ファースト・オブ・バレット   作:パルバール

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第29話『超人、長内青葉』

ただ、全員とは言わずとも大多数が仲良くなればいいと思っていた

何も無くただ人脈と少し話が上手かっただけで超人と言われ、いつの間にかあの化物達の仲間入りをしていた。

 

何故だろうか

あの超人達は私よりも『強く、尊敬され、慕われていた』

しかし彼等は笑顔にならない

 

何故だったのだろうか

そんな超人達に話しかけ昼休みには食事に誘ったのは

 

何故なのだろう

彼等といる時間はとても楽しく幸福になれ満たされた

 

何故そうなったのだろう

いつの間にか雅弘さんも翔太郎さんも緋彩さんも互いの顔も見ず怯えている

 

何故なんだ

私ではあの超人達をどうにかする事も出来なかった

 

 

 

私なんかより必要とされている彼等が何故こうならなければならなかったのか、世界は彼等を特別とし社会は彼等をこの街という広くも狭い世界に隔離した。

 

私は様々な手を尽くした、けど私なんかではどうしようも無かった

 

それは偶然だった、たまたま柏崎という男が人間を殺している場面を見てしまった

そしてエイレーネーという存在を知って、Aという男を知ってとあることを思いついた…

 

「そうだ、彼等を利用すれば」

 

ただ利用するのは不安があった、だから私が『悪』として動けば全てが私の思い通りに動く

 

「こうすれば」

 

エイレーネーという組織の事を様々な情報源から入手して雅弘さんに近づき情報と警告をして

 

翔太郎さんの不安を煽り1歩を後押しして、タヌキという情報屋を使いエイレーネーと翔太郎さんに無理やり繋がりを付け

 

そして最後に私が『悪』としていなくなれば…彼等はまた一丸となって戦える、私という『悪』を忘れて…

 

 

───────────────────

 

「青葉ぁ!」

「う、嘘だろ…青葉…?」

 

突然の事だった、長内青葉の腹部から出血したと思ったら玉虫色の液体が飛び出て青葉は倒れピクリとも動かない

どういう事か分からないが…

 

「翔太郎、長内青葉は重要参考人だ…生きて保護しないとならない…いいか?」

 

何がなんだろうが黒幕があの男とするなら青葉は今回の件に深く関わってる筈で

 

「行くぞ」

「…あぁ、青葉には聞きたい事が山ほどある」

 

「はーいストップ、動いたら化物2体とも街に解き放っちゃうよー?」

 

俺と翔太郎が動こうとした瞬間Aからそんな言葉が出てくる、俺と翔太郎…そして裏で動こうとしていた涼風は動きを止める

 

「ははは、あと皆動かないよーにね?動いたら…」

 

そう言って右手を上げる、すると…どこからともなく足音がして2階から、出入口から、瓦礫の影から黒いローブを纏った人間が俺達の周囲を取り囲む

その見た目はまさしく『魔術師』

 

「んふふふ…いやー、これ1回やってみたかったんだけど…あんまり面白くないね?」

 

と、退屈そうに玉虫色の液体に戯れる

 

「…んで?確かAだったか?」

「んー?あー…そうだね、Aさんと呼んでくれても構わないよ?」

「んじゃ…A、お前の目的はなんだ?」

 

Aはキョトンとした顔をして俺を方を見て…笑う

 

「くふふふ…いやぁごめんよ、昔を思い出してね…僕の目的は『ゲーム』さ」

「…ゲーム?」

「そう!それもただのお遊びじゃない真剣なゲーム!」

 

と、両手を天に伸ばして新しい玩具を貰った子供のように早口でまくしたてる

 

「僕達『魔術師+α』VSエイレーネー!血で血を洗う戦いをしたいのさ!」

 

…あぁ、こんな顔をする奴は見た事ある

人が死ぬ事になんの興味も湧かない、逆に遊び道具だと思い込んでる『狂人』の顔だ

 

「ルールは簡単!この眷属2体と君達がここで戦って、そっちが勝ったらそっちの勝ち!こっちが勝ったらこっちの勝ちだ!」

 

うーん、説明が下手くそかな?あっちそっちどっち?

 

「んで?その説明の為にこんな大人数用意したのか?」

「落ち着きなよ柏崎くん?焦るな…もちろん、彼等にも出番があるよ」

 

と、周囲にいるローブの人間達を見て

 

「戦ってる最中は『彼等は街に攻撃を仕掛ける』」

「………」

「どこから来るか分からないこの66人の魔術師を一気に街に行かせるのさ…魔には魔でしか対抗出来ない…さぞ楽しい事になるだろうなぁ…?」

 

魔には魔…か…

 

「…お前…!何がゲームだ!何が戦いだ!他人に迷惑かけて何が真剣なゲームだ!」

 

涼風がAを睨み黙って聞いてた分、思ってた言葉を吐き出す…が…そんな理屈は通用しない何故なら

 

「は?君何?KYってやつかい?はー…興ざめしちゃったなー…もう関係なく眷属をそこら辺に攻め込ませてもいいんだよ?」

「やってみろ!ボクがお前を…」

 

「…っと、落ち着け…確かに思った事吐き出すのはいいと言ったが何でもかんでも吐き出せばいいわけじゃないぞ」

 

あと少しであの化物が街に解き放たれてしまう所だった…

 

「落ち着け、今この会話の主導権を握ってるのはAだ…俺達は癪だがあの狂人の言う事を聞くしかない」

 

理屈や常識が通用しない、力を手に入れたら最後…手をつけられない獣…それが狂人だ

 

「いいじゃんいいじゃん、流石柏崎くんだよ!僕のことよく分かってるんだね!」

「お前じゃなくて狂人だがな…んで?そのゲームってのはいつあるんだ?」

 

今回出来ることは奴の話を聞き終え無事にこの場から離脱する事だ、漫画の主人公とかなら…そんなの事させねぇって1発ぶん殴りに行くんだが…

 

「おぉ?乗り気だね!ゲームは明日の深夜0時に始まるよ!」

「OK、んじゃ今日はそういう事で解散としないか?」

「うん!そうだね…ただ」

 

と、Aはゆっくりと涼風を見る

 

「やっぱりちょっと…イラッとしたからそいつだけは殺すね☆」

 

そう言ってAは右手を上げると

 

『『『『『酷使せよ、死者の槍』』』』』

 

周囲にいた魔術師達が詠唱を初め、俺達を囲むように黒い槍が出現する

 

「緋彩!」

 

咄嗟に翔太郎は涼風に手を伸ばす、ステルスにする気だろう…だが…間に合わない

槍はゆっくりと…しかし確実に涼風に照準を合わせ一斉に飛んでいく

 

 

 

一瞬視界に約10m程ある大きな瓦礫が横切った気がした

…いや、気がしたじゃない…大きな瓦礫は槍を全て巻き込み奥の壁に激突して崩壊する

 

「…おいおい、来てみりゃ…なんだ?この騒ぎはよォ…?」

 

のそっと壊れた壁から大男が入ってくる

2m程の体格に似合わない兎のお面を付けて、はちきれんばかりの筋肉が自己主張するように1.5倍膨らみ…

 

「おい柏崎!てめぇ…また俺を面倒事に巻き込みやがったな?」

「すまんすまん、まぁ許せよ…『須郷』」

 

その大男…須郷雅弘は中に入って来て周囲を睨む

 

「あァ?誰だてめぇら…?…って翔太郎と緋彩じゃねぇか…奥に倒れてるのは…青葉…か…?」

 

周囲を観察して位置配置や次の行動を考えてるのだろう…頭悪そうだがこういうセンスはあるんだな

 

「ふ…ふははははは!いいねぇ!まさか超人がここまで化物とは思ってなかったよ!」

 

そう言ってAは楽しそうに…そして嬉しそうに俺達を見る

 

「その大男に免じて今回の件は水に流すよ…それじゃあ…柏崎くん?」

「…なんだよ」

「…『また』会おうね」

 

そう言ってAは右腕を化物、そして周囲に向けて

 

『酷使せよ、門よ』

 

周囲にいた魔術師、そして2体の化物は突然現れた大きな石造りの門に入って行き…場は静かになった、さっきまでの戦闘は嘘のように

 

「なんかよく分かんねぇが…おいエン!」

 

と言うと須郷の背中からひょこっとエンが顔を出す

 

「なに?」

「あそこに倒れてるやつ治療してやってくれ…ダチなんだ」

「はーい!」

 

そう言ってエンは青葉の所まで走っていく…とりあえずは

 

「首の皮一枚…繋がった…」

 

だが繋がっただけで、まだ脅威は去ってない…だが

 

「…今は生きてる事に感謝…だな」




どうも、友人に須郷ってあの須郷じゃね?と言われた私です

…あの須郷…?須郷…(検索)…須郷…(ヒット)

S〇Oの須郷じゃねーか!
全く関係はありません()

では明日、また次の話で会いましょう
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