リプレイヤーは稼ぎたい   作:クリスチーネ小林

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交渉と異世界と宇宙

暁美ほむらが願い事を叶えてくれるので俺は調子ぶっこいて空の四次元ポケットに全ての秘密道具を望んだら言い終わる前にプロレス技でシメられてしまった⋅⋅⋅⋅

 

「腕がぁ~、腕がぁ~!」

 

「調子にのるからよ小林⋅⋅⋅」

 

いや、だってさ⋅⋅⋅秘密道具高いし⋅⋅⋅資金無くなったし⋅⋅⋅イジケている俺を見てほむらは軽くため息をして、

 

「イレギュラーな件は契約違反みたいな物だから、それに関しては悪いと思っているわ⋅⋅⋅⋅でも全部はダメよ」

 

「⋅⋅⋅⋅んじゃさ、幾つ位ならいいわけ?」

 

「⋅⋅⋅⋅そうね⋅⋅⋅3つ位なら⋅⋅⋅」

 

「イヤイヤ!死にかけたし、資産全て失ったしソコは10個位は⋅⋅⋅⋅」

 

  ドバキィ!ぐほっ!?

 

またも言い終わる前に今度は水平チョップで喉を打ち、体勢が崩れたタイミングを狙ってバックドロップをきめられた⋅⋅⋅⋅!

 

「うぎゅう~⋅⋅⋅⋅いい加減にしろ!パ、パワハラで訴えて勝つぞ!」

 

「どうやって訴えるのよ⋅⋅⋅全く⋅⋅⋅」

 

腕を組んで呆れ果てた顔になったほむらに対して俺は尚も交渉を重ねた。

 

「な、なら責めて8個で⋅⋅⋅⋅」

 

 ギュムッ!?にょぱっ~!?

 

またまた、言い終わる前に今度はアイアンクローをかまされた!

 

「顔面が~!顔面が~!食い込む~!!」

 

小さな手で何という握力!正に悪魔的だ!⋅⋅⋅⋅⋅⋅ってそういや悪魔だった!

そしてそのままサソリ固めで俺の足と背中がミキミキいったー!!

 

  ぎゃぴ~!!?

 

「いい加減になさい⋅⋅⋅⋅これ以上は無意味よ」

 

「まだだ⋅⋅⋅5個⋅⋅⋅5個でぇ~⋅⋅⋅」

 

俺は諦めきれずに尚も粘る⋅⋅⋅がっ、ヤッパ身体が限界だ⋅⋅⋅⋅するとそこへ、ムカイさんが助け船を出してくれた。

 

 

「ほむら様⋅⋅⋅ワタクシからもお願い致します。マスターはイレギュラーな初めての魔獣戦を本当にギリギリ限界迄挑んで勝利なされたのです。何卒ご配慮の程を⋅⋅⋅⋅」

 

む、ムカイさん⋅⋅⋅⋅⋅ヤッパ君は最高だよっ!! ムギュッ!?

 

技を解いて俺とムカイさんを一瞥すると、

 

「ハァッ⋅⋅⋅⋅痛い所を突くわね⋅⋅⋅わかったわ。ムカイさんに免じて大サービスの5個の秘密道具をあげるわ⋅⋅⋅感謝する事ね」

 

 

⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅いやったー!!!バンザーイ・バンザーイ!!俺は身体の痛みを忘れて無邪気に喜んだ!これが中身が42歳のリプレイヤーである⋅⋅⋅⋅⋅(汗)

 

「ありがとう!ムカイさん!ありがとう!ほむほむ!!」

 

思わずアダ名めいた呼び方をしてしまった俺は今度はフライング・ニールキックを顔面にかまされるのだった⋅⋅⋅⋅

 

 

でもほむほむって呼び方結構よくない?

だが、ようやくこれで秘密道具無双に、野望に一歩近づいたな⋅⋅⋅⋅

 

 

ウキウキしていると静かな声で長門さんが、

「小林⋅⋅⋅次は私の話しを聞いて欲しい⋅⋅⋅」

と明確な意思を示してきた。

 

 

「あ、ゴメン長門さん。長門さんの話しはなに?」

 

テーブルの前に座ると長門さんは、

 

「⋅⋅⋅本日、この宇宙に数年前同様に強い時空間干渉エネルギーの観測を確認。

それに伴った高いレベルの時空変容の影響を最も強く受けてるイレギュラーな人間⋅⋅⋅⋅すなわち貴方⋅⋅⋅小林信一をより間近での監視と観測及び、独自の判断による行動の干渉が情報統合思念体の会議で決まった。

私⋅⋅⋅⋅ヒューマノイド・インターフェースの長門有希が対象者と共に生活活動をするように命令が下った⋅⋅⋅⋅」

 

 

「⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅え、えっとつまり長門さんが俺の家で一緒に暮らすと⋅⋅⋅⋅それってつまり同棲するって⋅⋅⋅⋅事なんだよね⋅⋅⋅⋅?」

 

「その認識で問題ない⋅⋅⋅⋅⋅」

 

 

「なんじゃそりゃー!!?」

 

 

オイオイ何なんだよこの一昔前のラノベかっ!?急にそんな事言われても問題が多い。

 

それに生活費用とかどうすんの?正直自分自身、来月の生計をどうするか迷っているのに⋅⋅⋅

 

 

「有機生命体の生命活動に必要となるモノ⋅⋅⋅⋅経済活動の要となる貨幣については問題ない⋅⋅⋅⋅観測対象の生命活動の補助としてこの世界、この時代、この国の金銭にして毎月100万円が支給される⋅⋅⋅⋅」

  

 

⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅ひゃっ、100万円~!?それも毎月!?マジ!?だが俺としてはどうにも迷う。

 

 

何故なら俺にもチンケだがプライドと信念がある。宇宙人とはいえ女の子のくれるお金をアテにするのはどうにも抵抗がある。何よりヒモみたいで嫌だ。

 

面倒くさいヤツと思われるが俺の男としてのささやか意地なのだ。それに女の子と一緒に住むのはなんか、その⋅⋅⋅上手く言えないが照れがある⋅⋅⋅⋅

 

 

「え~と、長門さんちょっとだけ考えさせて。いきなりの事だから少し時間が欲しい」

 

 

長門さんは一切表情を変えずに静かに頷いた。

 

 

俺と長門さんの会話を聞いていたほむらは髪をかきあげ、小さなため息をつくと⋅⋅⋅

 

「認めたくないけど、情報統合思念体も同じ事を考えていたのね。小林⋅⋅⋅私も此処に一緒に住まわせてもらうわ⋅⋅⋅因みに拒否権は無いから⋅⋅⋅」 

 

 

ハァッ!?この悪魔、なに勝手に決めてんのっ!?情報ナンチャラに対抗意識でも燃やしてるの?

 

 

「対抗意識?そうね⋅⋅⋅私の知らない所で好き勝手にやられるのは好ましく思わないわね⋅⋅⋅でもちゃんとした理由はあるのよ?」

 

 

いやいや、その前に俺の意思は⋅⋅⋅?完全に無視ですかっ?何なのこの急展開⋅⋅⋅⋅

 

心身共に疲れが押し寄せてくるのを感じていると、突然⋅⋅⋅⋅

 

 

 

ゴゴゴゴゴ・・・・ズシンッッ!!!

 

 

 

地震が起きた!?だが直ぐに治まり俺はホッとした。

 

「マスター⋅⋅⋅⋅お知らせします。この地震は只の地震ではありません。この家だけで起こった次元震の一種です」

 

 

次元震!?確かドラえもんでもその単語が出てきたな⋅⋅⋅⋅

 

 

「⋅⋅⋅⋅異なる次元空間の安定結合の成功を確認⋅⋅⋅⋅⋅」

 

「どうやらお互い無事成功したようね⋅⋅⋅まあ、円環の理の力においては微々たるモノだけど⋅⋅⋅」

 

 

⋅⋅⋅⋅⋅⋅二人共何を言ってるの?

 

 

「悪いわね⋅⋅⋅説明がまだだったわ⋅⋅⋅ムカイさん代わりにお願いできる?」

 

「はい!お任せを。マスター⋅⋅⋅⋅落ち着いてお聞きになって下さい。本日においてインキュベーターの暗躍により、宇宙の次元空間の管理システムはハッキングを受け、ウィルスによる重大なバグが発生しました。その際、幾つかの平行世界の境界線が極めて不安定になり、やむを得ず誠に勝手ながらマスターの家にお繋ぎし、安定化を計りました。結果はみごと成功。その為この家の特定の場所に平行世界へ行き来できる状態となりました」

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

何やってんのぉ!?勝手に人ん家で好き勝手すんなっぁぁぁ!!!

 

 

「イレギュラーと認識された貴方が長年住んでいたこの家⋅⋅⋅変異空間座礁の特異点の要になっていた。故に次元空間結合がしやすいと判断され、利用させて貰った⋅⋅⋅」

 

 

⋅⋅⋅⋅駄目だ⋅⋅⋅⋅今日1日でアレコレ起きて頭が働かない⋅⋅⋅⋅

 

「ゴメン⋅⋅⋅⋅疲れて上手く理解が追いつかないから休ませてくれる?つーかっ、もう限界⋅⋅⋅身体もアチコチ痛いし⋅⋅⋅」

 

 

そう言って俺は自分の部屋に入り布団を取り出す為クローゼットを開けると⋅⋅⋅⋅⋅未知の異世界に繋がっていた⋅⋅⋅⋅

 

 

あの⋅⋅⋅⋅俺の布団は⋅⋅⋅⋅⋅?

 

 

「予想よりも綺麗に繋がってるわね。流石は本体の私⋅⋅⋅⋅いい仕事してるわ⋅⋅⋅」

 

そう言って暁美ほむらは誇らし気に自画自賛した⋅⋅⋅⋅⋅

 

 

ってか、布団で寝ることすら出来んのかっ、俺は!!

 

 

「マスター布団等の寝具と季節物の服はワタクシめが保管しております。ご安心を。ズロロロ」

 

そう言ってムカイさんはお約束どうりに口から俺の布団を吐き出した⋅⋅⋅⋅⋅⋅

 

「あ、ありがと⋅⋅⋅⋅⋅⋅」

 

とにかく今は全てホッポリ出して眠りたい⋅⋅⋅⋅⋅!

 

「あっ!マスター足元にご注意下さい!その畳が扉となって宇宙船の内部と繋がっているのを確認しました!」

 

 

⋅⋅⋅⋅⋅⋅へっ?足元?畳?俺はしゃがみこんで畳を撫でた。すると奇妙な違和感を感じて畳の(へり)を掴み力任せに持ち上げるとアニメや映画で見たことのある宇宙船とおぼしき通路が繋がっていた⋅⋅⋅⋅

 

 

⋅⋅⋅⋅⋅⋅【のび太の宇宙開拓史】かっ!!

つーかっ、自分の部屋で寝るのも出来んのかっ!!

 

 

「次元空間結合は素晴らしく安定している⋅⋅⋅」

 

いつの間にか隣にいた長門さんは無表情ながらも眼鏡を光らせ、親指をビシッと立てて心なしか得意気になっているみたいだ⋅⋅⋅⋅

 

あかん、本当にもう限界⋅⋅⋅⋅俺はその場で倒れこんで夢の世界へと強制ダイブするのだった⋅⋅⋅⋅

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

「フフッ⋅⋅⋅普段はマヌケ面を晒してるけど寝顔は案外かわいいものね⋅⋅⋅」

 

「⋅⋅⋅⋅今日の彼の観測情報を確認した。インキュベーターの行動により彼も貴女も私も対応に追われた1日だった⋅⋅⋅」

 

「そうね⋅⋅⋅取り敢えず貴女とは一時休戦ということで良いのかしら?」

 

 

「この宇宙の支配権を持つ貴女と無駄に争う理由はない⋅⋅⋅ほんの少しの行き違いで誤解が生じただけに過ぎない⋅⋅⋅⋅私の直接の上も争う意思は無い⋅⋅⋅」

 

「お互いに奇しくもインキュベーターの行動に振り回されているみたいだしね⋅⋅⋅」

 

 

「貴女は小林信一に何をし、何をさせようとしている?」

 

「何って、単純に巨大な絶望のエネルギーを抱えて死ぬ直前の彼と契約してもう一度人生をやり直すチャンスを与えただけよ⋅⋅⋅⋅最も此方の都合のよい駒でオモチャで、エネルギー原としても重宝しているわ⋅⋅⋅⋅」

 

「⋅⋅⋅それは本当に本音⋅⋅⋅⋅?」

 

「⋅⋅⋅どうゆう意味かしら⋅⋅⋅⋅?」

 

「以前、私は平行世界の小林信一の観測を行った⋅⋅⋅⋅その結果、有機生命体の心理の矛盾を少し学んだ⋅⋅⋅⋅愛して大事にしようとする反面、取り返しのつかない程壊してしまいたいという衝動⋅⋅⋅⋅相反する矛盾に満ちた精神と肉体のエネルギー⋅⋅⋅私の複製体や他の平行世界の住人の複製体とその人物は何度も何度も愛し合う行為を繰り返している⋅⋅⋅⋅我欲を満たす為とも言える行為を⋅⋅⋅」

 

 

「⋅⋅⋅⋅⋅⋅私の行動に矛盾があると?」

 

「⋅⋅⋅⋅⋅有機生命体特有の心理エラーが重なっているように見える⋅⋅⋅⋅⋅⋅」

 

「⋅⋅⋅⋅ヒューマノイド・インターフェースはカウンセラー機能も兼ねているのかしら⋅⋅⋅⋅?」

 

「私は貴女が苦しんでいる感情を感知している⋅⋅⋅⋅⋅」

 

「はぁ⋅⋅⋅⋅やっぱり貴女とはソリが合わないわね⋅⋅⋅美樹さやかよりは幾分マシだけど⋅⋅⋅⋅ふぅ⋅⋅⋅もうこの話しはヤメにしましょう⋅⋅⋅互いに不毛だわ⋅⋅⋅⋅⋅それより小林の観測を貴女はいつまで続けるのかしら?」

 

「以前昔、ある人物の観測は彼女の生命活動が終焉を迎える迄続けられた」

 

「そう⋅⋅⋅じゃ、今回も彼の二度目の人生が終わる迄続けるのかも知れないわね⋅⋅⋅⋅まあ、私達からしてみればほんの瞬き程度の時間⋅⋅⋅⋅無駄に争うのもあれだし⋅⋅⋅今はこの状況を楽しみましょう⋅⋅⋅リプレイヤーである彼の行動を⋅⋅⋅」

 

 

「⋅⋅⋅承認した⋅⋅⋅」

 

 

 

 

 

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