ファースト・オブ・バレット   作:パルバール

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第46話『カクロ』

 

 

あれから俺は敵の攻撃を避けナイフを切りつける…を数回繰り返していた、スリムなロボットの動き素早く力強いが動きがぎこちない

 

「おらっ!」

 

しゃがんで避けると同時にロボットの足に横蹴りし、転倒させそのままチャンスを無駄にしない為に接近してナイフを突き立てる…が少し刺さる程度でナイフは止まる

 

「やっぱり魔力を混ぜた装甲かっ!と」

 

危険を察知して顔を後ろに避ける、顔があった所に空気を切る音と高速に横切るロボットの拳

 

「動きが素人だ、金郎?あんたが動かしてるんだろ」

 

金郎の方を見ると悔しそうに握り拳を作っている姿が見える、恐らく自動にすると単純な動きしかできずに自分で操作する必要があったのだろう

 

「どんな強力な武器や装備でも使いこなせなければ意味は無いっ!」

 

言い終わる同時に背後に回っており背中から攻撃してくるロボットの蹴りを避け足を掴み、その下を通るように全体重をかけて回り

ロボットの足は外側に回り可動範囲以上を超えた為体ごと横向きに倒れ、俺は距離をとる

 

「さて、最後はあんただ金郎…大人しく捕まってもらおう」

「ふざけるな…私は貴様らのような非人道的な集団等に捕まるわけにはいかない」

 

そう言い金郎は壁を背にする

 

「あー…あのな、やっぱり勘違い…」

 

言いかけていた時、背後の気配が急激に近づいたのを感じた

咄嗟に倒れるように横に避けたが脇腹を少し切られてしまう

 

「なん…」

 

背後を見る、そこにはスリムなロボットが…『黒い刀』を手にして立っていた

 

「猫神様、お逃げください!この場は私が何とかします故!」

 

金郎がそう叫ぶ…猫神…?何故カクロの親…?が俺に攻撃してくる…?

 

『…我が子を返してもらおう、人の子よ』

「げっ、あんたもかよ」

 

こいつら…『誰かに騙されてる』

それも普通の話術ではなく『呪文』を使った…何故か?

 

こいつらの見える所にカクロがいるのに

『一切そちらに気づいてない』、何かしら反応してもいい筈なのに

 

「…案外近くにいたりしてな?」

『そうか、しかしその体に直接聞いた方が早いと私は思う』

 

そう言って刀を構える、殺意高いな…どんな嘘を刷り込まれたんだ?

 

『最後の警告だ人の子よ、我が子を返してもらおうか』

「嫌だね、今のあんたには任せられない」

『そうか…ならば後悔するがいい』

 

そう言うとスリムなロボットの体がブレ…俺のナイフの刃が宙を舞う

 

「…は?」

『今ので1度死んだ、次は貴様がこうなる番だ』

 

微かには見えた、だが避けるのは厳しい…

 

「簡単には殺られねぇよ…!」

 

俺は予備のナイフを取り出して猫神が憑依したロボットに白兵戦を仕掛ける

 

 

───────────────────

 

 

何が起きてるのかさっぱりだった、ただ自分は会いたかっただけなのに今目の前で起きてるのは助けてくれた人間と親が死闘をしてる事だった

 

何故こうなってしまったのか?

自分は見てる事しかできないのか?

どちらに助けを求めればいいのか?

 

助けてくれた恩人か、育ててくれた親か

 

分かるのは親は冷静ではないという事だった、そして今恩人が防戦を強いられている…自分は名をくれた恩人を救いたかった…だが…鉱山の神、猫神様…それは様々な金属を操る神

まだ未熟な自分は何もできない

 

ふと、近くに光の反射で輝く何かを見つける

それはナイフの刃だ…恩人の使っているナイフの刃が不思議な紫色のオーラを出しながらそこ場に留まってる

 

ふと、そのオーラが自分の方に伸びてきた

身構えるが敵意はないらしい、オーラがユラユラと揺れゆっくりと自分に当たる

 

すると様々な事が脳内に流れる、魔力の使い方から『変化』のやり方まで全てを

 

『全てを知り己の力を最大限に活かせ…小さな神よ』

 

そして目の前には小さな金属の破片…ナイフの破片だ

自分…『カクロ』は破片を飲み込み…

 

 

─────────────────────

 

 

「あっぶね!」

 

全力で回避して刀を避ける、だが次の攻撃がすぐきて反撃すら出来ずにいる…何気にスピード、パワー、装甲の硬さが数段に上がってるのが辛い

 

「…ん?」

 

回避してる時にとある事に気づいた、それは刀の柄の部分…何か巻かれている

よくよく見るとそれはスカーフ…それもテレビで見た時と同じやつだ…という事は

 

「あれさえ…どうにかすれば!」

 

だが現状を打破する手段はない…だから

 

「こうするしかないっ!」

 

刀を避け、一気にロボット…猫神に近づく

が、読まれてたらしく刀を突き出され腹部に深々く刺さり貫通する

 

「ぐっ…だがこれで」

 

刺された…だがそのまま前進して近づきナイフを振り上げ…激痛がする、腕を見ると手とナイフの柄が仲良く黒い細い刀に貫かれていた

背後を見ると背中から生えてる刀身から伸びておりそれが後ろから刺したと…

 

「なんでも…ありかよ…」

 

根元まで来てるのでスカーフまでゼロ距離に等しい筈なのに届かない

俺の手を貫いていた細い刀は抜かれナイフはバラバラにされる

 

『何か言い残す事は?』

 

猫神がそんなことを尋ねてくる

 

「はっ…慈悲深いな、敵に遺言聞くとか」

『久々に歯ごたえがあったのでな、聞いといてやろう』

 

そりゃそうかい…ん?

俺の視界の端に何かが映る、あぁ…血流しすぎて考えられねぇ…だが何をしたいかは分かった…賭けだなこりゃ…

 

「そうだな…んじゃ…」

 

と、腕を持ち上げ親指を喉に添える

 

「反省しろ騙されやすい神様よっ!」

 

と、思いっきりロボットの体を蹴り飛ばし距離を作る

その過程で突き刺さった刀が抜かれたが今はそんなの気にする暇はない

 

『なっ…!?』

 

俺の行動が理解できなかったのか困惑する猫神…てかやっぱり元は猫だから驚いたりはするのね…

 

俺は走り…飛んでくる『ナイフ』を掴む、それは刃から柄まで黒く魔力を帯びており俺のナイフに瓜二つで…

 

「いくぞ『カクロ』」

『ニャ!』

 

力が湧くような感覚と自分の体とは思えない程身体が軽い

その変わり何かが抜けていくような感覚がするが今は気にしないでおこう

 

「そらよっ!」

 

立ち上がり刀を振るう猫神の攻撃をナイフで弾きそのまま懐まで接近し、柄をロボットの手ごと切り裂く

 

『ぁ…ぁ…すまぬ…』

 

そう言ってロボットは倒れ、その隣に黒猫が横たわっていた

スカーフは真っ二つに切られており効力がなくなったように模様は無くなりシンプルな黒一色のスカーフになる

 

「…ありがとうな、カクロ」

 

何があったか知らないが手助けをしてくれた子猫にお礼を言い…俺はとある方向を向く

 

「うぅ…頭が痛い…ここは…何処だ?何故私はここに…?」

 

と、頭を抱えてる金郎

 

「よぉ金郎さんよぉ?俺の事覚えてる?」

「…誰だ君は?」

「ほぉほぉほぉ!」

 

恐らくスカーフを破壊したおかげで金郎にかけられていた呪文が消えたのだろう…んなの知るかぁ!

 

「…んじゃ思い出すまでショック治療だ」

「な、待て…何故凶器の柄をこちらに向けてる?ショック治療…まさか!」

「記憶が掘り出されるまで殴るんだよぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

そして俺は金郎をグーで殴り続けた、カクロで殴るのは可哀想なので(カクロが)

 

その後他の連中がやって来て、俺は気絶するように眠る…

 

 

────────────────────

 

神の子『カクロ』

 

記憶状況

・ナイフ

・無し

・無し

 

〈身体強化〉

使用者の魔力を消費して身体能力を数倍に上げる

しかし未熟な為燃費が悪い




どうも、私かもしれないし私じゃないかもしれない私です

今日の話にて、猫神の話は終了!明日は後日談です

では明日、また次の話で会いましょう
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