リプレイヤーは稼ぎたい   作:クリスチーネ小林

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決着

なけなしの10万円とツキの月(試供品)で出したガンダムと切り札である貯金一千万円でサイコントローラーを手にして魔獣どもの殲滅をした矢先に新たな魔獣が出現しやがった!

 

 

ムカイさんによるとコイツはこの空間の消滅時間を停止させているので時間一杯使っての逃げ切りも出来なくなった。

 

 

大量の魔獣の群れの殲滅にほとんど弾薬を失ってしまった俺はイレギュラーな魔獣を睨んでいる。

 

何で最後の最後でこんな強そうで厄介な能力持ちが来るんだよ!!

 

 

心の中で愚痴っていると眼を血走らせてこちらに向かってきやがった!

俺は出し惜しみしても意味が無いと判断してビームガトリングガンを始めとする弾薬を全てヤツにぶつけた。

 

  

   ズガガガガガッッッ!!!

 

 

硝煙が舞い散り目を凝らして確認すると魔獣(ボス)は多少の手傷を負っただけで大したダメージはなく雄叫びを放ちながら機体に突進してきた!

 

「くっ!もうこのアーミーナイフで対抗するしかっ!」

 

俺はヘビーアームズの右手に備え付けてあるアーミーナイフを展開して切り裂こうとしたが魔獣はナイフを強靭な顎で咥え簡単に噛み砕きやがった!!

 

「どんな顎の力してんだよっ!?」

 

俺はつい、反射的に離れようとするがヤツはヘビーアームズの右腕を掴みそのまま機体を投げ飛ばした!?

 

「うわああぁぁぁー!!?」

 

サイコントローラーを必死で握り込みイメージを強くして、何とか姿勢制御するも無様に地面に叩きつけられた。

ヤツに投げられた際、右腕は無惨にも千切れダメージを負ってしまった。

 

 

最後の武器が⋅⋅⋅⋅こうなったらこのビームガトリングガンの砲身を棍棒がわりにして叩きつけるしかない!

 

そう決心して挑もうとして身構えた瞬間、魔獣は口からお約束と言わんばかりのビームを放ってきたっ!?

 

俺はビームガトリングガンと一体になっているシールドで辛くも防いだが、その代わりに左腕を失ってしまった⋅⋅⋅⋅

 

「駄目だ⋅⋅⋅⋅もう武器も無い⋅⋅⋅あとは蹴りでも⋅⋅⋅⋅」

 

「まっ、マスター!左腕の付け根をご覧下さい!」

 

ムカイさんに言われて見るとソコにはビームサーベルとおぼしきモノが備え付けてあった!!

 

そういや劇中でもトロワがヒイロの為に密かに備えていたな⋅⋅⋅ただあれの時と違い、直接そのままビームサーベルを展開できるように整備されていた。

 

 

よっしゃー!!左の前腕の分だけリーチは少し短いがこれならいけるかもっ!?俺はビームサーベルを展開して魔獣(ボス)に斬撃を喰らわしてやった!!

 

凶悪な爪でこちらに攻撃してきたヤツの右腕はキレイに体からオサラバした。

 

「ギィョワァァァー!!!??」

 

聴きに耐え難い悲鳴をあげた魔獣は左腕から鎌のようなモノを生み出して狂気で吠えながら向かってきた。俺はリーチの差を利用して突きでヤツの身体のど真ん中を貫いた!!

 

 

「このまま切り裂いて終わりだー!!」

 

だが、魔獣のヤツは目と口と身体から出血しながらもそのまま更に身体を進ませて機体に取りつきやがった!?

 

「なっ!?くそ!離せっ!」

 

ジタバタと機体を動かすが片手は無く、もう片方のビームサーベルは深くヤツの身体に飲み込まれマトモに動きゃしない!!

 

 

片腕ながらも凄まじいパワーで機体に密着した魔獣は口を大きく開いてヘビーアームズの顔面を噛み砕きやがった!

 

「だあぁぁぁー!!俺のヘビーアームズがぁぁぁー」

 

野郎!俺のガンダムを⋅⋅⋅⋅!だがっ、こっからどうすればいいっ?

 

魔獣は尚も強く機体を抱き込み一向に離そうとせず遂に至近距離から口ビームを放つ準備をしている。

   

 

「マスター!脱出なさって下さい!」

 

ムカイさんは俺の身を案じて脱出するよう促す⋅⋅⋅⋅がっ俺は⋅⋅⋅

 

「いや⋅⋅⋅ムカイさん⋅⋅⋅脱出する前に最後の手段があるのを思い出したよ⋅⋅⋅⋅!」

 

「えっ!?」

 

そう、最後の手段⋅⋅⋅⋅この機体⋅⋅⋅ガンダムヘビーアームズは【新機動戦記ガンダムW】のガンダムモデルは、みな爆弾を搭載して自爆が可能なのだ!

 

 

しかし俺の記憶が確かなら、このヘビーアームズは主役ガンダム5機の内、唯一自爆や敵の攻撃から破壊されなかった機体なのだ⋅⋅⋅⋅なのに何の皮肉か俺自身の手で自爆させるハメになろうとは⋅⋅⋅⋅チキショー⋅⋅⋅⋅俺の⋅⋅⋅僕のヘビーアームズ⋅⋅⋅ゴメンよう⋅⋅⋅⋅

 

 

俺は自爆の効果を少しでも高める為、四次元ポケットに入っている残りのほむらお手製の爆弾を置いて自爆装置を作動した! 

 

「もうこれが正真正銘最後の手段だ⋅⋅⋅⋅ムカイさん!俺のポケットの中に!」

 

「はい、マスター」

 

ボールの時と同じ要領で飛び降り、途中で取り外した四次元ポケットの中に緊急避難した。

 

危ないと思いつつ、ポケットから顔だけ出して上手く行くか確認をする。

 

 

魔獣がビームを放つとほぼ同時にヘビーアームズも自爆した!!

ほむらお手製爆弾の力も相まって凄まじい爆発となり、俺はポケットに顔を引っ込めた。

 

四次元ポケットの中からも伝わってくる爆発の衝撃音と魔獣の断末魔の叫び⋅⋅⋅空気の振動がようやくなくなったのを見計らってポケットから出た。

 

 

自爆は上手くいって魔獣は目の前で塵芥となった⋅⋅⋅⋅残っていたのは無惨にもバラバラになって大地に僅かに残っている機体の欠片だけだった⋅⋅⋅⋅

 

俺は直立して敬礼した⋅⋅⋅⋅

 

ありがとう⋅⋅⋅僕のヘビーアームズ⋅⋅⋅

 

「⋅⋅⋅⋅マスター何はともあれ無事に生き残れた事を喜びましょう⋅⋅⋅⋅⋅」

 

「ああ、勿論さ!ムカイさんもお疲れ様!本当にありがとう!」

 

 

俺はムカイさんに礼を言うとその場でへたりこんだ⋅⋅⋅⋅つっ、疲れた~!!

何とか上手くいって良かった⋅⋅⋅⋅⋅ようやく一安心して緊張の糸が切れ、俺は生き残った喜びと資金ほぼゼロの状況に頭を悩ませた⋅⋅⋅⋅

 

「マスター⋅⋅⋅この空間もじきに消滅します⋅⋅⋅⋅お疲れでしょうがワタクシがゲートを開きますのでお戻り下さい⋅⋅⋅」

 

「うん、わかったよ。よろしくムカイさん」

 

こうして俺の記念(?)すべき魔獣との戦いはギリギリだが何とか初勝利を収めたのだった⋅⋅⋅⋅失ったモノは色々大きいけどな⋅⋅⋅⋅⋅(泣)

 

ゲートから元の世界に戻ると静かな保健室は誰も居らず俺はそのままベッドに横たわった⋅⋅⋅⋅

 

 

ハァー( ´Д`)⋅⋅⋅⋅⋅最初っから期日前倒しのベリーハードモードってどんなブラックだよっ!!

 

今後もこれなら身も心も持ちそうにない⋅⋅⋅⋅いや、その前にカネが、資金が⋅⋅⋅⋅俺ってやっぱ、運が足りない⋅⋅⋅⋅

 

 

 

 

しばらく保健室のベッドの柔らかさに身を任せていると黒い空間が現れ、悪魔⋅⋅⋅いや、暁美ほむらも無事帰ってきた。

 

「あっ~え~と⋅⋅⋅⋅取り敢えずお疲れ様⋅⋅⋅で良かったかな?」   

 

「ふぅ⋅⋅⋅そんなに気を使わなくてもいいわ⋅⋅⋅でも⋅⋅⋅⋅ありがとう⋅⋅⋅」

 

「お帰りなさいませ!ほむら様」

 

「ありがとう⋅⋅⋅ムカイさん⋅⋅⋅」

 

はー⋅⋅⋅⋅とっ、息を吐き暁美ほむらに恐る恐る訪ねる。

 

「なあ、暁美ほむら⋅⋅⋅その、今回はイレギュラーでスッゲー大変だったんだけど⋅⋅⋅⋅流石に今回だけ⋅⋅⋅⋅何だよね⋅⋅⋅⋅?」

 

「いちいちフルネームで呼ばなくていいわ。ほむらで構わない⋅⋅⋅それと残念だけど今回だけとは限らなくなってしまったわ⋅⋅⋅」

 

黒くツヤのある髪をかき分けてほむらは何とも言えない表情をする。

 

「それって例のインキュベータとやらが原因?」

 

「ええ⋅⋅⋅そうよ⋅⋅⋅⋅よりにもよってヤツは管理システムを乗っ取り、ウイルスを仕込んで都合のいい様に操っていたわ⋅⋅⋅

本当に忌々しい存在ね⋅⋅⋅⋅!」

 

ほむらは苦虫を潰した様な顔をしてしきりに髪を弄っていた。

 

 

管理システム⋅⋅⋅⋅何の事だ?

 

 

「あの⋅⋅⋅ここでは何ですので一旦マスターの家で情報を整理してからゆっくり休まれては如何でしょうか⋅⋅⋅?ワタクシはそう具申いたします」

 

「そうね⋅⋅⋅⋅貴方が良かったら⋅⋅⋅だけど⋅⋅⋅」

 

どうせ家にはもう誰も居ない⋅⋅⋅⋅だから俺はムカイさんの提案に賛同した。

 

「ああ、俺は構わないよ⋅⋅⋅⋅って学校を早退か⋅⋅⋅⋅高校生活初日からこれとは⋅⋅⋅⋅トホホ⋅⋅⋅(;つД`)」

 

「教師には適当に言っておくから先に帰りなさい⋅⋅⋅」

 

そう言われて俺は一人まだ日も高い内に自宅へと帰るのだった⋅⋅⋅⋅

 

 

自転車で何とか疲れた身体に鞭打って漕ぐ。はーっ、これを機会に身体を鍛えないとな⋅⋅⋅とぼんやりと考えながら自宅に近づくと玄関前で長門有希さんが一人静かに佇んでいた⋅⋅⋅⋅!?

 

「えっえっ!?長門さん!?何だって家に⋅⋅⋅⋅あ、えとそっちも厄介事は片付いたんだね?」

 

驚きながらもそう訪ねると長門さんは静かに頷き⋅⋅⋅

 

「⋅⋅⋅⋅上からの指示で貴方の帰りを待っていた⋅⋅⋅話したい事がある為、待っていた⋅⋅⋅」

 

話って何だろう?また厄介事になる予感を感じながら家に招き入れた。

 

 

居間に案内して座って待ってもらい俺はお茶の準備をする。タイミングよく空間からほむらが出てきた⋅⋅⋅⋅って、この状況に慣れてしまっている自分に思わずツッコミを入れたくなった⋅⋅⋅⋅

 

「あの~せめて普通に玄関から来てくれない?」

 

「あら、悪かったわね⋅⋅⋅つい⋅⋅⋅⋅⋅何故長門有希が居るのかしら⋅⋅⋅?二人きりで⋅⋅⋅」

 

「別にやましい事はしてないよ。それにムカイさんも居るし⋅⋅⋅」

 

「それもそうね⋅⋅⋅⋅まあ良いわ⋅⋅⋅⋅どっちにしろ都合がいいし⋅⋅⋅あとこれ、貴方のカバンよ」

 

「あ、ありがとう」

 

悪魔らしからぬ気配りで俺にカバンを渡してほむらは長門さんのいる居間に向かった。

 

 

四人分のお茶と菓子を運び居間に入ると二人は向かい合って一言も交わさずに無言で座っていた⋅⋅⋅⋅なんか⋅⋅⋅⋅怖い。

 

「えー、えっと⋅⋅⋅お茶が入りましたよ⋅⋅⋅⋅」

 

っと恐る恐る、お茶と菓子を置く。何だって自分の家でこんなに気を使わなくっちゃならないんだ⋅⋅⋅?

 

 

 

しばしの間をおいてほむらがようやく口を開いた。

 

 

「まずは小林信一⋅⋅⋅⋅貴方には悪いとは思っているわ⋅⋅⋅ムカイさんの記録映像を確認したけど流石にあれは初心者にはキツすぎたわね⋅⋅⋅⋅⋅よくやったわ⋅⋅⋅褒めてあげる⋅⋅⋅ムカイさんもお疲れ様⋅⋅⋅⋅」

 

イチイチ上から目線なのがちょっと気になるが⋅⋅⋅まあ、褒められて悪い気はしない。俺はその言葉を素直に受け取った。

 

「それとさっき約束したとうり、願い事を叶えてあげるわ⋅⋅⋅」

 

おおーっ!!やった!やった!やったぞー!!色々苦労したからなぁ⋅⋅⋅⋅まあ半分はムカイさんのおかげだから後で好物の甘い物を買ってこなくちゃな!

ぐふふ~勿論願い事はアレしかない!

 

 

「えっとそれじゃあ~⋅⋅⋅♪この四次元ポケットにぃ、秘密道具を全部⋅⋅⋅⋅」

 

 ドガッ!!ぐへっ!?

 

言い終わる前にほむらは何故かドロップキックを俺に放ちその流れで俺の右腕にプロレス技の腕ひしぎ十字固めを極めた!?

 

「余り調子に乗らない事ね⋅⋅⋅⋅⋅」

 

ギリギリと腕に完璧に極められている!?ぐう~あっ、腕に太ももとお胸の感触が⋅⋅⋅⋅ピキピキ⋅⋅⋅⋅ってそれどころじゃねえ~!?

 

 

「No~!No~!ギブ、ギブ!!スンマせん、スンマせん!!」

 

 

⋅⋅⋅⋅ひたすら謝り倒してようやく解放された⋅⋅⋅⋅⋅うっ、腕が⋅⋅⋅⋅つーか何故プロレス技?

 

「あら、知らないの?プロレスは淑女の嗜みよ」

 

 

 

⋅⋅⋅⋅⋅そんなん聞いた事ないわい!

 

 

 

 

 

 

 

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