ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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Episode6

謹慎処分を下されて俺は家に籠って三日過ごした。謹慎中の俺だが、

リアス・グレモリーたちが家にやって来て俺と三日間共に過ごした。ようやく謹慎の期限が終わり、

学校へ行けるようになった。グレートレッドさん・・・・・いや、ガイアだ。

彼女とリーラと一緒に学校へ赴こうとした。外に出て学校へ足を運ぼうと―――。

 

「イッセーくん、おはようっす♪」

 

「・・・・・はっ?」

 

玄関に出て早々、俺はとんでもないものを見る目で、

俺と対峙するように佇む三人の女子学生を見た。

 

「な、何でお前らが・・・・・ここに?」

 

「あはは・・・・・やっぱりそう思うよね」

 

苦笑いをする本来、こことは違う場所で住んでいたはずの一人、リコリス。

 

「お父さまたちが『婚約者の傍にいることは当然のことだよ♪』と仰って昨日の内に・・・・・」

 

昨日の夜。リアス・グレモリーたちは自分の家に戻って行った。確かにあの五人は帰った。

なのに、その内の三人がどうしてここにいるんだ?家は違うところにあったはずだ。

 

「昨日の内に・・・・・なんだ?」

 

「イッセーくんの隣に引っ越しちゃったっす」

 

隣・・・・・?リシアンサスにそう言われ、家の隣を見た。確か、空き地になっていた。

その空き地に目を向ければ・・・・・和風と思しき家が建っていた。

 

「あの家は私の家っす。それから、こっちはリンちゃんとリコリスちゃんの家っす」

 

シアが別の方へ指を差した。その先、俺たちの家の隣に、洋風と思しき家が建っていた。

あっちも空き地になっていたはずだ。

 

「(―――何時の間に!?)」

 

「よう、坊主。今日はいい天気だな」

 

「やあ、一誠ちゃん。おはよう。今日は清々しい朝だね」

 

元凶ともいえる二人が出現した!当然俺は二人に問い詰める。

 

「魔王と神王。これはどういうことだ?」

 

「決まっているじゃないか。キミは晴れて、ネリネちゃんやリコリスちゃん、

シアちゃんの婚約者、つまりは許婚お婿さん候補になったのだからね。

だから、三人の少女の想いをさらに育ませるためにも、

もっとキミと接せるようにこの場所に引っ越してきたのだよ」

 

「ヤハウェさまも賛同してくれたぜ。『今度、あなたの家に訪れます』って祝うためにな」

 

「ルシファーさまたちもキミの家に訪れるそうだ。いやー、嬉しいことじゃないか♪」

 

・・・・・マ、マジでしやがったのか・・・・・。

これから行く学校が怖くてしょうがないぞ・・・・・。

 

「おっと、これ以上引きとめたら学校に遅れてしまうね」

 

「坊主、いや、これからは一誠殿と呼ぼう。家のシアをよろしく頼むぜ!」

 

「ネリネちゃんやリコリスちゃんもお願いするよ」

 

言いたいだけ言って、二人は一緒に和風の家、リシアンサスの家に入って行った。

 

「・・・行こうか」

 

「「「はい」」」

 

―――○●○―――

 

「まてーい!兵藤一誠!」

 

「「「「「・・・・・」」」」」

 

登校中、背後から声を掛けられた。嫌な予感がするなーと思いながらも、後ろへ振り返った。

 

「・・・・・柔道着?」

 

というより、柔道着を身に包んだ人物たちが威圧を放ちながら立っていた。

 

「我らはシアちゃん近衛遊撃部隊。SSS、略して好き好きシアちゃん(SSS)だ!」

 

「(親衛隊・・・・・?ファンクラブと認識していいのか・・・・・?)」

 

「兵藤一誠!我らシアちゃん親衛傭兵団を無視してシアちゃんと許婚などと許すまじ!」

 

そうだそうだ!と、他の奴らまでもが批判する。

 

「その通り!」

 

今度は横から聞こえた。そっちに向け場、

なにやら、迷彩服を身に包んでいる奴らが殺気立っていた。

 

「我ら、ネリネちゃん突撃護衛部隊。RRR、略してランランリンちゃん(RRR)

兵藤一誠、我らのリンちゃんを奪おうとするその罪、万死に値する!」

 

うん、―――さっそく面倒くさい目に遭った!

 

「・・・・・一誠さま、ここは・・・・・」

 

「いや・・・・・大丈夫だ」

 

リーラが迎撃しようと臨戦態勢になったところを制した。こんな奴らに構う暇もない。

 

「兵藤一誠!覚悟しろ!」

 

『オオオオオオオオオッ!』

 

「我らのプリンセスを奪わせん!」

 

『オオオオオオオオオッ!』

 

二つのファンクラブが一斉に襲いかかってきた。

怒りや嫉妬、恨みや妬みがハッキリと伺わせる奴らがどんどん迫ってくる。

もちろん、そんな程度の気持ちで襲いかかるヤツなんて―――。

 

「相手にするのも面倒だ。―――空に飛ぶぞ」

 

「「「・・・・・えっ?」」」

 

バサッ!

 

背中に六対十二枚の金色の翼を展開し、リーラとネリネを腕で抱え、

リシアンサスとリコリスを一対の翼で包んで、残りの翼を力強く羽ばたかせて

空へ逃げるように飛んだ。

 

「イ、イッセーさま・・・・・」

 

「悪いな。学校に着くまでしばらく我慢してくれ」

 

「い、いえ・・・・・大丈夫です・・・・・」

 

恥ずかしそうに、でも、嬉しそうにネリネは顔を赤く染めていた。そしたら、上から。

 

「いいなぁーネリネ。私もイッセーくんに抱きかかえられたいよ」

 

「私もー!」

 

リコリスとリシアンサスの羨ましいと声が上がった。おーい、今の状況を分かっているのかなー?

呑気なことを言う彼女たちに心の中で溜息を吐き、空を飛びながら駒王学園へ向かった。

 

―――駒王学園

 

―――二年F組

 

「ははは・・・・・随分と大変な事が遭ったのですね」

 

「同情をしちゃうよ・・・・・」

 

学校について、自分の教室に戻れば、やっぱりここも俺があの三人と許婚の関係になったことを

知っていた。当然、どういうことなのか?本当なのか?HRが始まるまで執拗に質問攻めされた。

 

「まったくだ。ファンクラブの奴らまで襲いかかってくるんだからな」

 

「しかし、驚きましたよ。あなたが二世界の王女と許婚になるなんて、

昔どこかで会っていたのですか?」

 

「小さい頃、ちょっとな」

 

「本当に会っていたの!?」

 

和樹が驚いた。聞き耳を立てているクラスメートたちも驚いた様子を伺わせる。

 

「それで、兵藤くんはどうするの?」

 

葉桜が問うてきた。さて、どうするかだな・・・・・。

 

「まだ、俺たちは互いのことを知らない。ゆっくり時間を掛けてそれから考える」

 

「そっか。うん、私もその方がいいと思う。女の子の恋を雑に扱っちゃダメだし、

私自身もそんなの嫌だね」

 

「へぇ、葉桜さんも好きな人がいるの?」

 

彼女の言葉に和樹が反応した。俺も龍牙も葉桜に、そうなのか?と視線を向けたら、

顔を赤くして首と両手をブンブンと横に振った。

 

「い、いないよ!ただ、私も一人の女の子としての意見を言っただけだよ!」

 

「そうなんですか?あなたは誰かが見ても可愛いですのにね?」

 

「うん、僕もそう思う。ね、一誠」

 

「ああ、俺もそう思うぞ?この学校の男子は見る目がないな」

 

「―――――っ!?」

 

ボンッ!と葉桜は顔をさらに赤くした。もしかして、可愛いとか言われるのは慣れていないのか?

 

「も、もう!私のことをからかわないの!」

 

「「「いや、本気なんですけど?」」」

 

「はい、私もそう思いますよ葉桜さま」

 

俺と和樹、龍牙、さらにリーラも加わって葉桜のことを可愛いと述べた。

すると、恥ずかしさのあまり葉桜がポカポカと俺の背中を叩きだしてきた―――。

 

「って、何気に痛い!?」

 

「あっ、葉桜さんって意外と力があるんですよ。ロッカーを一人で持っちゃうほどです」

 

「見た目に寄らず、凄いのですね」

 

そこ、感心している場合か!?と、ツッコミながら葉桜の両腕を掴んで防いだ。

 

「―――兵藤一誠!」

 

と、教室中に響き渡るほどの声量が聞こえる。この感じはまたか・・・?と扉の方へ見た。

 

「げっ・・・・・朝のファンクラブの奴ら」

 

そこにいたのはネリネとリシアンサスの親衛隊だった。

 

「朝はまんまと逃げられたが、今回は逃がさんぞ!」

 

「全員、突撃!」

 

「―――俺は退散する!」

 

窓から飛び出して、翼を展開して空を飛ぶ。―――しかし、空には。

 

『・・・・・』

 

悪魔と天使、堕天使の生徒の皆さんが、翼を展開して臨戦態勢で待っていました。

 

「・・・・・マジで?」

 

『覚悟しろ!』

 

魔力の弾や光の槍、聖なる光の弾、様々な攻撃が俺に向かって降り注いでくる。

 

「三大勢力の種族の奴らも嫉妬するのかよ!?」

 

と、叫びながら俺は避け続ける。中には、先回りして接近戦で挑もうとする奴らもいたが、

 

「遅い!」

 

ドゴンッ!

 

『―――っ!?』

 

一撃でKOした。

 

「おのれ、よくも同士を!」

 

「嫉妬の集団の同士なんてクソ食らえ!」

 

「なんだとぉっ!?」

 

怒りに狂う堕天使が光の槍を手にして向かってくる。

対する俺は光の剣で対応し―――堕天使の翼を両断する。

 

「ぐああああああああっ!?」

 

「単純な攻撃は効かない」

 

地に墜ちる堕天使に向かって言う。さて、まだいるな。嫉妬の集団に向かって翼を羽ばたいた。

 

「―――そこまでだ!」

 

「ん?」

 

―――刹那。

 

ビュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!

 

空に突然と嵐が巻き起こった。悪魔と天使堕、天使の奴らが次々と巻き込まれ、嵐に呑みこまれる。

俺は強引に嵐から抜け出て、外から眺めた。

 

「(この大きさの嵐・・・・・魔法か?)」

 

だとすると、和樹辺りか?そう思って地上に視線を向けたら、俺が思っていた人物と違っていた。

桃色の髪をポニーテールに結んだ鳶色の瞳の少女が、

杖・・・・・いや、軍杖を前に突き出した構えで魔法を放っていた。

 

「・・・・・」

 

軍杖を横に薙ぎ払った。それに呼応して荒れ狂う嵐が、フッと消失して、嵐に巻き込まれていた

三種族のやつらが続々と地上に落ちた。

だが、地上には数人の生徒たちがいて、魔方陣を展開、三種族のやつらを受け止めていく。

そんな光景を見ていると、地上に降りた俺にポニーテールの子が近づいてきた。

 

「・・・・・兵藤一誠、だな?」

 

「ああ、兵藤一誠だ。逆に問おう。名前は何だ?」

 

桃色のポニーテールの女子生徒は軍杖を亜空間に仕舞って、それから口を開いた。

 

「風紀委員長のカリン・デジレ・ド・マイヤール・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエール」

 

「そうか。悪いな、迷惑を掛けた」

 

「風紀委員としての務めだ。暴走した学園の生徒を鎮圧するのが私の仕事だ」

 

あら、なんか正義感溢れているな。絶対に悪を許さないって感じだ。

 

「だが、今後は気を付けてくれ。あまり風紀や秩序を乱さないように心掛けるくれるとありがたい」

 

「善処する。でも、襲いかかってきたら正当防衛として対応する。いいな?」

 

「・・・・・」

 

彼女は何も言わず、三種族の生徒たちを縛った縄を掴んでズルズルと引っ張っていた。

 

「(カリン・デジレ・ド・マイヤール・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエール)」

 

強敵だな、と俺は何時か戦うだろうと思い、教室に戻った。

そして、和樹に問うた。彼女の名を言って知っているか?と、

 

「カリン・デジレ・ド・マイヤール・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエール。うん、知っているよ」

 

「やっぱり知っていたのか?」

 

「魔法使いなら誰でも知っているよ。有名なヴァリエール家、貴族だよ。

特に彼女の母親は『剛鉄の規律』をモットーとして、とっても厳しいだとか」

 

「案外、母親の方が有名なんじゃないのか?」

 

「うーん、確かに数十年前はかなりやんちゃなことをしていたらしいけどね。

実際に噂でしか聞いた事がないからよくわからないけど」

 

なら、母親の血を濃く受け継いでいるだろうな。あの強さはきっと母親譲りだ。

 

「彼女のクラスは?」

 

「二年のSクラスだったね。魔法の実力もテストの成績も二年の中じゃ、一番だよ」

 

「頭脳だけならSクラスには劣らないだろ?」

 

「まあね」

 

皆を代表に頷く和樹。だが、解せないな。

 

「和樹は魔法も凄いし、頭もいいんだろう?どうしてSじゃないんだ?」

 

「えーと、一年の頃、僕はSにいたんだけどね?」

 

「うん」

 

「Sクラスって互いが互いに競争し合う日々を送り続けるんだ。僕は普通にいられたんだけど、

なんだか面倒くさくてね。期末テストの時、思いっきりワザと手を抜いて、

故意でFクラスになったんだ。ここってのんびりできて、楽しいし、楽だよ」

 

・・・・・和樹らしいっちゃ和樹らしいか?こののほほんとした雰囲気を漂わせるし・・・・・。

 

「だから、三年になっても僕はFにいるよ。あそこ、面倒だしね」

 

「でも、家の方は言ってくるんじゃないのか?」

 

「僕の家は基本的、放任主義だよ。まあ、実家に戻って家族と過ごすこともあるけど」

 

「じゃあ、和樹は一人暮らしなのか?」

 

「いや、もう一人いるよ」

 

和樹は俺と同じ暮らしをしていたのか。と、意外なことを知った。

そろそろ、授業が始まるか。和樹から離れ自分の席についてそれから教師が入ってきた。

 

―――○●○―――

 

午前の授業は終わり、昼休みとなった。

三日ぶりに和樹と龍牙、それから葉桜も誘おうかと思って口を開いた。

 

「葉桜、一緒に食べないか?」

 

「うん、いいよ」

 

快く肯定してくれた。あの体育の授業の一件以来、こうして五人と一緒にいることが多く、

話す機会も多い。

 

「それでな」

 

「へぇー、そうなんだ」

 

平穏な一時の時間。このままずっと続くかと思えば、扉が突然に開いた。

 

「失礼します」

 

「イッセーはいるかしら?」

 

入ってきたのは、リアス・グレモリーとソーナ・シトリー、上級生の先輩だ。

 

「さ、三大お姉さまのリアスさまとソーナさま!?」

 

「どうしてこのクラスに・・・・・!?」

 

突然の有り得ない人物の来訪に、クラスメートたちが驚愕の色を浮かべて立ち上がる。

 

「あっ、いたわ」

 

「擦れ違いにならず良かったです」

 

俺の姿を視界に入れた二人は真っ直ぐこっちに来た。

 

「イッセー、一緒に食べましょ?」

 

「皆さんもご一緒に」

 

誘いか。皆にどうする?と視線を投げかけると、「一誠に任せるよ」とそんな視線で返された。

 

「あっ、イッセーくん!」

 

廊下に出て早々、廊下の向こうからリシアンサスの声が聞こえた。

そっちに顔を向けたら、あいつらがいた。手に何かを包んだ物を持っている。

 

「あれ、リアスちゃんとソーナちゃん」

 

「こんにちは。もしかして、彼と一緒に食べようと?」

 

「うん、そうだよ。リアスちゃんたちも?」

 

「ええ、私たちはこれから屋上で食べようと思っているの。あなたたちもどう?」

 

リアスの誘いに三人は頷いた。彼女たちも供に屋上へと赴く。

 

―――屋上。

 

「うーん、いい天気だねー♪」

 

屋上に辿り着いて開口一番、リシアンサスが気持ち良さそうに背伸びをする。

俺たち十人は各々とその場で座り、輪の形で座る。俺の隣はリーラと葉桜だ。

 

「はううう・・・・・イッセーくんの隣のポジションが・・・・・」

 

「リーラさんはともかく、自然と座ったあの子・・・・・やるわね」

 

「隙もなかったです・・・・・」

 

羨望の眼差しを葉桜に注げるリアス・グレモリーたち。

だが、その眼差しは葉桜にとって獲物を狙う鷹の目のような眼差しのようで、

俺の腕にしがみついてブルブルと震えだす。

 

「お前ら・・・・・座る位置ぐらいで葉桜を怯えさせるなよ」

 

呆れてそう言うと、シュンとリアス・グレモリーたち落ち込んだ。

そこまで落ち込むほどのことかよ、と内心溜息を吐く。

 

「・・・・・昼休みの時、交代で俺の隣に座ればいいだろう」

 

『っ!?』

 

リアス・グレモリーたちは俺の提案に驚愕した様子を伺わせる。

でも、すぐに嬉しそうな顔をして首を縦に振った。問題解決と判断し、弁当の箱を開けた。

 

―――バンッ!

 

『兵藤一誠いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!』

 

「・・・・・」

 

怒声が響き渡った。またかよ、と後ろに振り向けば・・・・・何十人の男子生徒たちが現れていた。

さらには翼を羽ばたかせて悪魔と天使、堕天使たちが怒りの形相で空から睨んでくる。

 

「お前ら・・・・・どこまで嫉妬深いんだ?」

 

「嫉妬ではない!これは、我らのプリンセスを奪う貴様への聖戦!

あろうとこか、三大お姉さまであるリアス・グレモリーさんとソーナ・シトリーさんだけじゃなく、

現在人気上昇中の葉桜清楚ちゃんまでも毒牙に掛けようとは許すまじき行為である!」

 

俺が誰と食おうが勝手だろう。

てか、俺は誘われた方なんだけど・・・・・いや、これを言ったら絶対に嫉妬するか。

 

「良かったじゃないですか葉桜さん。あなたも人気のようですよ?」

 

「クラス一の清純な少女でもあるからね。僕たちFクラスは誇らしいや」

 

「えっ!?ええええっ!?」

 

この二人は自分のクラスメートが人気なことに嬉しいのか。俺もそうなんだけどな。

 

「全員!我らのプリンセスを色魔兵藤一誠から救うぞぉ!」

 

『おおおおおおっ!』

 

「―――――」

 

バッ!

 

『・・・・・』

 

俺たちと嫉妬集団の間に境界線の如く、線を深く刻んだ。金色の翼で。

 

「色魔の発言は聞かなかったことにする。だが、こっちは昼食の真っ最中だ。

その時間をお前らは邪魔をするなら容赦しない。その線から足のつま先でも踏み越えてみろ。

―――全員残さず殺すぞ」

 

殺意を放ちながら宣言する。これで下がってくれれば嬉しいもんだがどうだろうな。

嫉妬する男や女の気持ちは俺には分からない。なに仕出かすか、分かったもんじゃない」

 

「ふ、ふん・・・・・お、お前にそんなことできるものか!

もしそんなことしたらお前は犯罪者だからな!」

 

「その通りである!臆することは何一つない!魔法部隊、兵藤一誠に集中攻撃!」

 

「全軍突撃!」

 

嫉妬集団が一斉に動き始めた。そんな奴らに溜息を吐く。

 

「―――じゃあ、さようなら」

 

片翼の六枚を大きく伸ばし、広げて嫉妬集団の横から圧迫する―――。

 

「なっ・・・!?お、俺たちを屋上から落とす気か・・・・・!?」

 

一人の嫉妬男が俺の行動に気付いた。

 

「言っただろう、殺すって」

 

躊躇もなく、俺は嫉妬集団を屋上から大きく空へ放り投げた。

そうしたら、上空にいた悪魔と天使、堕天使が血相を変えて嫉妬集団を助けに行った。

 

「はい、予想通り」

 

指をパチンと弾いた。その瞬間。空中の嫉妬集団は、

何もない空間から現れた金色の四角形の光の膜に閉じ込められ、そのまま地上へ落ちて行った。

 

「・・・・・本当に殺したの?」

 

リアス・グレモリーが不安そうに尋ねてくる。まさか、

 

「殺す訳がない。あのバカたちを閉じ込めただけだ。昼休みが終わるまで開放する気はない」

 

「うん、なんとなくだったけどそんな感じだったね」

 

「もう、あの人たちを屋上から放り投げた時はひやっとしましたよ」

 

「一々付き合ってられるかよ。バカバカしい。今度から閉じ込めるとするか」

 

そう思案していた時だった。またこの屋上に誰かが荒く息を吐いて現れた。

 

「兵藤一誠!」

 

カリン・デジレ・ド・マイヤール・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエール。その人だった。

 

「・・・・・あれ?」

 

「どうした?」

 

「いや・・・・・暴走したバカ集団が屋上に行ったと報告を受けて・・・・・」

 

ああ、そういうこと。一歩遅かったな。

 

「そのバカ集団はグラウンドにいるぞ。

閉じ込めているし、昼休みが終わるまで開放する気はないからよろしく」

 

「・・・・・そうか、それじゃ私はこれで」

 

溜息を吐いて踵を返し、屋上からいなくなる。あいつ、苦労人なのかも・・・・・。

 

「イッセー、なんかごめんなさいね」

 

「ごめんっす」

 

「私の方から、強く言っておきますので・・・・・」

 

ソーナ、それ、絶対に意味がないと思うぞ。嫉妬集団の行動を予想すれば・・・・・な。

 

―――○●○―――

 

―――リアスside In 生徒会議室

 

「また、か」

 

「ええ、またです」

 

「今年になってさらに過激化したものね」

 

私、リアス・グレモリーは放課後、親友のソーナ・シトリーと二人の男女と共にとある一室で揃って

息を吐いていた。一人はサイラオーグ・バアル。三年S組。現全校生徒の中で最強と称されている

魔力がない悪魔。だけど、鍛え上げた己の体一つで、最強の座に君臨した規格外な悪魔。

そして、もう一人はシーグヴァイラ・アガレス。三年C組でソーナと同じクラスの悪魔。

彼女のことはまだ彼は知らない。何時か出会うでしょうけど、どんな第一印象を受ける事やらね。

 

「去年は物静かだったけれど、今年になってからは騒々しくなったわ。

芙蓉楓、リシアンサス、ネリネ、リコリスをアイドルに称えて、非公式のファンクラブが生じて、

いまでも増えているそうじゃない」

 

「その殆どの人物が関わっている存在が、騒ぎの原因となっているようだがな」

 

サイラオーグが苦笑してソーナと私を目を向けてくる。シーグヴァイラも怪訝な顔を向けてくる。

 

「兵藤・・・・・一誠だっけ?あなたたち二人が小さい頃、

はぐれ悪魔から助けてもらったとか言う男」

 

「ええ、その通りよ」

 

「で、恋しちゃったわけなのね?」

 

・・・・・それは。ソーナに視線を向けると、彼女も私に視線を向けてきた。

きっと、私と同じことを思っているかもしれない。

 

「(彼は悪魔が嫌い。だから、私たちに好意を向けているのか、

私たちは彼に好意を向けていいのか分からない。彼が決着を付けるその日までずっと・・・・・)」

 

「・・・・・嫌われているのかしら?」

 

彼女にそう言われ、はっと意識を戻して、首を横に振る。

 

「いえ、そう言うわけじゃないんだけど・・・・・ちょっと、彼には言えない事情があるのよ」

 

「なので・・・・・彼にこの気持ちを抱いて良いのか分からないのです」

 

「言えない事情?なにそれ、人間のために我慢する必要ないじゃない。私たちは悪魔なのよ?

欲望のために生きるこそが悪魔。

だから、正直に何がしたいのか、なにが欲しいのか、ハッキリするべきでやるべきことよ」

 

・・・・・そう、ハッキリ言えるあなたがとても羨ましいと尾今この瞬間に思ってしまった。

確かに私たちは悪魔。彼女の言う通りなのかもしれないけれど、

彼はそんな悪魔を嫌っているのよシーグヴァイラ。

 

「・・・・・リアス。一つ聞いてもいいか?」

 

「なに?」

 

「兵藤一誠は悪魔が嫌いか?」

 

――――っ!?

 

なぜ、それを聞くの・・・・・・?

信じられないと、目を丸くして彼を見ていると、彼は頷き始めた。

 

「なるほどな。兵藤一誠を眷属にしようとした悪魔にあの男は、

尋常にならないほどの殺意を放っていた。ただの勧誘だけどあそこまで殺意を向ける訳がない。

『悪魔』という種族を心の底から嫌悪、憎んでいると言ってもいいぐらい殺意だけじゃなく

殺気も籠っていた」

 

「悪魔を嫌うって・・・・・どうしてなのよ?」

 

「さあ、それは当人に訊くしかないが・・・・・なにか、大切なものを悪魔に

奪われたのではないか?そう、心から大切にしていたものを」

 

サイラオーグ、あなたってヒトは・・・・・・。

 

「・・・・・それって危険じゃないかしら?私たち悪魔を殺したいほど憎んでいるのであれば、

この学校にいる悪魔が危険じゃない」

 

「っ!?」

 

シーグヴァイラの言葉に私は勢いよく立ち上がり、彼のことを知らない癖に何を言っているの!と

抗議の一声を上げようとした。

 

「待って―――!」

 

「心配する必要はないだろう」

 

「「「・・・・・は?」」」

 

サイラオーグが不必要だと述べた。・・・・・どうして?

 

「あなた、それはどういうことなのか説明してくれるかしら」

 

「説明するも何も。あの男がこの学校に来てから、一度も自分から悪魔に対して手を上げていない。

逆に襲いかかれば正当防衛として反撃するが、重傷まで追い込めてはいない。

兵藤一誠は自分の不利になる状況や状態になることを避けている。

悪魔を殺したいと思うほど嫌っているのであれば、事故を装って殺しているに違いない」

 

「・・・・・どうしてそこまで言い切れるのあなたは。たった一度しか会っていないにも拘らず」

 

また目を細めて怪訝になるシーグヴァイラ。サイラオーグの答えは・・・・・。

 

「奴の目を見ればわかる。あの男は良くも悪くも純粋な男だ」

 

と、言い切った。

 

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