神様にされたら愛され過ぎてヤバい件について。 作:Am.
【それじゃディーヴァ……いくよ?】
「ガォ。」
結局口にして一番痛まない場所として、ディーヴァの頭部の冠のような場所が選ばれることとなった。奇しくもそこはサリーも食いついていた場所で、悲鳴は上げていたもののあれでもあの子なりに痛くない場所を噛んでたんだなって。いや……単なる偶然か。
【よし。いただきます。】
「ヴッッッ!!」
背中に乗せてもらう形で冠状の頭頂部を口にするとディーヴァが身体を跳ね上がらせた。痛かったねごめんね。けどなんていうか硬いおまけにひんやりしてて……氷みたいな変わった食感だ。味もえらくあっさりしてていくらでも行けそうな感じ。
その後も再生に支障が出ない程度に彼女を頂き、僕の身体の変化を見てみる。さすがに一回じゃ彼女の能力を模倣するには至らないようで、イメージしたところで氷を発生させることは出来なかった。ま……この量じゃそうだよね。やっぱ日にちかけて再生を待ちつつ頂くしかないか。
「ヴォォ………」
【いいのいいの。そんな慌てちゃいないから────】
僕の様子を見て申し訳なさそうにするディーヴァに言いかけた時だった。唐突にそれは起きた。
────突如として誰かの記憶が頭に流れる。凍てついた街に吹き荒れる吹雪。そしてヴァジュラの群れと向かい合う誰か。
これは………感応現象?僕とサリーが互いを口にした際、相手の思考や過去を垣間見ることができるあの……でも、あれは神機使いを口にしたアラガミにしか起きないものだと思ってた。神機使いや神機使いを素体としたサリーを口にした時しか起きたことが無かったから。
ディーヴァが今までに口にした神機使いの記憶……なのか?あの街はロシアとかそっちの方だろうか。続きの見たさにディーヴァを口にしたいと思ったが、再生するまでちゃんと待とう。残りの食べ足りない分はサリーで補えばいい。さっきからすごい相手して欲しそうにこっち見てるから。
幸いにもディーヴァの再生能力は高かった。やはり口にした部分が良かったのだろうか?翌日にはすっかり元通りに頭部を再生させ、僕は再び頭の冠を口にした。
するとまた感応現象にも似た何かが起きた。今度の景色は戦いの後といった風景。相変わらず凍てついた街の中ではあるが、辺りには仲間らしい神機使いがバラバラにされて散乱している。
この記憶の持ち主の絶望が伝わるようだった。勝鬨を上げる最後のヴァジュラを前に孤立無援。酷い傷を負っているのかやたらと視界が揺れる。既に記憶の持ち主は戦える身体ではないらしい。にも関わらず、その神機使いはなお立ち向かう。
全身の傷口から血を撒き、獣のように狂乱したまま咆哮を上げ、片手で鉄の塊のような大剣を振り回す。視界が真っ赤になるほど怒り狂い、我を忘れたようにヴァジュラに襲いかかる。その様は喪失感をかき消そうとしているようにも、仲間を守れなかった自責の念に駆られて突き動かされているようにも見えた。
「刺し違えても殺す。」そんな怨嗟に塗れた破壊衝動を撒き散らしながら。
残念ながら記憶はそこで終わった。あの神機使いの捨て身の特攻の結末がどうなったかは明日の楽しみとして、僕は仲間を……大切な誰かを失ったら、あんな風に壊れてしまうのかな。一度失いかけた事があるから考えたくないけど……でも気持ちは分かる気がする。あの時サリーが助からないってなったら、多分僕も同じことをした。
そのせいかな。この記憶の持ち主だった神機使いがとても哀れだと思ったのは。神機使いならどう死のうが知ったこっちゃないのに。それとも既に死んでるから同情できるのか。
………考えるだけ無駄だな。意外と僕もセンチメンタルな部分があったんだって事にしとこう。偶に忘れそうにもなるが、僕もかつては人間だったんだ。こういうくだらない部分は僕の中に僅かに残った人間らしさってやつなんだろう。
【………人間?誰が?】
【あれ。サリー知らなかったっけ。僕が元人間のアラガミだって。】
【え"っ。】
図らず今さら明かせば、サリーがびっくりしたように僕を見つめてきた。僕のことは何度も口にしては感応現象で思考とか読んでるからてっきり知ってるかと……でもそうか。僕らのこの感応現象ってアラガミになる前の過去までは見れないのか?それとも僕がもう人間だった頃の事を殆ど忘れてしまっているせいか。
とにかくサリーにとっては初耳だったみたいで、珍しくサリーが浮いたまま硬直していた。その後すぐに僕のことを抱きしめてきたけど。ただその目は不安そうで、僕のことを離すまいと抱きしめる腕に力が入る。
【じゃあ……もしかして、人間の暮らしに戻りたいって思ってる……??】
【んーん。別に。】
【ほんと……?どこにも行かない………??】
確かに僕はもう何人か人間を口にしてその性質を完全に模倣すれば姿形に至るまで人間のそれになれる。でも、このアラガミの身体になって最初に優しくしてくれたのはサリーだから。
そのサリーを放って人間として生きる気はないし、サリーを害する以上は人類には絶滅危惧種になってもらうつもりだよ。言うなればこの神機使いとの戦いも全てはサリーのためのものなんだから。サリーを置いて人間側に付くなんてのは死んでもない。
【だからずっと一緒だよサリー。僕はどこにも行かないから大丈夫────】
【〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ♡♡♡】
【ちょ、サリー?苦しいよ??あの………】
思いっきりがばーって押し倒される形でサリーは僕の身体に覆いかぶさり、ずっしりと体重をかけて顔を近づけてくる。僕の言葉はまるで聞こえてないようで……こうなっちゃうと手が付けられないから、されるがままに貪り合うしかない。
そのせいでその日のディーヴァの捕喰は終わりを告げた。冠の欠けたディーヴァが何やらすごく不満げに僕のことを見つめていた気がしたが多分気のせいじゃないだろう。ごめんね?目の前でほんとごめんね???
代わりっちゃなんだけど昨日さんざん僕のことを頂いたせいか、次の日はサリーの機嫌がめちゃくちゃ良かった。何やら嬉しそうにニコニコしながら僕がディーヴァを捕喰するとこを見てるし。
幸い今日の捕喰でディーヴァの能力は学習できると思うし、そうなれば僕の細胞を移植するための条件も整う。これでディーヴァも僕やサリーと同じ存在に変化できるわけだけど………
【ディーヴァ。行くよ?同じ場所ばっかごめんね。】
「オ"ッ。」
すっかり定位置と化した冠を捕喰し、咀嚼する。そうすると同時、再び僕の頭の中に存在しない記憶が流れる。
写った景色は神機が突き刺さって息絶えたヴァジュラと、捨て身で勝利を収めたその神機使いの姿。しかし勝利こそ収めたもののその姿はあまりに痛ましく、同時に既に手遅れであることを記憶の持ち主自身が悟っていた。
何故なら神機使いが押さえる右腕は
腕輪を失った神機使いの末路なんて決まっている。直に彼女の身体は外傷とは異なる激痛に苛まれ、同時に肉体の変質が始まる。
「ふゔぅ……っ、ゔぅ………!!ゔあ"ぁ………!!!」
その叫びはきっと痛みでなく絶望の叫びだった。ここで死んでいればどれだけ楽だったのか。ただただ死を渇望するその祈りは天に届くことも無く、寄りにもよってその姿は最悪のものへと変わり果てていく。自らとその部隊を壊滅させた最後の怨敵である、あのヴァジュラに似通ったそれへと。
真冬の街の中で生まれた氷の女神。化け物としてこの世に遺された悲哀の獣。その身体に明確な意識と理性が残ったのはもはや呪いとしか言いようがないだろう。
………薄々分かってはいた。分かってはいたけど記憶が流れ終わった後に僕は彼女のことをそっと抱きしめたよ。
【ディーヴァ……これは君の記憶だったんだね。】
「グゥルル………」
ディーヴァが僕に顔を擦り寄せて来る。元神機使いにして
けど感応現象で記憶が流れてきたってことは、この子はまだ自分が人間だった頃のことを覚えているのか。……もしかしてこの子が僕やサリーみたいな存在になるのを望んだのって、元に戻りたがっていたのかな。ふとそんな考えが頭を過るが、当のディーヴァは不思議そうに首を傾げている。
だってディーヴァは僕と違ってこの世界でも人との繋がりとかあるし、元は神機使いなんだから。他の神機使いの仲間とかもいるだろう。ていうか今思い返すとよく僕と一緒に神機使いと戦ってくれたね??下手すると知ってる人とかいたかもしれないのに。
【……それでなんだ。こいつが人間を殺せない役立たずなの。】
【うん。……神機使いとか食べないもんね。この子。】
ディーヴァはまだ人だった頃の記憶に囚われて人の暮らしに憧れている。無理もない。僕だってそういう時期はあったし、サリーが居なかったら未だに人間と共存するための方法を探していたかもしれないんだから。
………参ったな。今まで普通にディーヴァを戦力として数えていたけど、よく考えたら最初からこの子には人類滅亡に加担する理由がないんだよな。僕がサリーの事があるから滅ぼしたいだけで、むしろディーヴァは人間との暮らしに混ざりたい。ていうか僕の血で言葉を得たら人間側に付くかもしれない。困ったことになった。
【ディーヴァ……君はどうしたい?】
「ガオ?」
【僕は君の意思を尊重するけど……人間に、戻りたかったりする?】
ディーヴァにそう尋ねてみる。……もしそうだとしたら一緒に戦ってなんて無理強いは出来ない。仮にそれで敵対する事になったとしても、僕だってそうした願いを抱いた事はあるんだから。
訳も分からずアラガミにされて、荒野に解き放たれて、サリーに会うまで人間に戻りたいってずっと思ってた。そして今はディーヴァの願いを叶えてあげられる。叶えられる願いを止める権利は僕にはない。
現に、ディーヴァは僕の問いに対して無言で頷いた。それが彼女の本音だった。
【………分かった。じゃあ約束通り、僕の血をあげる。】
「クゥン………」
【いいんだよ。君は君の生きたいように生きて。……君がそうしてくれたように、今度は僕が君を
僕が右腕を変質させて蝕刃を形成すると、ディーヴァは不思議そうに首を傾げる。そんなディーヴァの額に僕は真っ直ぐ蝕刃を突き立てた。同時、その鋒から僕の血を流出させてディーヴァの体内へと細胞を与える。
「グゥ……ッ、ヴゥウ……………!!!」
【ディーヴァ……今までずっと一緒にいてくれてありがとう。】
蝕刃をディーヴァの頭から引き抜くと同時、ディーヴァの身体が変質を始める。全身から漏れる冷気は僕の血の力によって赤く濁り、黒い体毛は色素を失ったかのように純白のそれへと変わる。
反して身体のあちこちにある甲殻やマント状の器官は大型化して黒い鎧のようなものに変形。欠けた冠も元通りに修復されると、その表面に黒い模様のようなものが浮かび上がる。
そんな彼女を僕は抱きしめ、無事に変異を終えられるようにと祈っていた。苦しそうな声をあげている辺り、細胞が身体を侵蝕する際には相応の苦痛が伴うのだろう。そこら辺までちゃんと検証できなくてごめんね。
「フヴゥ……!!グゥルルル………!!!」
【ディーヴァ?大丈夫?痛い??】
「グゥヴウゥ!!!」
苦しそうな声を上げるディーヴァに呼びかけ、少しでも痛みが紛れるようにって頭を撫でてやる。けどそうしていると、ディーヴァは不意に僕に額を押し付けてきた。
同時、僕の頭の中に再び彼女の記憶が溢れ返る。
それはアラガミとなった彼女の記憶。かつての神機使いの仲間と出会った際のものだ。その出会いは当然感動の対面とは行かなかった。かつての仲間はディーヴァに無数の銃弾を浴びせ、幾度も刃を振り下ろして彼女に立ち向かった。未確認のアラガミに出会えば当然の対応だ。
それでもディーヴァはどこかで信じていたのだろう。かつての仲間ならもしかしたら自分だと分かってくれるんじゃないかって。そうじゃなくても自分は危険なアラガミじゃないって。戦う意思はないと知らせたかった。
だからディーヴァは、そのかつての仲間達に一切の反撃をしなかった。いくらその身が刃に裂かれ銃弾に撃ち抜かれても。雪が自分の血で赤く染まっても、ディーヴァは一切抵抗をしなかった。
結果として神機使いの攻撃が止むことはなかった。どころか彼女が自分達の攻撃に怯んでると勘違いし、より一層攻撃は激しくなった。さすがのディーヴァもこれには命からがら逃げ出し、同時にその時ようやく理解した。もう自分の居場所は人の世界のどこにもないのだと。
そうして流れ出たディーヴァの血────オラクル細胞は、やがて大気中のオラクル細胞にプリティヴィ・マータという個体を記憶させた。それ以来ロシアでは野生のプリティヴィ・マータが発生するようになったものの、肝心のディーヴァはもうその地に戻ることはなかった。
自分のよく知る相手に酷く痛めつけられ、ディーヴァはこの時に人間との共存を諦めた。諦めてなお神機使いや人間を見つけるとその身を隠して争うことを避けたのは、僕のように人間に敵意を抱くに至れなかったから。分かってはいたけどこの子は心根が優しすぎるんだ。
────しかしそれも僕と会った今は違う。
リンドウさん達に挑んで返り討ちにあった僕が助けを求めた時、この子は群れの中で真っ先に駆けつけてくれた。そして僕を見るなり一目で理解したらしい。僕が自分と同じ『神機使いの成れ果て』であることを。
だから僕のことをあの場から救い出し、サリーと再開するまで面倒を見た。力の使い方も覚束無い僕を死なせないようにずっと守ってくれていた。彼女には僕が非力な子どもみたいに写っていたようで、かつての仲間を喪った経験が余計にそう駆り立てていた。
それから今に至るまでは知っての通り。ディーヴァは僕とサリーのことを引き続き守り、必要であれば時には神機使いとの戦いにも手を貸してくれた。本当は嫌だったろうに、それ以上に自分と同じ境遇の僕が大事だったから。僕が大事にしてるサリーのこともそれは一緒で、邪険にされながらも面倒を見てくれてたのはそういう事らしい。
そして、それはこれからも一緒だと。そう感応現象で告げた時点で『それ』は起こった。
「オ"ォオォォォ!!!」
僕が抱きしめるディーヴァが空に向けて咆哮を上げた。直後、彼女の足元から無数の赤い結晶が発生する。それは紛れもなく新生したディーヴァの生み出したものであったが、どうにも様子がおかしい。冷気を帯びたその結晶はディーヴァの身体に纏わりつくようにして巨大化している。これ、もしかして………
【────適合失敗みたいね。残念……】
【失敗……!?そんなバカな………!!】
【とにかく離れて。あなたも巻き込まれる。】
サリーにディーヴァから引き剥がされ、ほぼ同じタイミングでディーヴァの全身が包まれて巨大な赤い結晶の塊と化した。
そんな……僕の検証が間違っていたとでも言うのか……?だって、ディーヴァは途中までちゃんと適合してて……姿だってちゃんと変異し終えた。なのにこんな姿になって……失敗?この姿が??
……いや。サリーの言葉で焦ったが多分違う。今まで見る限り、適合に失敗したアラガミはもっと早く肉塊と化す。寧ろこの巨大な結晶の塊は繭か卵のように見える。現に中央では何かの影が蠢き、結晶の塊がパキパキと音を立てている。
大丈夫……失敗じゃない。サリーが気のせいか残念そうな顔してるけど適合には成功している。ディーヴァはきっと、あの中で別の形に自分の姿を作り替えているんだ。サリーや僕がそうしたように。さっきの感応現象といい、早速能力を使いこなしてるんだ。
そうして彼女が結晶に身を包んでしばらくした後。唐突に結晶の塊が弾けるようにして砕け散る。結晶の内側に内包されていた冷気が吹き荒れ、ようやく変化したその姿が露となる。が………
【……………ディーヴァ……なの??】
その姿を目にしてサリーがしばらく言葉を失った。僕も半信半疑でそう呼んだら、「はい。」と返事が返ってきた。
それはアラガミって呼ぶにはあまりに異質だった。腰まである銀色のふわふわした髪に雪のように白い肌。そして金色の瞳。右腕は手首から先が欠けているものの、一糸まとわぬその姿は『人間』の女性を限りなく完璧に模倣していた。
「ごめんなさい。獣の姿だとどう足掻いても言葉を口にできなくて。でも……ようやくご主人様達とお話できますね。」
そう言って照れ臭そうに笑いながらディーヴァは右腕を結晶で包み、義手のようなものに変質させる。その姿の変化にぼくの頭までもが軽くフリーズする。
でも僕が固まってると、ディーヴァはこちらに真っ直ぐと歩いてくる。彼女が歩く度に踏んだ場所が凍てつくようにして赤い結晶に覆われ、彼女の素足を傷つけないよう赤い氷の華みたいに固まる。そして僕の元まで来ると、ディーヴァは結晶で出来た右手で僕の頬を撫でてきた。
「心配しなくてもずっと一緒ですよご主人様。ご主人様やあの子だけじゃ心許ないでしょう?」
【ディーヴァ……でも────】
ディーヴァが僕の言葉を遮るように右手の人差し指を口に当てる。今まで想像もしてなかった彼女本来の振る舞いに思わず黙ってしまう。
「………フレイ・アイアンハート。私の本当の名前です。」
妙に耳に残る声で彼女はそう笑う。……やっぱり。彼女の今のこの姿……これは神機使いだった頃の姿なんだ。心底嬉しそうな笑顔にやはり胸が痛む。多分ずっと、こうなりたがってたんだって。これが本当の彼女なんだって。
「あ。でもご主人様がくれた
【……ねぇディーヴァ。本当にいいの?その姿なら元の生活に戻れると思うよ?せめて僕が人間を滅ぼすまででも………】
「いいんですよ。私、ロシア支部では評判よくありませんでしたし。気にしないでください。」
気遣いなどの感情は一切なさげにディーヴァはそう返す。この姿に戻れるようになっても一緒についてきてくれるって。でもこうして人類滅亡の手法が整った今、これからは本格的に神機使いとの戦いが始まる。そうなればディーヴァの大切だった人とかも滅ぼす事になる。それをディーヴァは間近で見るってことなんだよ?
「大丈夫ですって。そういう人は大体私の分身みたいなののご飯になってますから。」
【えっ……】
さらっととんでもなくエグいこと言ったなこの子……そうか。じゃあもう人間の元に戻ったり、人間を守る理由はないって事でいいのかな?こんな完璧な人間の姿になれたから戻りたいんじゃないかって思ってたけど………
「もう一度この姿に戻り、言葉を交わすことが出来た。それだけで私は十分すぎるほど幸せなんですよ。」
【そ……そう?なら………】
「私は今日、あなたにこうして救われたんです。だからちゃんと恩返しさせてください。」
ディーヴァが僕の背に腕を回してそう笑う。……分かった。じゃあ一緒に戦おうね。僕とサリーと君で。元神機使いが一緒についてきてくれるならそれはとても心強い。お言葉に甘えてこれまで通りにいっぱい頼りにさせてもらうよ。
ね?サリー。
【……………………………………………】
【サリー?……ねぇ、なんか額光ってない?】
【ディーヴァ……?ちょっとベタベタし過ぎ……!!】
そんなかなりドスの効いた声と共に、よりにもよってあのウロヴォロスのそれに匹敵する極太レーザーが額から放たれた。……いや待ってサリー!?それ一緒に僕も消し飛ぶやつじゃない!??ヤバいどうにかして防がなきゃ────
「────ご主人様に当たったら危ないでしょう。」
【……………ッッッ!?!??】
ディーヴァが僕の身体に左腕を回したまま、右腕の義手を横に振る。そうすると目の前に巨大な結晶の壁が瞬時に形成。サリーの赤黒いレーザーを防ぐだけでなく、なんとそのままサリーの方向へと反射させた。サリーは咄嗟に上に飛翔して避けたけど、渾身の一撃をあっさり反射されて驚愕していた。
………え?なんですかそのリフレクターは。
「ちょっとくらい良いじゃないですか。あなたいつもご主人様とベッタベタしてるんですし。ね?ご主人様。」
【〜〜〜〜〜〜ッッッ!!絶対に殺す………!!!】
「上等ですよ。こっちはあなた対策に進化したんですから。……ちょっと待っててくださいね?ご主人様。」
そう言ってディーヴァは結晶に包まれた右腕で地面に叩き付ける。そうすると殴った場所から巨大な結晶が発生し、瞬く間にディーヴァの全身を包む。そうしてしばらくした後に咆哮が響くと、結晶が砕け散って白いプリティヴィ・マータが現れた。
………あまりに過程を吹っ飛ばした進化っぷりに僕は呆気に取られるが、そんな僕を差し置いてよく見慣れた
【バラバラにしてやるこの猫女……!!!】
「グアァルルルルルッッッ!!!」
………仲良くできる日くる??
仲良くケンカしな(殺伐)