宝石店『金郎』
その店は1代で全国に支店を置く程大成功をおさめた宝石店で特にやってる事は他の店とも変わらない…だが金郎で買った宝石には『不思議な力』が宿ってるらしく
宝石を買うと病気にならない、事故や事件で奇跡的に生き残った、宝石を触った重病の者が健康体になった
そんな噂がまことしやかに囁かれている
宝石店『金郎』 情報屋 上機嫌なタヌキ
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「こちら柏崎、展示会に侵入した」
目的地に到着して我らが頼りになるオペレーターに連絡を入れる
『はいはいっす…他の皆さんはどうっすかね』
『こちら矢本、異常なし』
『こちら雨森、少し注目されてます』
『こちら宮島、上腕二頭筋が震えてるぜ』
『はいはーい、こちら雨宮〜素敵な紳士が多くてこまっちゃうわ〜…』
『ふん、石ころに興味はない』
うーん、まず誰からツッコミ入れればいいんだ?
『雨森さん今何してるっすか?』
『私は今普通に展示会を見て回ってますが…』
『監視カメラから見たら中世の貴族みたいな服着てる馬鹿が見えるんっすけど?!』
まぁ金持ちっぽい服装しろとは言ったな
『はぁ…宮島さん上腕二頭筋って突然どうしたんすか』
『おう!ちょっといい感じのでっけぇ石があったから筋トレしてるんだ!』
『やっぱり馬鹿っすよね?!目立つなって言ってたでしょう?!』
まぁ作戦開始までは自由にしていいと言ったけどさ
『…雨宮さんは?』
『それが宝石見てたらプレゼントするって言ってくる紳士が多くて〜…』
『なんすか!?やっぱり世間は顔と体っすか?!しね!』
普通にメイクとオシャレな服着た雨宮って綺麗だもんな
『宮本さんは…別にいいっすね』
『私にも何か言わないのか!?気にならないのか!?』
『んじゃ一応聞きます』
『ふふ、よくぞ聞いた…石などに興味ない為私は素振りを…』
『はい柏崎隊長、全員揃ってるっすよー』
宮本減給な
「…しかし人が多いな」
「かなり有名らしいです、私はあまり興味ありませんでしたが」
展示会に潜入するにあたって出来うる限り不自然ではない風を装っていなければならない、ので矢本と俺はタッグを組み「背伸びして宝石を彼女に買おうとしてる彼氏」的な役で来ている…ふふ、俺にもとうとう春が来たか
『隊長』
「なんだ天田」
『背伸びして姉に買おうとしてる弟にも見えなくないっす』
「貴様ァ…」
相手はこちらを知ってる可能性もある為黒のカツラを被ってるのだが…
「黒髪だとそう見えるらしいですね、周囲から暖かい目で見られてます」
「てめぇら見てんじゃねぇ!」
暖かい目を向けてた人々を蹴散らし一息つく
「…流石は全国に支店を置く有名店、やる事する事が豪華だな」
宝石を見ながら食べれる出店型星付きレストランの料理に俺でも見た事ある様々な高級品…挙句の果てにはその場で加工して指輪やネックレスにするサービス…
「なんでもありかよ」
『まぁ展示会って言ってるっすけど目的は私達に対する宣戦布告っすから客には楽しんで欲しいって事じゃないっすかね?』
「………」
特に監視の目はない、誰かを探してる様子も今の所見当たらない…ん?
「天田、なんかロボット?あるんだが」
俺の目線の先にはゴテゴテに飾りを施された人型ロボット…?かなりでかくずんぐりむっくりだが…
『なんでも社長の金郎さんが大のロボット好きらしくこういったイベントでは必ず置いてるらしいっすよ』
「宝石でかなり豪華なロボットだな…動くのか?」
『中身は無いっぽいっす』
大人になっても子供の心を忘れないその精神は素晴らしいと思うよ、うん
「んじゃ天田、そのまま会場の調査と金郎って奴の居場所を探してくれ」
『りょーかいっす、皆さんは各々好きに動いてくださいっす』
そう言って天田との通信を切り周囲を見る、しかし凄い量の宝石の数々だな…俺でも知ってるのが普通にあるのが怖いな…庶民感が拭いきれない
「ニャッ!」
カクロが鞄の中から頭を出す、流石に姿をそのまま出すわけにもいかず古典的だ鞄に入ってもらった
…置いていこうとしたら死ぬほど噛まれて大変だったよ…
「それでは行きましょう?柏崎さん」
そう言って矢本が手を差し出してくる、とても気恥しい…女性と手を繋ぐとか義母と義妹しか無かったぞ…あ、超人に1人居た気がする、けどあいつはノーカンだな…うん
「お、おう…行こうか」
恐る恐る手をとる…くそ!全国のヘタレの皆…俺に力を…
その後、矢本が見てた宝石をカッコつけて買おうとして値段に殺されかけカクロが宝石を飲み込むというハプニングがあったが…警備の配置や監視カメラの位置は大体把握した
他の隊員も何やかんやあったがそれぞれ作戦開始位置を見つけたようだ
ただ1つ気になったのはあのゴテゴテに飾りを施された人型ロボットが人通りが多い場所に設置されてる事だ
『はいはーい、柏崎さん大体調べ終わったっすよー』
カクロが飲み込んだ宝石を吐き出させようと試行錯誤してたら天田から通信が入る
「早かったな、まだお昼回ったくらいだぞ」
『ま、私ができるのはこれだけっすからね…急ぐに決まってるじゃないっすか』
そう言う天田の声には寂しさを感じられた
「いや、お前はよくやってるよ…5年前からな」
『…と、とりあえず分かった事を伝えるっすよ!』
妙に早口になった天田、気になったが今は情報か
『まず会場の警備はそこまで多くはないっすね、スタッフは多いっすけど』
「警備が多くないって、宝石を扱うのにか?」
『理由は分からないっすけど実際会場の大きさの割に少ないんっすよ』
周囲を見る、確かにかなりの広さに対して警備員等が少ないように見える
「私服警備員がいるんじゃ?」
『かもしれないっすねー…まぁ警備員は一般会社から来たらしいっすから大丈夫でしょう』
そう言って天田は何かを取ってるのか声が聞こえず物音が小さく聞こえる
『あったあった、今ちょっと写真送るんすけど…』
そう言って矢本の携帯に通知が来る、矢本が携帯を操作して俺に見せてくるので覗き込む…それは地図だ、恐らく会場の地図で…監視カメラのマーク?か?が至る所に配置されている
「…?これがどうした?」
『よーく見て欲しいっす』
とりあえず矢本に携帯を借りて地図をじっくり見る
「何もない…いや…これは…」
「どうしたんですか?」
矢本が覗き込んでくるので見せながら天田に聞く
「…これは誘われてるな」
『そうっすよね、ある一定の場所だけ『監視カメラも警備もない』っすからね…』
地図をよく見ると監視カメラの見える範囲と警備の配置が『まったくない』道が存在する、それは関係者以外立ち入り禁止の場所まであり…
『宝石店金郎の社長はその周辺で監視カメラから見えなくなってるっす』
明らかな誘導…と言ってもおかしくない、完全に来いと言ってる様なもので
「天田、他にその立ち入り禁止の場所の中に行ける方法は?」
『それが会場にはその近くの入れる場所が…』
これは…
「罠ですか?」
「罠、だろうな…」
俺だったらまとめて潰す為にやるな…いつもなら逃げる、そんで後から攻めるが…今回はカクロの『親』がいる
いつもは人前には現れず攻めるとしたらかなり厳しい…だから今日しかチャンスがないと言っても間違いではない
「…ニャ?」
カクロが小さく鳴く、俺はその頭を軽く撫で
「…行くぞ、矢本と…室内戦だと雨宮だな、2人は俺についてこい、他の3人は会場で待機だ」
『了解』
『了解!』
『了解〜』
『ふん、せいぜい足を引っ張らないようにな』
「…さぁ」
俺は服の下に隠してるナイフを確認しつつその場所を目指す
「正義執行の時間だ」
どうも、寒い夜にコンクリートの上に座って完全に腰をやらかした私です
宝石って綺麗だけどあまり良さが分からないんですよね…いや綺麗なのが良さ…?んー、よく分からない()
では明日、また次の話で会いましょう