魔獣との戦いの為、決戦空間へとやって来たがガチャの引きの悪さと魔獣達の数に俺は心が折れ掛けていた⋅⋅⋅⋅
あ、あんな数とこんな貧弱なので勝てる訳無いだろうが⋅⋅⋅⋅
「戦いは数だよ、兄貴」そんな言葉が心中に何度も何度も去来する。
くそ、くそ、クソ、クソ、糞がぁぁぁー!!!!!!!!!!!!!!
せっかくリプレイで二週目の人生を得たのに結局コレかよっ?
フダケンなよ!?インキュベータとやらの暗躍で迷惑掛けられて⋅⋅⋅⋅⋅頭にきた⋅⋅⋅⋅!!
どいつもコイツも腹立たしい⋅⋅⋅!
俺をバカにして見下した奴ら⋅⋅⋅
俺にパワハラして愉悦に浸った奴ら⋅⋅⋅
精神が弱っている時につけこみ騙し、詐欺で無けなしの金を奪った奴ら⋅⋅⋅
診察ミスで俺の癌の発見を送らせ、その事を隠蔽した奴ら⋅⋅⋅⋅⋅⋅
奴らの下卑た面と声が次々と頭を駆け巡り腹の中に熱が籠る。
クソーがぁぁぁー!!!
負けてたまるかぁぁぁー!!!
死んでたまるかぁぁぁー!!!
何がなんでも勝利して生き残ってやる⋅⋅⋅!奴らに復讐して屈辱を返してやる!!
怒りがエネルギーとなり、萎えかけた精神が堅くなり、熱く吠え滾る⋅⋅⋅⋅!!
「まっ、マスター⋅⋅⋅!?」
「すまないムカイさん⋅⋅⋅驚かせちまったな⋅⋅⋅⋅俺は負けたくない⋅⋅⋅戦って勝利して生き残ってやる!協力してくれ」
「はい!マスター!」
軽く深呼吸して俺は魔獣達を見据える。ヤツらの侵入ゲートは塞がり、ようやく侵入は終わりヤツらの総数は約300程になっていた。
数こそ驚異的だが幸いな事にヤツらは全員足並みを揃え、特に速くもなくゆっくりと今の所はただひたすら直進してくるのが救いだった。だが、それゆえに不気味さに拍車をかけていた。
こちらの存在は確実にわかっている筈なのに特に強襲する訳でもなくビームの類いを放つ訳でもなく、ひたすらゆっくりと歩調を合わせて進むだけだった⋅⋅⋅⋅⋅⋅
「マスター!後ろに離れた赤いラインが在ります。アレを越えられたらアウトです!」
「越えられたらどうなるんだ?」
「マスターの住まわれる世界へと次元侵入し、様々な疫災をもたらします。魔獣は普通の人間には認識できず、事故、天災といった形で世界に負の力を撒き散らかす非常に厄介な相手です」
「ですが、逆にあのラインに踏み入れさせずに倒しきるか、一定の時間魔獣どもの進行を鈍らせればこの空間も消え去り勝利出来ます!マスター、踏ん張りましょう!」
「ちなみに一定の時間ってどれぐらいなの?」
「通常なら短くて1時間程、長くて3時間程になります。今回は稀にみる強さと数なのでこちらで確実に分かる時間は20分と認識出来ます!」
⋅⋅⋅20分⋅⋅⋅楽しい事してたら直ぐに過ぎ去る時間だが、こんな状況では恐ろしく長い⋅⋅⋅⋅
だが、ヤってやる!
俺は気合いを入れてハッチを開き、ボールに乗り込んだ。コックピットの中は簡素で椅子に座り操縦席を見渡すとそこはレバーとボタンだけが備えて付けられていた。
ちなみにレバーはグリップが取り付けられた本格的なモノでボタンだけがゲームの様に安っぽい造りだった⋅⋅⋅
まあ、ボールはマニピュレーター以外は空中を移動して備え付けられているキャノン砲をひたすら撃つだけだからな⋅⋅⋅⋅⋅
「え~と、マニュアル本は無いのか?」
「単純過ぎてないようです。ワタクシが案内させて頂きます。まず、右下のボタンを押して起動してみて下さい」
言われたとうり右下のボタンを押してみる。するとアニメで聞いた事のある起動音が静かに鳴り響いた。
こんな状況でなければ感激している所だが、今はそんな余裕は無い。
「次にレバーを手前に引きますと浮かび上がります。足下の右ペダルで速く移動し、左のペダルでブレーキが掛かります。レバーの隣のボタンがキャノン砲の発射ボタンです。照準は発射ボタンの下のボタンで定めますがこちらはワタクシめにおまかせ下さい」
ムカイさんの説明で理解した俺は実際に動かしてみる。レバーを手前に引くと浮かび上がり右ペダルを踏んでスピードを出す。左のペダルを踏み、減速する。本当に単純だ。
「極めて単純な移動ならオートにする事も可能です。そしてキャノン砲の弾数は10発です。射程距離は機体自体が小さい為、距離も短くなり約100㍍となります」
キャノン砲の射程距離約100㍍⋅⋅⋅⋅全力で走る分には長いが砲弾の距離としては些か短い。
だが、やるしかない!
俺は僅かに慣らし運転を終え、覚悟を決めて射程距離約100㍍迄ヤツらに近づいた。
ま、間近に迫るとやはりデカイ⋅⋅⋅!
ジムよりデカくないか?こっちが近ずいても一切表情を変えず黙々と歩いてくる。やはり不気味だ⋅⋅⋅⋅
「マスター標準合わせ完了です!何時でも行けます!」
「ありがとうムカイさん!」
俺は発射ボタンを押し、キャノン砲を撃った!!
ドオーン!!
⋅⋅⋅ムカイさんのお陰で顔面に直撃した。だが、あの
やっぱっ、ムリゲーのクソゲーじゃねえかっ!!!
ヤケクソになって残りの砲弾を叩き込んだがやはり傷といったモノは見られなかった⋅⋅⋅⋅弾はアッサリと尽き果て残るはこの丸い棺桶だけだった⋅⋅⋅
はは⋅⋅⋅何だよ⋅⋅⋅やっぱり気合いや根性だけじゃダメじゃねえかよ⋅⋅⋅
前世の記憶にあるパワハラ野郎の口癖である根性と気合いのフレーズが俺の心をイラつかせ、ささくれて行く⋅⋅⋅
根性と気合い⋅⋅⋅それ自体は否定しないし、必要だと考えるが、それだけでどうにもならないんだよ!クソがっ!
残りのボールのキャノン砲を叩き込んでも足止めにもなりゃしないだろう。
いっそうの事コレをぶつけるか?
⋅⋅⋅⋅⋅ハッ!待てよ俺には腹に付けてるポケットの中に無駄に多いほむらお手製爆弾がある。試してみるか⋅⋅⋅!
ムカイさんの説明では単純な移動ならオートにできる。なら爆弾を置いてオートモードにしてヤツらにぶつけてみる!
「ムカイさん作戦⋅⋅⋅⋅と言う程じゃないが策を思いついた。ほむらお手製爆弾をボールに置いてオート操縦でアイツらにぶつけてみようと思うんだ。だから爆弾の取り扱いを聞かせてくれ!」
「はい!マスター。ほむら様の爆弾は3つのボタンがあり、一番上のボタンを押すと10秒後に作動し、真ん中のボタンで7秒、一番下のボタンで3秒後に爆発します。威力は高いので5発分座席に置いてぶつけてみましょう!」
よし!俺は一旦、残りのボールが置いてある場所まで戻り、順番にコックピットに爆弾の一番上のボタンを押してムカイさんにオートで最高速度で直進させてデーモンもどきに突撃させた。
「よろしくムカイさん!」
「おまかせを!」
直撃まで後4、3、2、1⋅⋅⋅⋅⋅
ドバァァァァーーーンンンン!!!!
今迄にない爆発音にかなりの距離で木々に隠れていた俺の全身にも空気の振動が伝わり思わず冷や汗が流れた⋅⋅⋅
煙が辺り一面を覆っており、数秒後煙が晴れると前面にいたデーモンもどき数体は体中に亀裂が入り、やがて身体が朽ち果て塵芥となった⋅⋅⋅⋅⋅!!
「やりました!マスター!!」
「あ、ああ⋅⋅⋅⋅!」
素直に喜びたいのだが、アレだけの数は全滅はさせられない⋅⋅⋅何体かは道連れには出来ても微々たるダメージだ⋅⋅⋅⋅
それにしてもボールのキャノン砲にビクともしなかったのに爆弾で粉微塵に吹き飛ぶとは⋅⋅⋅⋅とんでもないモンをポケットに所持してるよな俺⋅⋅⋅⋅震えが今になってやって来やがった。
そしてヤツらは感情が無いらしく仲間が何体かヤラれても相変わらず行進ペースは変わらず、時間稼ぎも難しい。
それでも何もしないよりは圧倒的にマシなので残りも時間差で特攻させてぶつけ続けた。
・・・・・・・・・・・・・・・
全10機中9機を魔獣にぶつけた結果約4分の1は倒せた⋅⋅⋅⋅この一機で全ての爆弾を載せても良くて10体位しか仕留められないだろう⋅⋅⋅
後は秘密道具でやるしか⋅⋅⋅⋅んっ?
魔獣の群れを確認すると一体だけ角の形が違うのがいるぞ!?
前面の魔獣がやられた事でハッキリと目視で確認できる。他の個体の角は後ろ向きに曲線に曲がっているのにあの一体だけの角は前向きで曲がりくねって生えている。もしかしてアレがボスで、ヤツだけ仕留めればこの進撃も止まるんじゃないか?
俺はムカイさんに相談する。
「残念ながらワタクシから確証出来る情報を検索出来ませんがヤってみる価値は有ると判断致します」
よしっ!ヤってみるか!
俺は最後のボールを操縦してボスとおぼしき個体に近づく。
ポケットから試供品の秘密道具【熱線銃】を取り出し構えた。どれぐらいの射程距離があるのか分からないのでムカイさんにオートモードでなるべく近づいてもらった。
距離は約20㍍⋅⋅⋅⋅ぐは~⋅⋅⋅⋅⋅メチャクチャ怖えェェ⋅⋅⋅⋅⋅別個体に顔の高さから真っ正面に向き合うのは少し躊躇したが必ず勝利し、復讐を果たし、至高の絶頂を得る為、覚悟を決めて俺は対峙した!!
照準を定めて⋅⋅⋅⋅俺は撃った!!
チュドォォーーーーーンンン!!!!
やっ、やった当たった!!ヤツの、ボスと思われる個体の角は粉砕された!!
⋅⋅⋅⋅⋅だがっ、その直後⋅⋅⋅⋅⋅
グガアアアアァァァーーー!!!!!
仲間がやられても静観していたその個体は突如、凄まじい雄叫びを放ち、荒々しく右腕を振り回して初めて明確に、そして初めて感情的に攻撃をしてきた!!??
「かっ、回避間に合いませ⋅⋅⋅」
「うわあああぁぁぁー!!!」
ヤツの右腕は俺の搭乗しているボールに直撃して凄まじい勢いで吹き飛ばされた⋅⋅⋅⋅⋅