神様にされたら愛され過ぎてヤバい件について。   作:Am.

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濡れ場(スケベ)を書くと元気が出るなぁローラ!!


07.転生(ネメシス)

サリーがザイゴートとして蘇ってからしばらく。僕とディーヴァはアラガミの狩猟を繰り返し、口にする反面でその一部をサリーに与え続けた。サリーが早く元の姿に戻りたがってたのもあるが、同時に僕の戦闘能力を強化し神機使いとの戦いに備えるという目的もあった。

 

当面のサリー復活って目的を達成した今、僕らの次の目的は神機使い及び人類の殲滅だ。二度とサリーやディーヴァが脅威に晒されないように最後の一匹までこの世から消してやる。現に奴らは時おり僕らの居場所を探し出しては襲撃してくる。その悉くは神機含めて僕とサリーの餌になったけど。

 

 

 

特にサリーは人間を口にした際に手に入る記憶が気に入ったのか、人間を好んで捕喰するようになった。人間を口にしてその技術や文明に対して理解を深める。元人間の僕と異なり、純粋なアラガミである彼女にはその営みがただただ新鮮に写ったのだろう。そういう意味では餌になりに来た神機使いは都合が良かったとも言える。

 

 

反面僕は不味いが神機を捕喰し、その機構をアラガミの能力同様に自身のものとした。特に最近口にしたものでめぼしいものがバスターブレードとチャージスピア。これらの機構を僕の蝕刃に盛り込むことでチャージクラッシュとチャージグライドが使えるようになった。

 

 

そのおかげもあってか、僕はさっき単騎でウロヴォロスを討ち倒すという快挙を成し遂げた。これは戦果だけ見ればリンドウさんと同程度の戦闘能力を得たということになるが、逆にこれだけ進化してようやく同程度かと。敵でありながら尊敬するよ全く。僕は色んな能力使ったの考えると剣一つで成し遂げたあっちのが腕前は上って事だからね。

 

 

 

さて。そうして倒したウロヴォロスだけど。さすがにデカいっていうか食べる部分が多いな。今日一日の食料がこいつ一匹で足りる程度にはボリュームがある。どう食べようかなって僕が迷っていた時だった。ふと僕はサリーの様子がおかしい事に気付く。なんか落ち着かない様子で羽をパタパタとやってる。

 

 

【サリー。どうかした?】

 

【………これ食べたら、きっと私は元に戻れる。】

 

【えっ。】

 

 

そう言ってサリーはウロヴォロスの脚を形成する触手のような部分に喰いつき、存外に太くて大きいそれをボリボリやっている。その様を僕は見守っていたが、すると直ぐさまサリーの姿に変化が起きた。

 

まずザイゴートの人の女性の身体の部分が大きく成長を始め、反して卵のような浮き袋は甲殻に覆われて冠状に変形。邪眼はそのままに羽やラッパ状の尾が人間の腕や足のそれに近いものに変質する。その身体は幾度か神機使いを口にした影響だろうか。姿だけ見れば前より人間のそれに近い形をしていた。

 

でも額の邪眼が開くとその姿は大きく変わることとなる。腰の辺りからはまるで花が咲くかのように黒い蝶の羽が幾重にも展開され、その先端には額のものよりは小さいものの無数の赤い邪眼が飾りのように開く。おおよその形が出来上がった時点でその身体も巨大化を始め、その体躯は瞬く間に僕を上回るほどに成長した。

 

 

そうして部分部分は裸体でこそあるものの、サリーはその姿を完全に復活させることに成功する。しかしそれで彼女の進化はそれで終わりではなかった。

 

 

【ふゔぅっ……!!んゔぅ………ッ……!!!】

 

【サリー……大丈夫?やっぱ無理して進化するの大変なんじゃ────】

 

【もっと……もっと強くなる………!!二度と人間共に負けないように……もっと、あなたを愛せるように………!!!】

 

 

その決意とも妄執とも取れる言葉と共に、サリーの全身が大きく跳ね上がる。そうするとまず額周りの邪眼周辺から植物を思わせる触手が広げた角や王冠を思わせるように展開し、全身から赤黒いオーラが溢れ始める。

 

そして手首から肘にかけてが同様の肉の蔓とでも呼ぶべき物によって覆われるとそれは手甲を模したものへと代わり、スカートを思わせる蝶の羽の合間からもまるで翼の骨格みたいに鋭く尖った蔓が伸びる。

 

その肉蔓は、紛れもなくたった今口にしたウロヴォロスのものと同質の物体であった。サリーが早くもウロヴォロスの能力を取り込み、自身の進化へと用いている。僕がそうしたのを真似するみたいに。

 

いや、能力だけじゃない。ウロヴォロスを貪る傍からサリーの身体はどんどん大きく急激に発達し、通常のサリエル神属を上回る巨体に成長している。それに合わせて胸部なども大きく膨らみ、やがてその体躯はウロヴォロスと同等にまで巨大化する。

 

未だに顕な乳房を恥ずかしげもなく揺らしてこそいるものの、その威圧感はもはや本来のサリエルのそれとは比べ物にならない。しかし変異を終えてなお進化は止まらない。さらにサリーは背中から六本のウロヴォロスの爪を思わせる触手を生やすと、まるで手ブラのように豊満な胸に巻き付けることで衣服の代わりとする。同じように爪先には肉蔓のヒールを生成し、ふわりと地面に降り立つように着地してみせた。

 

 

雪のように白い肌に衣装や装飾を思わせる黒い触手。そして額から伸びる冠状の角と一体化した赤い邪眼。腰周りを覆うように展開されたドレス状の翅の合間にはその強度を補強するかのように触手が生えており、本来スカートの先端にあるべき邪眼はそれぞれがその触手の先端へと開いている。

 

サリエルとウロヴォロス、奇しくもレーザーを主体とした攻撃能力を有するアラガミ同士。その二つの性質を混ぜ合わせて洗練したサリーの姿はより妖艶で禍々しく、最早その姿はサリエル神属から外れた完全な新種と呼べるものだった。

 

 

サリエル神属第一接触禁忌種【ティターニア】。植物を身に纏ったような姿からか、或いは妖精の女王を思わせる艶かしい美貌からか。後に神機使い達の間で彼女はそう命名される程に、他に例を見ない強力なアラガミへとサリーは変じた。

 

しかし今のサリーは新たな自分の身体を見つめて小さく笑っていた。唇に指を当てて妖艶に、それはそれは嬉しそうに。

 

 

【ウフ……フフフッ………】

 

【サリー……おめでとう。そしておかえり。】

 

 

僕はその姿がどんなものであれ、愛した彼女が戻ったのなら受け入れるだけだ。僕はサリーに向けて腕を広げてみせる。久しぶりに抱きしめ合えるとそう思ったから。それに気づくとサリーも僕の方へとゆっくり近付いてくる。

 

それでまた前みたいに愛し合えると。少なくとも僕はそう思っていた。

 

でもサリーはそんな僕の脇に手を回すと、僕のことをぐいっと持ち上げた。

 

 

【え"っ。】

 

 

そしてそのまま僕のことを抱きしめると、その身をゆっくりと浮かせて僕を抱きかかえる。ウロヴォロス並みの巨体で積極的に迫られたせいで僕は一瞬呆然としてしまうが、そうするとサリーはなんと人の顔の閉じたままだった目を開いた。彼女の瞳は赤い狂気にも似た輝きを帯びており、恍惚とした彼女の笑みに背筋がゾクッとする。

 

 

【だいすき……愛してる。愛したい……愛でて愛でてあなたの全部を私のものにしたい………】

 

【サ……サリー??えっと、どうしたの────】

 

 

そう尋ね終える前にサリーは僕の首筋に噛み付いてきた。小さな口で僕の首の肉を喰い千切り、その口の周りを僕の血で鮮やかに染める。今のサリーは肌が雪みたいに白いから付着した血は口紅みたいになり、それを長い舌で舐め取るとサリーは熱の篭った視線を僕に向ける。

 

 

【おいしい……やっぱあなたが一番だいすき。一番大切……誰にも渡したくない………!!】

 

 

そんな言葉と共にサリーの額の邪眼が真っ赤に輝き出し、抱きしめる腕に力が入る。やばい。これはまずい。興奮しすぎて活性化してるこの子。慌てて背中を軽く叩いて宥めようとするが、だいぶ理性が蒸発しているらしい。サリーは僕の後頭部に右手を回すと自身の首筋に僕の顔を押し付けるように抱きしめる。

 

 

【ほら……がぶってして………!!私の事も食べて……食べて私を感じて………!!!】

 

 

そう求めるサリーの翼からは、興奮のあまりか赤い猛毒の鱗粉が霧みたいに噴き出して周囲を汚染し始めていた。サリーの身体を長い間口にしてた僕には耐性こそあるものの、その毒は土すらも赤く蝕み腐らせるほどの瘴気と化しており、それを見たディーヴァは大慌てで僕とサリーの傍から離脱した。活性化しただけでこれだもの。災害じみた汚染を撒き散らす彼女は人類を滅ぼすに足る厄災に変じたのだと。僕らは早くも彼女の力を思い知ることとなった。

 

とにかくこのまま興奮させるとディーヴァがヤバいため、僕はサリーがそうしたように首筋にゆっくりと噛みつき、再生に支障が出ない程度に作られたばかりの肉体を喰いちぎる。と言ってもサリーの身体が大きいから結構がっつり言ったけど。そうするとサリーは小さく身体を跳ね上がらせ、嬌声を上げて「もっと」と求めてきた。蜜のように甘い自身の血肉をもっと口にして欲しいと。僕の血肉を更に貪らせてほしいと。

 

 

なぜならこうして互いの身体を喰らい与え合うのが僕らアラガミの愛情表現だから。今サリーの肉を口にして思考が流れてきたから分かるよ。サリーはずっとこうするための身体を渇望していたんだって。僕を愛で、愛でられるための肉体を。そんな理想の身体を手にしたことで欲望の箍が外れてしまったのだと。サリーって前からスイッチ入っちゃうと制御効かなくなるから……

 

 

一方でサリーはサリーで僕がいきなり襲われて困惑してたのも分かったらしい。分かった上で更に行為を続けようと舌なめずりしてるけど。うん、その程度で止められたら本能なんて呼べないもんね。いいよ……サリーが完全に蘇ったお祝いだ。望み求めるままに互いを与え合おう。今はアラガミも神機使いもいないのだから。

 

 

【ほんと……?我慢、しなくていい………??】

 

【いいよ。……今日は前みたいにいっぱいラブラブしよ。】

 

【………じゃあ口開いて。】

 

 

サリーが僕の顔に両手を当てて真っ直ぐ見つめてくる。果たして何を与えてくるのか。言われるがままに僕は口を開くが、そうするとサリーはとんでもない行動に出た。

 

 

【……………ッ!?!??えっ………】

 

【…………………………♡♡♡】

 

 

なんとこの子。僕の口に自分の口を重ね、舌と舌を絡ませてきた。その舌は自分で噛み切ったのか血が流れているようで、口の中にサリーの味が広がる。どこでこんな事を知ったのか。そんな疑問も他所にサリーは僕の舌も同じように噛み切り、舌から血を流させた上で改めて口付けを介して僕の味を堪能している。

 

 

【んっ……私、これ好き………】

 

 

絡み合う舌の感触を通じて口の中身が混ざり合い互いの血の味で満たされる。こちらを真っ直ぐに見つめるサリーの瞳は初めての感覚にすっかり蕩け、僕の身体を抱いて逃がさないようにと更に力が強くなる。きっと僕も同じなのだろう。柔らかな彼女の身体を抱きしめ、全身で彼女を感じている。本当に元通りに戻ってくれたんだって。

 

 

しばらくそうして深い口付けを続けた後。二人の血の混じった唾液を引きながらサリーはようやく口を離した。……情けないことに僕は腰が抜けて力が入らなくなったよ。そんな僕をサリーは相変わらずお人形みたいに抱っこして優しげな笑みを浮かべている。これヤバイね……めっちゃよかった………

 

 

【サリー……どこでこんな事覚えたの………】

 

【あなたの中にいた時。口にした神機使い(にんげん)がこうしてたから………】

 

 

あぁ……サリーの身体の素体になった神機使いか。それ参考にしてあんな事してきたわけね……本当に賢くなったんだねって感心する反面、人間の記憶っていい意味で悪影響だなって思ったよ……ほんとめっちゃよかった………

 

 

【………もう一回、する?】

 

【する………】

 

 

仕草でバレたのか。サリーに身体を預けて前より大きくなったおっぱいに顔を押し付けてたらそうお誘いされた。……断れなかったよねうん。意思が弱すぎる。

 

 

結局もう一回どころじゃ済みませんでした。この調子だとそのうちマジで一線超えるんじゃないか。その日僕は人間の性質を取り込んだアラガミの思わぬ脅威を目の当たりにし、同時にすっかりサリー抜きじゃ生きられない身体にされてしまった。完全にリードされてたから次は僕の方からも色々出来たらなって思ってます。

 




ディーヴァ「私の!!目の前で!!イチャイチャしやがってよぉ!!!(´;ω;`)」

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