ぐだ子inハルケギニア   作:千草流

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さっそく捏造設定?独自解釈?が発生


三話

 空には二つ月が浮かんでいた。リツカが使い魔としてルイズに召喚されてから数時間後、授業も終わりルイズはリツカを連れて寮の自分の部屋に戻っていた。

 

 「いやあ、空に二つも月があるなんて凄いね!」

 

 リツカはふと窓から空を見上げて初めて月が二つ浮かんでいることに気が付いた。

 

 「当たり前じゃない? 貴方のいたところは違ったの?」

 

 「月は一つしかなかったよ。ああ、でも最近は月よりもでっかい光帯ばかりに目がいっていたなあ」

 

 「なによそれ? 月が一つしかなくて光の帯が見える空なんておかしいわね」

 

 「月が一つなのは私にとって当たり前だけど、光帯は確かにおかしかったよ」

 

 「よくわからないわ。貴方いったいどこから来たの?」

 

 「生まれたのは日本ていう国だけどね、最近は南極にあるカルデアってところにいたんだ」

 

 「日本? カルデア? どっちも聞いたことないわね」

 

 「うん、私も素人だからあんまり詳しいことは知らないんだけど、もしかしたら並行世界ってやつかもしれない。」

 

 「何よそれ?」

 

 リツカは以前、専門家からその手の話を聞いたことがあった。しかし、彼女はあくまでも素人であったので表面だけを掻い摘んで聞いただけであり、詳しい説明をするのが難しかった。どうやって説明しようかと考えたが、どうにもうまく説明できそうになかった。ああでもないしこうでもないしと唸っていたが、突然はっとして顔を上げた。

 

 「あ! そうだよ、詳しそうな人に聞いてみればいいんだ!」

 

 「そんな人いるの?」

 

 「ちょっと待ってね、令呪があるってことはきっとカルデアとの繋がりはまだある筈だから呼べると思う」

 

 「呼べる? そのカルデアってところから人を呼ぶなんて出来るの? ずっと遠くにあるんじゃないの?」

 

 「いやあ、これまた詳しくないんだけど、この令呪っていうのがあれば結構無茶ができるらしいんだよね。まあ物は試し、やってみるよ」

 

 リツカはルイズに念のために部屋の隅に移動するように言うと、おもむろに右手を前に挙げた。手の甲にある令呪を見せつけるかのようにすると、それを唱え始めた。

 

 「令呪を持って命ずる!」

 

 その言葉に彼女の入れ墨が輝きを放ったのが、ルイズには見えた。

 

 「世界の壁を越えて!」

 

 ルイズにはそれがとても神聖な儀式であるかのように感じた。呪文のような物を唱えるリツカの姿がとても畏いものであるかのように、圧倒されていた。

 

 「来て!」

 

 ルイズは魔力の圧力とでも呼べるようなモノを感じたような気がした。自分たちの扱う魔法がとてもではないが子供の悪戯にしか感じれなくなるようなモノだった。

 

 「『孔明』!」

 

 その瞬間、目を開けていられない程の光が、ルイズを襲った。何が何やら分からないまま、ルイズは数秒程目を閉じていたが、やがて光が収まったのを感じて目を開けた。

 

 「へ?」

 

 ルイズが思わず間抜けな声を上げたのも無理は無かった。その視線の先には自らの召喚に応じてくれた使い魔の他に、見たことのない人物の姿があったからだ。

 

 「だ、誰よあんた!?」

 

 「やった! 成功した!」

 

 「ちょっとリツカ!? 説明しなさいよ!?」

 

 「あ、ごめんごめん驚いちゃった? 大丈夫大丈夫、孔明は見た目はどっかのマフィアみたいだけど良い人だから」

 

 「そういうことじゃないでしょ!」

 

 その人物はルイズにとって奇妙な人物だった。あまり馴染みはないが、良質そうな布地のキッチリとした燕尾服のような黒い衣装に身を包んでいるところを見ると、良家の生まれであるかのように見えるが、顔を見ると目つきが悪く、まるでスラムのゴロツキのようだとルイズは感じた。

 

 「マスター! 急にいなくなったとマシュから聞いて、皆が慌てふためいているというのに! ここはどこだ! きっちり説明してもらうぞ!」

 

 「まあまあ落ち着いてよ、私もここがどこかいまいち良くわかないから孔明を呼んだんだよ」

 

 「落ち着いていられるか! カルデアでマスターとの繋がりは残っていたから存命であることは確認されいたが、それでも人理を救った直後に行方不明になるなど! マシュに至っては半ば狂乱状態だったのだぞ!」

 

 「ああっと、それは悪い事しちゃったなあ。無事帰れたらちゃんと謝らないとね……」

 

 「全く……、しかし無事でなによりだマスター」

 

 ルイズはリツカがその人物と親し気に会話をしているのを見て、不安に駆られた。やはり、リツカには自分の居場所があったのだ、やっぱり帰りたいなどと言われたらどうしようかと、ルイズは考えた。

 

 「とりあえず、そこの小娘が何か知っているのだろう? とっとと説明してもらおうか」

 

 ルイズはその人物の視線が自分の方に向いたのを感じて罪悪感のような物を覚えた。リツカを召喚してしまったことを責め立てられるかと思い、思わずびくりとした。

 

 「だ、だれが小娘よ!」

 

 「ハッ! 餓鬼の癖してプライドだけはいっちょ前か、昔の誰かを見ているようでイライラしてくる」

 

 「誰が餓鬼ですって!」

 

 「貴様以外にだれがいる? ちんちくりんの餓鬼」

 

 「なんですってぇ!」

 

 ルイズはその人物の安い挑発に乗り、先ほどまでの不安感も忘れ怒鳴り始めた。このままではルイズが殴り掛かるのではないかと思ったその時二人の間にリツカが飛び込んだ。

 

 「二人ともストップ! 喧嘩しない喧嘩しない! 孔明はルイズを無駄におちょくらないで! ルイズもちょっと落ち着いてよ、ね!」

 

 リツカに言われ、ルイズは風船がしぼむかのように怒りをゆっくり鎮めていった。

 

 「えっとルイズ、この人は諸葛孔明さんって言って、私のサーヴァント……使い魔みたいな人なの。ちょっと口は悪いかもしれないけど、実は結構良い人だから」

 

 「リツカには悪いけど、とてもそうは見えないわね」

 

 ルイズは未だに胡乱な目でその人物を見ていた。

 

 「そんでも持って孔明、この子はルイズっていってね、私はこの子に召喚されたの」

 

 「何? マスターはいつの間にサーヴァントになったというんだ? そんな寝ぼけた話があってたまるか!」

 

 「いやあ、でも残念ながら事実なんだよ。それよりも話を戻したいんだけど、孔明ここがどこか分かる?」

 

 「そんな物こっちが聞きたいわ!」

 

 「いやね、私としては並行世界とかそういんのじゃないかと思っているんだけど?」

 

 「馬鹿を言えマスター、そんなホイホイと並行世界なんぞ行けてたまるものか。それとも何か? そこの小娘がかの宝石爺の魔法を受け継いだ魔法使いだとでもいうのか? 馬鹿馬鹿しい!」

 

 「そうは言ってもねえ……、ああそうだ、空を見てよ!」

 

 「空だと? 空に何があると……」

 

 リツカが孔明にそう言うと、孔明は渋々といった風で窓から空を見上げた。そして言葉を失った。

 

 「マスター」

 

 「なに?」

 

 「あれはなんだ?」

 

 「月だね」

 

 「ああ、綺麗なもんだ。ところで、空には月が二つあるように見えるのだが、私もとうとう疲労で幻覚を見るようになったのか?」

 

 「私にも二つあるように見えるよ?」

 

 「フム、成程、どうやらマスターも疲労で少しおかしくなっているのだな。カルデアに戻ったら十分にメディカルチェックを受けることをお勧めしよう」

 

 「孔明」

 

 「なんだ?」

 

 「ところがどっこい! これが事実! 月は確かに二つあるんです!」

 

 リツカが自慢げに胸を張ってそういうと孔明は思わず頭を抱えた。

 

 「なんでさ……」

 

 別の人物の口癖が思わず出てくるくらいに、孔明は困惑していた。

 

 「とにかくさ、私もここがどこか分からないから、そういうのに詳しそうな孔明を呼んだだよ。それでどう思う?」

 

 「分からん……、いいかマスター並行世界というのは言わば在り得たかもしれない可能性だ。月が二つ生まれた可能性も宇宙の誕生まで遡ればあるかもしれんが、殆ど在り得ないと言ってもいいだろう。まだ地球とは別の惑星ですとでも言われたほうが納得できる。だがやはり詳しく調べてみないことには分からないだろう」

 

 「そっかあ……」

 

 リツカが大げさにがっくりと肩を落としたところで、話に全くついていけていなかったルイズが痺れを切らした。

 

 「ねえちょっと! いい加減に私にもどういうことか説明してよね!」

 

 「あっと、ごめんごめん。ええっとね、結局なんていったらいいのかな孔明?」

 

 「だから分からんと言って……」

 

 リツカに聞かれ孔明は話始めようとしたが、そこでふとあることに気が付いた。

 

 「分からんが、ただ一つ残念な事に気が付いてしまった」

 

 「えっ!?」

 

 「どうにも、まるで誰かに引っ張られているような感触がある。恐らくだが、世界が私という異物を弾きだそうとしているのではないかと思われる。あまり強い物ではないようで、気を張っていれば幾分かは耐えられそうだが、気を抜けばすぐにもカルデアに戻されそうだ。

 

 「ええっ!?」

 

 「なんとか踏ん張ってみても精々数時間が限度といった感触だ。しかし都合がいい面もある、この現象を利用して私は一度カルデアに戻ろう」

 

 「もう帰っちゃうの!?」

 

 「マスターの無事を報告する必要がある、それに長期間こちらに居座って調査することが出来ない以上は設備の整ったカルデアでいろいろと調べたほうが効率的だ。令呪を使用できたということは魔力的な繋がりもある、恐らく一日も経てば使用した令呪も回復するだろう、何かあればまた呼べば問題ない」

 

 「ああ、成程ねぇ……。分かった、じゃあ向こうに付いたらマシュによろしくね」

 

 「ああ、無事であったことは伝えておこう、だが心配を掛けたことに対する謝罪は無事に帰還した時に自分で言うことだ」

 

 「はーい!」

 

 「ではなマスター」

 

 そういうと孔明はいつの間にかその姿を消していた。ルイズの目には瞬きしたその瞬間にはもういなくなっていたように見えた。

 

 「それでリツカ?」

 

 「ん?」

 

 「結局どういうことなの?」

 

 「よく分からないってこと、かな……」

 

 「なによそれ……、もういいわ疲れたから今日は寝るわ」

 

 「そうだね、おやすみなさい」

 

 そう言うとリツカは迷いなく部屋の隅に置かれた藁束の上に寝ころぼうとした。

 

 「ちょ、ちょっと何してるのよ!?」

 

 「え? これ使い魔用にルイズが用意してくれたんじゃないの?」

 

 「そうだけど! それは普通の動物とかが召喚出来ると思ってたからで……」

 

 「じゃあいいじゃん、大丈夫大丈夫、野宿には慣れているから!」

 

 リツカは自信気に親指でグッドサインをルイズに出した。

 

 「だ、だめよ!」

 

 ルイズは自分に優しくしてくれた、大切な大切な使い魔を、それも人間の女の子を藁束の上で寝かせれる程に悪辣な性格はしていなかった。

 

 「えぇ、じゃあ私はどこで寝たらいいかな?」

 

 ルイズは少し迷った後に、自分のベッドを差した。

 

 「しょ、しょうがないから私のベッドで、一緒に寝てあげるわ!」

 

 「え?いいの?」

 

 「特別よ特別!」

 

 「わーい!」

 

 リツカは喜んで、ルイズのベッドに突撃した。

 

 「ちょっと、あんまりシーツを引っ張らないでよね」

 

 「分かってるよ、おやすみルイズ」

 

 「……おやすみ、リツカ」

 

 疲れていたのか、リツカはルイズに先んじて寝息を立て始めた。同じベッドで寝ているルイズも寝入ったリツカの顔を見て、独りではないことに不思議な安心感を覚え、やがて同じように寝息を立て始めた。




 ちなみ呼べる鯖は作者がゲーティア戦で使用した鯖限定にする予定
 そんな何十人もキャラを書き分けられる文章力なんてないからね、仕方ないね
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