ファースト・オブ・バレット   作:パルバール

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第21話『大切な人』

エイレーネー日本支部 第1特殊部隊『バレット』

現在の部隊員は全て隊長、柏崎悟のスカウトによって構成されている、柏崎の前任者が死去してからしばらくの間

柏崎とオペレーターのみの部隊だったが現副隊長 矢本美鈴を救出してから

様々な人材をスカウト、現在の部隊が結成された

 

『第1特殊部隊バレット』情報屋:最近会ってないタヌキ

 

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それは私達が仕事を終えて帰ろうとしてた時に知りました

 

「皆さん聞いてほしいっす!」

 

そう言って天田さんが扉を勢いよく開けて中に入ってきました、膝に手をついてかなり急いでた様子です何があったんでしょうか?

 

「大丈夫ですか?水飲みます?」

 

まだ開けてないペットボトルの水を差し出す、天田さんはキャップを開けて一気に飲みました

 

「…ぷはぁー…み、皆さん落ち着いて聞いてほしいっす」

 

と、天田さんは皆さんの顔をじっくり見てそう言いました

こういう話は柏崎さんがいる時の方がいいのではないでしょうか?

私はそう思いましたが柏崎さんはエンさんを迎えに行ってしまい、帰ってくるのはまだ先になりそうなので後でもいいのでしょう

 

「…隊長が超人に襲われて重症っす、丁度須郷雅弘が来たから事なきを得たらしいっすけど死んでもおかしくなかったっす」

「…は?どういう事だよ!隊長は今どこだ!?」

 

宮島さんが机を叩いて立ち上がり天田に詰め寄りました

 

「私も気になりますね、隊長はどの超人に襲われたので?」

 

雨森さんは静かにそう言って天田さんの方に体を向けます

宮島さんも雨森さんもそれぞれ怒りの表情を浮かべて

 

「お、落ち着いて下さいっす、隊長は超人『道華翔太郎』に襲われたらしくて今医務室で寝てるっす」

「隊長がやられちゃったのはビックリねぇ~…やっぱり強いわね超人って」

「ふん、弱くなったものだ」

 

雨宮さんと宮本さんがそれぞれ自分の思った事を口にしました。

私は…

 

「だから道華翔太郎は今後厳重監視…って矢本さん…?」

「なんですか?」

「その、ダメっすからね?厳重監視っすから」

 

突然そう言い始めた天田さん、何故そう言うのでしょう?

 

「何故私に?」

「えっと…そのっすけどね」

「はい?」

「…ちょっと能力が出始めてるっす」

 

そう言われて頭に手を当てます、すると何か手に当たる感触と何かが『耳』に当たった感触がしました

 

「…矢本さん?」

「大丈夫ですよ天田さん」

 

私は笑顔で天田さんに安心させるように言います

 

「それ相応の罪は償ってもらいます」

 

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「殺す?物騒だな」

 

翔太郎は少し下がりながら突然の訪問者に返答する

明らかに一般人じゃないのは一目瞭然で、超人の所に1人で来るのはそれなりの自信があってこそだと思っての後退だった

 

『あぁ、すみません感情が先走ってしまいました…』

 

と、ガスマスクの女性が申し訳なさそうに頭を軽く下げる

翔太郎は様々な要因を考え1つの答えに辿り着く

 

「…お前はあの男の仲間…と言った所か」

 

あの男…様々な情報を集めやっと見つけ出した謎の組織…そして須郷雅弘の変化に関わっていた件…翔太郎はあの男がそれなりの地位の人間として接触したのだ

 

『話が早くてとても助かります、あまり時間も無いので』

 

そう言って女性はガスマスクとヘルメット、手袋を外した

ガスマスクを外した顔は美女と言っても過言ではない程の顔でヘルメットの中で纏まってた白髪の髪が肩まで流れるように落ちる

 

「…女を殴る趣味はない」

 

そう言ったが実際は嫌な予感がしたからだ、この時の予感はよく当たる…

 

「お気になさらず、貴方の攻撃は当たりませんので」

 

そう言って女性はゆっくりと翔太郎に近づく、その顔には笑顔が貼り付けられておりこの場所では狂気に思える

 

「…穏やかじゃない…っ!」

 

言い終わる前に、喉を掴まれた感触がした

女性の姿はもう目の前まで接近しており不意打ちだった

 

「ぐっ!?」

 

喉を掴まれたまま、大きく振り回され窓の外に投げ出される…月明かりが照らされる道路に受け身しつつ着地する

 

「ゴホッ!ゴホッ!」

 

あまりの展開の早さに脳の処理が追いつかない…何が起きた?翔太郎は事務所の方を見る、割れた窓からゆっくりと先程の女性が出てくるのが見え

 

「…犬…いや、狼の…か?」

 

その白髪からピョコっと白い獣の耳が生えていた、その耳はちゃんと動いており作り物ではないのは明白だった

 

「あ、これですか?お気になさらず…ただの耳です」

「そのただの耳が気になるってんだろうが…」

 

あのスピードは想定出来なかった…そう思い翔太郎は女性を『敵』として認識する事にする、全力を出さなければ勝てない

 

「まぁ…始めるか」

 

そう言い翔太郎の体が消える、夜の闇に紛れるように

女性は特に消える前に攻撃しようとはせず突っ立っている

 

「(おいおい…あの強気はハッタリか?)」

 

超人としての能力を知らなかったのか…それとも…

翔太郎は左に大きく迂回して女性に中段蹴りを当てようとする…が

女性は『真っ直ぐ』翔太郎の方を向き蹴りを避け、逆に反撃してきたのだ

 

「っ!…危ねぇ」

 

女性の拳をギリギリで避け…た筈だった

翔太郎の腹部の服が三つの線が切り込まれており言わば獣の爪で切られたように思えた

その女性の手をよく見てみる…すると微かに鉤爪のようなものがうっすらと見える

 

「言わば獣の爪ってわけか…」

 

そう言いつつ翔太郎は『ステルスモード』を発動し姿を消して今度は上段蹴りをするが避けられ、また鉤爪が襲ってくる…が2度目もあってどうにか避ける

 

「よく避けましたね」

「避ける事は得意なんでな」

 

こうして話を挟むも…もう話す余裕も無くなりそうだ

 

「それでは…死なないでくださいね」

 

そう言って目の前の女性は左右の手に鉤爪を生成して

翔太郎に襲いかかる

 

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「うーん、なんでエイレーネーの人間が道華翔太郎の所にいるんだろう?」

 

そこは丁度、道華翔太郎と矢本美鈴が戦ってる場所のすぐ近くの高層ビルの上

茶色の毛が風になびかれながら1人の男と1人の女がら立っていた

 

「恐らく翔太郎さんを引き込もうとしてるのでしょうね」

 

女…長内青葉はそうAに言う

 

「ならなんで戦ってるんだろうね」

「突然の事で翔太郎さんも抵抗してるのでしょう」

「ふーん…ま、いいや」

 

と、Aは自分の背後に置いてあった麻袋を掴む

それは人が1人入りそうな程大きく…そして中では何かが暴れていた

 

「ほーらほら、落ち着いて…君は翔太郎が憎いだろう?せっかくのチャンス逃すのは勿体ないよ」

 

そう言い落ちる手前まで麻袋を転がす、そしてその麻袋に足を置きグリグリと押す

その麻袋には様々な色の模様が書いており…一見魔法陣にも見えなくはない

 

「君に力を与えるんだ、精々頑張って殺すんだよ?」

 

Aは強く麻袋を蹴り…麻袋は宙を舞いそして重力に従うように下に落下していく

 

「………………」

 

青葉はそれを憎悪の目で見ていた…何かを我慢するように

 

────────────────────

 

翔太郎と美鈴は激しい攻防を繰り返していた、元々戦闘が得意ではない翔太郎と巧みな技で翔太郎の動きを見切り確実にダメージを与えてる美鈴

 

翔太郎の回転蹴りをしゃがんで避け下から突き上げるように半透明な鉤爪を振り上げるが翔太郎は空中で避けバク転で距離をとる

 

そもそも体力がそこまで無い翔太郎は少しずつ動きが鈍くなりステルスモードもそこまで長く続かないのに効果の切れるのが早くなっている

 

そんな攻防を破壊するかのような…何かが落ちる音がその場に響く、それは麻袋だった…その麻袋からは大量の血液が流れてるのか滲み出てその付近を赤く染めている

 

「な…なんだ?」

 

思わずその麻袋を眺める、美鈴も突然の事に同じく眺める

 

 

 

 

 

それは突然だった、麻袋が弾けんばかりに膨らみ…そして『それ』は姿を現す

 

『クケハハァ…ケハ?』

 

その大きさは3m弱…大きな腕にアンバランスな小さな顔、体は小さな手が生えており…動いている

全身白く…明らかにこの世界の生き物ではない何か…というのが分かる

 

「なん…」

 

翔太郎が下がろうとするとその『化物』は両手両足を使い急接近してくる、回避も出来ずその大きな手は翔太郎の体をすくい上げるように叩きつけ遠くまで吹き飛ばされてしまう…何度もバウンドして遠くの道路で倒れる

 

「………」

 

美鈴は明らかに戦ってはならない雰囲気を感じ静かに逃げようとする…が

 

『ケハケハケハケハ!』

 

その小さな顔をこちらに向け笑っていた…

そして同じように両手両足を使いこちらに接近してくる

両手に鉤爪を生成して構え攻撃に備えるも

 

『ケハ!』

 

突然体が動かなくなる、それは恐怖か…それとも敵の攻撃か…何であろうと敵の目の前で無防備な姿を晒した

 

「しまっ…」

 

それが決定的な隙となり、化物の手が美鈴の体を上空に殴り飛ばす…殴れる前に手でガードすることが出来たが手からは鈍い音と骨が砕ける音がする

 

上空に吹き飛び、しばらく留まり…重力に従うように落下していく、どうにか近くの屋根に着地するが衝撃を流しきれず倒れてしまう

 

遠くからあの笑い声が聞こえる、遠くからゆっくりと近づいてくる

そしてとうとうこの場所まで来たようだ…屋根にあの大きな手が見え登ってこようとしてるのが分かる

 

「…油断…と冷静じゃなかったから…ですかね…」

 

自分のミスを思い返す、あの人の為にと思っての事が自分を殺す事になる…なんて事だろう

 

死が確実に近づいてきている、そしてあの小さな顔が屋根の上に上がってくる

 

「…すみません…」

 

 

 

「謝るくらいなら勝手な行動は控えるように」

 

突然の声に無理やり顔を上げる、いつの間にか自分の隣にあの人が立っていた

 

「柏崎…さん…?」

「無茶しやがって…なんだこの化物…きもっ」

 

いつものように軽口を言う自分の大切な人がいる事にも驚きだが…

 

「柏崎さん…怪我は…?」

「あー…そのー…能力使った、天田から話を聞いてなっ!」

 

そう言い終わると登り終えた化物に向けて何かを投げる

それは細い筒状の…フラッシュバンだ

 

「ちょっと失礼」

 

と、美鈴の目と自分の目に手でガードする

すると強い光と音が響き化物の悲鳴が周囲に響き渡る

 

「よしっ!全部隊発砲許可!」

 

トランシーバーを使い何かに向かって言う、すると様々な場所から非戦闘員達が銃を構え発砲する

化物は突然の光と攻撃にパニックを起こしてそこら辺の物を壊し始める

 

「これだけの人数どうやって…」

「ちょっと情報提供があってな」

 

化物は暴れまくり…突然動かなくなる、柏崎は一旦発砲を止めさせ様子を見る

 

『ケハケハ…ケハハハハハハハハハハハ!!!!!』

 

化物は突然高笑いをして自分の足元に手を置く、足元には血溜まりが広範囲に広がっており手はその血溜まりに置かれる…すると血溜まりが赤く輝き始め化物はボコボコと鳴る血溜まりの中に消えていってしまう

 

「…逃げたか…よし、総員後処理だ!通行止め、メディアにはマフィアの抗争でも言っとけ!本当の事言っても混乱を招くだけだ!」

 

柏崎が構成員達に指示を出し

 

「お前の処罰は帰ってからだ、今は体を休めろ」

 

そう言われ、矢本は体を休める為に眠りにつく

 

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この一件は穏便に済まされる…筈だった

 

超人道華翔太郎が行方不明になり様々な憶測が飛び交い街はこの件を囁き合う




どうも、そろそろUAが300になりそうで舞い上がりそうな私です
これからもこの作品をどうぞ、よろしくお願いします

さて今回ですが出てきた非戦闘員というのは特殊部隊じゃない主に処理班や
情報操作などをしてる部隊のことを指します
彼らは様々な資格と身分を持ち合わせており時と場合によって使い分けてる人達で戦闘は出来ないがサポートに特化した部隊です
彼らのサポートがあるから無茶な事も出来るのでエイレーネーでも人材を募集してる感じです

では明日、また次の話で会いましょう
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