ファースト・オブ・バレット   作:パルバール

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第27話『動き出す最後の一人』

俺の目の前に並ぶ2人は勇ましく見え頼りになりそうだが…

 

「…何とかなりそうか?」

 

少し休憩すれば動けなくはない…しかし今すぐには戦闘に戻れないからこの2人に任せるしかない

 

「大丈夫だ、お前は少し休んどけばいい」

「ま、見ててよ」

 

そう言って翔太郎と涼風は俺の方を見て言う…大丈夫ってもよ…

 

「緋彩」

 

翔太郎は涼風に握り拳を向ける、涼風はそれに応えるように拳を突き合わせ…少しずつ翔太郎と涼風の姿が消え始める

 

「な、翔太郎…」

「少し能力の使い方が分かってな…行くぞ」

「…うん!」

 

完全に消えた2人は化物に向かって行く、化物は見えないが確実に何かが接近してるのが本能で分かるのだろう

大体の場所に向けて攻撃を仕掛けるが…

 

「残念!」

「こっちだ」

 

翔太郎の蹴りが化物の膝裏を的確に当て体勢を崩して涼風が隙だらけの化物の脇腹に強烈な蹴りを突き刺す

 

『ゲハっ!?ゲハ…』

 

化物は翔太郎達を払い除けるように腕を振るうが予想してたように翔太郎は攻撃圏外に、涼風には跳躍され避けられてしまう

 

「翔太郎!」

「ああ!」

 

攻撃をした為か姿が見えていた2人だがお互い素早く化物の周囲を動き、すれ違いざまに手と手を叩き…言わばハイタッチだな、するとまた2人の姿が消える

 

『ケハハハハハハハ!』

 

自分の下に溜まった血溜まりに手を置き、何かをしようとする化物

 

「おっと、逃がしはしないぜ」

 

そう言って翔太郎は1番体重が掛かってる関節に蹴りを入れ化物の体勢をまた崩す

 

「とりゃー!」

 

崩れた体勢に追い討ちをかけるがごとく化物の首筋に高速の蹴りを叩き込む

化物は前のめりに倒れ顔面は地面にキスをする…なんともまぁ…

 

「…戦いたくはないな」

 

完全にあいつらのペースだ、お互いにカバーして不足を補っている

翔太郎は涼風のような強力な蹴りやスピードはないが的確に相手の隙をつく

涼風は翔太郎のように頭が回らないが翔太郎にない決定打を持っている

 

「さぁ!ボクと翔太郎を止めれるかな!」

「ま、止める時間すらないから大変だぜ?」

 

化物は抵抗するも、自分のペースを乱され痛手を確実に加えられ逃げようにも逃げれず攻撃するにも相手が見えない

 

「ワンサイドゲームってか……さて、天田?そっちはどうだ?」

『そろそろ到着するっすけど…なんか大丈夫っぽい感じっすね、何があったんすか?』

「それがなー…」

 

目の前の光景を見つつ今まで起こった事を説明していく

 

 

───────────────────

 

 

「うーん、なんかおかしいよねー」

 

1人の男がそう言って同じ部屋にいる人間に話しかける

男…Aは手に持っている綿が詰まった人形をゆらゆらと揺らしながらこの部屋に残った最後の協力者を見る

 

「いやー、やっぱり翔太郎さんも緋彩さんもお強いですね…ですがご安心を、久しいあの2人が突然協力するとしても…そんな直ぐには出来ませんよ?攻めるなら今です」

 

最後の協力者…長内青葉はAにそう答える

その顔は常に笑顔で自信が表れ何かを知ってる…そんな雰囲気が周囲に漂っている

 

「ふーん…そう言えば君何かと他の超人と会ってるらしいじゃん?そこ辺りどうなの?」

「ははは、ただの調査ですよ調査…私達記者は足で稼いでこそ本領発揮されますからね」

 

申し訳なさそうな顔をしてそう答える、何を考えてるのか分からない…いや、分からせないような…そんな表情だ

 

「それにしても随分と慎重ですね?」

「慎重にもなるよ、柏崎くんだよ?彼には敵わないから」

「ほうほう、貴方までの魔術師が慎重にならざるを得ないような人が存在するとはこの世は何があるか分かりませんね」

 

何気ない会話、そんな会話でも互いの腹を探り合う

 

「そう、まぁそろそろ…どうにかしないとねー…あ、そうだいい事思いついたよ」

 

きた、と青葉は心の中でガッツポーズをとる

 

「なんでしょうか?あ、私戦えないので首取ってこいとかそんな戦国時代の人のような事は出来ないですよ?」

「違う違う、君に最後の『眷属』を渡すからさ…あそこに放ってきてよ」

 

そう言って手に持っていた人形を投げ渡す、それは何処と無くあの2人だけ残った組織の人間の1人に見えなくはない

 

「なんともまぁ責任重大ですね、私なんかでいいんですか?」

「君が何かと頑張ってるからね、僕なりの応援の気持ちだよ?」

「それなら有難く貰っておきましょう」

 

と、鞄に人形を入れて扉に向かっていく

 

「あ、そうそう…失敗したら言ってね!僕が助けてあげるからさ」

 

青葉はAを見る、その顔は無邪気な子供のような笑顔だ

 

「えぇ、その時は助けてもらいましょうかね」

 

そう言って扉を開け外に出る、その背中をAはとても、とても…楽しそうに眺めていた

 

 

───────────────────

 

「っと…あんまダメージが通らなくなったな」

「やっぱり柏崎さんの言う通り硬くなってるっぽいね…」

 

化物を一方的に封じ込め攻撃を続けていた2人だが…

 

『ケハッ…ケハハハハ…』

 

まだしっかりと立っており吐血しつつも笑っていた

どうやらそれなりに辛いっぽいな

 

「んじゃ…俺も動くか」

 

俺は立ち上がり2人の場所まで移動する、涼風と翔太郎は俺に気づき拳を突き出してくるので合わせるように俺も拳を突き出して合わせる

 

………………………………………

 

 

「いや俺は消えねぇのかよ!?」

「すまねぇな…このステルス2人用なんだ…」

「なんかノリで…ごめんね?」

 

こいつら!俺ちょっと…あれ?俺も姿消えるの?…ってワクワクしてたのに…!なんて奴らだ!俺のワクワク返せ!

 

「…んで、どうする?」

「どうするってもよ」

「あの化物まだ動くよ?」

 

とりあえず翔太郎に聞いてみたが特に良い案は無いらしい

 

「…困ったな、あと少しって言ってたが…」

 

俺がそう言っていたら…横の壁が吹き飛んできた

何言ってるか分かんねぇと思うが俺もよく分からねぇ…

俺は咄嗟に体勢を低くして避け、翔太郎は涼風に抱えられて事なきを得ていた…てかやっぱ足速いな涼風

 

「な、なんだ…?」

 

俺は埃が舞っている中を目を凝らして見る…大きな影が見える

 

「おやおや?皆さんお揃いでどうしたんですか?」

 

そんな声が聞こえてくる、女の声だ…

 

「え?今の声…」

「…やはり来たか」

 

どうやら超人達は誰か気づいたらしい…という事は

 

「どうも!毎度お馴染み長内青葉です!」

 

ピンク色の髪にポニーテール、笑顔で学校の制服を身に纏う少女と

 

 

 

大きな腕にアンバランスな小さな顔、体には赤ん坊から大人の手が生えている…

 

 

黒い化物がその隣に立っていた




どうも、バールの先っちょの二又の左側です(分かりずらい)

シリアスとか盛り上がりに後書き書きたい病の私、とある知り合いに自重しろと言われました…何でだっ!!!

では明日、また次の話で会いましょう
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