予定調和のように医務室で目を覚ます、なんか鳩尾に圧力を感じる…顔だけ起こして見るとエンが俺の腹を枕に寝ていた
「………」
とりあえずこのままだと俺の鳩尾が危険なので気持ち的に横スライドするようにその場から抜け出して伸びをする
周囲を見ると翔太郎、涼風、須郷が眠っている青葉のベット付近で爆睡していた…あれ?君達あれなの?こう、同じ部屋に男女いるのは無理的なあれないの?…ないのか…
「…はぁ…」
あの後俺達は一旦エイレーネー日本支部に戻り、青葉はエンの治療で一命を取り留めた
腐っても超人らしくそれなりの回復力はあり今は絶対安静だが数日後には完治するとの事、他の超人も少し休めば治療は要らないらしい…羨ましい
「…やる事やるか」
若干涎まみれの服を着替える為に俺は医務室を後にする
───────────────────
適当な服に着替え支部長室を目指し歩く俺は道中、矢本を見つける
「おい矢本!」
「あ、柏崎さんどうかしました?」
もう怪我は完治したらしく忙しく何処か向かおうとしてた矢本が足を止める
「いや、ちょっとな…夜に隊員達を部屋に集めてくれ」
「…例の件ですか?」
「そういう事だ、どうするかは決まってないがお前を倒すのも頷ける程の化物がいたからな…全員に話しとく必要がある」
矢本はエイレーネー日本支部でも上位に入る強さを持っていたが歯が立たないとなると全員に話しておき、いざとなったら…
「了解しました、それでは私はこれで」
「おう…んじゃ行くか」
俺は支部長室に向かって歩き出す
──────────────────
今日、エイレーネー日本支部の各部署にいる最高責任者達を呼び…例の件を話し合う緊急会議を支部長室で行われる事になっている
支部長室の中に入るとやっぱり質素な机の上に資料を広げながら何かを考えてる支部長と…
開発部の田村さん、総務部の代理、営業部の代理、支援部の代理、人事部の代理、隠蔽工作部の代理、医療部の代理…
「ほぼ全員代理じゃねーか!」
こいつらエイレーネーの危機なのに何やってんの!?
代理の人達凄い居心地悪そうにしてるじゃん!来いよ!最高責任者達!
「柏崎君、着席してくれ…これよりエイレーネー日本支部、緊急会議を始める」
質素な机から支部長の机に移動した支部長は長方形に向かい合うように座っている各部の最高責任者(笑)達に言う
とりあえず俺は邪魔にならないように支部長の後ろ辺りにでも立っておこう
「…今回の超人を狙った件は各自報告が来てると思うが…今度は街を人質に取られた状態での『ゲーム』を仕掛けてきたのが昨日、そして今日の夜中の0時にて始まる」
Aとかいうふざけた奴…俺達が強気に出るのは不可能なので
「…奴らの土俵で徹底的に叩き潰す」
支部長がそう言うとザワっと代理の面々が騒ぎ始める
まぁ代理だからあまり強く発言出来ないだろうがやんわりと大丈夫なのか?と聞いてくるのが殆どだ
魔術師というのは常人では理解出来ない、だから彼等は不安で仕方ないのだ…知らないというのは何よりも恐ろしくそして恐怖をかき立てる
「…………化物はどうするの」
田村さんが彼等に変わって質問をする…田村さんが会議で積極的に質問とかしないといけないってやばいだろ…
「ふむ、件の化物については…我々では対処できない…だが我々には超人がいる」
そう言うとわっ!と歓声が上がったような空気になる
超人は彼等にとっても正義の味方なのだ、分かりやすい戦力に勝ち確ムードになっている
「が、街に攻めてくる魔術師は我々で対処せざる負えない」
そう、攻めてくる魔術師はこっちでどうにかしないとならない…しかし
「……………部隊が足りない」
現在支部に駐屯してるのは俺達第1特殊部隊、そして比較的近くに来ていた第11〜13特殊部隊、そしてどうにか来れそうな第19特殊部隊が現在こちらに向かっている
合計5部隊、支援部隊も合わせると多少増えるが…足りない
「それに関してはどうしようも出来ない、民間組織に協力を要請するにも魔術に対抗できないのが目に見えている」
「んでも支部長?俺達だけじゃ魔術師達と正面衝突した場合超人達の方に戦力回せないぞ?」
Aは魔術師66人と言っていた、あれを信じるなら頭数で同じ人数になって戦えなくもないが生きるか死ぬか分からないだろう
「…超人側には戦力を向かわせない、冷たいようだが彼等だけで化物を倒してもらうことになる」
支部長の発言にまたザワつく代理達
「では部隊の配置、支援の補給ルート、隠蔽作業の説明を始める」
支部長の話は長く続き、代理人達は様々な意見や報告…それらを済ませ全員が準備の為に退室する
支部長室に残ったのは俺と支部長と田村さんだけだ
「…しかし、やっぱり外からの奴が叩き上げで役職につくとこうなるんだな」
「頭痛がする話だよ、私としては全力で出席してくれると助かるのだが…」
「……………他人事と思ってそう」
今回出席した各部署の代理人達、それが何を示すかと言うと最高責任者達のうち医療部以外は元々エイレーネーの人間ではなく違う組織の人間なのである
彼等にとってエイレーネーはそこまで重要ではなく、あまり積極的に尽力しない
「もうあの頃から生き残ってるのは私達だけか」
「………………偉くなったけど複雑」
「良い人達だったのに…惜しい人達を亡くしたもんだ…」
『あの事件』を思い出しつつ三者は今後の事を話し合いその後は解散となった
─────────────────────
俺はとある場所を目指す、今回の件…生半可な準備では命を落としてしまうかもしれない
だから俺は自分の『能力』を最大限に引き出す為にとある奴に頭を下げなければならない
「っと…久しぶりに来たな」
5層目の一番奥の一室『遺伝子操作実験室』の扉の前に立ちノックをする
しばらくするとドアノブが回り、ひょこっと小さな顔が出てくる
翡翠色の目に金髪の髪をポニーテールにして顔は整っており身長は俺とほぼ一緒
「…ちょっと話があって来た、中入っていいか?」
「…いいよ」
そう言って扉を開け中に戻っていくのを追うように俺は中に入る、中に入ると何ともまぁ何も無い…机とタンスとベットにソファー、無数のフラスコビン、謎の液体…
「少しくらいなんか買ってもらえばいいのにな」
「興味無い」
そう言ってソファーに座って隣をペシペシ叩く…えぇ…
「座れって事…?」
「それ以外何が?」
「あ、はい…」
とりあえず隣に座ってみる…
「…そう言えば怪我はどうだ?まだ治らないのか?」
「…順調に回復中、あと少しで外出歩けるかも」
その顔は嬉しそうなのか嬉しくないのかちょっとよく分からない…無表情だなぁ…まぁ昔からそうか…
…いや、俺のせいか…
「…あー…そのなんだ…ちょっと能力使うかもしれない」
「…」
「だから…あれだ、また迷惑かけるかもしれない」
今回言いに来たのは二つの意味がある、前回の突然使った事と…
「また辛い思いさせるかもしれない」
『能力』を使えば回避できない事だった…だが
「…別にいい、辛くはない」
そう言い切られるとな…
「すまないな…『マヨイ』」
「大丈夫、『サトル』」
俺はしばらくその場に留まり思いにふける
─────────────────
そろそろ作戦準備時間…だが何か3層から上が騒がしい
「おい何の騒ぎだ?」
偶然近くにいた天田を捕まえて問いかける
「隊長大変っすよ!」
「何が?」
「長内青葉がいなくなったんすよ!」
…うそぉーん…
どうも、どうもぉ君です(N○Kじゃないよ!)
今回の話はちょっと準備回と昔を思いふける回です、いつか明かされるかも?
では明日、また次のお話であいましょう