ファースト・オブ・バレット   作:パルバール

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第32話『戦闘開始』

月がゆっくりと上を目指し上がっていく

月明かりは街を照らし、建物を照らし、四人を照らす

 

格闘家の超人、須郷雅弘

探偵の超人、道華翔太郎

武道家の超人、涼風緋彩

記者の超人、長内青葉

 

4人はとある場所を目指していた、今は廃れてしまい廃業になったスーパーだ

 

「はぁ…来ちゃったねー…」

 

緋彩がため息を含ませながらぼやく

 

「なんだ緋彩?お前もしかしてビビってるのか?」

「ぼ、ボクが怖気ついてるとでも言いたいのかい!?」

「普通はそれが一般的ですよ?相手はこの世の存在ではない化物ですから」

 

言い合いを始める緋彩と翔太郎に仲裁に入る青葉、須郷はそれを眺めつつも建物を見る

 

「…おい青葉、お前あの化物について何かしってねぇか?」

 

青葉は手帳を取り出しパラパラとめくる、めくりながらうーんと唸りとあるページに手を止める

 

「あの化物は『神様』の眷属であり、生まれ落ちた時は弱き生き物だが時と『捕食』により…その力を高めるという情報なら」

「捕食だ?んだよあいつ飯食うのか」

「まぁ捕食対象は…『人間』らしいですがね」

 

青葉の一言に場の空気が冷たくなる、自分達が負けた時の事を考えてしまったのだ

 

「と言っても黒い方はまだ生まれたての小鹿のようなものですから、楽に倒せるでしょう!では皆さん行きますよ!」

 

と、建物に歩いていく青葉を苦笑しつつもついて行く3人

この先に化物がいる

 

 

 

────────────────────

 

 

 

青葉は心の中で少し後悔していた、化物と超人達の実力を比べ勝てる確率は10割中3割以下しか無い

 

「…だけど」

 

3割ならある、高くもないが極端に低いわけでもない

きっと彼らとなら…

後ろから付いて来ている3人の超人を振り向く

 

「ん?どうしたの?」

「あ、いえなんでもありません」

 

振り向くと緋彩に尋ねられた為前を向く、緋彩は不思議そうな顔をしながらなんだろうと他の2人をキョロキョロ見る

 

「お前もしかして口にケチャップ付いてんじゃね?」

「嘘!?ボクそんなドジしてた?!」

 

と、口元に手を慌てて当てるがケチャップなど付いてない

 

「はい引っかかった」

「…翔太郎、ボク実は武道を嗜んでてね…」

「おい馬鹿やめろ」

 

緋彩の蹴りを避け…れず尻に1発当たり痛みに悶絶する翔太郎とそれを指で指して大爆笑する緋彩…

 

「…さて、お遊びはそこまでですよ?」

 

と、入口に手をかける…この先に化物が待っている

痛みをやらわげている翔太郎と、笑い過ぎて半笑いの緋彩と集中している須郷を順番に見て

 

「では、私達がこの街最強だというのを化物に見せつけてやりましょう」

 

そう言って入口の扉を開け中に入る、過酷な戦いの場に

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

 

中はいつの間にか瓦礫などが無くなり広いフィールドが整えられていた、だが件の化物が見当たらない

 

「…いないね」

「俺達にビビって逃げたんじゃね?」

「んだよ根性無しだな…あの宮島とかいう奴の方が根性あったぞ」

 

おかしい、青葉はぐるっと周りを見る…あの巨体の化物が隠れる場所はそう多くない、だとしたら…

 

その場に場違いな音が鳴る、それはアラームの音のようにも聞こえ…ふと携帯を見ると夜中の0時…戦いの時間だ

 

パラパラと、上から何かが落ちてくる

それを空中で手に取り見ると…それはコンクリートの小さな破片だった

 

「まさか!」

 

青葉は上を見る、上には大穴が空いており

 

 

『ケハケハケハ…』

『ケハハハハハハハ…』

 

黒と白の、大きな腕にアンバランスな小さな顔、その胴体には赤ん坊から大人の手が無数に生えておりまるで助けを求めるように蠢いている

 

「皆さん避けて…!」

 

そう言い終わる前に2体の化物は大穴からその身を踊らせ落下してくる、他の超人は動かない

 

「(間に合って!)」

 

3人の所に行って何かできる訳では無いだが何もしないは選択肢になかった。

重い振動と埃が舞い散りその場一帯が煙で見えなくなり…

 

「あっぶないなー…あと少しでぺっちゃんこだよ」

「これがギャラ〇ホルンのやり方か!」

「おい馬鹿やめろ」

 

青葉は緋彩に小脇に抱えられ少しの間の浮遊感を感じていた、翔太郎も同じような感じだがあっちは冗談を言う余裕があるらしい

 

「あの…これは」

「あ、ごめん苦しかった?」

「お前が言ったお陰で緋彩が反応出来てな、今小脇に抱えられ空中を跳躍ぢぅう!」

 

話してる途中で地面に着地した為翔太郎から苦しい声が聞こえる

 

「翔太郎今なんかモノマネした?」

「おう、今ちょっと某ネズミの真似したんだぜ」

「下手くそだったよ」

「お前っ!」

 

小脇に抱えられながらそのコントを見てると1つの事に気づく

 

「あ、緋彩さん!雅弘さんが!」

 

須郷雅弘の姿がこの場にいない、ましてや緋彩が抱えるには須郷は大きな過ぎた…つまり

 

「あぁ大丈夫だよ、ほら」

 

と、煙の方に指を向ける…まだ視界を遮る煙は風によって少しずつ晴れていき

 

「…おい化物」

 

中から須郷の声が聞こえ、煙は風によって視界がクリアになる

 

「てめぇら…覚悟は出来てんだろうな」

 

そこには化物の大きな腕を受け止め、無理やり捻り地面に倒している須郷の姿が見える

化物は無理やり、もう片方の腕を使い須郷に攻撃を仕掛けるが…パッと離されて攻撃を避けられる

 

「へ、お前らの攻撃…止まって見えるぜ?」

 

化物2体は立ち上がり…超人達を睨む

 

「翔太郎!緋彩!カバーは頼んだぜ!」

「おっけー!」

「おう、くたばるなよ壁役」

 

そう言って戦闘態勢にはいる2人を見つつ

 

「青葉ぁ!…頼んだぜ」

 

須郷は指の骨を鳴らしながら青葉に言う、全てを任せる…と

 

「…はい!青葉にお任せを!」

 

そう言ってカメラを構え…覚悟する、超人VS化物2体との死闘を

 

 

─────────────────────

 

暗い夜道、複数人の人間が歩いていた

全員お揃いのローブを身に付け片手には本を携帯している

 

「…っ!」

 

突然先頭の男が立ち止まると顔に向かって飛んでいた弾丸が何かにぶつかるように止まり地面に落ちる

 

「んー…やっぱり障壁持ちか…厄介だな」

 

そんな声がどこからか聞こえローブの男達はそれぞれ背中合わせになり死角を無くす

 

「多少訓練はされてるっぽいか…まぁ警戒しなさんなって、どうせ死ぬ」

 

声がより聞こえやすくなり聞こえた方を向くと路地から1人の男が歩いて来ていた、金色の髪に翡翠色の目で小柄な体格だ…身につけている装備を見るにローブの男達は敵だと理解する

 

「おいおい、挨拶もしないでもう戦闘か?…まぁいい」

 

そう言って右手を上げると建物の屋上、建物の中から、自分達の来た道から、進んでいる方向から

同じような装備に身を包んでいた人影が見えた

 

「んじゃ、エイレーネー日本支部第1特殊部隊「バレット」…これより正義を執行する」

 

静かな街で様々な場所にて激しい戦闘が始まろうとしていた




どうも、少し遅れそうな私です(遅れたァ!)

今日まで少し短めの前置き回です、明日はちょっと長い…かも?


では明日、また次の話で会いましょう
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