人間界の頂点にして人々の希望である超人
そんな超人達は腐っても人間、様々な要因で負け、死亡してしまう事が多い
また超人は常識の中でその強さが猛威を振るうが常識外…つまり魔術や能力者に弱い傾向がある
超人に対抗するように存在し確実に抑止力となる魔術と能力者は誰かの差し金か…はたまた、ただの偶然か
『世界の理』著作:情報屋 酔っ払いのタヌキ
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須郷雅弘は超人として目覚めたのは中学2年生の時だった
まだやんちゃ坊主だった雅弘少年には弟がおり、また父親が格闘家で強盗犯を捕まえたり等、須郷少年もこの時から超人としての片鱗は見えており父親と一緒に戦った
雅弘少年は父親を誇りに思っていた
が、良い事ばかりでは無かった
人の為に警察に協力する雅弘と父親を邪魔に思ったマフィア組織が雅弘とその弟を誘拐したのだ
雅弘少年は弟を守る為に奮闘したが捕まり
そして1人でやって来た父親が交渉をするが
マフィアは父親を脅す為、雅弘の頭に硫酸をかけた
刺すような痛みと、耐えられない激痛
理不尽な悪意
何故助けてくれないのかという父親に対する怒り
そして全てが憎くなった雅弘は超人として覚醒する
須郷が自我を取り戻した時、まず見えたのは苦しそうに
咳をして壁に寄りかかってる弟とその目の前にいた自分だった、弟の喉には手跡が付いており、須郷の手はまるでついさっきまで『弟の首を絞めてたように』思えた
周囲を見るとそこら中に人と血液が散らばっており
父親もその1人になっていた
弟は自分を見て怯えている、全身は血塗れだ
須郷雅弘は超人としての力を『破壊するだけ』に使ったのだ
それからは、須郷は超人として、弟は親戚を頼って違う街に行ってしまった
須郷雅弘は孤独になり、色々どうでも良くなった…が
「アイツらのお陰で変わったんだっ…!」
街中を走る須郷はそう昔の自分の考えを否定する、あの陽気な不良達によって孤独ではなくなり、また誰かの為に戦えるようになった、だから
「もう誰も失いたくない…っ!」
時刻はもうお昼に差し掛かる、須郷は自分を急かして目的地に急ぐ
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呼吸を整え須郷は校庭を歩く、ここら辺も無理やり土地を使って建物を作ったが経営が苦しくなり無くなっていった建物が多い
罠だ、そう考えるのが妥当だが須郷は逃げるわけにはいかない
体育館の扉を開ける、中は薄暗い…2階の窓は全部板で塞がれておりそのせいだろう
中には入ると奥に人影が何人も見える、その内の椅子に座っているリーダー格のような男が須郷に気が付き
「よぉ?ちゃんと来たんだな、まぁ来ないとこの大切なお仲間は大変な事になってたけどなぁ?」
と、近くに座っていた不良の1人を蹴る、苦しそうな声が聞こえ須郷は苛立つ
「おいてめぇ!うちの奴らに何しやがる!」
「怖ぇ怖ぇ…まぁあれだ、交渉といこうじゃねぇか」
と、リーダー格の男は立ち上がり須郷にニコニコとした顔を向ける
「交渉だと…?」
「ちょっと他の超人達の情報を集めててなぁ、超人の事なら超人に聞くのが早いと思ってなぁ?つまり俺達が納得出来る情報話せばこいつら全員解放するぞって話だ、理解出来たか?」
そう言って肩を竦める、須郷に拒否する事は出来ない
だから須郷は
「あぁ、話す、だから約束は守れよ」
「話が早くて助かるな!んじゃ話せ」
教えるしか無かった、他の超人より、不良達の命の方が大事だったから
それから須郷は他の超人達の名前や住んでる場所、誕生日から電話番まで言い
そして超人としての力も話した
「…これで全部だ」
「ほぉほぉ、流石超人だなぁ、俺達が知らなかった事も知ってやがる」
「さぁ、もういいだろ!そいつらを解放しろ!」
と、須郷は気苛立ちを隠さず声を大きくして言う
「あぁ、んじゃ縄を解いてそっちに行けるようにするよ」
そう言うと他に居た4人の人影が不良達の縄を解く
「あ、兄貴!」
縄を解かれた不良達は一直線に須郷の元に向かう
怖かったのか中には泣いている女性陣もいた
そこからは須郷にはスローモーションに見えた、須郷の元まであと数メートル
そんな不良達に『拳銃』を向けているリーダー格の男が
「お前ら!」
言うのが早いか動くのが早いか、須郷は不良達を守るように飛び出す
乾いた音が数回、それは須郷の腹部と足と右肩に当たった銃弾を撃った音だ
超人と言えど人間である須郷、銃弾は貫通はしなかったが深く突き刺さってしまう
「ヒュー…カッコイイじゃねぇか?ヒーローさんよぉ」
「てめぇ…俺に殺されたいらしいな…」
普通なら重症だが、須郷は何事も無かったように筋肉をほぐして目の前の敵を見る…奴等は壊していい敵だ
拳を構え、その驚異的な攻撃をする…瞬間、須郷の体から玉虫色の槍が生える
なんの事か、須郷は理解出来なかった
背中から体を貫通して槍が出てきたらしい
背後を見る、そこには仲間達が居るはず
背後には口から玉虫色の液体を垂らし、玉虫色の槍の柄を手に持ち虚ろな目をしている不良が立っていた
その周囲には玉虫色のナイフや包丁等の武器を握った不良達が立っていた
「おま…え…ら…」
須郷は拳銃の弾以上の痛みを感じ膝をついてしまう
「はははははは!いやぁこれはすげぇや、まさか護身用に持たされたのがこうも使えるとはなぁ」
と、リーダー格の男が近づいてくる
須郷の体は凶器を持った不良達に無理やり押さえつけられ身動きがとれない
超人の力を使えば拘束を解くことが出来る…が、須郷は自分の力の調整が出来ない
1から100まであるとするなら、1か100しか選べない
100の力を出すと不良達は吹き飛び…壁に叩きつけられて
最悪死んでしまうだろう
「おいおい、大丈夫か?苦しそうな顔してよっ!」
と、須郷を蹴る
ダメージは微々たるものだが、須郷の冷静さは無くなっていく
「仲間だった奴に裏切られる気分はどうだ?今お前とっても良い顔してるぜ?はははははは!」
蹴りを何度も何度もする、その度に須郷の平常心が無くなっていく
「おいおい、そんな睨むなよ、って顔くらい見せたらどうだよ?」
「っ!」
そう言って須郷の仮面を蹴り飛ばしてしまう
「ぷっ!ははははは!なんだよその顔、きめぇな!」
あらわになった顔、その顔はただれていた、須郷の弟が怖がり拒絶し
そして須郷の忌み嫌う超人の力が覚醒した原因
「んだよ、こんな化物みてぇな奴に俺ら怯えてたのかよ!バッカみてぇだな!こんなっ!そりゃ隠したくなるよなっ!そんな顔じゃ誰もお前に接してくれないよなっ!と」
何度も何度も蹴る男に須郷は何も言えなかった
「ん?おーおー、死ぬなよ?お前は殺すつもりだったが…この力がありゃ俺はこの街を掌握出来る」
そう言うと1枚の紙を取り出し
『酷使せよ、死者の手』
と、唱える
すると不良達の体から玉虫色の液体がどろりと出てくる
槍やナイフ等も液体になり不良達は地面に倒れる
玉虫色の液体は1箇所に集まるとゆっくりと須郷の体に近づき、傷口から体内に入っていく
「がっ…!」
傷口から何かが入ってくるのが感じるが、体の自由が効かない
「お前を使えばそんじょそこらの奴らには負けねぇだろ…あの胡散臭いガキの言う事を聞く必要もねぇしな」
と、ブツブツと何かに対して言う
須郷は最後の抵抗として、リーダー格の男を睨む
「ん?なんだその目はよ、くくく…まぁいい、まずはお前の顔を仮面付けないまま街を歩かせてみるか、超人のお前がこんな化物みてぇな顔だとさぞ街の奴らは怖がるだろうなぁ」
と、面白い事を考えた子供のように言う
須郷はもうどうでもよかった、ただ1つあるとすれば、あの少女には見られたくは…
『すごうは化物じゃない!』
どこからか、少女の声が聞こえた
身体中を侵食されているのを感じながらも周囲を見る
体育館の入口に1人の少女が立っていた、急いでたのかフードを被らずその綺麗な容姿を隠さず
「え…ん…」
掠れた声で少女の名前を言う
なぜ来た…という意味を乗せて
「あん?…あぁ、こいつと一緒にいた子供か…なんだい嬢ちゃん?家はここじゃないぞ?」
冗談を言ってみる、だが少女の顔は怒った顔のままだ
リーダー格の男は舌打ちをしながら少女に言う
「おいおい、嬢ちゃんよ?お前どうしたいんだい?言っとくが須郷雅弘はもう俺の駒になったぞ?」
そう言って何かを指示する、須郷は掠れていく思考の中で最後にこう思う『逃げてくれ』と
傷口から玉虫色の液体がポタポタと垂らしながら須郷は起き上がる…だがその目は虚ろで意識があるようには思えない
「すごう…すごうを返して!」
「返して?はぁ?突然何言ってんだこの嬢ちゃん?そんな事言えるような立場じゃないだろ?ん?」
と軽く脅すリーダー格に怯むエン、勇気を出したとしても
エンにとっては怖い者だ
「おいお前ら、あの嬢ちゃんを捕まえとけ、そういうヤツらに高く売れそうだ」
「…!ぁ…いや…」
やってくる2人の男に怯える、が勇気を振り絞って声を出す
「皆を返して!じゃないと…」
「じゃないと?じゃないとってなんだい嬢ちゃん?君1人でどうにかなるってのかい?ん?」
「で、できなくても…!」
「意気込みだけじゃ何も救えないんだよ!嬢ちゃんみたいな小さいガキが何か出来ると思ってんのか?」
エンは言い返そうとするが近づいてくる男2人のせいで足が竦む
恐怖で震える事しか出来なかった、リーダー格の背後に立つ見慣れた姿を発見するまでは
『んじゃ5人追加だ』
キラリと何かが光る、リーダー格の男の首筋付近でキン!という金属同士がぶつかる音が聞こえる
『っと、いいアーマーを着てるな』
リーダー格の男の首筋には玉虫色の液体が滴っていた
エンに近づいていた男2人も殴られ、切られるが玉虫色の液体によって守られていた
『さぁ、正義執行の時間だ』
そう言い柏崎と第1特殊部隊は戦闘を開始する
どうも、エンちゃんが可愛い、わたしです(?)
いつもは2500文字くらいでぱぱっと読める感じにしてるんですが、今日は4000文字になりました…明日はもっと長くなる気がするなぁ…()
では明日、また次のお話で会いましょう