ファースト・オブ・バレット   作:パルバール

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第37話『後日談』

「おーい!皆こっちこっち!」

 

緋彩の大きな声は喧騒にまみれた駅前に負けない程大きく

 

「うるせぇぞ緋彩!」

「雅弘落ち着け、事務所でもあんな感じだ」

「うーん、あの大声を何か宣伝とかに使えませんかねー」

 

緋彩に遅れ駅から出てきた四人の人影、翔太郎に須郷、青葉…そしてエンだ

 

「エンさん大丈夫ですよー、ほーら誰も貴方を見てないので」

「ほ、ほんと…?大丈夫…?」

 

エンはボロボロになり、骨が繋がるまで車椅子生活の須郷を手伝う為に車椅子を押してたのだがあまりの人の多さに放心状態になってたのを青葉が変わって押してるのだ

 

「しっかし…生きてるなぁ…俺達はよ」

「そうだな、まぁ今では生きた心地はしないが…」

「おや?緋彩さんと同じ屋根の下で住んでいる者の言葉とは思えませんねぇ?」

「あいつこの前トイレぶっ壊してたんだよ…」

 

そんな雑談をしつつ、緋彩の先導に導かれとある場所に着く…そこは駅前にあるカフェだ

 

「ほー、かなり良い感じのカフェじゃねぇか」

「ふふふ、この青葉情報網に見つからないものはない」

「この前チラシで見たとか言ってなかったっけ」

「言ってたよ翔太郎」

「はうっ!…それは秘密と言ったではないですか緋彩さん」

「私カフェ来るの初めて…」

 

店前で騒ぐ超人達+エンは扉を開けて中に入る

 

「…あまり客はいねぇみたいだな」

「バイトの為にわざと客を選んでるとか何とか」

「はぁ?んなの商売にならねぇだろ」

「それでも大丈夫な程人気なんですよ、ここは」

 

そう言って5人は席に座りメニューを見る

 

「…そう言えば皆はどうするの?」

「どうするって何がだ?緋彩」

「ほら、柏崎から言われた」

 

エイレーネー日本支部としては超人の戦力があればこの先何があっても戦闘面では安全に、情報戦でも優位に立てる為超人達にエイレーネーに所属しないかと話がされた…だが話した柏崎は

 

『お前達は超人ってもまだガキなんだ、ガキってのは大人に守られてお前らが大人になったら守る大人になりゃいいんだ、だから今すぐに入らなくてもいいし…入らなくてもいい…そこ辺りはお前達で話し合ってくれ』

 

と、言って柏崎は支部に戻って行ってしまった

あのゲームからかれこれ1週間…そろそろ決めなければならない

 

「私としてはどっちでもいいんですよね、柏崎さんの言う通り私達はまだ子供…という立ち位置です、無理して大人にならなくてもいいんですよ」

 

そう言って青葉はカメラの整備を始める

 

「わ、私としてはすごう達がエイレーネーに入るなら嬉しい…よ?」

「あぁ、そうだな…俺は入ってもいいと思ってる、あんなイカれた野郎がいるってんなら俺がぶちのめしてやる」

 

須郷はエンの頭を撫でつつ力の篭もった目で他の超人を見る

 

「うーん、ボクらはどうしよっか翔太郎?」

「俺達は探偵だ、正義の味方じゃねぇ…だが…街が泣いてやがる、俺はそれを見逃せねぇ…だろ?緋彩?」

「そうだね、ボクは君について行くよ…翔太郎」

 

そう言って緋彩と翔太郎も決心する

 

「では今回は私達の記念としてパーっと優雅にお茶会ですよ!店員さーん!」

 

青葉は何故かニヤニヤしながら店員を呼ぶ、そして奥からパタパタと店員が走ってきて

 

「はい、ご注文は…」

 

やって来たのは少し頼りない体格の男だ、エプロンにメモと鉛筆を手に持っており…その目は須郷を見ていた

 

「…兄さん…?」

 

 

─────────────────────

 

 

「ああああああああああああ!!!」

「総員天田を止めろ!」

 

俺含め第1特殊部隊、全員で発狂しかけてる天田を取り押さえる

 

「落ち着いてください天田さん!ほーら可愛いミーヤキャット…ぐふぁ!」

「雨森ー!お前眼鏡が粉々だぞ!?」

「わ、我が生涯に…」

「それ以上は言わせねーよ」

 

とりあえず雨森は生きてるので放置、ここはエイレーネー日本支部第1特殊部隊の部屋…そして我が部隊のオペレーターである天田は報告書を全員分作成しなければならないのだが…100枚程手書きで書いてる…うわぁ…これは…うん…

 

「天田、落ち着けー…はいひっひっふー…ひっひっふー」

「フシュー…フシュー…」

「隊長、天田さんは一体…」

「見るな矢本…こいつは違う生命体になろうとしてる…」

 

暴れる天田を椅子に縛り付けてどうにか平穏を取り戻した

 

「ふぅ…しかし、全員無事とは思ってなかったな」

「ほう?それは宣戦布告という事だな柏崎」

「黙れ日本刀マニア、全国の侍ガール好きに捕まれ」

 

俺含め、隊員は全員怪我はしてたものの死者は出ず生存率はうちの隊がトップだった

 

「無事でも、魔術師を取り逃したのは私達のミスです…柏崎さん」

「不甲斐ない!俺は自分が不甲斐ない!」

「まぁまぁ、私達が生きてたからそれでいいじゃない」

 

そう、他の隊員にも聞いたが俺達が化物を倒した後くらいで突如魔術師達が姿をくらましたのだ、捕まってた…戦ってた魔術師はまるで死体すらやらないと言わんばかりに玉虫色の液体が溢れ消えてしまった

つまり

 

「…言ってしまえば俺達は何の収穫もないってことか」

「そう言えば柏崎さんは何か…眼鏡を持ってましたが」

「ん?あぁ、あの建物の2階に落ちててな…かなり古い眼鏡って事しか分からなかったし…これを見てるとなんか頭痛がするんだよな」

 

机の引き出しに入れていた黒縁メガネを取り出し机の上に置く

 

「…普通の眼鏡…ですか?」

「普通の眼鏡、だと思うんだがなぁ…」

 

ま、今はそんなのはいい…今は

 

「んじゃ俺出掛けるから後は頼んだぞ」

「はい、行ってらっしゃいませ柏崎さん」

 

俺は部屋を出て…ある場所を目指す

 

 

─────────────────────

 

時はさかのぼり一週間前、下で戦闘が終わったのを見たAは微笑む

 

「流石柏崎くんだよ…僕みたいなのじゃ太刀打ちできないや…だけど僕を忘れてたのは酷いから褒めた分とプラマイゼロね」

 

そう言ってAは座ってた場所にある物を置く

それは黒縁メガネだ、それを大事そうに置いて呪文を唱える

 

「もしそれでも思い出せないなら…その時は…」

 

「僕が君を殺しに行くよ」

 

 

─────────────────────

 

 

ここは遺伝子操作実験室

俺は少し躊躇してノックをする、すると扉が開いて中から田村さんと支部長が出てくる

 

「…面会可能か?」

「………………今なら大丈夫」

「私も今来た所だ、顔を見せてやるといい」

 

俺は中に入り奥のベットを見る…そこには上半身を起こしてこっちを見ている少女がいた

 

「…よぉ…元気か?」

「至って元気」

「……………嘘言わない、さっきまで吐血してた」

 

田村さんの言った言葉が図星だったらしく微妙な顔をする

 

「…何回死んだ…」

「…数えてない」

「そうか…」

 

ふと、自分の頬に何かが落ちていく…涙だ

 

「…すまない…俺はやっぱり弱いな…」

「悟は強い、誰よりも…」

 

そう慰めてくれる…あぁ…俺は誰かを苦しませなければ勝てないのか…

 

 

俺の能力は『他者にダメージを押し付ける能力』

だがこれには欠点があり自分の…俺の遺伝子により近い者でなければ押し付けられない…つまり俺の『妹である柏崎マヨイ』にしか能力を使う相手いない上に妹の能力は『不死身』

 

俺は妹に苦しみを押し付け…蘇る妹は精神と肉体が少しずつ死んでいく…

 

 

俺はどうしようもないクズ野郎なのだ




どうも、最近見てくださる人が増えてとても嬉しい私です

今回にて第1章は終わり…次は第2章となります
柏崎達はどうなるか…乞うご期待

では明日、また次の話で会いましょう
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