ファースト・オブ・バレット   作:パルバール

36 / 122
第35話『眷属』

 

「か、柏崎さん…?」

 

青葉が唖然とした顔で俺を見てくる、なんじゃわれぇ

 

「お前…なんでここにいんだ」

「なんで…か…強いて言うならば魔力の塊である、あの化物達のようなのには魔力を宿した武器か魔術でしかトドメを刺せないんだ」

 

そう言ってナイフを見せる、ナイフからは紫色の淡いオーラのようなのが出ており不気味な雰囲気を感じる

ただ刃がもう大きく欠けており何回か振ると折れてしまいそうだ

 

「そんで元々ここに来るつもりだったんだが…予想以上に魔術師達がな…来るのに時間がかかった」

 

そう言いながら俺は黒い化物の方を見る、須郷の全力の攻撃をものともしていない

 

「んじゃ、お前らは休んでろ」

「柏崎さんは…?」

「俺か?俺はな」

 

ナイフを黒い化物に向けて構える

 

「あの化物を倒す」

 

俺は走り出し化物に攻撃を仕掛ける、須郷は俺が来た事に驚いていたが直ぐに化物を抑え込む…やっぱり馬鹿力だな

 

「須郷!そのまま動かすなよ!」

「てめぇ!簡単に言いやがって!」

 

とか言うがちゃんと実行に移して成功させる辺り流石だと思う

化物が俺に気づいて腕を振り上げ攻撃を仕掛けてくる、横に避けて攻撃を避けさらに接近して近距離まで近づく

 

「そらよ!」

 

化物の腕に1回…2回…3回と斬撃を食らわせて離脱、俺がいた場所に轟音と共に化物の攻撃が降り注いで地面のコンクリートを粉々に砕く、だが切られた腕は痛むらしく苦痛の悲鳴を上げる

 

「こっちを無視すんじゃねぇ!」

 

隙だらけの化物に須郷の重い一撃が襲いかかる不意をつかれた攻撃に堪えきれず化物は地面に倒れる

 

「やっぱ意識外の攻撃は耐えるのは難しいらしいな」

「あぁ…俺の攻撃を耐えてたが今の一撃は通じてた気がするぜ…」

 

須郷の隣に立ち意見交換をする、今のうちに攻めるのもいいが俺はさっきまでの超人達の戦闘での情報を俺は持ってない…例えチャンスだとしても情報は欲しい

 

「あの白いやつと黒いやつは連携しててな、黒い方は最初はダメージがかなり通ったんだが時間が経つにつれてゴム殴ってるような感触がした」

「んー…つまり打撃に強い方に進化したって事か」

 

武器は殆ど使わない超人達には少し厳しいかもしれない

それに魔力を扱えるわけでもない…倒すのは絶望的だ

 

「…よし、お前はあいつを止める、俺は攻撃する…これでいいか?」

「異論はねぇな…んじゃ行くか」

 

立ち上がる化物に合わせ攻撃の準備をして、戦闘が始まる

 

 

──────────────────────

 

 

「ははは…君はやっぱり遅れて来るんだね…君がもっと早く来てたら…」

 

天井から眷属に向かって落下していく柏崎を特等席から見ていたAはそう呟く

 

「けどごめんよ柏崎くん…このまま簡単に勝たせるわけにはいかないんだよ…『6席会』が許してくれないんだ」

 

しばらくしてAは両手を化物2体に向け

 

『酷使せよ、融合』

 

「まだ早かったけど、柏崎くんなら出来るだろう?」

 

そう言ってAはまた頬杖をつく、その顔はとても懐かしそうだった

 

───────────────────

 

「行くぞ!」

 

俺と須郷は黒い化物に近づいて行く、化物が振り落とした腕を須郷がガードし俺は化物の懐に入り一閃、どうにか刃は通ったが耐久値がないナイフは音を立てて壊れてしまう

 

「っと、須郷!少し耐えてくれ!」

 

化物とタイマンを張る須郷の少し後方に下がって懐から新しいナイフを取り出す、あと2本…

 

「…あと少し致命傷を与えれば」

 

ナイフを構え戦闘に戻る

 

「柏崎!てめぇ本当に大丈夫なんだな!?」

「大丈夫かどうかはやってみねぇと分かんねぇよ!」

 

絶対なんてない、魔術が1番効果的なのだが使えるわけもなく微妙に魔力を宿してるナイフを使うのが精一杯だ

 

「いいから集中しろ!1歩でもミスったら死ぬぞ!」

 

一旦化物の視線をこっちに誘導する為に化物の右側を大きく旋回する

化物は一瞬俺を見た、その瞬間を須郷が逃すわけもなく一気に詰め寄り化物にラッシュを叩き込む

 

「よそ見禁止だ!」

 

そして化物の顔面にコンクリートも破壊する一撃が叩き込まれ、化物は悲鳴にもならない悲鳴を上げ悶絶する

俺はその隙を突き化物の肩に思いっきりナイフを刺す、根元まで深々と入りさらに化物は悲鳴を上げ俺を振り落とそうと体を振る

このままでもよかったが…危ないので離脱して最後の一本を取り出す

 

「なんとか勝てそうではある…が」

「…なんか様子おかしくないか?」

 

のたうち回っていた化物は突然その動きを停止させ動かなくなる…死んではない、手応えはなかった…なら何故…?

 

「柏崎さん!雅弘さん!」

 

後ろから青葉の切羽詰った声が聞こえてくる

後ろを振り向くと…白い化物が立っていた、確実に殺した筈の化物がさぞ当たり前のように

 

「須郷!」

「くそっ!間に合え!」

 

あの化物を抑えられるのは須郷だけでナイフは後一本、化物は2体

 

「ギリギリ足りないかもしれない…」

 

須郷は急いで白い化物に向かう、あそこには戦えない超人達がいる

 

が、何故か白い化物は倒れている超人に目もくれずこっち…つまり黒い化物の方に向かってくる

 

「うお!?」

 

突然の事に攻撃‪ではなくガードをする須郷…だが化物は須郷もスルーしてこっちに向かってくる

 

「やっべ!」

 

化物の突進を横に避け化物の方を見る、白い化物と黒い化物は見つめ合うように立ち

 

『ケハハハハ…』

 

黒い化物が白い化物を『捕食し始めた』

 

「…は…?」

「………食ってやがる、同じやつを」

 

どうしようも出来ず、ただ見ていた俺達だが手帳をめくってた青葉が何かに気づいたのか

 

「柏崎さん!須郷さんあれを止めてください!『進化』する気です!」

 

大声で、そう聞こえた瞬間俺と須郷は行動に移す

須郷は右側から全力の拳を、俺は左からナイフを1振り

 

だが捕食中の化物に当たらなかった、化物と俺達の間に何かがあるような、そんな感触が

 

「くそっ!障壁か!」

 

こうなってはどうしようもない…

 

「須郷、覚悟しとけよ…多分今から戦うやつは今まで戦ってた化物とは違う」

 

捕食を終えた化物はゆっくりと顔を上げる、その顔は優越に浸っていた

そして体に変化が起きる…体は2倍ほど膨れ上がり、その体色は黒と白を混ぜたような灰色になり…まるで2体を合わせたような姿だ

 

「今から戦う敵は…『完成された眷属』だ」

 

昔に見た事ある、眷属と眷属を組み合わせる事により出来上がる眷属…昔現れた時はエイレーネー日本支部は半壊する程の被害を受けた

 

「…使うしかない…か」

 

俺はナイフを構え『完成された眷属』と向き合う…勝てるかな…




どうも、最近一気に寒くなって色々辛い私です

いつの間にか10月に入ったもう半月程、時代の流れは早いなぁ…曜日感覚が無くなってきたなぁ…


では明日、また次の話で会いましょう
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。