晴天晴れな夏、超人達は街の比較的外側にあるコンビニに集まっていた。
「いやぁ…良い天気ですね…」
「青葉溶けそうだね?」
「緋彩ほっとけ、日差しが弱い族だ」
「…あおば…大丈夫?」
「エンさん!私を心配してくれるとはなんて優しい!大丈夫です!この長内青葉…日光なんかに負けません!」
暑さでとろけかけていた青葉だったがエンが足元まで駆け寄って見上げるとヒシッ…と抱きつき腕でロックする。
突然抱きつかれてやだやだと抵抗するが拘束が解けず涙目になる。
「ずごうー…」
「はぁ…おい青葉、離してやれ」
「はい!分かりました!」
「そこは素直なんだな!?」
「真面目で素直で可愛い、長内青葉をよろしくお願いします!」
「しっかし来ないなあの2人」
「だね、ボク達熱中症になりそうだよ〜」
依然としてテンションが高い青葉をそこら辺に翔太郎と緋彩は遠くを見る。
東京までは駅で行くつもりだった超人達、だったが貴寅清星が電車に乗れない事が発覚し急遽たまたま車の免許証を持っていた花村烈火による運転で行く事になった。
「そう言えば誠が「お土産は東京○ナナ」がいいって」
「東京バ○ナか、定番の定番だが逆に定番すぎないか?」
「けど安定してると言うか…あ、あれじゃない?」
緋彩が指を指すと大きなワゴン車が向かって来ておりコンビニの駐車場に停まった。
そして運転席から花村、助手席から貴寅が降り超人達の所まで歩いてくる。
「お待たせしました皆さん」
「いえいえ、今来たところですよ?」
「今来たところ(30分)らしい」
「いま…いま?」
「今なのかな?」
「んな事はどうだっていいだろ?ってもあんた運転とか出来たんだな?」
須郷が関心してワゴン車を見ていると花村はチラッと貴寅を見てため息を吐く。
「…こいつが運転音痴だから仕方なく俺がしている」
「違います、この鉄の箱が私を拒むんです」
「今度は扉を破壊するな、いいな」
「仕方ありませんね…」
「音痴ってか無知じゃねぇか?」
訝しげにワゴン車を眺める貴寅にまた、ため息をして花村は車の方を向く。
「…そろそろ行くぞ」
「そうですね、皆さんどうぞ」
「わーい!」
「わーいです!」
「わ、わーい!」
「うちの女性陣は少し元気過ぎる気がするんだ、雅弘」
「俺に言うんじゃねぇ…俺達も行くぞ翔太郎」
手ぶらで走っていく少女達、そして1人で全員分の荷物を持つ須郷と翔太郎がワゴン車に向かう。
朝の8時頃、超人達は街を出て大都会へ。
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時間は過ぎ昼を回った、喧騒が支配するこの場に須郷と翔太郎はあまりにも無力だった。
動くに動けず…かと言って動かないのもキツい。
そう、言わば2人は戦場に…
「おい翔太郎、俺達も見て回るのは駄目なのか?」
「雅弘…俺達の役目は長々と続くこの惨劇を見守り時間が過ぎるのを待ち、最後には財布の紐を緩める必要性がある」
「…俺手持ちそんな無いぞ」
「なら死ぬしかない、俺達は大人の余裕というのをあいつらに見せつける必要が…」
「翔太郎さん雅弘さん、これどっちがいいと思います?」
死んだ目で遠くを眺める2人の前に2つの服を持った青葉がやってくる、現在超人達はショッピングの真っ最中だった。
「こう、先に荷物を預けたりよぉ…」
「仕方ないだろ?旅館側に到着が夕方なんだから」
「おやー?無視はいけませんよ2人とも?」
「あー…どっちもいいと思うぞ」
「適当ですねー、まぁもうしばらくお待ちを…エンさんが楽しんでるのでここは待ってあげるべきですよ」
そう言われ須郷と翔太郎は店内を見渡すと少し遠くでエンと貴寅が服選びをしていた、ちなみに花村は車でお留守番である。
「…ま、いいけどよ」
「ん?なぁ青葉、緋彩の奴はどうした?」
「緋彩さんですか?今…荒れ狂う戦場に咲く一輪の花を摘みに…」
「トイレか」
「雅弘さん女性相手にトイレはいかなものかと」
「…便所か?」
「悪化しましたね!?少し教育が必要です…」
頭上にハテナマークが乱立してるような程頭を傾け悩み始める。
「〜♪」
緋彩は上機嫌に通路を歩いていた、久しぶりの休日らしい休日と超人達との買い物…そして体調が極めて良いことが主な理由だった。
注意散漫になっていた緋彩は、いつもなら気づく曲がり角から出てくる人に気づかず衝突してしまい相手側の荷物が地面にばらまかれてしまった。
「あぁ!ご、ごめんなさい!」
「いえ、大丈夫ですよ?はい」
地面に落ちた荷物は本らしくカバーが付けられたそこそこ分厚い本がいくつもありそれを慌てて拾ったせいであるひとつのカバーが外れ題名が見えてしまう。
『触手×触手!〜禁じ手50ページの行方〜』
「…………ん???」
緋彩にとって理解不能な文字が見え、動きが止まってしまい本を凝視する。
「あ、気になります?実はそれおすすめの1冊でして私としては何故襲う側が…」
「え?あ…うん…?は、はい…」
「ありがとうございます」
嫌な予感がして緋彩は集めた本を女性に押し付けるように渡す、ここで緋彩は違和感を感じた。
それはその女性の服装がシスター服だったからだ。
金髪に青い瞳、顔立ちは外国人っぽいが日本人にも緋彩は感じた。
「私の顔に何か?」
「いや!特に理由はないけど…」
「あぁ、もしかしたら本の説明をする時に思わずニヤけてしまったのでそれを見てしまったのですか…まぁ私としては布教できればそれで十分なのでオールオッケーです」
「うん…うん?」
会ってからずっと真顔なのにニヤけていたと言うのはボケなのだろうか?と緋彩は考えたが深く考えるのはやめた。
考えていると女性は緋彩をじっと見つめており思わず緋彩は後ずさりする。
「な、何かな?」
「……ふむ、貴方には悪いものが取り憑いてる…いえ、元々の自縛が貴方を苦しめてますね?最近体の調子が悪かったり苦しくなった事はありませんでしたか?」
「……!?なんでそれを…」
「見ての通り私は主の従順な信者ですので、見えるんですよ?そういうの」
そう言われ、シスター服の女性と目を合わせてしまう。
不安は感じない優しい目だがどこか…緋彩の直感が
『ヤバい』と告げる。
逃げようと体を動かそうとするが思考と違い体が動かない。
「おーいメアリーたーん!やっと見つけたー!」
「あ、輝夫さん」
緋彩の背後から声がして体の硬直が解ける、声がした方を振り向くと身長は190cm有るんじゃないかという程の長身に頭にバンダナを巻き付けている輝夫と呼ばれた男性が2人の近くで立ち止まる。
「もー、拙者の会計待たずに先に行くとはなんて人だと思う…心配した!」
「あ、この人はブヒブヒ言ってますが私の友人の輝夫さんです、最近人語覚えました」
「酷い!心配して探したあげく初対面にブタと紹介されるなんて…!でもそんなメアリーたんも好き!」
「私は嫌いでしたか?」
「ん…!…ん?それ日本語間違ってるかと…」
「なるほど、賢いですね」
怒涛の会話を繰り広げる2人は両手に大量の紙袋と輝夫には背中に大きなリュックを背負っていた。
「あ、ぼ、ボクはこれで…」
「はい、ではまたどこかで」
足早に緋彩はその場から離れ、謎の2人から離れる。
二つの意味で危ない気がしたから。
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「ふむ、あれが例の?メアリーたん」
「えぇ…どう見ても普通の無知系少女ですね」
「危ないよ?危ないなぁメアリーたんが言うと」
2人が話し始めると多少人がいた通路に誰もいなくなる。
「それで輝夫さん、あれは手に入れましたか?」
「それは勿論!」
「ツンデレ×ツンデレ×ツンデレの」
「それは無いなぁ…」
そう言いながら輝夫はリュックから1枚の紙を取り出しメアリーに渡す、それは細かい文字が多く書かれており証明写真が張り付いていた。
「涼風緋彩…幼少期の記録は無く中学に超人としての力に目覚めたが義父を亡くす…その後は超人として探偵の相棒になる…と」
「メアリーたんはどう思う?」
「どう思う、ですか?まぁそうですね…私達は私達の役目を果たすだけですよ」
メアリーは紙を放り投げ、それを輝夫は慌てて拾い2人は出口に歩き始める。
「可哀想ですがこれもまた運命…命のいうのは儚く…また美しく散る…」
「あ、それ前あったアニメのセリフ!」
「いい文化ですね、様々な事を垣間見えて勉強になります」
騒がしくも2人は歩き続ける。