駒王学園ではなく神奈川県川神市にある学校、川神学園に通い始め、一日が経った。
翌日、俺たちは魔方陣を介して再び川神学園に姿を現す。
「よし、到着と」
「堂々と魔方陣で登校するなんて初めてだよ」
「まあ、そいつは他の奴らもそうだろうさ」
空を見れば、断続的に転移用魔方陣が出現して、悪魔や天使、堕天使の生徒、
または魔法使いの生徒たちが現れる。
「そうじゃない奴は電車で通勤してくるし、今のところ問題はないだろう」
「登校が問題無くても生徒と生徒の間の問題が多発しそうだよ」
「まあ、そこは生徒会と風紀員の仕事だな」
「ええ、最小限に抑えてみせます」
ソーナ・シトリーの発言に真羅椿姫も頷く。
「生徒会も、この学校の生徒会と交流するんだろう?」
「そのつもりです。対立したままでは生徒会の仕事がはかどれませんから」
「リアス・グレモリーは部活動するんだ?」
「ここでも活動をするつもりよ。悪魔としての仕事をちゃんとこなさないと」
うわー、神奈川県に住む皆さん。聞きましたか?このヒト、悪魔の仕事をここでもするそうなので
見かけたら避けて移動してください。魂を抜かれますよ!
「・・・・・なんか、物凄く不快なことを言われたような気がするわ」
「気のせいじゃないか?」
そうこうしている内に歩き続けていた俺たちは玄関に辿り着いた。
全員、それぞれのクラスの下駄箱に移動して上履きに履き替え―――。
バサバサッ・・・・・。
「「「「「「「「「「・・・・・・」」」」」」」」」」
俺の下駄箱を開けてみたら、大量の紙が飛び出てきた。・・・・・なに、これ。
「送り主の名前はない・・・・・?」
「しかも、一誠の下駄箱にだけ入っているみたいだね」
「ちょっと読ませてもらいますよ?」
一枚の手紙を手にして中にある紙を取り出して復唱する龍牙だった。
「『死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねッ!リア充爆発しやがれッ!』・・・・・ですって」
「うわー、新しい嫌がらせ?しかも、子供じゃん・・・・・・」
「・・・・・こっちも似たようなものですよ」
「こっちもだわ。最低ね」
こんなことする奴を思い当たる。違う学校に通うことになっているし、迷惑を掛けてはならないと
サーゼクス・グレモリーから言われているからこの手で嫉妬と憎悪を向けているんだろうな。
「全部焼却」
「かしこまりました」
取り敢えず、邪魔だから魔方陣で家に送ってっと。・・・・・上履きまで無い。
嘆息し、亜空間から新しい上履きを取り出してそれに履く。
「上履きまで無いなんて、本当に子供染みたイジメだね」
「こんな根暗なことをされるぐらいなら真正面からイジメられた方が何倍もマシだ。
物理的に返り討ちできるのに」
「・・・・・いっくんをイジメる奴は私が殺す」
「うふふ、力のなかった昔の私たちではありませんからね。今度は一誠さまを守りますよ」
あ、ありがたいけど・・・やっぱり迷惑を掛けちゃダメだってば・・・。
というか、悠璃。相手を殺すな!
―――二年S組―――
自分たちの教室に入れば、何時もと変わらずHRまで賑やかなクラスでありクラスメートたち。
「よう、兵藤!おはよう!」
「今日も集団登校か?」
「もう、すっかり兵藤くんたちの集団登校は見慣れちゃったわね」
「式森くん、おはよー!」
「葉桜さん、おはようございます」
うん、今日も元気有り余っているなこいつら。挨拶される度に俺たちも挨拶をする。
「何時もと変わらないねー、違う学校なのに」
「何時までもそんなこと気にするような奴らじゃないと、思っているけど?」
「あははは・・・・・」
清楚が苦笑する。物凄く心当たりがあると、だからそんな笑みを浮かべるんだろうな。
各々と自分の席に座ってHRまで俺たちも話し合うことにした。
ガラッ!
「うるさいのじゃ!」
『・・・・・?』
いきなり教室の扉を開け放って見知らぬ女子生徒・・・というか、着物を着た少女に注意された。
クラスメートたちは、頭の上に疑問符を浮かべて首を傾げた。
「誰だ、あいつは?」
「きっとこの元々学校にいる生徒なんじゃない?」
「でも、着物を着ているぞ?そんな生徒がいるのか?」
「あれでしょ?学校に多額の寄付すれば、自由な服装で登校できるって
この学校のパンフレットに書いてあったわ」
「ああ、なるほどな。でも・・・・・流石に着物はないだろー」
『うんうん、言えている』
クラスメートたちが正直に笑みを浮かべて笑い声を上げる。別に嘲笑しているわけじゃないが、
確かに学校と着物は合っていない。
「こ、此方の着物を蔑むとは・・・いい度胸じゃな・・・・・っ!
此方を誰だと心得てその口から此方を嘲笑っておるのじゃ!?」
『いや、お前(あなた)(キミ)のこと、今日初めて会ったばかりだから知らないし。
というか、逆に誰?』
「~~~っ!?」
顔を怒りで顔を真っ赤にした着物の少女。・・・・・あの独特な喋り方。どこかの令嬢か?
「お、同じ2-Sだからどんな輩がいると思えば、
下賤な山猿ばかりの集団とは思いもしなかったわ!」
『・・・・・?』
どうして自分たちは怒られるんだ?と風にクラスメートたちは首をまた傾げる。
駒王学園ではどんなに騒がしくても、一切の苦情はなかった。でもそれは駒王学園だからだ。
今の俺たちは川神学園に在籍している。
学校が違うとこうも勝手が違うということか・・・・・。
「俺たち、普通に過ごしているんだけど?」
「山猿のようにキーキー騒いでか!?」
「それがこのクラスのモットーだよ?」
一人の女子生徒がとある方へ指す。そこには―――。
『元気百倍!』『百%勇気!』『元気溌剌!』『騒然上等!』『元気玉!』
と、元気という共通性がある文字が壁に飾られていた。
「そういうわけだから」
『うん、その通り』
「・・・・・っ」
クラスメートの大半が肯定と頷いた様子に着物少女は体を震わす。
―――というか、何時の間にアレがあったんだ?昨日はなかったはずだぞ。
先生辺りが飾ったのだろうか?
「駒王学園の者どもはろくでもない集団じゃな・・・・・」
「・・・・・なんですって?」
「そうであろう?人間の敵である悪魔と堕天使が平然と此方たちが住む人間界に闊歩しておる
ではないか。それを下賤な輩である貴様らは平然と受け入れておるではないか。
普通は怖がることろじゃぞ?もしや、貴様らは悪魔や堕天使に洗脳されておるではあるまいな?」
『・・・・・』
あー、やっぱりそんな認識か。理解しかねないわけじゃないけど・・・あまりの言い草だろ。
「にょほほ♪その前に騒々しい山猿の知能は低過ぎて洗脳される前に
調教されておるのかもしれぬな?
おー、怖い怖い。山猿は山猿らしく、山に帰って騒々しく―――」
ガタッ。
「にょ?」
ガタガタガタ・・・・・ッ。
徐に、クラスメートたちが立ち上がった。・・・・・こいつらから怒気を感じるぞ。
「あのさ、いいかな?」
「なんじゃ、高貴な此方に意見かの?」
「そりゃ、騒々しかっただろうし、うるさかったかもしれない。それは悪いとは思っているぞ。
けどな、さっきから俺たちのことを山猿と言うのはどうかと思うぞ?お前さ、何様だよ?」
「ふん、此方のことを知らぬ下賤な輩に名乗る必要もないわ」
着物の少女は嘲笑の笑みを浮かべた。
「この二年S組の不死川心の名をな!」
・・・・・・思いっきり自分で言っているじゃん。
キーンコーンカーンコーン・・・・・・。
鐘が鳴った。HRの時間だ。
「よいな。今日のところはこれぐらいにするのじゃ。
じゃが、また此方に迷惑を掛けたら貴様らの明日はないと思え」
『・・・・・』
クラスメートたちが睨むだけで何も言わない。
不死川心という少女は笑いながら教室からいなくなったところで、
「あいつ、嫌い」
悠璃がポツリと呟いた。あー、早速亀裂が入っちまったな。
これからどうなることやら・・・・・。
「和樹、防音の魔法でも施そう」
「そうした方が賢明かもね」
はぁ・・・と俺たちは溜息を吐いたのであった。
―――○●○―――
キーンコーンカーンコーン・・・・・。
授業は程なくして終わり、午前の授業は終えた。
防音の魔法、結界を施して授業をしていたから苦情は当然ないが、
これから毎日こうしないといけないのだと思うと溜息が出る。
昼休みと成り、俺たちは教室で弁当を食べることにした。
「―――ん、来たな」
「え?誰のこと?」
ガラッ、
「一誠、美少女が来たぞー」
「同じく、松永燕の登場よん」
あの二人だ。と目線で言えば、和樹は納得した面持ちと成った。百代と燕がこっちに来て、
一緒に食べるためか、パイプ椅子を持っていて俺の机の前に置きだした。
「昨日もそうだけど、先輩は友達と食べないの?」
「ん?ここに友達がいるじゃないか」
「いや、それはそうだけど・・・・・」
俺に指す百代に和樹が少し戸惑いの色を浮かべる。和樹の言いたいことも分かるが、
彼女自身が決めていることだから、俺は敢えて何も言わない。
「一誠、この学校に馴染んだか?」
「うーん、まだ二日目だから何とも。それに・・・・・」
「それに?」
ガラッ!
「にょほほ、今度は静かにいるようじゃのぉ山猿どもよ」
『・・・・・』
再び現れた着物の少女こと不死川心。
クラスメートたちは弁当を食べる手を停め―――彼女を睨んだ。
「あー、不死川か」
「やっぱり知っていたか」
「そりゃ、この学校の生徒なら一度ぐらい顔を見るさ」
ある意味人気者ってことか。
「うむ、静かにしておれば此方は大満足じゃ。
またキーキー煩く鳴かれると此方の耳が腐ってしまうからのぉ」
『・・・・・っ』
・・・・・あいつ、俺たちと仲良くする気はないな?明らかに俺たちを侮蔑しているし。
「おい、用がないなら教室から出ていけよ」
「高貴な此方にそのような物言いをするとは怖いもの知らずじゃな。勿論、悪い意味でな?」
「・・・・・私たちに喧嘩を売るつもりなの?
まだ私たちがうるさくしていたことを根に持っているの?
どっちなの?」
「その問いに此方が答える理由はないのじゃ」
扇子を広げて口元を隠して嘲笑の笑みを浮かべ、そう言い放つ彼女に―――。
「・・・・・」
清楚が立ち上がった。そして、真っ直ぐ不死川心に向かう。
「なんじゃ、おぬしは」
「私はこのクラスの委員長の立場である葉桜清楚です。
朝の事に関してはこちらに非があると思っているわ。
でも、それ以上にあなたは私たちに何をされたの?
私たちが互いのコミュニケーションをしていただけ、
それがうるさかったのは確かにいけなかった
かもしれない。前の学校、駒王学園では何時も賑やかに友達同士と話をしていたから
違う学校でも変わらずにしてしまった。だから、このクラスにいる友達の魔法使いに
防音の魔法を施して授業を受けていて、今でも施された防音の魔法の中で私たちは
食事をしているの。それなのに、あなたはなに?」
「な、なにがじゃ・・・・・」
あの、彼女がマシンガントーク・・・・・・。初めて見た。
「あなた、かなりプライドが高そうだけど、プライドだけで生きていられると思ったら大間違いよ。
そんなんじゃ、一人の友達だってできやしない」
「―――っ!?」
真っ直ぐ清楚はそう言い切った。不死川心は絶句したかと思ったら、憤怒の形相を浮かべ出す。
「こ、此方に説教などと・・・・・いい度胸じゃな。お主は・・・・・!」
「説教じゃないよ。ただこれ以上、このクラスの生徒たちに過剰な罵倒をしないでほしいと
思って言っているだけよ」
「そう言うのを説教と言うんじゃ!貴様、此方を怒らせたらただでは済まんぞ!」
「どんな風に済まないの?」
せ、清楚・・・・・・さん・・・・・?
「ふん!貴様の家族を滅茶苦茶にするぐらいは、
不死川家の威光と権威であっという間にできるわ!」
「・・・・・へぇ?私の家族を・・・・・・?」
彼女は尻目で俺に視線を送ってきた。な、なんだ・・・・・?
「じゃあ・・・・・私の家族、次期人王の兵藤一誠くんもそんなことができるんだね?」
「・・・・・なんじゃと・・・・・?」
「あなたの家と人王・・・・・どっちが上なのかなぁ?」
うふふ、と清楚が怖い笑い声をする・・・・・・!?
「・・・・・あれ、絶対一誠に影響しちゃっているよ。特にSの方が」
「確実に間違いないですって・・・!
あんな清楚さんは今まで見たこともないですって・・・・・!」
長く清楚と接している和樹と龍牙が冷や汗を流して声を震わせた・・・って、俺の影響のせい!?
「言っておくけどね、このクラスは次期人王の兵藤一誠くんがいるんだよ。
あなたの朝と今の言動を彼はずーと見ていた。
だから―――彼が人王になった暁にあなたの家なんて
あっという間に滅茶苦茶にだってできるんだよ?ふふっ、それでもいいのかなー?」
せ、清楚さぁぁあああああああああああああああん!?あんた、なに言っちゃってんのっ!?
「因みに、私は彼の恋人だから・・・・・私だけじゃなく、他の皆にも酷いことをしたら
一誠くんが怒るからね?その時はあなたを助ける人なんて一人もいないし私たちも知らないから。
それを承知の上でいいならこれからもこのクラスに来てドンドン罵声をしてきても構わないよ」
そう言って彼女は・・・・・徐に不死川心の額に―――デコピンした。
ズドンッ!
「にょわぁっ!?」
―――ガラッ!
デコピンした拍子に不死川心が教室からいなくなるように吹っ飛んで、
清楚がすぐに扉を思いっきり閉めた。
『・・・・・』
唖然と絶句で彼女を見詰める俺たち全員。対して彼女はふぅ、と溜息を一つ。
「さて、昼食の続きでもしましょう♪」
―――川神学園側二年S組―――
ガラッ!
「ムカつくのじゃーっ!」
「帰って来て早々・・・何が遭ったのですか?それと額に大きなタンコブを作って・・・・・」
「どーせ、言い包められたんだろ?二年F組にさ」
「違うわ!二年S組の駒王学園の奴らにじゃ!」
「おいおい、駒王学園にかよ・・・・・お前、いい度胸してんなー」
スキ-ンヘッドの男子生徒が冷や汗を流して言う。名は井上準。
「なるほど、だから朝も彼らのクラスに行っていたということでしたか。納得しましたよ」
褐色肌に眼鏡を掛けている男子生徒、葵冬馬。
「ですが、彼らとは友好的に接するようにと事前に学長から言われていたではないですか」
「あ奴らがF組のようにキーキーと山猿のようにうるさかったから高貴な此方がちょーと、
注意したら奴らはあろうことか口答えしたんじゃぞ!」
「お前の注意の言い方は大体予想できるから大方、怒りを買わせたんだろうよ。
勘弁してくれや・・・」
「そうですね。彼らは私達とは違う存在であり、
多数の生徒には
「だからなんじゃ!こっちだって
例を挙げれば小雪もその一人じゃ!」
ビシッ!と白い長髪に赤い瞳の女子生徒、榊原小雪に指す不死川心であった。
「ウェーイ♪」
肯定とばかりに笑顔を浮かべた榊原小雪。しかし、葵冬馬は溜息を吐く。
「
至らなければ勝ち目なんてありません。この学校に至った人は限りなく少ないのですよ?」
「いるとしちゃぁ・・・モモ先輩と噂じゃあ学長の川神家族だよな?」
「ええ、そうですね。それに比べて、向こうは大勢いるでしょうし、
こちら側は圧倒的に不利と言うわけです」
「葵くんとあろう者が弱音を吐くなどと・・・・・」
「現実を見て言っているまでですよ」
ニッコリと笑みを浮かべる葵冬馬だが、それでも納得がいかないのか、
体を震わせて悔しそうに口にする。
「おのれぇ・・・・・っ!あのクラスにどんな手を使ってギャフンと言わせたいのじゃ!
特に此方に説教した葉桜清楚を!できれば兵藤一誠もじゃ!」
「・・・・・兵藤一誠?」
不意に、榊原小雪が反応した。彼女だけじゃない、葵冬馬と井上準も顔を見合わせだした。
「おい、不死川。兵藤一誠って次期人王の・・・・・?」
「それ以外誰がいるのじゃ」
不死川心は不機嫌に言う。が、
「・・・・・まさか、彼が駒王学園に在籍していたとはね・・・・・」
「テレビで見た時は驚いたが・・・・・とんでもない偶然だなこりゃ」
「―――僕、会いに行ってくる!」
突然、榊原小雪がどこかへ行ってしまう。彼女に続き、
二人も行ってしまい―――駒王学園の二年S組に三人が突入して辺りを見渡せば、
「・・・・・」
唖然と三人を見詰めた一誠と目が合い―――榊原小雪は顔を明るくした途端に、
「やっと会えたよ!一誠ぇえええええっ!」
歓喜の声を上げ、物凄い跳躍力で一誠に飛び付き抱きついた。
「こ、小雪ぃぃぃっ!?」
『ええええええええええええええ!?』