外に出て一服しようとタバコを咥えてライターを取り出す…だがカクロにじっと見つめられ気まずくなり胸ポケットに入れる
吸わないからそんなに見るな…
「おぉーおぉー…天下のエイレーネーさんはろくにタバコすら吸えないのでぇ?」
「はぁ…うるさいぞ龍」
俺は振り向いて後ろにいた男を見る、ヨレヨレのスーツに茶色のロングコートに葉巻を咥え猫背の初老の男…岡薗龍エイレーネーの勢力下に入っているヤクザの1人だ、エイレーネーも万能ではない…隅々まで監視などは不可能に近い為様々な契約に従ってもらう代わりに多少の事は目を瞑る…という事になっている
「しかししかしぃ?そちらさんから協力を求められるとは世の中何があるか分からないですねぇ?」
「うるせぇ、あんたはさっさと引退して若頭にその席譲ってやったらどうだ?」
ケタケタと笑う岡薗にそう言いすっかり暗くなった空を見る
「あいつにゃまだ早い、特にエイレーネーさん所を馬鹿にしてる感じがしてなぁ…そんなのに継がせねぇよ」
「そうかよ、そいつが代替わりしたら速攻で潰すから」
「おぉ怖ぇ怖ぇ…ちゃんと教育せな…ならんなぁ…」
葉巻を吸ってる龍に鋭い目線を向けてるカクロを無視しつつ空を眺める
「龍さん、終わったぜ!」
そんな声が聞こえ声がした方を見ると短髪の黒髪に活発そうな青年が立っていた
「おぉ、誠早かったじゃねぇか」
「あいつらすぐにゲロったからな、あんなのなら簡単」
龍は優しそうに誠と呼ばれる青年を見て青年は犬のように褒められるのを待ってる、情報が書いてある紙を渡して
が、俺に気づいて明らかな敵意を向けてきて
「お前がエイレーネーって所の下っ端か?」
「まぁ下っ端と言えば下っ端」
エイレーネーの番犬的な立ち位置だし
「お前らみたいな殺人集団にこの街は任せられねぇ、俺達岡薗組がこの街を守るんだ、そこ辺りちゃんと理解しろよ?」
と、メンチ切って建物の中に戻って行った
「…龍お前もしかして『あれ』まだ言ってないのか?」
「はははっ…そうだ、だがあんなんでも俺の後継者だ、大目に見てれや」
「ん?若頭ってもうちょい老けてなかったか?」
俺が会った時は20代後半くらいだった気が…
「あぁ、あれはふぇいくだ…うちの大事な若頭を守る為のな」
「…そうかい、まぁそこまで干渉する気は無いが…早めに言わないと暴れるぞ」
「ま、心配なさんなって…エイレーネーさんとこには迷惑かけねぇよ」
そう言って龍は紙を広げ俺に見せてくる
紙に書いてあったのは2つ
・宝石店から雇われた、それ以上は知らない
・小さい子猫を奪えと言われた
「徹底してるな」
「まぁ自分の駒使わないで他の奴雇って情報は最低限に目的だけを伝えて…こりゃ厄介な敵に出会ったなぁ?」
「全くだ」
頭の上で紙を覗き込んでるカクロにチョップして紙を折り畳み胸ポケットに入れる、帰ったら調べなくては
「困ったらまた頼みなぁ?あんたの前任者には世話になったしなぁ」
龍の言葉に心臓が強く脈打つ、俺の前任者…つまり第1特殊部隊の前隊長であり…俺の師匠で…
「…『勇人さん』はもういない」
「だからだ、あの人ならあんたに協力しろって言う…だから俺はあんたに協力するって言ってんだぜぇ?」
龍の目は真剣だった、俺は複雑な気持ちになったが好意を無下にするわけにもいかず
「…ま、その時は頼む」
「あぁ、まかせなぁ」
そう言って短くなった葉巻を吐き捨て新しい葉巻を咥える
「んじゃ手筈通り…あいつらは貰っていくぜぇ?」
「分かってると思うがやり過ぎて捕まるなよ?」
「はははっ!何十年この社会に生きてると思ってんだ、そんな簡単に捕まっかよぉ?」
そう言って龍は自分達の車に向かっていく、そして部下の男達の手には先程の10人の男達が…誠はもう車に乗ってるのか
「ひーふーみー…ははは!今日も稼げそうだなぁ?大丈夫大丈夫、お前らみてぇな汚ねぇ心でも臓器と血は他の人の役に立つんだぜぇ?」
そう、捕まってる男達に言うと高笑いをしながら龍達は車に乗り込み…岡薗組は去って行った
「…俺達も帰るか」
「ニャー」
俺とカクロは車に乗り込みエイレーネー日本支部に戻る
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支部に帰り菊野の老人達がカクロを甘やかして餌付けするというハプニングはあったがどうにか部屋まで辿り着く
「はぁ…お前少しは遠慮って言葉を知れ」
「ニャ?」
何のことでしょう?という感じで見てくるカクロ、てめぇ
流石に隊員達は帰っただろう、そう思い扉を開ける
「にゃんこ!」
「………エン…」
エンがこの部屋に住んでるの忘れてたぁ…
部屋の扉を開けた瞬間待ってましたと言わんばかりに寝っ転がってた状態から起き上がって俺の方に詰め寄ってきた
…エンは未だに能力が若干不安なのでここに住んでもらってるが…そろそろ部屋を用意した方がいいのだろうか…
「にゃんこがいるって!あまたが言ってた!」
「おう…好きなだけ可愛がってやれ…」
面倒になる前にカクロをエンにリリースして落ち着かせる
エンはカクロをキャッチするとモフモフと触り抱きしめて可愛がる…カクロも満更ではなさそう
「ん?あれエン、天田は何処だ?」
まだ夜の7時…この時間ならエンが寂しがらないように天田が部屋にいる時間だと思うのだが…
「あまたならそこ」
カクロと目を合わせてニコニコしてるエンが指す方向を向くと白くまるで灰のように真っ白になっている天田がうつ伏せになっていた
「…あぁ…柏崎さんっすか…おかえりっす…私もう眠いんで…おやすみっす…」
「お、おう…お疲れ様」
天田の目の前には山ほどの紙の束…天田をソファーまで運び毛布をかける
それからエンはカクロと遊び、俺は色々調べたりと時間を潰し就寝する
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「柏崎さん起きてっす!」
「ぐはっ!?」
腹に強い衝撃を感じ飛び起きる
「敵襲か!?」
「違うっすよ!早く!早くテレビ見るっす!」
寝ぼけてる俺の手を引っ張り誘導する天田、お前許さんからな
「これ!これ!」
「あぁん?お前これでロクでもないものだったら許さ…ない…」
テレビにはとある展示会の事が流れていた、それは宝石の展示会で
『それでは金郎さん、今回の目玉となる宝石があると?』
『えぇ、今回展示するものはとても素晴らしいものばかりで…』
恰幅のいい男が座りながらナレーターの質問に答えている、だが今はそれよりも
「…カクロ…?」
男の膝の上に乗っている猫…スカーフを巻いてるがカクロによく似ていて…少しだけ見えている爪が『輝いている』
「…柏崎さんこれって…」
「あぁ、この野郎…『わざと見せてる』」
誰に?ナレーターに?テレビの視聴者に?いや違う
『是非とも我が宝石店『金郎』が主催する展示会に大勢来てもらいたいですね』
と、黒猫を撫でる
「俺達『エイレーネーに』喧嘩売ってやがる」
カクロはテレビの前で黒猫を見て小さく鳴く
「カクロ、任せとけ…お前を絶対にあの黒猫に会わせてやる」
カクロの頭を撫で立ち上がり支部長室を目指す
「エイレーネーに喧嘩売ったのを後悔させてやる」
諸事情により後書きは無いです、遅れてすみません