魔術には様々な種類があり、一般的には
1、肉体に直接攻撃をする魔術
2、召喚や移動等の魔術
3、次元をねじ曲げる高度魔術
4、精神汚染をする魔術
が魔術師達の中で認知されている、これらの魔術も極めれば強力なものになり極めた者を『大魔術師』と呼ばれる
『魔術の本』著作: 情報屋 酔いどれタヌキ
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ここは何処だろうか…懐かしい感覚だ…
そう思った須郷雅弘は周囲を見る、板の床に広い空間
壁には須郷と弟と父親の写真…
「ここは…道場…か…?」
須郷家が運営していた格闘技道場、今は無い思い出の場所に須郷は立っていた
「…早く帰らねぇと、エンを、アイツらを助けねぇと」
出口に向かって進む須郷、だがその道を阻むように2つの影が現れる
それは、弟と須郷に硫酸をかけたマフィアに見えた、弟は何故か昔の姿だが…
「なんだ…お前ら…」
2人からは明らかな敵意を感じる
「…そうかよ、すまねぇな、俺は戻らなくちゃならねぇんだ!」
構えも何も無いただの喧嘩する時の構えをする
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俺達が着いた時にはもう大体手遅れだった、支部に行った奴ら呼び戻して装備ならなんやらしてたら時間がかかってしまった
俺達が来た瞬間、嫌な笑顔をしてた4人の男とリーダー格の男は体育館を出て逃げ出した…っておい
「逃がすかよ!宮本と雨宮と矢本はあいつら追え!」
ガスマスクを外しながら言う、この際顔ぐらいバレても構わない
「了解しました、隊長は…」
と、矢本もガスマスクを外して問いかけてくる
勿論、俺と宮島は…
「あの超人の相手だ、流石に勝てねぇから早めに倒してくれよ」
虚ろながらも構えてる須郷が視界に見える、あれを抑えるのも骨が折れるだろうな…
「宮島、いけるか?」
「おうよ!ぶっ飛ばしてやるぜ!」
「無理だと思うが…まぁいい、行くぞ!」
俺と宮島はそれぞれ左右に別れ挟み撃ちにするように動く
その間に宮本と雨宮と矢本は逃げた奴らを追う
「くらえやぁ!」
と、宮島の大ぶりな拳を右腕で受け止め、受け止めたまま振り上げる
ただそれだけ、それだけの動作で宮島の足は地上から離され吹き飛ぶ
「ぬわああああ?!」
「宮島!っと」
ナイフを振り下ろそうと近づいてたが、後ろに跳躍する
俺が居た場所を須郷の蹴りが通り突風が起きる
その煽りに当てられよろめいてしまう
「ちょっと振っただけでこのパワーかっ!」
恐らくいつもはセーブしてるのだろう、だが自我という枷が外れ全力の攻撃をしている
「宮島!大丈夫か!」
「おう!つっても強ぇな!燃えてきたぜ!」
馬鹿だがこういう根性がある奴がいるだけでやれると思える、だが…
「もって10分…か」
長くは持たないだろう、そう考えるのは必然だった
「…すごう…」
エンはその場にいた、だが何も出来ずただ立ち尽くしている
この場での彼女は無力だった
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「くらいやがれ!」
拳で殴ってくるマフィアの奴の攻撃を受け止め思いっきり振り上げる、すると道場の壁に叩きつける事に成功し
「小細工は通用しねぇぜ!」
と、左から来ていた弟に蹴りを放つ
だが後ろに大きく跳躍され避けられたが風圧でよろけさせる事が出来ただけでも上々だった
「てめぇら、中々やるじゃねぇか」
と、須郷は素早く動きマフィアに拳を振り下ろす
マフィアはなんと拳を振り上げ須郷の拳を受け止めたのだ
「へっ!根性あるな!だが押し負けてるぜ!」
須郷のパワーが断然高くマフィアは膝をつく
が、ここで弟が須郷の両膝裏を蹴り須郷のバランスを崩してくる
須郷は一旦横に横転して体勢を整える、戦いずらい…が
「いいじゃねぇか…そうなくっちゃな」
指をバキバキと鳴らし
「さぁ!こい!」
と、言う、出る事など忘れて
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「うぉぉぉぉぉぉ!根性ぉぉぉぉぉお!!!」
須郷の拳を自分の拳で受け止める宮島、無茶ばかりしやがって…
俺は須郷の背後をとり膝裏を蹴る、そしてそのまま背中を蹴る反動で後ろに下がる事に
「すまねぇ隊長!」
「おう、宮島気をつけろ?もう何回能力使った?」
「まだ4回だぜ!」
「…もう4回か…出来るだけ攻撃をくらうなよ?」
「無茶言うぜ!」
まぁかなり無茶だな…が
「宮島!俺に続け!」
ナイフを握り須郷の真正面から接近する
宮島もそれに続く、須郷は接近する俺に向かって拳を振りかぶる
飛んでくる拳の腕に手を置いてそのまま須郷の背後に跳躍する、かなりスレスレだったが上手く行くものだ
「宮島!」
「行くぜぇ!根性ぉぉぉぉお!!!」
宮島は能力を使いつつ須郷にの胴体に拳をぶつける
普通ならこれで気絶だが
…そこで俺の意識は一瞬途切れた、意識が戻ったのは俺は空中を横に飛んでいた時だった
「っ!」
慌てて受け身をとるが、明らかにダメージがデカい…
そして頬にはかなりの激痛を感じる、ヒビが入ったな
「おい隊長!」
と、須郷と戦闘をしてる宮島が心配そうな声を出す
俺はどうやら…須郷の裏拳をくらい吹っ飛ばされたようだ
無意識に殴られた方に体を回転させたみたいだが…
「っ痛ぇ…」
受け流してもこのダメージはキツすぎた…何かしないと保てないぞ
「かしわざきっ!」
と、エンが近寄ってくる
「っ!来るな!」
「ち、違うの!お願い、私をすごうの所まで連れてって!」
「はぁ?!」
何を言ってるか一瞬理解出来なかった、少し脳震盪を起こしてるようだ…だがエンの能力を思い出し
「…くそっ!だが…いけるか…?」
1歩間違えれば全滅だ、だがエンしか今の所打開策がない
「…ミスるなよ、エン」
「…!うん!」
エンはとてもいい返事をする
「隊長早く戻ってくれ!流石にキツイ!」
「宮島!あと何回残ってる!?」
「あぁ?!…あと2回だ!」
あと2回…いけるか!?
「一瞬でいい!時間を稼いでくれ!」
「………俺を誰だと思ってんだ隊長!そんなの5秒くらい作ってやるぜ!」
頼りになる奴だよ、まったく
「エン、しっかり掴まってろ?」
「う、うん…」
エンを背負いタイミングを見計らう、間違えたら終わりだ
「宮島!やれ!」
「行くぜぇ!根性ぉぉぉぉお!!!」
攻撃を避けてた宮島が須郷の拳をまともにくらう、が吹き飛ばず耐え
「お返しだこんちくしょうめ!」
と、逆に須郷をぶん殴る…いやお前な…だが
「よくやった!エン今だ!」
と、須郷に接近してエンに合図を送る
エンは俺から降りて身長の関係で太ももに手を置き
「…すごう」
能力を発動する
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弟とはあれから連絡すらしていない、あいつは俺を恨んでるだろう
俺は超人やらなんやら言われてるが結局の所ただの臆病者だったんだ…
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くそ!くそ!くそ!
須郷は苛立っていた、この2人が抵抗してくるからだ
弟はどうにか当てたが、マフィアの奴が厄介だった
『壊さなくては、全部を』
嫌な声が聞こえてくる
『憎め、苦しめ、抗え、潰せ』
違う…違う違う違う!俺は…!俺は!
「…いつまで、そうしてるつもりだ?雅弘」
懐かしい声だ、昔を思い出す、弟と一緒に格闘技を覚えていた時によく聞いた声だ
疲れて面倒になって休憩してた時によく言われた言葉だ
誰が言ってただろうか…
「まったく、人様に迷惑をかけるとは何事か」
これもよく言われた、他校の奴と喧嘩した時に言われた…
誰が呆れてたのだろうか
「雅弘、お前は強い人間になれ、誰でも守れるように」
稽古をしてる時よく言われた、だが今は守るどころか…
「雅弘、お前は自慢の息子だ」
「おや…じ…?」
顔を上げる、誰もいない、弟もマフィアも
出口を見る、外には不良達が俺に手を振っているのが見える
そしてエンも見えた、とても悲しそうな目をしている
父親の事はあの時は恨んでいた、何故もっと早く助けてくれなかった…と
だが今は
「……そうだな…親父…俺は…守れる人間になるぜ」
そう決意した時、道場はガラスの様にバラバラになり
崩れていく
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起きた時、須郷は天井を眺めていた
「すごう!」
と、テシッと何かが須郷に張り付く、顔を上げるとエンが俺に抱きついたようだ
「エン…か…ここは…」
「体育館だよ、あー顎痛ぇ…」
「てめぇは…」
「おっと、俺達は敵じゃねぇよ、エンの保護者みたいなもんだ」
と、手を振る
小柄な男と赤髪の男は傷の手当をしている
「…迷惑かけちまったみてぇだな…」
「本当にな」
「すごうは迷惑じゃない…っ!」
エンが小柄な男に言い返す
「エンお前なぁ…まぁいい、時間が無い」
と、小柄な男は須郷の前に立つ
「俺は柏崎悟、そっちの赤髪は宮島敦」
「てめぇ!良い根性してるじゃねぇか!お前の拳効いたぜ!」
と、サムズアップしてくる
「須郷…超人須郷雅弘、お前に頼みたい事がある」
と、言う男…柏崎は須郷に言う
「まぁ簡単な事だ、俺達は今敵と戦闘中なんだが如何せん戦力が足りなくてな」
「…戦えって言うわけか?」
「ご名答」
須郷は今の自分の体を見る、腹は貫通した跡があり所々銃弾で穴だらけだった
「この状態じゃ無理だ」
「何、エン、出来るか?」
「が、頑張るっ!」
と、エンは須郷の体に手を置く
するとエンを中心に淡い緑色の光が広がり、そして須郷の傷がどんどん治っていく
「なん…だこりゃ…?治ってる…?」
「正確には巻き戻ってる、だがな」
巻き戻ってる…?須郷が聞き出す前にエンは能力を切る
「す、凄い緊張したよぉ…」
「お疲れさん」
ヘタァ…と座り込むエンは安堵した顔だ
「よし、早くあっちに合流するぞ」
「行くぜぇ!」
「…ちっ、たっく…」
と、立ち上がる…体の傷は本当に塞がっているのが分かる
「あ、すごう…これ」
「ん?」
エンは何かを渡してくる、仮面だ、あの時蹴り飛ばされた
「ありがとうな…だが…もう俺には必要ねぇ」
受け取り、仮面を粉々に砕く
あの頃を思い出さないようにして隠してた仮面とも今日で終わりだ…近場の壁を調整しながら殴る、いつもなら壁は粉砕されるが、軽くへこむ程度に抑えられる
「もう『破壊する力』はおしまいだ」
そう言って須郷は柏崎達の後を追う
『守る為の力』をその手に宿しながら
どうも、幼少期、大人になったらなんか凄い事に巻き込まれてヒーローになれると思ってた私です
超人といえど、中身は未熟な子供…という感じです、これから須郷雅弘はどんどん成長していくことでしょう
では明日、また次の話で会いましょう