俺が次期人王となり、幼馴染の兵藤悠璃と兵藤楼羅を家に泊らせて翌日。
魔方陣で現れたサーゼクスが開口一番に言った。
「兵藤くん、冥界に遊びに行こう♪」
笑みを浮かべ、歯を覗かせてはキラン☆と輝かせるサーゼクス・グレモリー。
『・・・・・』
いきなりの申し出に俺たちは固まった。だがその前に・・・・・俺は立ち上がった。
「・・・・・取り敢えず」
「うん?」
「玄関から入らず、魔方陣で無断侵入をした不法侵入者を縛るとしよう」
―――三十分後。
「―――で?冥界に遊びに行こうとはどういうことなんだ?」
「あははは・・・・・できればこの縄を解いてくれるかな?それとその籠手も解いて欲しい」
無効化のドームを作っては一瞬でサーゼクスを亀甲縛りで拘束して、
魔力を使わせないようにサーゼクスの体に触れて質問したらサーゼクスが口を開いた。
「父上と母上がキミに会いたがっているのだ。ほら、あの時の大会は人間界だけじゃなく、
冥界や天界も放送されていて、他の異種族にも耳が届いているだろう。
まあ、後者はともかく前者が主な理由だ。
キミの戦いぶりを見ていて父上と母上は大変興奮しておられたそうだ。
夏休みももう少しで終わるから、キミがよければ冥界に遊びに来てほしい。
いま、家にはリアスたちグレモリー眷属がいる。
彼女たちもいるから緊張することはないと思うがどうだね?」
「・・・・・」
冥界か・・・・・行ったことあるけど町まではないな・・・・・興味あるし。
「じゃあ・・・・・行こうかな」
「そうか、では善は急げださっそく冥界に行こう。他の皆もどうだね?」
他の皆も問うサーゼクス。皆は二つ返事で俺と一緒に冥界に行くことに決まった。
―――冥界
悪魔と堕天使、他にも魔獣が住んでいる異界。さらに冥界の最下層、冥府が存在する。
冥府、死の神である骸骨のお爺ちゃんことハーデスがいる異界でもある。
俺たちはサーゼクスの案内によって冥界に足を踏み込むことができた。
現在はグレモリー家が手配した巨大な馬が引く車、まあ馬車の中にいる。サーゼクスと俺、
リーラとガイアとオーフィスと一緒に座っていて他の皆は違う馬車に乗っている。
「あの、列車の車掌さん。俺のことを覚えていたなんてな」
「キミのご両親は何度かグレモリーの列車で来ていたんだ。兵藤一誠くんが生まれた時にもね」
「ふーん、そっか」
懐かしそうに見つめてきたあの顔、『また乗りに来てください』と言われるほどだった。
「因みにキミは五大魔王専用の列車と堕天使側のルートから行けれるからね」
・・・・・俺は一体どんだけ偉くなっているんだ・・・・・。
つーか、その列車とルートはどこにあるんだよ。と、思いながらも風景を見た。
舗装された道と綺麗に剪定された木々。
真っ直ぐ進むと道が伸びて―――俺の視界にとんでもなく巨大な建造物が飛び込んでくる。
前に一度だけカリンの家を見たことがあるが、あれより二倍ぐらい大きい城だった。
「うん、改めてサーゼクス・グレモリーたちが悪魔だって認識したよ」
「それはいい意味でかな?」
「自己判断よろしく」
しばらくして、馬車が停止した。馬車のドアが開かれて、降りて改めて何を乗っていたのか見ると
豪華絢爛な馬車にその馬車を引いていた巨躯の馬がいた。
辺りを見渡すと両脇にメイドと執事が整列して、道を作っていた。
赤いカーペットが巨大な城の方に敷かれて、巨大な城門が
「ギギギ」と鈍い音を立てて開かれていく。
「ようこそ、兵藤一誠くんと皆。我がグレモリー城へ。
学園の生徒が私の家に訪れたのはキミたちが初めてだ」
朗らかに歓迎するサーゼクス・グレモリーが赤いカーペットの上に歩きだそうとした時だった。
メイドの列から小さな人影が飛び出しサーゼクス・グレモリーの方へ駈けこんで行く。
「お父さま!おかえりなさい!」
紅髪の少年がサーゼクス・グレモリー先輩に抱きついていた。
ほうほう、この少年がサーゼクス・グレモリーの息子か・・・・・。将来有望そうだな。
「ただいま、ミリキャス。リアスたちはいるかね?」
「リアス姉さまたちは敷地を観光していますので家にはいません」
「そうか、どうやら入れ違いだったようだね。―――ミリキャス、挨拶をなさい。
彼が兵藤一誠くんだよ」
「はい。ミリキャス・グレモリーです。初めまして」
貴族らしく、相手に対して失礼のない挨拶の仕方だった。
「初めまして、兵藤一誠だ。よろしくな」
「はい、お兄さま」
―――――ああ、お兄さまね。後ろから感じる怒のオーラを感じるのは何でだろうか・・・・・。
「あ、あの・・・お兄さま」
「ん?」
「―――お兄さまの鎧姿、とっても格好よかったです!」
ミリキャス・グレモリーが純真無垢に瞳をキラキラと輝かせた。
「鎧姿?」
「次期人王を決める大会の最終決戦で纏った深紅の鎧や深紅と黒い鎧のことです!
『
見た時、凄く興奮しました!」
ああ・・・・・あの時のことか。そう言えばサーゼクス・グレモリーも冥界や天界にも
放送されているとか言ってたな。ミリキャス・グレモリーがモジモジとし始めた。
「お兄さま、もしよければ鎧を纏ったお兄さまと遊んでみたいです。よろしいでしょうか?」
「―――――」
鎧を纏ったままで遊ぶって・・・・・。
まるで、子供の頃、イリナとヴァーリと遊んだヒーローごっこのようだな。
―――二人とも、女の子だと知らなかったけどさ。今となっては懐かしい思い出だ。
「ん、別に良いぞ。イリナ、お前も一緒に遊んでくれ」
「あっ、ヒーローごっこ?懐かしいわね。
よくイッセーくんとヴァーリと三人でヒーローごっこしてたもんね」
こんな感じで、とイリナはポーズをした。うん、そのポーズ、懐かしいな。
「赤と黄色と青、黒の鎧を纏えるからイリナはピンクでいいか?」
「イッセーくん、そこは白にしてよ白。私は神にお仕えする教会の者なのよ?」
イリナの言い分は分かるけどな・・・・・。
「ヴァーリと被るぞ。あいつは白だ。百歩譲って黄色にしてくれ。神の神々しい光と思ってな」
「いいわ!」
即答で決まった。イリナとヒーローごっこするなら・・・と思い携帯を取り出して操作する。
「・・・・・ミリキャス、デビルレッドよりも彼の鎧姿の方が好きなんだね・・・・・」
声と存在感は悲哀に満ちていたサーゼクス・グレモリー。な、なんだよいきなり・・・・・。
「―――サーゼクス、戻ってきているのなら早く城の中へ案内しなさい」
あっ、久し振りだな。―――シルヴィア。
「あっ、お母さま!」
・・・・・なんですと!?
「・・・・・サーゼクス・グレモリーの妻はシルヴィア、ミリキャスは二人の子供・・・・・」
信じられない、と三人を交互に見れば・・・・・ああ・・・・・しっくりくるな。
「申し訳ございません皆さま。やはり私が迎えに行くべきでした。
まったく、サーゼクスはなに悲しそうな顔をしているの」
ガシッ!とサーゼクス・グレモリーの襟を掴んだシルヴィア。
あれ・・・・・この人、メイドだよな?
「さあ、屋敷へ入りましょう」
サーゼクス・グレモリーの襟を掴んだまま引きずって門の方へ進みだす。理事長の貫録が、ない!
「母さまが一番強いんですよ?」
ミリキャスの満面の笑顔。うん、全員がその言葉に頷いた。でもな、ミリキャス・グレモリー。
お前も何時か誰かと結婚したらお前もあんな感じになるかも知れないぞ?
―――○●○―――
巨大な門を潜り、中を進む。次々と白の中の門も開門されていく。
ついに玄関ホールらしきところへ着いた。前方に二階へ通じる階段。
天井には巨大なシャンデリア。
「リアス・グレモリーたちは敷地に観光していると聞いたんだけど」
「はい、数時間も前から観光していますので、そろそろ帰ってくるかと思います」
シルヴィアが手を上げるとメイドが何人か集合した。
「ほら、サーゼクス。いい加減にシャキッとしなさい」
「う、うむ・・・・・」
「理事長、プライベートだと酷いぐらいに軽いね」
和樹の言葉に俺たちは頷いた。妻に引きずられるなんて初めて見たぞ。
「では皆様をお部屋へお通ししたいと思います。―――兵藤一誠さまは私と一緒に」
「なぜに?」
「―――グレモリー現当主のアルマスさまがお待ちしておりますので」
あー、あの人か。公開授業以来だな。了解と頷いて皆と別れ、
俺一人だけシルヴィアにどこかへ案内された。
「兵藤一誠さま、次期人王になられておめでとうございます」
「目的のためになったに過ぎない。どうしても人王にならないといけなかったからな」
「目的・・・・・とは?」
「二人の幼馴染と守るため、そして人工生命体の研究を永久凍結にすることだ」
―――――。
俺と彼女の間に緊張が走った。
まさか、俺がそんな事をするために人王になっただなんて思いもしなかったのかな?
「神王ユーストマにも魔王フォーベシイにもサーゼクス・グレモリーにも研究のことを話したら、
俺個人ではどうすることもできない、
長年研究してきたことを独断で中止にする事もできない上に、
他の勢力のトップに納得できる理由もなければ研究は続けられる、とか言われた。
そして思い知られた。俺個人がどれだけ実戦で役に立つ力を得ても、政治的な力がないんじゃ、
権力がないんじゃ、手も足も出ない」
「だから―――人王となり、他の勢力と同等の権力を得る必要があったと?」
「最初はそんなこと考えていなかった。でも、どうしようかと悩んでいた。兵藤家のことなんて、
俺には関係のないことだと思っていた。
でも、次期人王を決めるのに兵藤悠璃と兵藤楼羅という俺の幼馴染が
結婚しなければならないなんて怒りを抱いた。だから―――思ったんだ。
二人を助け、俺が次期人王となる。まだ正式に人王になったわけじゃないから、
俺は未だに権力がないままだ。人王になる前に色々と知識を身に付けたり、
仲間を増やすつもりだ。政治的な意味でな」
「・・・・・その若さであなたは一体何を望むというのですか?」
何を望む・・・・・か。
「今は人工生命体、プリムラを本当の意味で自由になれるようにすることが目標だ。
後は・・・・・これから考えるさ」
「・・・そうですか」
ここです、とシルヴィアがとある扉にノックをした。
それから俺を連れてきたと告げると入室の許可の言葉が向こうから聞こえる。
扉を開いて先に俺を入らせた。部屋の中で横長のテーブルがあり、
天井には豪華なシャンデリアが―――。
―――パンパンパンパンッ―――!
「・・・・・」
・・・・・・はい?
『兵藤一誠くん!次期人王、おめでとう!』
「・・・・・」
部屋に入って早々、俺を出迎えたのはクラッカーの音だった。
そして、何故か大勢のヒト―――悪魔がいた。
これ、何のパーティ?
「・・・・・シルヴィアさん。これはどういうことなのかなかな?」
「『かな』が一つ多いですよ。あなたでも驚くのですね。私にさん付けとは珍しいことです」
―――驚くわッッッ!こんなことされて当然の反応だろうが!
「はっはっはっ!いやー、イッセーくんおめでとう!」
朗らかに俺を祝福の言葉お送るアルマス・グレモリー。
そんなアルマス・グレモリーに続いて他の悪魔たちも近づいてきた。
「・・・・・これは、どういうことなんだ?」
「どういうこともなにも、キミが次期人王になったことを冥界に住む私たち
悪魔のお茶の間で知られているのだよ?イッセーくんをお祝いをせずにどうするのだ」
祝い・・・・・まさか、
「サーゼクス、俺を呼んだ理由はこれか?」
俺を冥界に誘った張本人に尋ねれば、にこやかに笑顔を浮かべて頷いてくれた。
「ああ、その通りだよ。リアスたちもキミを祝福するため、
先に帰って来たのだが観光しに行ってしまったようだからね。
少々計画がズレたがほぼ達成といえる」
・・・・・マジですか。
「ああ、そうそう。キミと大会に参加した悪魔たちを全員、この場に呼んである」
真羅椿姫とサイラオーグ・バアル、成神一成しかいないだろ。
全体的に参加した悪魔と言えば、グレモリーとシトリーの二つの眷属だけどよ。
ガチャ。
扉が開く音。皆か?と振り向いたら―――リアス・グレモリーたちだった。
「あっ、イッセー。お帰りなさい」
「・・・そこは、『いらっしゃい』の間違いでは?と思うのは俺だけか?」
「細かいことは気にしないの。それとごめんなさいね。
あなたが来る前にソーナとサイラオーグと少しばかり敷地に観光を行ってたわ」
ああ、そうみたいだな。三人ともいるし。他の皆も勢ぞろいだ。
「さて、シルヴィア。役者も揃った。彼女たちもここへ呼んで来てくれ」
「かしこまりました」
あら、敬語になった。流石に面々がいる前でじゃ私語は無理か。
―――数時間後。
『わっはっはっはっはっはっ!』
『・・・・・・』
ダイニングルームはすっかり飲み会の場と成り果てた。
たまに知らない悪魔に話しかけられて父さんと母さんのことを教えてくれる。
元七十二柱の悪魔たちの大半が父さんと母さんと友達だったり、
元七十二柱の悪魔たちの大半が知り合いだったり、
元七十二柱の悪魔たちの大半が飲み仲間だったりとか色々な悪魔がいることが分かった。
―――思いっきり人間と変わりない関係じゃん!
「・・・・・結局、こうなったのね」
「予想はしていましたが・・・・・」
「よいではないか。時にはこうして羽を伸ばすこともしなければやっていけない時もある」
俺と一緒に設けられた椅子に座って静かでいるリアス・グレモリーとソーナ・シトリー、
サイラオーグ・バアル。そんな三人に感謝の言葉を述べた。
「三人ともありがとうな」
「気にしないで、こちらとしても良い経験にもなったわ」
「椿姫のことも感謝しています」
「俺も十分楽しめた」
三人は小さく笑んでそう言ってくれる。だけどな・・・・・。
「ごめん、赤龍帝を変な方向に強くさせちまった」
「・・・・・気にしないで、私も思いもしなったから。
あの技、封印するように言いつけているし」
「あの技を使い続けていたら、女悪魔とゲーム出来なくなります。プライベートの侵害として」
ソーナ・シトリーもリアス・グレモリーの言葉に同意と苦笑を浮かべて頷く。
「ヴァーリでさえ畏怖の念を抱いていたそうだったぞ。
『私が女であるかぎり、心を読まれては勝つことが難しい』とか」
「あのヴァーリが・・・・・」
目を丸くして驚いた表情をするリアス・グレモリー。一応、ライバルだし・・・でも、複雑だな。
「何時しか、赤龍帝じゃなくて乳龍帝に名前が変わるんじゃないか?」
上段染みたことを言ったら、
『お、俺が乳龍帝だと・・・!?』と、どっかの赤い龍が愕然した声が
聞こえたような気がした。
「・・・・・あれから、ヴァーリから連絡は?」
「いや、ない。今頃どっかで強者と戦っているんじゃないか?」
「幼馴染がテロリストだなんて、複雑ですね」
「それを言ったら、魔王ルシファーの方が複雑だろう。
ヴァーリは、ルシファーの血を受け継いでいるんだからさ」
そう言ったら二人は気まずそうに「そうね・・・・・」と呟く。
だが、サイラオーグが口を開いた。
「ルシファーさまだけじゃない。魔王フォーベシイさまを除いた五大魔王の方々も
立場的に複雑だ。現魔王の兄弟姉妹が『真魔王派』と名乗ってテロリストに加担している。
噂では、現魔王もテロリストと繋がっているのでは?と一部の上層部の悪魔が
警戒しているほどだ」
「うわ・・・・・魔王の座が危ういんじゃ?」
「ああ、そうだろうな。仮に、何かのきっかけで現魔王が魔王を辞退するようなことが
起これば・・・冥界は一時期、波乱がありそうだな」
「次の魔王は誰になるんだろうな」
俺が思い浮かべるのは―――サーゼクス・グレモリーとセラフォルー・シトリーぐらいだ。
後の二人は知らん。
「候補としてはリアスのお兄さまと私のお姉さま、
それに現アスタロト当主のアジュカ・アスタロト、
現グラシャボラス家の当主、ファルビウム・グラシャボラスじゃないかしら?」
「妥当な線だな」
サイラオーグ・バアルが頷く。前者はともかく後者の悪魔の名は知っている。
名前だけだ。それ以外は教科書に載っている知識だけしかない。
「おや、イッセーくん。こんなところで静かに座っていたのかい」
酔っているのか、顔が真っ赤に染まっているサーゼクス・グレモリー。
こんな顔を見るのは珍しい。
「飲み会になっているし、酒を飲まされたら敵わない」
「はは、キミたちは未成年だからね。間違っても飲んではいけないよ?」
当たり前だ、と肯定する。
「ところでイッセーくん。赤龍帝の成神一誠くんを鍛えたんだよね?」
「ああ、あの弱さじゃ皆の足を引っ張るからな。たまにリアス・グレモリーもしたけど」
「おかげで私もちょっとだけ強くなったわ」
兵藤家チームと試合した際に見せたあの力。まだまだ伸びるところがあるだろう。
「私たちも見ていたよ。やはりキミと一緒にいれば、色々と影響がありそうだ。
―――そこで、お願いがある」
「なんだ?」
まあ、色々と世話になっているし、少しぐらい聞くけど・・・・・なんだ?
「どうだろう、妹のリアスとオカルト研究部員の女子メンバーと
ソーナ・シトリーと真羅椿姫をキミの家に住ませてもらえないかな?」
「「「―――えっ?」」」
サーゼクス・グレモリーの提案に俺とリアス・グレモリー、ソーナ・シトリーは唖然となった。
「キミは色々な伝説のドラゴンを宿し、様々な力を引き寄せている。その中で今後の事もあるし、
リアスたちを強くして欲しいのだよ。これは理事長としてではなく、リアスの兄としての提案だ」
「・・・・・」
曹操、ヴァーリ、真魔王派・・・・・。これから襲ってくる強敵が現れる。
全員を守るなんて流石に無理がある。いや、ヴァーリは大丈夫か・・・・・?
「・・・・・そうね、私やあの子だけ強くなっても力のバランスがないわ」
―――なに言っているんだ?怪訝な面持でリアス・グレモリーに言った。
「いや、元々スピード、テクニックの木場意外、
殆どパワーのお前らは最初からバランスも何もないぞ?このパワーバカ集団。
で、パワーの足りないシトリー眷属もバランスがないしな。
力のリアス・グレモリーと技のソーナ・シトリー。まるで二人を現す静と動のようだ」
意地悪い笑みを浮かべていると、二人は互いの顔を見合わせて溜息を吐いた。
「そうよね・・・・・私たちはまだ弱いし、眷属のバランスが全然だものね」
「椿姫が強くなったことは喜べますが、
それ以外の者たちは呆気なく兵藤家に倒されてしまいましたし」
「「はぁ・・・・・」」
二人は揃って溜息を吐く。だから、とサーゼクス・グレモリーは口を開いた。
「兵藤一誠くんと一緒に住めば自ずと強くなれる。どうかな?もし、引き受けてくれるなら―――」
「なら?」
「―――学校で不純異性交遊をしても構わないよ?」
「「「―――っ!?」」」
あ、あんた・・・・・!教育者として、理事長あるまじき発言していいのかよ・・・・・!?
俺の気持ちを露知らずでいるサーゼクス・グレモリーはさらに言い続けるために口を開きだした。
「ああ、ちゃんと処理してくれるなら問題ない。リアスと愛し合ってくれ。
勿論、他の先生や生徒に見つからないところでね?」
「お、お兄さま!な、なんてことを・・・・・!」
「・・・・・」
コクコクと顔を真っ赤に染め抗議するリアス・グレモリーの発言に同意とばかり
羞恥で顔を赤くする頷くソーナ・シトリー。
「あ、あの学校の生徒会長であるわ、私がそのようなことを認める訳には―――」
「おや、キミはイッセーくんと愛し合いたくないのかな?」
「そ、それは・・・・・!」
おーい?買収されそうになっていやしないかー?
「・・・・・学校で不純異性交遊はともかく、二人を家に住まわせていいのかよ?
というか、あんたはリアス・グレモリーと一緒に住んでいるんじゃないのか?」
「私はシルヴィアとミリキャスと人間界に住んでいるからね。
たまに妹が家に戻ってきてくれればそれでいいんだ」
ふーん、そうだったんだ。ソーナ・シトリーの場合、
セラフォルー・シトリーと一緒に住んでいそうだな。
「・・・・・まあ、二人には感謝していることもあるし・・・・・いいぞ、俺の家に住まわせる」
「「っ!?」」
「そうか、そう言ってくれると私は嬉しいよ。では、リアスを住まわせてくれるのだ。
こちらからメイドを一人派遣させてくれるかね?
多人数でキミのメイドだけでは大変だろうからね」
・・・・・それでもこなせるのが俺の自慢のメイドなんだ。
と、そう思っているとサーゼクス・グレモリーが一人のメイドを呼んだ。
「―――グレイフィア、リアスと共に彼の家でご奉仕をしてくれるかな?」
「私が・・・・・彼の家に・・・・・ですか?」
どことなくシルヴィアに似ている銀髪の女性。
いきなり違う家に行けと言われて少し戸惑っているようだ。当然の反応だろうけどだ。
「・・・・・分かりました。このグレイフィア・ルキフグス。
リアスさまとご一緒に兵藤一誠さまをご奉仕させていただきます」
「グ、グレイフィア・・・!?」
自分と一緒に俺をご奉仕すると聞いた瞬間、またリアス・グレモリーが顔を真っ赤に染めた。
「(また・・・・・家の中が賑やかになりそうだなこりゃ)」
「では、皆さん。次は誠殿と一香殿と赤ん坊の頃のイッセーくんが遊びに来た時の映像を
見ることにしましょう!」
『おおおおおおおおっ!』
・・・・・この家も賑やかだ。だが、一時間後。
俺は、羞恥で思わず顔を赤く染めるとは思いもしなかった。
―――俺にとって黒歴史とも言える映像が皆に見られたからだ!