 

「わ、私たちも一誠さまの優しさに触れて好きになったのです!ですから、ですから!」

 

兵藤千夏が大きな扇子を構え出した。

 

「本妻であるお二人でも負けたくないです!」

 

「私たち姉妹は二番目でも構わないのです。ですから―――」

 

兵藤麗蘭が全身から冷気を漂い始めた。

 

「私たちを認めてもらうためにも、お相手願います」

 

えええ・・・・・何この状況・・・・・。前より混沌と化となっているじゃないかよ!

 

―――ガシッ!

 

「・・・・・はい?」

 

「のう、一誠よ。川神に美味い稲荷があるそうじゃ。妾と一緒に来てはもらえぬか?」

 

俺の襟を掴んで宙に浮かせる人物―――大妖怪、九尾の狐の羽衣狐。俺の内にいる妖怪の名前だ。

赤いリボン以外黒一色のセーラー服を身に付けている彼女は腰から生えている

九本の尾で俺を拘束する。ささやかな抵抗と試みた。

 

「えっと・・・・・俺、学校なんだけど?」

 

「知らん、一誠は妾と共に来るのじゃ」

 

愛おしそうに俺の頬を触れる。マジで・・・?登校初日サボりなんて・・・・・。

 

「我が許すと思っているのか。女狐―――」

 

「(げっ・・・・・!?)」

 

ゴゴゴゴゴゴッ!と、とんでもないほどのプレッシャーを放つ深紅の髪を怒りで

ゆらめぐ女性がいた。羽衣狐は「ふん」と鼻を鳴らし嘲笑を浮かべて口を開いた。

 

「お前の許しを得るほど、偉いのか?」

 

「一誠を育てているのは我だ。つまり育ての親は我だ。一誠の親は我である」

 

「なら、妾はこの子の姉としよう。これからもよろしく頼むぞ、母上?いや、叔母上と呼ぼうか」

 

―――ブチッッッ!!!!!

 

あ・・・・・物凄く嫌な音が聞こえた。

 

「貴様・・・・・この世から完全に消滅してくれる」

 

「無理じゃな。妾の魂はこの子の魂に憑いている。言わば、この子と妾は一心同体よ。

この子が死なぬ限り、妾も死なぬ。だから、一種の不死ともいえよう」

 

自慢げに言わないでくれ。ほら、真龍さまが怒っているから―――!

 

「・・・・・オーフィス、あの女狐を殺すぞ」

 

「・・・・・はっ?」

 

「我、イッセーと傍にいる。だからあいつ、邪魔」

 

浮遊魔法で浮いているのか、ガイアの下からオーフィスが現れた。

朝からいないと思えばガイアと一緒にいたのか・・・。

 

「ふふっ、掛かってくるがいい。卑しいドラゴンども」

 

「その言葉、そっくりそのまま貴様に返してくれる!

 

「イッセーを返せ」

 

刹那―――。

 

ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ

 

 

―――アザゼルside

 

 

「おー、二学期初日から騒がしくなったじゃねぇか」

 

「彼を中心にね」

 

「今まで殻に籠っていた兵藤家も、とうとう外に出た。式森家も変化が見られた」

 

「それは、彼が間接的に『きっかけ』を作ったからだろう」

 

「テロリストどものことも分かった。後は対処方法を考えるだけだな」

 

「なにも『禍の団(カオス・ブリゲード)』だけじゃ、私たちの敵じゃないと思うのだがね」

 

「・・・・・つーと?」

 

「可能性の話しだよ。今は『禍の団(カオス・ブリゲード)』だが、そう遠くない未来に新たな敵が現

れるかもしれない。そう私は思っている」

 

「だから、兵藤家の少年少女をこの学校に招いたってか?」

 

「彼はすでに世界中に知れ渡っている。彼を思わしくない勢力、神々もいるはずだ。

私たちは影で彼を守る」

 

「なるほどな・・・だが、力を借りる時が絶対に来る」

 

「承知の上だよ」

 

「・・・・・今回の天龍は変わっているな」

 

「おや、いきなりどうしたんだい?」

 

「・・・・・なに、なんとなくさ。赤は女を、白は力と男」

 

そして―――深紅は愛と復讐ってな。

 

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