神様にされたら愛され過ぎてヤバい件について。   作:Am.

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テンプレな美少年orイケメン主人公は好きだ。大好きだ。
でもグロテスクな人外化物系主人公はもっと好きだ。


クリーチャー系主人公流行れ。


EP0.5 GOD EATER
01.受難(デスマッチ)


 左手の甲に出来た邪眼がひとりでに僕の顔を見つめてくる。サリーを口にして僕の中にその存在を留めることには成功した。これから僕のやるべき事は二つ。

 

 

 ひとつはサリーを元の姿に戻すこと。どうにかして身体(いれもの)を手に入れ、かつての美しい姿にしてやること。

 

 

 そしてもうひとつは人類。ひいては僕達アラガミにとって脅威となる神機使い及び神機の殲滅。こちらは終末捕喰を用いることを前提にすれば焦る必要は無い。いずれそのためのノヴァはこの地に出来上がる。特異点のこともあるし僕が動くのはそれからでいい。

 

 

 

 現状優先すべきは言うまでもなくサリーだ。この子は確かに僕の内側に残すことはできた。しかしそれも時間の問題だ。僕の身体の中でいつまで自我を保てるか。それは僕にもサリーにも分からない。サリーはいつ僕の身体の一部として消えてしまってもおかしくないのだ。

 

 

 サリーの身体の条件は二つ。それは生きた(コアのある)アラガミであること。そして人に近い姿のアラガミであること。そのアラガミを見つけ出して左腕のサリーを移してやれば、あとはその身体を無理やり変質させてサリエルになれる。サリー本人の弁だ。なんでもサリーみたいに自我を持つアラガミはかなり珍しいらしい。

 

 

 

 しかしそれはつまり人型のアラガミ。同族のサリエル神属やヴィーナスの上半身。アルダノーヴァの女の部分などを生きたまま無力化しろということだ。いずれも難敵もいいとこなのに。

 

 

 

………なんて泣き言言ってられないよね。僕のせいでサリーはこんな姿になっちゃったんだから。サリーは無理しなくていいって言ってるけど大丈夫。この程度無理のうちに入らないさ。それでサリーの身体が元に戻るならね。

 

 

『────────────。』

 

「………シユウ神属でも多分いける?確かに多少難易度下がるけど……」

 

 

 でもそれで出来上がったのがサリエルじゃなくてアイテールだったら嫌だよな。あいつら硬そうだし。いや強さ的には全然文句ないけど。……なに?アイテールでも女版の姿になれる!?なにそれすんげぇ見たい!!んじゃシユウも身体の候補に追加ね!!基本は女型のアラガミ優先するけど!!

 

 

 

………てゆーか待て。さっきよく考えたらサリエル堕天種いたよな。プリティヴィ・マータが追っかけてった僕のこと噛んだやつ。あいつワンチャン生け捕りにできればサリーの身体に出来るんじゃ……

 

 

 とか考えてた時だった。左手の邪眼の周りに激痛が走り、左手の邪眼が血走った。……あ。違うのサリー。浮気したんじゃなくてね?襲われちゃってさ。……尚更許せない?探し出してぶち殺してやるって……そういえばこの子ヤンデレだったなぁ。待ってこれプリティヴィ・マータと今会うの危険なんじゃ────

 

 

 

「ガオ。」

 

「いやほんとお前タイミング考えろバカ。」

 

 

 

 噂してたらスライディング気味にプリティヴィ・マータが僕の元へと戻ってきた。それもすっごい自慢げに尻尾ブンブンして。あーこいつあの堕天種コロコロしてきたな。ちくしょう生け捕りはダメだったか。

 

 でも本人としては褒めて欲しいのか、身体を屈めて頭をこちらへと近付けてくる。まるで撫でてくれとでも言わんばかりに。

 

 

 そうすると僕の左腕がひとりでに動いた。僕の意志に反したその手はプリティヴィ・マータの頭に触れるとひんやりした頭をそっと撫で────

 

 

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!??」

 

 

 そのまま頭にアイアンクローをかけてプリティヴィ・マータの頭部を結合崩壊させた。プリティヴィ・マータが悲鳴を上げる中、左腕の表皮が暴れ狂い、無理やり変質しようとしていた。激痛と共に左腕から無数の青白い翅や邪眼が生え、肩に口までもが形成されると声にならない怒りの絶叫を上げる。

 

 

「ちょ……待ってサリー!落ち着いて!!無理に変身しようとしちゃダメ!!コアないんだから僕と離れると死んじゃうって!!」

 

『────────────!!!』

 

「違うから!この子とはそういう関係じゃないから!!」

 

 

 だからガトリングみたいにレーザー乱射するのやめてあげて!?プリティヴィ・マータが頭抑えてうずくまってんじゃん!!しかも僕の左腕を見てめっちゃ身体がプルプル震えている。あの子のあんな怯えてるとこ初めて見たんだけど。

 

 違うんだよサリー。あの子は迷子になった僕をここまで連れてきてくれただけで、そんな僕のこと捕喰したり襲ったりはしてない。むしろご飯くれたり面倒見てくれたいい子で………

 

 

 

……………『このケツ穴女がよくも私の可愛い子を餌付けしやがったな』!?いや間違っちゃいないけど言い方!!『この子をヒモにしていいのはこの私だけなんだよ死に腐れ阿婆擦れが』………って待ってサリー!!ガチで殺そうとしてるね!??落ち着いてって!!

 

 確かにこの子は僕のこと助けてくれたけど僕は別に好きでもなんでもないから!!あっちも僕のこと何とも思ってないから!!ね!?プリティヴィ・マータも首を縦に振ってるでしょ!?僕にとっての一番はサリーだから!!そんな排斥しなくても────

 

 

『……………………………………♡♡♡』

 

「………機嫌直った。」

 

 

 身体がひとつになって思考まで共有できるようになったから、サリーが何を考えてるかが手に取るように分かる。だから脳内に洗脳されそうなレベルで愛の言葉を垂れ流されてる気分だよ。ヤンデレちゃんの頭の中ってこうなってんだねって……でも僕もサリーにならいっぱい愛でられたいな。はやく元の身体に戻れるよう頑張るからね。

 

 そしてそのためにはプリティヴィ・マータの戦闘能力も僕には必要だから。他の女の存在が気に入らないってのはよく分かるけど、どうかサリーが元に戻るまでは仲良くしてやって欲しいんだ。心配しなくても僕もこの子に身体を許したりはしないから。ね??

 

 

 

『…………………………………。』

 

「え……元の姿に戻ったら絶対殺す?どうか許してあげてくれない……?」

 

「!?」

 

 

 ほらあの子めっちゃ怯えてるから。さっきから『私なにか悪いことした?』ってこっち見てきて心が痛いんだよ。ね?頭抑えてブルブルしてるプリティヴィ・マータなんてこの先一生見れないって。不覚にも可愛いって思っちゃったもん。

 

 

………ごめんサリー嘘!嘘だから!!ちょっとプリティヴィ・マータ逃げて!!超逃げて!!また左腕がグロい異形に無理やり変形してる!!骨や肉があちこち引っ張られてめちゃくちゃ痛いし腕の肉の裂け目とかに目玉いっぱい出来てるし!!

 

 

 

 

 

 

……………ん?でも待てよ。こんな僕の身体を自在に変質させられるならさ。もしかしたらサリー。僕の身体から自分の肉体を作るってことも出来やしない??僕の細胞を変質させてサリエルの身体を作れば……僕の身体じゃ質量不足??ならウロヴォロスとか食って大きくなるし。もしそれならわざわざ肉体候補のアラガミを探さなくても────

 

 

『………………………。』

 

「あぁ……身体作ってもコアないからダメか。」

 

 

 人間が心臓をひとつしか持たないようにアラガミもコアはひとつだからね。コアがないと自壊する以上、僕がコアでも作れるようにならないとこの方法は無理と。そりゃそうだよね……そんな美味しい話はないか。

 

 

 分かった。大変だと思うけどサリーの身体に適したアラガミを生け捕りにする。当面はそういう方向で動いていこう。

 

 

 

 

………そして終末捕喰による神機使いの殲滅。こっちは当分先になるとは思うけど。案外神機使いと交わるのは近いかもね。

 

 

 

「…………………………………ッ!?」

 

 

 少し離れた岩山の上を横目に見つめる。スナイパータイプの神機使いか。姿まではよく見えないが……極東支部の斥候か。しかし気配の消し方がまだ甘い。さては新兵だな?僕でも気配に気付けた辺り。

 

 

 でもそのスナイパーは僕が気付いたと悟ると、すぐ様物陰に隠れるようにして撤退してしまった。判断が早い。今はまだ未熟でも将来は厄介な神機使いになるかもしれないね……

 

 

 これからはサリーの復活と神機使いとの戦い。当面はこのふたつがメインとなるだろうか。サリーがこんな姿な以上、僕も自分で戦える力は手にしなくてはならない。僕が強ければ強いほどサリーの身体の確保も容易になるしね。今までとすることは変わらない。

 

 

 身体を浮かせ、斥候のいた方向と正反対の方向へと飛び立つ。次の餌は何にしたものか……サリーはなにか食べたいものとかあるのかな?




サリー「そこの泥棒猫(プリティヴィ・マータ)で。」

紐野郎「それ以外で。」

人面猫「いじめないで。」
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