新約:俺の転生先がワキ巫女なわけがない! 作:Lv.零の素人
それではどうぞ!
◇◆◇◆
「はあ、ついてないな」
とある町の路地裏にて一人の青年が、そう呟いた
青年は身長170㎝の平均的な体格と短めに切り揃えた艶やかな黒髪で、中性的な顔立ちが特徴の男子高校生だ
彼の名前は
さて、彼は先ほどついていないなどと呟いたが、それは正しく真であろう
彼がなぜ、そんなことを呟いたか。
すこし遡ってみよう
彼がいつも通りの学校からの帰り道を歩いている途中にぽた、ぽた、というまるで蛇口から水滴が漏れ落ちるかのような密やかな音が聞こえた。
ただの水かと彼は思ったが、どうにも水にしては色が赤黒い。
その水のような赤黒い液体はどうやら上から滴り落ちているようだ
上をつい、と見上げると
まるで食肉加工場にある枝肉のように加工されたおそらく元は人間であったであろう、肉塊がロープに吊るされていた
「うわ…これ、まさか人間か?」
ふと、後ろから視線を感じ振り返ると、そこには赤黒い液体、つまるところこの肉塊の血が付着した、今時珍しい鉈を右手に下げた平凡な顔立ち、体格の三十代後半から四十代前半といった中年の男性が血走った目で此方を見ていた
「ころさなきゃ、ころさなきゃ、ころ、ころ、ころ、ころ、ころさなきゃころころころころころころ」
男性は
刀真は当然、逃げたが
不味い、逃げろ、逃げろ!逃げろ!!
そう身体に信号を脳が送るが、まるで俗に言う金縛りに掛かったの如く、足を動かすことができない
いよいよ男性の振り上げた鉈が刀真に振り下ろされ、彼の短い人生はその幕を閉じた
◇◆◇
「はぁ、はぁ、かふっ」
全く、本当に今日は何から何までとことんついてないらしい
あの鉈を持った頭のおかしなヤツは俺に鉈を振り下ろし、俺にいつ死んでも可笑しくない傷を負わせると、俺が死んだと思ったのかどこかへ消えてしまった
「はあ、ついてないな」
どうやら、ここまでらしい。
短い人生ではあったが、まあ悪くない。そう、悪くない人生だった。少しばかり、終わりかたが気に食わないが、後悔する程ではないさ。ただ、ついてない。それだけだったのだから。ましてや、最早この身は天涯孤独、失うものなど俺の身体以外有る筈もない故に心残りもない。
だんだんと身体が冷たくなって行き遂にこの思考も終わりを迎えた。
さよならだ、くそったれな人生よ。
◇◆◇
なにかに身体を揺らされている感覚が唐突に俺を襲った。
「ん?」
目を開けるとそこにはいかにも美少女然とした少女が居た
肩に置かれている手を見るに、俺を起こしてくれたのは彼女らしい。
「あ、起きられましたか?」
「え、ああ。それで、ここは?」
そう、先ほどは気がつかなかったが、俺とこの少女はすべて、何もかも有るものすべてが白い空間に居るのだ。
「えと、色々質問したいこととか有るとは思いますが、まず言わせて下さい。誠に!申し訳有りませんでしたァ!!!」
そういうと彼女は見事なジャンピング土下座を俺に披露した。
わっつ?
「え、ちょ、何で土下座なんぞやったのか知らないけど、このままだと話すに話せないだろ。顔を上げてくれよ」
すると、少女は土下座の際に僅かに擦ってしまい若干赤くなった鼻先を押さえながらゆっくりと立ち上がった。
「うぅ、痛いぃ。はっ!あ、あの、私が土下座をさせていただいた理由なのですが、まず自己紹介をさせて頂きます。私の名前はマキナと言います。一応あなたが今まで暮らしていた
「か、神様?を押し付けられたって、おい。ていうか、表の世界?どういうことなんだ?」
「えーと、それは私が土下座をしていた理由にも関係するのですが、そちらの方から話させていただきますね。」
「ああ、そう言うことなら頼むよ」
少女、もといマキナはその土下座の理由についてない話し始めた
「まあ、ぶっちゃけて言いますと、私の部下があなたの本来の寿命を無視してヤっちゃったのでそのお詫びというのが一つです。ハイ。あの…本当に悪いと思っていますし、償いもさせて頂きますから、どうかその剣気を納めてください。」
ん?おお、すまん。無意識に出てた。一応俺もおよそ普通の高校生が体験するようなことしてない代わりにろくでもない体験をたくさんしてきたせいでこんなもんもできちまうんだよな。
あ、話を続けてくれ
「わかりました。それで、一度死んでしまえばその人生は終わり、というルールがありまして、あなたの元の身体であなたを蘇らせることは出来ませんのでもう一度元の世界で新たな人生を送らせて差し上げようかとも思ったのですが、どうやらそれもルールに反してしまうようで出来なかったのです。普通ならばこれ以上の手段を講じることなく魂を輪廻転生の輪に送り込むのですが、あなたの場合は事情が事情ですからね…それでは私の気が収まらないのですよ!なので方々を模索し、遂に見つけたのです。あなたを生き返らせる手段を!」
へ、へぇ
それはありがたい、な?
「ふふん、そうでしょうそうでしょう!もっと私を褒めてください!ほらほら!」
なんか、じみにうざいけど何て言うんだろう?うざ可愛い?ちょうど撫でやすい位置に頭があったので撫でてみる
「あ、////」
ん?手を離したときに、何故か名残惜しそうな顔をしていたがいったいなんなのだろう?
「ぅぁ、ぇと、あ、しょ!しょれでですよ!」
「ちょ、噛んでる噛んでる」
「うぅーすみません。こほん!それでです。あなたを表の世界に生き返らせることはルールに反します。しかし!
「そうか、まあ生きていけるならなんでもいいさ」
実際、その辺り俺はよくドライとか言われたりはする。
「その器は何故か封印されていたため一切成長しておらず赤子からのスタートとなります。ただ、一つだけ注意と言いますか、あの、その器というか肉体は女性の物なのです。それでも良いでしょうか?」
「別にいいよ。男女の違いを自覚するまで少なくとも十年は有るだろ。それだけあれば幾らなんでも感覚の違いにも慣れるだろう。」
「まぁ、それはそうですけど。あ、彼方に居る私の友人の能力ならあなたの魂、つまりいまのあなたを肉体として反映することができる、かもしれません。」
「それは、まああまり期待しすぎない程度にしとくよ。さあ、早いところ転生させてくれ。あ、一つだけ要望があるんだ。」
「なんでしょう?」
「俺の現時点での記憶と経験を彼方の世界でも引き継がせてくれないか?」
「そんなことならいくらでもどうぞ。」
「ありがとう。馬鹿みたいな人生だったが、どこで経験が生きるか分からないからな、持っていて損はない。」
「ではそろそろ転生していただきたいと思います!」
そこの魔方陣の所に行って下さい、と言われそちらに向かう
「ここでいいのか?」
「はい!それでは目を閉じて三十秒数えて下さい。数え終わる頃には転生は終了していますからね。」
言われた通り、三十秒数えていると、目を閉じていてもわかるくらいに強い光が俺の身体を包んだ。
それが収まり、三十秒をちょうど数え終わった頃に目を開けた
◇◆◇
その出会いは永い妖怪との闘いの果てに弱ってしまった彼女の後継者となるに値する人材を見つけるために私が幻想郷の隅から隅まで探し回っていた時だった
彼女は、私が
彼女は私が本当に人間の赤子なのかと疑うほどに凄まじいポテンシャルを秘めていた。
見つけた瞬間に あぁ、この子だ!この子こそが次代の博麗の巫女になるに相応しい!と確信した。
彼女を見つけたのは博麗神社の境内であった。
妖怪である私を見ても泣くこともせず、ただ静かに私を見ていた。きっと、彼女にしか見えない見方で
何はともあれ、私は彼女を次代の博麗の巫女として育て上げることに決めた
この子を育てることが間違いなく幻想郷の為にもなると判断したから、というのもある。
ただ、私は赤子というものを育てたことがなかった。
なので育てると決めたもののどうすればよいのかとんとわからない。
格好がつかないとは思うが私の式である、彼女
「来なさい、藍」
そう、静かに呟いた
瞬間、私の背後の空間が突如として裂け、スキマと表現する他ないモノから九つの尾を持つ白面金毛の式が現れ
私が抱き抱えている霊夢を見るや、口を開いた
「紫様、その赤子が次代の博麗の巫女なのでしょうか?」
それを聞いた私はクスッと少し笑ってしまった
「あら、あなたとも有ろう者が霊夢のポテンシャルに気付かないなんて、ね?まあ、いいわ。とにかくこの子が次代の巫女で決定よ。」
「………あの、紫様?子育ての経験とか、ありましたっけ?」
私の身体がピキッと固まるのがわかった
「き、決まっているでしょう。あなたも手伝いなさい。」
そう言って僅かに赤くなった頬を誤魔化すかのように片手に持った扇子を広げ、口元を隠すのだった。
◇◆◇
とまあこんな感じですかね。
どうでしょう?だいぶ、リメイク前に比べて文章力が上がったような気がするような、しないような………
まあ、それは置いといてですね。
面白かった、早く続きを読みたい、なんて思って頂けた方は感想や、お気に入り、評価等々お待ちしておりますのでそちらのほうにどうぞ!
もしかしたら投稿ペースがあがるかも???
いや、ないな、です。