ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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Episode4

 

ザワザワ・・・・・・。

 

「・・・妙に視線が多く向けられているし、騒がしいな」

 

「確かに・・・・・どうしたのでしょうか」

 

登校中。学校の敷地内に入れば、俺たちのことを遠巻きして何かヒソヒソと話し合っている。

畏怖の念を感じているわけでもなさそうだが、興味津々と珍しいものを見る目で視線を向けてくる

生徒たち。―――それは教室にいても変わらなかった。

 

「ひょ、兵藤くん!」

 

「葉桜?」

 

「こ、これに書いてあることは本当なの!?」

 

教室に入った途端、葉桜が慌てて一枚の紙を持って来た。

ん?と、その紙を受け取って視線を落とせば。

 

『二年F組 兵藤一誠は神滅具(ロンギヌス)を四つも所有する異例の人物。

住んでいる場所は次元の狭間。夢幻を司る不動の存在、

真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)グレートレッドと共に生活している模様』

 

「―――――」

 

他にも色々と書かれてあるが・・・・・この記事に目を見開いた俺だった。

どうして、俺のことが書かれてあるのか、葉桜に視線を向ける。

 

「これ、どういうことなんだ?」

 

「えっと・・・この学校はイベントや大ニュースなことがあると、こうして新聞に載るの」

 

「で、これを書いた奴は誰だ?」

 

これはちょっと、お仕置きしないとなぁ~♪と思い尋ねると首を横に振られた。

 

「ごめんなさい。それを書いている人って神出鬼没で、生徒会でもどうにか

この新聞を書いている人を捕まえようと、草の根を分けても探しているんだけど、中々・・・・・」

 

・・・・・手を焼いているということか。

 

「でも、誰が書いているのかは分かるよ」

 

「なに?」

 

「ほら、ここ」

 

と、新聞の一番端っこに指で差した。そこに視線を向けると、

 

『二年A組 非公式新聞部、杉並』

 

「・・・・・」

 

なぜ、堂々とクラスと自分の名前を記してあるんだ・・・・・?と俺は思った。

すると、彼女が俺の気持ちを理解したのか説明してくれた。

 

「絶対に捕まらない自信があるからだと思うの。

Aクラスに所属しているから実力も相当らしいしよ」

 

「同じAクラス生徒とかSクラス、三年の先輩らは何してるんだ?実力はあるんだろう?」

 

「杉並くんって、逃走や隠れることがこの学校の中で秀でているの。上級生でもお手上げってこと。

まるで、どこかで監視をしていて私たちのことをチェックしているようで・・・・・」

 

「俺たちから抗議できないのか?教師とか直接本人に」

 

葉桜はまた首を振った。

 

「先生ならともかく、直接本人にはできないよ。この学校は実力主義って言ったでしょ?」

 

「ああ、そうだな」

 

「この学校のクラスってテリトリーのようなものがあるの。S~B、C~D、E~Fって。

つまり、私たちが動けれる範囲はEクラスまで」

 

「・・・・・俺たちはFだからAクラスには行けれないってことか」

 

そう呟けば、葉桜は肯定と頷く。

 

「逆に、高位クラスの生徒たちは行動範囲が広い。

S~Bの生徒たちはこのFクラスにまで歩けれる。

これは三年生の教室でも同じだから気を付けてね」

 

「分かった。しかし、本当にこの学校は変わってるな。

まるで貴族か軍事のようだぞ。サーゼクス・グレモリーは一体何を考えているんだ?」

 

「ひょ、兵藤くん・・・・・理事長に呼び捨ては・・・・・!」

 

俺の発言に葉桜が窘めてきたが途中で口が止まった。俺の後ろを見て固まっている事に気付いた。

なんだ?と背後に振り向く。

 

「構わないよ。寧ろ、私のことをお兄さんと呼んで欲しいぐらいだね」

 

紅髪の男性がにこやかに笑みを浮かべて、俺の後ろに立っていた。

 

「り、理事長っ!?」

 

「・・・・・どうしてここに?」

 

そう問うと、俺が持っている新聞に視線を向けてきた。

 

「なに、今朝から騒がしいものでね。その理由を探ってみれば、

兵藤一誠くんのことで盛り上がっているじゃないか。・・・・・一応、キミは重要で主要な

人物だからね。おいそれと、世間に明るみになっては我々も困るのだよ」

 

「・・・・・俺が?」

 

怪訝にサーゼクス・グレモリーに問う。どういうことだ、と。

 

「私から彼に伝えよう。理事長権限を使ってね。

これ以上、キミの学校生活に支障が生じては大変だろう」

 

それはありがたい。だが、なぜ俺を特別扱いのようにするんだ?

 

「・・・なぁ、どうしてそこまで俺のことを関わるんだ?俺はあなたたちのことをいままで

知らなかったんだぞ・どうしてなんだ?」

 

サーゼクス・グレモリーに問うた。さて、どう答える?

 

「キミの両親には大変世話になっているのでね。少しでも恩返しとしたいのだよ。

ましてや、キミは私の妹を守ってくれた。―――これが私の答えだが、不満かね?」

 

「・・・・・」

 

真っ直ぐ目を向けてくる。その目は嘘偽りがない事に、分かった。

 

「・・・・・取り敢えず、分かった。まだ、納得できないところがあるけど」

 

「そうかい。それは良かった」

 

安心した表情を浮かべる。と、徐に懐に手を差し込んで何かを取り出した。

 

「そうだ。私とアドレスを交換しないか?妹のアドレスもあるのだがどうだい?」

 

「・・・・・友好に関わりたいと?」

 

と、言えばサーゼクス・グレモリーは頷いた。

 

「キミが悪魔と堕天使を嫌う理由は十分理解する。だがね。

キミが思っているような悪魔と堕天使は何も全員ではないよ」

 

「・・・・・」

 

リアス・グレモリーと同じことを言いやがるんだな。

 

「・・・・・リアス・グレモリーと兄妹だけあって、似ているな」

 

「おや、嬉しいことを言われたね」

 

「・・・魂までは売らないからな」

 

携帯を取り出しながら言った。そう言えば、サーゼクス・グレモリーは笑った。

 

「はははっ、そんなことしたらルシファーさまたちに殺されかけないよ」

 

「あなたは殺しても死ななさそうがな」

 

「悪魔が永遠に近い人生の中を生きられても、心臓を刺されたり、首を斬られたら流石に死ぬさ」

 

「なるほど、それを聞いて安心したよ」

 

と、雑談しながらアドレスを交換し終えた。サーゼクス・グレモリーは満足気に頷き、言う。

 

「さて、私は彼のもとへ行こう。キミは何も心配する事もなく、学校生活をエンジョイしなさい」

 

そう言って、サーゼクス・グレモリーはいなくなった。

 

「席に座るか」

 

「はい、そうですね」

 

何事もないように俺たちは自分の席に近づいて座った。

 

「ん?お兄さん?」

 

今更ながら、サーゼクス・グレモリーが言った言葉に疑問を浮かんだ。まあ、どうでもいいか。

 

―――○●○―――

 

授業が終わり、休憩時間となった。席に立ちあがり龍牙の所に赴く。

 

「龍牙、質問していいか?」

 

「いいですよ」

 

神滅具(ロンギヌス)って何だ?」

 

と、質問した。そしたら、キョトンと龍牙が首を傾げた。

 

「一誠さん、神器(セイクリッド・ギア)のこと知らないんですか?」

 

「それは知っていた。でも、神滅具(ロンギヌス)って単語は聞いた事がなかったんだ。

神器(セイクリッド・ギア)を所有しているお前なら知っているかなと思ってな」

 

「ええ、知っていますけど。神滅具(ロンギヌス)とは、

神を滅ぼすことが可能性を秘めている神器(セイクリッド・ギア)なんです。

大雑把で言えば、他の神器(セイクリッド・ギア)より強力な能力を複数ある神器(セイクリッド・ギア)ですね」

 

「・・・・・そこまで凄いのか。全然知らなかったぞ」

 

話を聞いて感嘆すると、龍牙が苦笑する。

 

「僕自身も驚いていますよ。知らないなんてびっくりです」

 

「今の今まで修行をしていたから知識があまりないんだ」

 

「そういうことだったんですか。しかし、グレートレッドと一緒に生活している人なんて、

現物を見ても信じられませんね」

 

・・・・・龍牙の話しを聞くと、グレートレッドさんって結構有名なのか?

 

『知らん。勝手に奴らが騒いでいるだけだ。それよりも一誠。

目の前の人間、ドラゴンを宿しているぞ』

 

そうなの?

 

『ああ、すっかり忘れていたが、「輝甲龍皇(ギガンティック・ドラゴン)」ファフニール。そいつがいる』

 

ドラゴン系の神器(セイクリッド・ギア)か。俺と一緒だな。

 

―――ガラッ!

 

「おい、兵藤一誠はいるか?」

 

扉が開いた音と同時に、俺の名を言う誰かか尋ねてきた。振り向けば。

金髪の髪を逆立てた赤い瞳の男子生徒が傍らにケースを持った二人の男子を引き連れて入ってくる。

 

「・・・三年生の人です」

 

声を殺して言う龍牙の瞳から「気を付けてください」と訴えてくる。

面倒な相手なのか?三年生と思しき男子生徒が近づいてきて、あの新聞を見せ付けてきた。

 

神滅具(ロンギヌス)を四つ所有して尚かつ、グレートレッドと住んでいるって話し、

本当か?」

 

何気に高慢的な態度だな。クラスメートたちは静かに成り行きを見守っている。それで正解だな。

 

「ああ、神滅具(ロンギヌス)の関しては知らなかったけど、グレートレッドと住んでいるのは事実だ。

けど、それがどうかしたか?先輩には関係ない話しだと思うが?」

 

「関係なくねえな。お前はこれから俺の眷属となるんだからよ」

 

―――こいつ、悪魔か。ケースを持った二人の男子生徒が近づき、ケースを開けた。

それを俺に見せびらかす。

 

「・・・・・?」

 

チェスのような駒が一つと、契約書が一枚、もう一つのケースには札束がギッシリと詰まれていた。

 

「金の方はざっと一億はある。人間がどれだけ働こうが決して手に届かない金額だ」

 

「・・・で、この駒は何?」

 

変異の駒(ミューテーション・ピース)

複数消費が必要な相手に、これ一つだけ消費すれば悪魔に転生できる優れ物の駒だ」

 

ふぅん、これがそうなんだ・・・・・・。初めて見るな。マジマジと駒を見ていると、上級生が不敵の笑みを浮かべた。自信に満ちた表情を。

 

「兵藤一誠、この一億をくれてやる代わりに俺の眷属となれ。

なった暁には、なに不自由のない生活を送らせてやる」

 

『・・・・・』

 

教室が緊張に包まれる。そんな緊迫する空気の中、俺はとある質問をした。

 

「先輩の強さはどれぐらい?」

 

「あ?」

 

「全校生徒の中で先輩の実力はどれだけ強い?と聞いているんですが」

 

「・・・・・」

 

上級生は不機嫌そうに目を細め俺を睨んでくる。

 

「つまり何だ?王道的なあれか?自分より弱い奴の下にいたくないというあれか?」

 

「純粋に質問をしているだけだ。言い辛いならどこのクラスなのか教えて欲しい。

クラスが分かれば先輩の強さが分かるからさ」

 

「・・・・・っ」

 

ガシッ!

 

突然、俺の胸倉を掴んで、

 

「てめぇ・・・・・なにさまのつもりだぁ?」

 

ドスの利いた声で問いかけてきた。リーラや葉桜、和樹、龍牙が制止をしようと動くのを見え、

俺は腕で制する。

 

「この俺が、ひ弱い人間から強い存在に変えてやると言っているんだ。

永遠に近い命だって得られるんだぞ?

お前ら高が数十年しか生きられない下等な種族にこれ以上のない交渉でこっちからやってきたんだ。

てめぇはありがたく、この交渉を承諾すりゃあいいんだよ。

―――おら、さっさとこの契約書にサインをしやがれ」

 

ケースから契約書を掴んで、龍牙の机の上にバンッ!と叩きつけた。

 

「お前がいれば俺は最強になれるんだ。

そうすりゃ、三世界の王になれることだって夢じゃないんだ」

 

「・・・・・三世界の王?」

 

「なんだ、知らないのか?冥界の魔王の娘、天界の神王の娘、そんで、

この人間界の王の娘と結ばれば、三世界の王となれるんだぜ?そのためにはどうしても力が必要だ。

圧倒的で絶対的な力を。その力を持つのはお前だ。

四つの神滅具(ロンギヌス)、不動の存在、グレートレッド。

最強の力をお前は知らないで所有しているんだ。誰もお前を無視するわけがない」

 

上級生の野望が口から出てくる出てくる。静かにその話を聞き、

あの三人の顔を脳裏に思い浮かべる。

 

「(こんな悪魔があいつらと結ばれる・・・・・?)」

 

とてもじゃないが、こんな悪魔とつりあえるとは思えない。自分のことしか考えていない奴が。

 

「お前がいれば、俺は世界を支配できる!だからよ。

お前は未来の王となる俺の眷属に相応しい下等種族なんだ!」

 

―――あいつらを幸せにできるかよ・・・・・。

 

「・・・・・よーく、分かった」

 

そう呟くと、上級生は嬉々と笑みを浮かべた。なにか、勘違いしているような気がする。

 

「はっ、ようやく分かったか?だったら、さっさと契約書に―――」

 

ガッ!

 

「―――てめえみてぇな悪魔が、冥界だけじゃなく、この世界にもいるってことがな」

 

胸倉を掴む手の手首を掴んで、上級生に殺意を向けた。

 

「っ・・・!?てめ・・・・・!俺に逆らっていいと思ってい―――」

 

「うるさいよ」

 

グシャッ!

 

「っ!ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」

 

手首の骨を握りつぶしただけでそんなに喚くな。

と、上級生が引き連れてきた二人が攻撃態勢になろうとしていたのを視界の端に映る。

 

「動くな」

 

「「っ・・・!?」」

 

瞬時で背中に生やした金色の翼で二人の咽喉に突き付けた。

 

「これは天使の翼と思え。お前ら二人の首を簡単に斬ることだってできるんだからな」

 

そう言えば、ゴクリと唾を飲み込み、大人しくなった。

 

「ぐぅぅぅっ・・・・・!は、放せっ・・・・・!お、俺を誰だと・・・・・!」

 

「知るか。俺からすればお前は木端悪魔だ」

 

金髪を鷲掴みにして持ち上げる。苦痛に歪んだ上級生の顔はとても愉快だった。

 

「他人の力を借りることしか能がない悪魔の眷属に誰がなるか。

―――俺は悪魔と堕天使が嫌いなんだよ」

 

拳を握りしめて、上級生の腹部に深く突き刺す。

鈍い音が炸裂したと共に上級生が苦痛の悲鳴を上げる。

 

「がぁっ!?」

 

「そうだ、3年D組の委員長のようにしてやろうか?」

 

あの先輩、授業が終わった後すぐに病院へ搬送されてたし、全治一ヶ月とかいってたな。

 

「ひっ―――――!?」

 

あの委員長の末路を今度は自分もなるんだと理解したのか、顔を青ざめ始めた。

 

「お前の場合、二ヶ月にしてやるよ」

 

そう言って俺は上級生の顔面に拳を放った。

 

「や、やめろぉぉぉっ!?」

 

制止の声がするが、止める気はない。俺の拳は真っ直ぐ、上級生の顔に向かう。

 

―――ガッ!

 

しかし、俺の拳は上級生の顔面の前で、誰かの手によって受け止められた。

 

「そこまでにしてもらおう」

 

「・・・・・」

 

俺の拳を受け止めた。それはかなりの実力者だと理解した。

乱入してきた第三者に視線を向ければ。

 

「イッセー!」

 

リアス・グレモリーが俺の傍に駆けつけ、羽交い締めしてきた。

 

「それ以上、攻撃をしないでちょうだい!」

 

「・・・・・」

 

そう言われるが、俺は黒髪の短髪、紫の瞳を持つ男に睨んだままだ。

 

「それ以上、この者に攻撃を加えれば、停学どころではなくなる。俺はその結果に好めない」

 

「・・・・・」

 

停学どころじゃなくなる、そう言われ舌打ちをして上級生を離した。

そうすると、リアス・グレモリーが俺の前に立って、顔を覗きこんでくる。

 

「イッセー・・・・・どうしてこんなことを・・・・・」

 

「・・・はっ、そこの上級生が眷属になれと恫喝してきた。

その理由があまりにもふざけているから、ついな」

 

「つい、って・・・あなた・・・・・」

 

悲しげに呟くリアス・グレモリー。はいはい、俺が全面的に悪いだろうさ。

 

「ぐっ、ちくしょうっ・・・・・この、下等種族が・・・・・・よくも俺を恥かかせやがったな」

 

フラフラと立ち上がる上級生。上級生は体格の良い紫の瞳の男子に懇願するように喋り出した。

 

「おい、サイラオーグ!この人間は俺の誘いを蹴ったどころか、手を上げて反抗してきた!

これはどう考えても『はぐれ』と同じだろう!?こいつを捕まえろ!」

 

はぐれ・・・・・?ああ、昔、はぐれ悪魔が言ってた話しのことか。

サイラオーグとかいう男子生徒は腕を組んで首を横に振る。

 

「・・・・・それは俺が決めることではない」

 

「あぁっ!?」

 

「お前の行動を見ていたこのクラスの者たちの証言によってお前の立場が変わる」

 

サイラオーグという男子生徒がクラスメートたちを見渡した。

 

「ハッキリ問おう。兵藤一誠とこの男、どちらが悪かった?指を差して決めてくれ」

 

『・・・・・』

 

クラスメートたちは顔を見合わせ・・・・・ゆっくりと指を差した。

そう・・・・・上級生のほうに。

 

「こ、この・・・・・!?」

 

ギリギリと歯を強く噛みしめ、憤怒の形相を浮かべた。

サイラオーグという男子生徒は、真っ直ぐ上級生に視線を向ける。

 

「どうやらお前のようだな。兵藤一誠も非がないとは言い切れないが、

このクラスの者たちはお前を差した」

 

「ふざけんなっ!?こいつが俺の誘いを受けないのが悪いんだ!

おい、兵藤一誠!てめえ、絶対に後悔させたやる!どんな方法を使ってでも、俺はお前を―――!」

 

ドゴンッ!

 

上級生の叫びが、突然の激しい打撃音によって途中で聞こえなくなった。

上級生は言葉を全部言い切る前に―――サイラオーグの一撃で教室の黒板の壁に叩き飛ばされていた。

 

ガラッ・・・・・。

 

壁から上級生が落ちる。―――すでに気を失ったようで、床に突っ伏していた。

 

「・・・・・やっぱり、強いですね」

 

「龍牙?」

 

真剣な表情で龍牙が言う。サイラオーグという男子生徒は自分が吹っ飛ばした上級生のもとに寄り、制服の襟を掴んだ。

 

「―――三年S組の委員長、サイラオーグ・バアル。

この駒王学園が始まって以来、悪魔であるにも拘らず、魔力が使えない悪魔です。

しかし、彼は体術だけで頂点を登り詰めた駒王学園最強の悪魔なんです」

 

魔力が使えない悪魔・・・・・体術だけで頂点に上り詰めた悪魔・・・・・。

 

「すまないな兵藤一誠」

 

「・・・・・なに?」

 

いきなり謝罪された。なんでだ?

 

「この者は前からゼファードルと一緒で学園の規律を乱す悪魔だ。近々粛清しようと思っていたが、

ゼファードルを先に粛清をしてもらった。今回もお前に迷惑を掛けてしまった。」

 

「・・・ああ、別に気にしないでくれ」

 

「今後、色々と見直さなければなるまいな。

リアス、ソーナとシーグヴァイラを招集して会議をするぞ」

 

「え、ええ・・・・・分かったわ」

 

「ではな、兵藤一誠」

 

サイラオーグとリアス・グレモリーが教室からいなくなろうとする。その時だった。

 

「いつか、お前と全力で戦ってみたいものだな。格闘術を駆使してな」

 

それだけ言い残して、いなくなった。

その後、騒ぎを掛け付けてきた教師陣から根掘り葉掘り吐かされた。その結果。

 

―――兵藤一誠、三日間の謹慎処分を下す。

 

『絶対にあり得ないっ!』

 

俺の処分を知ったリアス・グレモリーたちが激怒したのは余談である。

 

 

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