ファースト・オブ・バレット   作:パルバール

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第25話『不器用な男』

※タヌキは情報をタダで提供した為上司に怒られ出禁になった為今回はおやすみさせてもらいます

 

 

情報屋 出禁タヌキ

 

─────────────────────

 

「ほれ、缶コーヒーだ」

 

あれから俺と涼風緋彩は工場地帯を出て涼風と初めて会った公園に休みに来ていた、相変わらずどんよりとした空気でとても居心地が悪く自販機で缶コーヒーを買ってきた

 

「あ、ありがとうございます…」

「おう」

 

会話が続かねぇ…確か涼風は16だったか…俺この歳頃の女の子の心情とか分かんねぇよ…最近の子は何が流行ってんだよ…タピオカ?タピオカなのか?俺とうとうタピオカデビューしちゃうの?

 

「…さっきはすみません…」

 

俺がタピオカ買うか悩んでたら突然涼風が謝ってきた、恐らくあの喧嘩の事だろが…

 

「まぁよくある事だろ、こんな事でウジウジしててもしょうがねぇ」

「う、うーん…そんな軽く流していい事なのかな?」

 

うるせぇ、男ってはのな馬鹿な生き物なんだよ…ちょっと機嫌悪いとそりゃまぁ怒るよ多分

 

「とりあえず、翔太郎の生死の確認は出来た…後はあの化物だなぁ」

 

支部長から出された任務、翔太郎の確保は兎も角涼風緋彩の能力は分かった…後は化物をどうにかするのと翔太郎を確保だな

 

「うーん…ボクの蹴りは効いてたけどそこまで…って感じだったかな」

「俺のナイフも、まー…通らない…さっき確認したら刃がボロボロだったよ」

 

数回切っただけでナイフの刃はボロボロになっていた、かなり頑丈で切れ味も最高傑作…と言われてるんだが…

 

「……………ねぇ、翔太郎どうしちゃったのかな…」

 

涼風はポツリと呟く、そんな事言われても分かるわけないだろう

 

「………あの事まだ気にしてるのかな…」

「あの事?」

「うん…」

 

そう言って喋り始める…俺は相槌打っとけばいいか

 

「昔ね、翔太郎とボクは師匠の所で探偵として…修行してたんだ、ボクが前に出て翔太郎を守って…翔太郎がボクの背後を守ってくれる…翔太郎が考えて、ボクがその障害を排除して…」

「いいコンビだったんだな」

「うん、言っただろう?ボクと翔太郎が組めば最強だってね」

 

少し、顔が明るい表情になる

 

「ただ…たまたまボクが違う依頼を受けてて…翔太郎と師匠が危険な依頼を受けてたんだ」

 

飲み終えてない缶コーヒーを眺め1口飲む

 

「…ここからは人から聞いた話なんだけど…翔太郎…いつもの様に動いてて…師匠が対処出来る敵からの攻撃を庇おうとして…逆に師匠に庇われて死んじゃったらしいんだ」

「………………」

「翔太郎が超人として目覚めたのもその時からだったかな…けど翔太郎はあまりその力が好きじゃないみたい…使いまくってるけどね」

 

…嫌な予想が頭に浮かぶ、超人達というのは…いや…今は目の前の事だ

 

「…んで、翔太郎は誰とも組まなくなってお前は翔太郎から拒絶された…と」

 

そう言えば納得出来なくもない、不器用な奴だよ

 

「…あははは、ごめんねこんな話しちゃって」

 

と言って頭をかいて缶コーヒーを飲みきる、口に出かけていた言葉を一緒に飲み込みながら

 

「…ま、ああいった頑固で不器用な奴には本心語ってやればいいんじゃねぇかな」

「本心?」

「そう、本心」

 

言葉にしないと相手に何も伝わらない、何もかも察するのは不可能に近いのだ…

 

「だからお前は次会った時、お前の心の中に溜まってる言葉を思いっきり吐き出しちまえばいい」

「…はは…簡単に言うね」

「そう思うだろ?けど言いたい時に言わないと結局言えないまま終わるぞ」

 

嫌な思い出が脳内にチラつく、頭を振りその思い出を記憶から追い出して涼風を見る

その顔は覚悟を決めた顔だ、いいツラしてる

 

「さーて…んじゃ…天田?そろそろ場所特定は出来たか?」

 

携帯を取り出して我らがオペレーターに聞く

 

『もうバッチリっすよ!しかし柏崎隊長は器用っすねー』

「?」

 

涼風が疑問に思ってますよー的な顔で俺を見てくる

 

「ちょっと比較的に安全で接近出来た機会があってな、軽く発信機付けてみた」

 

あの神出鬼没な移動方法…まぁ今回は翔太郎がやったが、あれを対処する為に発信機をスライディングしてる時に突き刺してやった、エイレーネー特製の刺せる発信機…今なら20万円

 

「いつの間に…」

『流石柏崎隊長!小賢しいっすね!』

「賢いって言ってくれない?」

 

とりあえず天田から送られた地図を見る…位置的に潰れたデパート辺りか

 

「…っと、そうだ…天田『あいつ』に連絡とれるか?」

『あいつ…あ、あいつっすね!全然出来るっすよ!』

「…あいつ?誰だいそれ」

 

キョトンとした顔で見てくる涼風

 

「ふふふ…俺達の最終兵器さ」

 

それと準備もある為…俺と涼風は一旦支部に戻る事にする

空はそろそろ暗くなり…夜だな

 

───────────────────

 

遠くを見てると日が沈みかけており、夕日が辺りを包み込んでいく…そんな街中を1人歩いている道華翔太郎…彼はもう誰も住んでいない住宅が立ち並ぶ道を歩いている

 

「…師匠」

 

頭の中で師匠の言葉が思い出される、翔太郎の判断ミスで死んでしまった師匠が残した言葉を

 

『…翔太郎…お前は賢い子だ…俺が居なくても…もう立派な1人前…だ…緋彩は強いが…優しい子だ…守ってやれ…この帽子はお前に貸す…お前がジジイになってこっち来る時土産話と一緒に…返してもら…う…』

 

師匠はとても頑固で多くは語らず厳しい人だった…だが俺は人殺しも同然な事をした、ただの馬鹿野郎だ…師匠のようになれない…誰も守れない…こんな俺を見ないでほしい…そう願っていたらこの力を手に入れた

 

「緋彩…」

 

やはり少し言い過ぎただろうか…だが…これでいい、俺みたいな死神と一緒にいるとあいつまで…

 

「あれ、翔太郎さんじゃないですか、お久しぶりです」

 

目の前から歩いてくる人影…また長内青葉だ

 

「お前…」

「そう言えば私が渡した情報と魔術は役に立ちました?」

 

青葉は傷ついていた翔太郎の前に現れ緋彩が化物に遭遇しそうな事と、転移の魔術?を押し付けてきたのだ…

 

「…あぁ、それは礼を言う…青葉」

「はい?何でしょう?」

「…お前の目的はなんだ」

 

翔太郎は青葉の目的がさっぱり分からなかった、何故そこまで自分に関わるのか、何故情報等を渡してくるのか

 

「藪から棒に…前も言いましたよね?私は貴方達の味方ですよ?翔太郎さんや緋彩さんや雅弘さんの…ね」

 

その表情はあまりにも変わらなさ過ぎて恐怖を感じる、何を考えているのか分からないという恐怖が

 

「…そうかよ、それで…また俺の前に現れて何の用だ」

「まぁまぁ、落ち着いて…鷹揚自若…ですよ?」

 

青葉のペースに呑まれないようにするが…何故かどうやっても青葉から会話の主導権を握れない

 

「…ちっ…早く言え」

「せっかちですねぇ…まぁいいでしょう、今回翔太郎に良いニュースと悪いニュースがあります…どちらから聞きます?」

「良いニュースから聞こう」

 

あまり長く話してると完全に逆らえなくなる、その為素早くこの会話を終わらせるべきだと判断する

 

「では良いニュースですが…翔太郎さんが転移させた化物、今とあるデパートを住処にしてるうです、叩くなら今ですね」

 

青葉から渡された魔術と魔力が込められた紙…あれを使って飛ばした化物の居場所だった

 

「…悪いニュースは?」

「悪いニュースなんですが…」

 

と、少し言いずらそうに言葉を詰まらせる

 

「…緋彩さんがあの小さな男性と件のデパートに赴いてるようなんです」

 

 

それを聞いた翔太郎は頭をハンマーで叩かれたような感覚に陥る、戦闘を見ていた限りあの二人ではあの化物は倒せない

 

「…くそっ!」

 

翔太郎は痛む傷を無視して走り始める

 

「あぁ、あとそれと…茶色の髪の男にはお気をつけて」

 

すれ違い様に青葉がそう言い翔太郎は先を急ぐ

 

 

───────────────────

 

「うーん、夕日だな」

「夕日だねー」

 

俺と涼風は今デパート近くの空き家に待機している、天田に周囲に人が居ないか確認してもらっている為だ

 

『隊長ー、今の所人っ子一人いないっすよ』

「ん、早いな…んじゃ行くぞ涼風、覚悟は出来たか?」

「そんなもん最初っからさ」

「威勢がいい事で」

 

いつもの装備に着替えた俺と、念の為プロテクター等を付けた涼風は潰れたデパートに向かって行く

夕日が完全に沈んだ時、戦いが始まる…




どうも、最近眼鏡の度が合わなくなって恐怖してる私です

缶コーヒー…飲んでみたいけど私子供舌なので飲めないんですよね…砂糖これでもかと入れたら大丈夫なんですけどねー…タピオカ入れれば…同じか(適当)

では明日、また次の話で会いましょう
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