アメリカ時間、早朝6時前
通常ならば朝日が見えるのではないか?と外を覗いても見えるのは夜空のみ。
「翔太郎、誠、やっぱり外は夜のままだよ」
「となると…大人数で動かず篭城戦が良いかもしれないよな…」
「夜道は暗いからな、俺だったら今の現象を利用して夜襲と同じように攻撃する」
道華翔太郎、涼風緋彩、岡園誠の3人は朝が訪れない外を見ながらお互い現状の策を考えていた。
「誠、やっぱり無理そう?」
「あぁ…衰弱してる人もいるし動けるのは医者の人達だけだったから元の作戦通りは無理だと思う」
「計算が狂ったが…最悪俺達3人で戦うしかない」
誠が主導となり動ける人を集め青葉の作戦の準備をしていた…が、蓋を開けてみたら動ける若者は全てあのローブの男達に恐怖しており戦うのは不可能に近かった。
「青葉の作戦通りにならないとなると…どうする?誰か1人でも青葉の所に…」
「いや、あの化物みたいに強い奴らと戦うのに1人でも欠けちゃ勝てないだろ?それに見ろ」
翔太郎に促され緋彩と誠が外を見る、遠くからライトの光が
ゆっくりと教会に近づいてくる。
翔太郎にはそれが見覚えがあり2人は嫌な予感がした。
「…やるしかないか」
「そうだねー…ボクとしてはもう関わりたくないけど」
「やるしかない…そう言えばお前ら」
「ん?」
「なんだ?」
口を開き…口を閉じる。
「…いや、何でもない」
「翔太郎?」
「…?」
来た時に見たあの『化物』、あんな巨大なのを2人が見逃すわけがないと考え翔太郎は近くにいないという予測を立てる。
「…(移動した、もしくは命令されて…か…どちらにせよ俺達じゃ倒せない以上気にしてもしょうがない…か)」
「んー、ちょっと気になるけど今は目の前の事!翔太郎行くよ!」
「おーい翔太郎、置いて行っちまうぞ」
「…ん、今行く」
探偵の超人、武道の超人、そしてヒーローの超人の3人はやってくる敵を待ち構え戦闘に備える。
★☆★☆★☆★
薄暗い部屋の中、一人の男が瞑想をしていた。
そんな事をする習慣は無かったが今は集中する時間が必要だった、戦う事は男にとって苦ではない…むしろ嬉々として戦う事だろう。
だが時と場合によっては集中しなければならない時がある、それは誰かを守りながら戦う時…そして今の自分が扱えるかどうかの『技』を使う時。
「須郷さん、時間ですよ」
「…青葉か、今行く」
部屋の扉を開け中を覗き込んでくる少女、記者の超人である長内青葉は格闘の超人…須郷雅弘を呼びに来たらしい。
研ぎ澄まされた集中力を感覚で覚えながら上着を羽織り部屋を出る。
部屋の外を出てリビングに行くと青葉が軽い朝食を作って待っていた。
「使った分お金を返さなきゃですねー」
「緊急事態だからいいんじゃねぇのか?」
「それとこれとは話が別になるんですよ?」
席に座り朝食を食べつつ青葉を見る、眉一つ動かさず朝食を…食べると美味しそうに微笑むので眉は動きまくってる。
須郷も苦笑しつつ朝食を食べる。
「青葉、お前は作戦が上手くいくと思うか?」
「いえ?上手くいくかなんて誰にも分かりません」
あまりの即答に思考が停止するが須郷は困惑顔になりなから青葉を見る。
「そこは上手くいくと言ってほしかったんだがな…」
「確証のない事に責任は持ちたくないですからね、それに恐らく他の人達が作戦通りに進められる訳がありません」
「そうか?」
「えぇ、実は少し前にローブの方達が車に乗って何処か行ったんですよね、十中八九緋彩さん達関係でしょう」
「…マジか」
「はい、そしてもうお気づきになられましたか?」
青葉がそう言い周囲を見る。
「あぁ…囲まれてる…な」
「恐らく柏崎さんあたりが気づかれた…もしくは私達の作戦が読まれていたですかね」
「おいおい、まさか…」
「どちらにせよ上手くいく作戦なんて存在しません、むしろ失敗前提で考えた方が良い時もあります」
敵に囲まれながらも2人は食事を続け、青葉はスマホで時間を確認する。
「あと30秒で6時ですよ須郷さん」
「もうそんな時間か」
「敵に囲まれてますけど投降します?今なら多分コラッ!ポカン!程度で済ましてくれるかと」
「ポカンが優しい擬音だな、多分頭蓋骨陥没してそうだが」
青葉ジョークに軽く笑いながら須郷は立ち上がりリビングの扉を見る、いつの間にかもうすぐそこまで来ているらしく何かしらの気配が1つ。
「っすー………須郷流…『震波拳!』」
扉に向かって構えた拳を放つ、振動は空気を伝わり扉に当たり扉ごと向こう側にいた何かを吹き飛ばす。
開放的になった扉の向こうには入ろうとしていたのか壊れたドアノブを持ちナイフを片手に持っているローブの男が1人伸びていた。
「青葉、ローブの奴はあと何人だ?」
「さぁ…恐らく8人程度では?」
「そうか…行くぞ!」
まだ気配は無数に存在あり倒す事になる事を直感した須郷と青葉は気を引き締め、戦いに身を投じる。
★☆★☆★
空を見上げて溜息を吐く男は遠い目で他の面々の準備が終わるのを待っていた。
「…今度は何度死にそうになるんだろうか、もしかしたら…本当の意味で死んでしまうのかもしれない」
「?」
ふと呟いた言葉を頭上にいた子猫が聞きペシペシと尻尾で男の後頭部を叩く、痛くも痒くもないが何を言いたいのか分かったので男…柏崎は軽く子猫の頭を叩く。
「心配すんなカクロ、俺は死なない」
「………」
納得してるとは思えないが柏崎は苦笑し街がある方を向く、時刻は朝方の5時30分を回ろうとしてる所で作戦の為に赴く予定の場所の地形などを覚えてる限り思い出す。
青葉の紙を信じるのであればNという魔術師はこの時間帯に外出し6時頃に帰宅する…その時を狙う。
だがそんな予定はあっさり崩れる事となる。
「柏崎さん!大変です!」
「大変なのいいがそんな走ると転ぶ……」
「エドワード君がいないんです!」
開いてた口を閉じ、頭を抱えてため息を吐く。
「…どこにも?」
「は、はい…少し目を離した隙に忽然と姿が消えちゃったんです」
「魔術か、もしくは芦川がただ単にドジって気づかなかったかの2択になるんだが個人的に後者の方が俺の中では可能性が高いと思う」
「………」
「そんな睨むなよ…冗談だって」
粋なジョークと思って言ったがあまりウケなかったらしい、謝りつつ魔導書を持って消えた少年の事を考える。
「ケイトは何か言ってたか?」
「か、柏崎さんに一任するって言ってしました」
「あいつ面倒事を押し付けやがって…仕方ない、俺が捜索するから芦川とケイトは作戦通り街に向かってくれ」
「は、はい!」
探す場所にあてはない、その為近場から探しつつ移動した痕跡を探す事にし柏崎は1人先に行動を開始する。
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少年は眠い目を擦りながら本を大事そうに抱えある場所に向かっていた、時刻は6時前だろうか。
堅い決意と不安と興奮で吐きそうになりながら足を動かす。
木々が生い茂る森、見知った道、そして…
花びらが舞い散る花畑、人の手が入ってない自然の神秘。
その花畑に1人の人が花にジョウロで水を与えていた、美しく…たが悲しそうな顔をしている女性の顔を見てエドワードは見惚れつつも歩みを進める。
女性は歩いてくる少年に気づき、ジョウロを下に置く…そしてお互いが声の届く場所までエドワードが近づくの待った。
「貴方を…救いに来ました」
エドワードは一言、力強く言葉をはなった。
女性はわけがわからないのか困惑した表情を見せたが、少年にとってはどうでも良かった。
本を開き、自身の体から本に流れていく何かを感じながら
少年は覚悟を決める。
様々な場所で死闘が始まる。
久しぶりの投稿です