ポピパinゾンビシティ   作:作者アアアア

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先日、バンドリfilmliveの応援上映を観に行きました。

館内が揺れる位に一曲一曲で盛り上がり、熱くなれて、特にパスパレとハロハピの盛り上がり具合が半端無かった。
ファンを名乗る資格を失いましたが、正にライブ感を味わえる一作でした!


酒場

「何だアイツ?」

 有咲が呟くと、男は五人を指差し叫ぶ。

「そこの人達、プレイヤーですね?」

「プレイヤー?」

「ゲームで遊んでいる人の事だよ」

 香澄の疑問にりみが教える。

「ああ成る程! はい、そうです!」

「ちょ、おま」

 香澄が迷わず答えると男が急に生き生きとしだした。

「貴方達の目的は、生きてこの街を脱出する事です! 道中、様々なアクシデントに巻き込まれるかもしれませんが、そこは腕前で突破していって下さい!」

「え⁉」

「手始めに後数分で壊滅する予定のこの酒場から脱出してもらいます!」

「あ、あの!」

「攻略法は人の数だけ! 全てを上手く使いこなして行きましょう!」

「おい、話を……!」

「では皆さん、グッドラック!」

 五人の言葉にちっとも耳を貸さず男は、目の前で光となって消えた。

「消えちゃった……」

「アイツ何なんだ⁉」

「もしかして、案内人的な?」

「じゃあこれは、チュートリアル?」

 香澄ら四人は男の正体を考察している中、たえは棚に酒場内をうろつき一本の酒瓶を持ってきた。

「皆、こんなのがあったよ」

「これ、酒か?」

「うん、見てこれ1500年物だよ」

「分かるのか?」

「何か1500年物って感じがしない?」

「勘かよ! しねーよ!」

 バンッ! 

 木の板を激しく叩く音が酒場に響き、五人は一斉に音源に目を向ける。そこにあるのは南京錠が掛けられた木製のドアが一枚。

 この酒場には三つの窓があり、りみは音源を見ようとした時、窓の一つを見てしまう。

「あ……あ゛あ゛あ゛あ゛……」

「皆! あれ!」

 灰色の肌に白目、身体の所々から血を流す人型のモンスター、ゾンビが中に入れろと言わんばかりに窓を叩いていた。

「ひぃ!」

「ま……マジかよ……」

 怯える香澄と沙綾、言葉を失う有咲。だが、そんな事を知らないゾンビは容赦なく窓やドアを叩く。

 そして、ドアから金属の錠前が落ちる音が発せられると、ギィィと軋んだ音を発しつつドアが開かれていく。

「入って来る!」

「閉めろ! 閉めろ!」

 有咲の台詞にたえが迷わず走り出し、開きかかったドアにタックルを打ち完全に閉めると、ドアを押しだした。

「う、うぅ……」

 外からはまだバンバンと力づくで入ろうとする輩がおり破られるのも時間の問題だ。

「そ、そうだ! 窓も塞がねーと! 香澄! 沙綾!」

 有咲は、怯える二人に思い切り声を掛ける。

「ご、ごめん……少しビビってたみたい……」

 

 

「三人共! テーブルにこれが!」

 りみが木の板を数枚、釘と二本の金槌を両手に抱きか抱えて走って来た。

「りみりん! それは?」

「有咲ちゃんと沙綾ちゃんは、これで窓を封鎖して! 香澄ちゃんは私と一緒におたえちゃんを手伝って!」

「お、おう!」

 りみの逞しい指示に三人は驚きつつもそれに答える為に、それぞれ行動を始める。

「おたえ! 来たよ!」

「香澄!」

 たえの元へ真っ先に駆け付けた香澄は迷わずたえと協力してドアを押す。

「えーっと……」

 その一歩後ろにいたりみは二人の周りを見てドア横にある棚を見つけると二人に叫ぶ。

「二人共、ここは私に任せて、あの棚を!」

 押しつつりみの方を見た二人はりみが指を指す方を見ると、押さなければ動かせないほど大きな棚が壁際に佇んでいた。

「あれを持ってこればいいんだね! 任せて!」

 香澄とたえはりみに任せ、棚へ向かいドアへ向けて押し始める。

「う……うぅぅぅ……!」

 だが一般人一人で抑えられる訳もなく。

「きゃあ⁉」

 こじ開けられたドアに吹き飛ばされてしまった。相手も守りがなくなったと思ったのかドアの隙間から腕を伸ばす。

「駄目!」

 それをみたりみはすぐに起き上がりドアにタックルを放ち再び閉める。

「これで!」

 それに気づいたたえは迷わず、さっき拾った酒瓶で隙間から伸びる手を迷わず叩き付ける。

 三発ほど殴ると手が引っ込み、その隙にりみがドアを再び閉めた。

「香澄!」

「まかせて!」

 すかさず香澄は棚をドアの前にまで押し、一時しのぎだが封鎖する事が出来た。

「はぁ~よかった……」

 安堵の息を漏らしていたその時

 ガッシャアアアアン! 

 ガラスの割れる音が三人の耳を貫き続いて聞こえたのは

「きゃあああああああああああ!!」

「沙綾!」

 沙綾の断末魔だった。

 りみの指示を聞いて窓の封鎖を始めた二人、渡された道具を使って一つ一つを入れないように窓を板で覆い、窓枠を釘で打ち付け一時しのぎをしていく。

 三人がドアの前で格闘をしている内に、二つを封鎖して三つ目に取り掛かろうとしたその時、窓が割られそこから伸びる十本の腕に一番近くにいた沙綾が捕まってしまったのだ。

 

 

 

「さーや? さーやあああああああ!」

 香澄が慟哭を叫ぶがそれでもお構いなしに奴らは侵入を始める。

 だが突然、襲われたはずの沙綾が引きずり込まれた窓から飛んできて、床に叩き付けられる。

「さーや?」

 香澄は迷わず倒れている沙綾に近づく。

 人喰いの怪物に襲われたとは思えないほどに綺麗な遺体と化した沙綾は動かない。

「さーや! ねぇ! お願い! 目を覚ましてよ!」

 五体のゾンビと交戦をする三人を傍に沙綾を抱きかかえ叫んだ。

「クソッ! 私が封鎖する! りみ、おたえ!」

「うん!」

「分かった」

 有咲の提案にたえは腕を振ってゾンビを三体おびき寄せ、りみは近くにあった椅子を両手で持つと一体のゾンビに向けて振り回す。

 残った一体は有咲を捕まえようと腕を伸ばす。

「止めろ!」

 それを突き飛ばし、窓に向かうと釘を打ち付け始めた。

 

 

 

『あれ、私……?』

 沙綾は気が付くと店内に戻っていた。視線を自分に向ける。

『何これ⁉ 体が!』

 沙綾の体が半透明になっていたのだ。

「さーや! ねぇ! お願い! 目を覚ましてよ!」

 その時、香澄の慟哭が聞こえその姿を見る。

『私? いや!』

 自分を揺する香澄に動揺するが、沙綾は声を変える。

『香澄! 私はここだって!』

 だが気づかない。

『香澄!』

 肩を叩こうとしたが、その手がすり抜けてしまった。

『嘘でしょ……⁉』

 目を見開き、自分の遺体と透けた手を見比べているとあるものに気づく。

『これは……カウントダウン?』

 香澄は気づいていないが沙綾の頭に30の数字が浮かんでいた。

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