ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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Episode11

 

 

英雄派が乱入したその日の夜。二日に一度のイベントクエストが発生した。

 

『友達百人できるかな?』

 

『報酬:共通装備Sレアセット』

 

『クリア条件:三時間以内で友達登録に百人のプレイヤーを登録。

※他のプレイヤーと握手を交わしながら友達登録に登録すること』

 

現在の時刻は夜六時。その三時間後の九時まで誰か一人でも他のプレイヤーを百人友達登録に

登録しないとクエストが達成できない設定にしてある。

これは本人たちの意志と性格、行動力が鍵となる。

故に俺は建物の屋根の上から友達登録を行っているプレイヤーたちの様子を見守っている。

 

「杉並、そっちはどうだ?」

 

『問題ない。順調だ』

 

「で、英雄派の奴らは?」

 

『戦意喪失して逃走したぞ』

 

「くくく、そうか。よっぽど堪えたようだな」

 

今頃、頭を抱えて震えているんじゃないか?

 

『―――二度も同じ人間の血をこの手で汚すことがなくて良かった―――』

 

「・・・・・」

 

龍牙の兄、総大将が言ったあの言葉が妙に引っ掛かる。

まさかと思うが兵藤家の誰かを殺したというのか?

 

『どうした?』

 

「いや・・・・・少し考え事をしていた」

 

『そうか、それにしても「九十九屋」が関わるとはな』

 

杉並が知っているということは裏社会ではかなりの知名度を誇っているのか。

龍牙の奴、とんでもない兄の弟だな。

 

『さて、そろそろゲームは中盤に差し掛かる』

 

「ああ、否が応でもあいつらは互いに求めあう。そんなクエストもあるしな」

 

『ふふっ、特にあの集団戦闘クエストは何がなんでもクリアしてもらわないと困るというものだ』

 

耳の中に入ってくるあいつの声に同感だと頷く。そのクエストは―――ゲームの最終日に発生する。

 

―――杉並side―――

 

川神学園と駒王学園の全校生徒がこのゲームの世界に住んであっという間に現実世界では

六時間が過ぎた。あの空間の中では長い時間を過ごしているおかげで千のクエストも殆ど

クリアされている。それでもまだまだクエストはあるが、それも時間の問題だろう。

 

「あー、流石に疲れるぜ。あの疑似空間を維持するのもよぉ」

 

「ここまで長時間でRG(レーティングゲーム)を応用した空間を維持するのは初めてだね」

 

「まっ、そのおかげであの坊主共の仲が発展した」

 

「アジュカの協力もなければ成せなかったことだ。彼は楽しそうに、

面白そうに構築していたがね」

 

だが、それは後一時間もしない内に終わる。

 

「ほっほっほっ、さて皆の衆。頑張るんじゃぞい」

 

―――一誠side―――

 

次々とクエストが消化され、千もあったクエストが残り一つを残してクリアされた。

千人以上の生徒たちが様々な装備を纏って集結していた。残りのクエストは集団戦闘クエスト。

そのクエストは999のクエストをクリアしなければ受理する事ができない

封印されていたクエスト。それがいま、解禁された。

 

『終焉の使者たち』

 

『参加条件:全てのプレイヤー参加』

 

『勝利条件:全てのモンスターを撃破』

 

『敗北条件:???』

 

これが最終クエスト。―――さて、始めようか!

 

―――ソーナside―――

 

最後のクエストを受理した私、ソーナ・シトリーは首を傾げていました。

未だにクエストらしいことが起きていないからです。周りからも怪訝な顔で

発言する生徒たちの声が聞こえてくる。その中、親友のリアスが口を開いた。

 

「イッセーたちに何か問題でも起きたのかしら?」

 

「・・・・・」

 

私もそう思いました。でも、彼に不備なんて少し考えにくいのです。

ですが、一向にクエストが発生ないとならばその可能性は―――。

 

ゴォーンッ!ゴォーンッ!ゴォーンッ!

 

私たちの耳に激しく打ち鳴らす銅鑼の鐘の音。その鐘の音がする意味は―――。

 

「た、大変だぁっ!こっちに大型のモンスターが北から迫ってくるぞぉっー!」

 

これが・・・・・最終クエストの合図なのでしょう―――。

 

「東にも現れたぞ!」

 

「西にもだ!」

 

「なんてこった!南からもモンスターが来ているぞ!この町を囲むように来るなんて

俺たちはどうすればいいんだぁ!」

 

どこからともかくNPC(ノンプレイヤーキャラクター)の怒号と悲鳴が上がる。

―――東西南北から巨大モンスターの襲来!?それが最終クエストということなのですか、

イッセーくん!

 

「すぐに迎撃の準備だ!バリスタ、大砲、何でもいい!ありったけの迎撃用の武器を整えろ!」

 

「この町を俺たちの手で守るんだ!ここは俺たちの先祖代々が守ってきた『家』なんだ!

絶対にモンスターなんかに負けてたまるか!」

 

・・・・・なるほど、何気に敗北条件も言ってくれましたね。

 

「―――俺たちは北から来る巨大モンスターを倒す!お前たち、俺について来い!」

 

と、サイラオーグが高々に声を張り上げてた。それが呼び水となり―――。

 

「私たちは南からくるモンスターたちを撃破するわよ!付いて行きたい者は付いてきなさい!」

 

リアスも声を張り上げて、

 

「私たちは西に行きますっ!皆、行きましょうっ!」

 

清楚もそう宣言した。そして必然的に私が行く道は―――。

 

「私たちは東へ行きます!これが最終クエストです。皆さん、

力を合わせてこのクエストをクリアしましょう!」

 

一拍して、

 

『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!』

 

この場にいる全校生徒が気合の声を張り上げて、街中を轟かせた。

それから私たちはそれぞれ東西南北へ向かって迎撃の準備をするのでした。

東の砦に辿り着いた私たちの目に飛び込んだ光景は―――全長百メートルはあろう

赤い四肢のドラゴンがゆっくりとこっちに向かって歩いていました。

そのドラゴンの足元に無数の赤い小型モンスターたちもこの町に向かって駈け出している。

 

「―――弓と僧侶、魔法使いのヒトたちは後衛で前衛の援護を!刀剣士、

格闘の皆さんは前衛で敵モンスターの撃破!バリスタと大砲の用意も忘れずに!」

 

『はいっ!』

 

―――清楚side―――

 

西の砦に辿り着いた私たちの目の前に―――。

 

『ハハハハッ!』

 

何故か、アジ・ダハーカがいた!ええええええええええっ!?

どうしてあのドラゴンがいるの!?というか、あのドラゴンって不死だから倒すことは

できないんじゃないかな!?驚いている私の横にカリンちゃんが私の気持ちを代弁したように

言ってくれた。

 

「撃破って色々とある。封印とか捕獲とか」

 

「あっ、じゃあ・・・落とし穴であのドラゴンを嵌めて眠らす?」

 

「でも・・・・・簡単に眠るようなドラゴンじゃないと思うぞ?」

 

「酒でも飲ませたら良いんじゃないですかね?

ほら、八岐大蛇を倒したやり方って酒を大量に飲ませて酔わせてから倒した伝承があります」

 

なるほど・・・・・だから生産クエストもあったんだね。

 

「では、あの邪龍を落とし穴に嵌めてそれから口に酒を大量に飲ませて酔わせましょう」

 

「―――龍殺しって酒を飲ませてね?」

 

和樹くんが意地の悪い笑みを浮かべた。『龍殺し』。

かなり高いアルコールでドラゴンが嫌う龍殺しの実を使用しているから・・・・・もしかすると、

この酒はドラゴンに対する必勝のアイテムなのかもしれない。

 

「それじゃ、他の場所にいる皆に伝えよう!」

 

『おう!』

 

―――サイラオーグside―――

 

北の砦に辿り着き、この町に迫りくる小型モンスターを撃破していた頃だった。

 

『私の相手もしてもらおうか!』

 

「っ!?」

 

上空から青いドラゴンが飛翔してきた。俺たちを巻き起こす風で体勢を崩させてた

そのドラゴンは―――兵藤一誠の使い魔、ティアマットだ。

このゲームは兵藤一誠がシーグヴァイラ・アガレスの眷属悪魔である杉並と企てた話は

聞き及んでいる。だから、あのドラゴンがいても必然的であろう。

 

「―――全員、作戦開始だ!」

 

『はっ!』

 

事前に式森和樹から連絡が届いた。ドラゴンを捕縛して酔わせる。リアスがいる南も同様に

ドラゴンが襲撃したようだ。だが、やることは変わりない。―――あの町を守り抜くだけだ!

 

―――リアスside―――

 

「よりによって私たち悪魔にとって厄介なドラゴンが来るなんてね・・・・・」

 

『これも主の願いです。さあ、掛かってきなさい』

 

見るのは二度目。全身金色で頭上には金色の輪っか。

背中に生えている翼は天使のような金色の翼。

青い双眸で私たちを見下ろす『無限の創造龍(インフィニティ・クリエイション・ドラゴン)』メリア!

 

『光の攻撃はしません。火炎のみで戦う指示を受けておりますゆえ』

 

「そう、それは安心できるわね」

 

『ですが―――私の炎は聖なる力も籠っております。ですので、直撃しないようお気をつけてください』

 

・・・・・やっぱり安心できないじゃない!でも、戦うしかない。

私たちより強い存在は星の数ほどいるんだもの。弱気になっていられない!

 

「全員、あの作戦を行うわ!心して掛かりなさい!」

 

『はいっ!』

 

―――一誠side―――

 

「へぇ、教えてもいないのに攻略のヒントを導き出すとはな」

 

町の上空から東西南北から迫ってくるモンスターを迎撃する皆の様子を見て感嘆した。

 

「だが、そう簡単にはいかないぞ?どうやって倒していくのか高みの見物をさせてもらう」

 

「―――ほーう?それは虫の良い話ではないか?一誠よ」

 

「―――――」

 

俺に話しかける存在の声に絶句して背後に振り向いた。そこにいたのは―――。

 

「一誠、我らとも戦おうじゃないか」

 

「ん、イッセー。我と戦う」

 

「ハハハ・・・・・・マジで?」

 

「「マジ」」

 

冷や汗が止まらない。どうしてこの二人がここにいるのか、

そんな理由を知る前に俺は死ぬかもしれない。なんせ、相手は―――不動と最強なのだから。

 

 

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