ファースト・オブ・バレット   作:パルバール

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第48話『地獄への片道切符』

とある屋敷内の一室、そこには葉巻を咥え窓の外を眺める男…岡薗龍

岡薗組の組長にしてエイレーネーの傘下に入り街で大成功を果たした男であり若き頃は敵対事務所を1人で壊滅させたと噂されている

 

そんな男、実は少々困っていた…それは

 

「龍さん!この前病院に入院させたって奴は何処だ?あいつらはそんな悪い奴らじゃない、俺がやれば頼りになる構成員になる!」

 

龍の部屋に入るなりノシノシと龍の机まで近づいて机を両手で叩く、ひとつため息をしてどうしたものかと考えにふける

この部屋に入ってきた男は岡薗誠、幼い頃に龍が拾い育て上げた青年だが…正義感が強く、殺す事を何とも思わず…むしろ快感にすら感じるような人物ですら「更生できる」と思っている

1度狂気に陥ってしまったら最後、戻る事は容易ではない

 

「…誠、てめぇはまだ何も分かっちゃいねぇよ…明日は学校だろう?さっさと寝ろ」

「…くそ」

 

流石に育て親のような存在の龍に強く出れないのか大人しく従う誠

 

「…諦めねぇからな」

 

そう、捨て台詞を言い部屋を出ていく

龍はまた深くため息をしてどうしたものかと外を眺め葉巻を吸う

 

──────────────────────

 

 

夏だ!海だ!仕事だー!!!!

その場任せのテンションで職場に来た俺は勢い任せに扉を開ける、中は普通に仕事をしてる矢本と雨森、化粧をしてる雨宮に屍Aと屍B、カクロは俺の席の上で丸まっておりいつもの風景だ

 

「おはようございます柏崎さん」

「おう、おはよう矢本…ん?」

 

視線を矢本の後ろに向けるとエンが『恋とサスペンス!〜そして突然の死〜外伝』を読んでいた、よく見たらタヌキの出したのだった…後で燃やしとこう

 

「今日は行かなくていいのか?エン」

「あ、かしわざき…すごうが今日は学校行かないといけないって」

「学校…あぁ、そろそろ夏休みだからか」

 

超人達はまだ学生の身分だが実は学校に通う必要はほぼほぼないのだ、ただ出席日数はかなり少なくなってるが一定数は学校に行かないといけない、だから今日は学校に行ってるのだろう

 

「学校かぁ…」

「柏崎さんは学生時代どんな風だったのですか?」

「俺か?俺は…教室の扉破壊したり窓ガラス割ったり…」

「…かしわざき、不良さん…?」

「違う!ちょっと友人達と騒いでたら勝手に壊れたんだ」

 

あるあるだよな!そうだよな!…そうだ

 

「学校と言えば…宮本はちゃんと行ってる?」

「はい、1度ここに顔を出しに来ましたが」

「良かった良かった」

 

超人達がエイレーネーの…まぁ遊撃隊?的な立ち位置になった為、彼らが通う学校にエイレーネーの隊員を1人配置する必要性があり…第1部隊の刀狂いであり現役高校生、宮本亜美に白羽の矢が立った

彼女を超人達の通う学校に入学させ報告や万が一のために護衛として入学してもらったが…

ぶっちゃけると超人達があんまり学校に行かない為宮本も学校に行かずちょっとなんというかボッチなんじゃないか疑惑が…

 

「…心配だ」

「宮本さんは別に1人でも大丈夫かと…」

「おバカ!おバカだよ矢本!このご時世でボッチは死より辛いんだぞ!某SNSで色々言われちゃう時代だ!俺心配で飯すら喉に通らねぇ…」

「柏崎さん…流石です、隊員の事をそこまで思ってくれるなんて…」

 

矢本が尊敬の目で俺を見てくる、よしよし…

 

「んじゃ俺心配で仕方ないから見てくるからな!」

 

全力でUターンして部屋を出ようとした瞬間、殺気を感じ回避行動をした瞬間俺の顔があった場所に空気を切る音とごつい拳が出現、当たってたら粉々だな…

 

「隊長よぉ…根性足りねぇんじゃないか…?」

「な、なんの事だ宮島隊員、隊長に分かるように答えろ」

「オレ、オマエ、ニガサナイ」

「分かりやすいが断る!」

 

扉のドアノブを掴捻る…が、扉は開かない

 

「なん…!?」

「ふ、ふふふ…はは…」

 

驚愕してると背後から笑い声が…後ろを振り向くと手にはなんかスイッチを持った天田が…

 

「鍵はかけさせてもらったっすよ…さぁ…隊長も仕事をしましょう?」

「い、いや、嫌だっ!」

 

その後第1部隊の部屋は半壊になったとか、ならなかったとか

カクロは今日も平和だと思った、まる

 

──────────────────────

 

雲ひとつない晴天の朝、慣れない制服を身に纏い鞘袋に日本刀を入れ街中を歩く1人の女子高生

宮本亜美は街1番の規模の国立高校『日月学園』

様々な最先端技術を導入しやる気が出る学び舎として街の名所の1つだったりする

 

校門を通り靴箱で履き替え教室を目指す

その道中の自販機で缶コーヒーを一気飲みしてる人影が、一気飲みをしてる女子生徒は銀髪に活発そうな雰囲気を感じある意味一気飲みが様になっている

 

「ぷはー!うん、不味い!」

 

そう言って缶をゴミ箱に投げ入れこちらに振り向く

 

「あ!宮本ー!」

「…(見つかってしまったか…)」

 

関わりたくないがとんでもない瞬発力で距離を詰めてきて目の前で急ブレーキして笑顔を向けてくる

 

「おはよう!今日も清々しい朝だね!」

「…ふん、私は今とても不愉快になったがな」

「???ボク何か気に障ること言っちゃった?」

 

と、不思議そうに考え込む…超人、涼風緋彩は普段はパーカーを身につけてるが今は学生らしい制服を見に纏っており大人しくしてればさぞモテるだろう

 

「まぁいいや!いこ!」

「なっ!こら引っ張るな!」

 

緋彩は宮本の手を引っ張り教室を目指す

 

「それにしても本当にビックリしたよー、まさか宮本がボク達と同じクラスに転校してくるなんてさ」

 

ちゃんと説明した筈なのに偶然だと思ってる緋彩、他の超人達はあえて言わずいつ気づくか検証してるが気づく可能性が無いことを青葉が導き出した為未だに偶然という事に

 

2人が教室に入るとクラスメイト達がおり入ってきた2人に挨拶をする、そしてその風景に一番合いそうにない男が腕組をしながら眠っている

 

「雅弘起きろー!」

 

緋彩が須郷雅弘を蹴る、洒落にならない轟音が響くがクラスメイト達は慣れたのか誰も何も言わず雑談を続ける

 

「ん、おう…起きてる、起きてる」

 

兎の仮面を付けてる為表情は見えないが起きたらしい

 

「ねぇねぇ雅弘、翔太郎は?」

「あん?翔太郎ならそこに…いねぇな」

 

自分の目の前の席を指したがそこには誰も居らず椅子だけが引かれた状態だった

 

「あぁ…翔太郎起きろー!」

 

と、蹴りを放つ瞬間椅子が突然ひとりでに動き出し倒れる

 

「緋彩、流石にお前の蹴りは洒落にならない」

 

そう言って焦った顔の道化翔太郎の姿が現れる

 

「なんで男2人寝てるのさ」

「寝みぃからに決まってんだろ」

「そうだな、ちょっと依頼が長引いて眠れなかったんだ」

 

雑談を始める超人達を横目に宮本は自分の席に座る…ちなみに席は

 

□□□

□□□

□□□

 

こうだとすると

 

□□□

翔□青

雅宮緋

 

翔→翔太郎

青→青葉

雅→雅弘

宮→宮本

緋→緋彩

 

となっている、つまり

 

「…(やはり囲まれてる)」

 

守る筈が位置的に逆に守られているのだ

 

そんな事を考えてると教室の扉が開き教室は静まり返る

入ってきたのは短髪の黒髪の青年…

 

「(岡薗だ…)」

「(最近いい噂聞かないよねー…)」

「(なんで学校来てんだよ)」

 

岡薗誠にそんな話し声が聞こえてくる、ヤクザの所にいるというだけで集団は異物を拒み隔離しようとする

 

「…何見てんだよ」

 

その声に怯えクラスメイト達は道を開ける、誠はその間を通り自分の席に着く

 

「…ふん、岡薗…か」

「岡薗って言えば確かうちの所のだったよね?」

「確かな…俺達にゃあんま関係はねぇがな…」

「友達いなさそうだなー」

「翔太郎煽んないの」

 

そう囁き合う宮本と超人達、そしてその視線に気づいた誠は席を立ち上がり宮本達の前に立つ

 

「…何見てやがんだ?」

「誰もお前の事は見てねぇよ」

 

誠の問いに答える翔太郎、だがその答えが気に入らなかったのか近くの机を蹴る

 

「…やるってんなら相手になるぜ」

 

立ち上がり威圧する雅弘にたじろぐ誠、だが引くに引けなくなったのか握り拳を作り…

 

「やめてください!私のために争わないで!」

 

と、棒読みのセリフと共に2人の間に入ってきたのはピンク色の髪を揺らしながらペンと手帳を2人の顔に突きつけている女子生徒…長内青葉、いつも制服の為新鮮味はない

 

「お二人が争う必要性はなく、そしてまだ続けると言うのなら私は奥の手を使わざる負えなくなってしまいます」

「奥の手…?」

 

誠は思わず聞き返す

 

「そう…私の赤裸々な情報をここで音読します!」

「なっ!?………ん?、」

 

勢いに一瞬驚くが困惑顔になる誠、そして呆れる宮本と超人達+α

 

「もしくは光さんのお兄さんをバラします」

「なんで私なのー?!」

 

青葉が後ろにいる黒髪ポニーテールの女子生徒に矛先を向ける、ちょっとほんわかしており矛先を向けられ涙目になっている

 

「あ、誠さん泣かせましたねー最低ですねー」

「いや俺何もしてないよな!?」

「私は止めたのに…誠さんが無理やり…」

「誤解招く事言うんじゃねぇ!」

 

嘘泣きする青葉と目に涙をためてる光の前に誠はたじろぐ

 

「罪悪感があるなら仲直りしましょう!はい雅弘さんと誠は握手」

 

と、嘘泣きをやめて雅弘と誠の手をとる青葉

 

「うっ…でもよ…」

「でももへちまもないですよ?それともまだ続けます?」

「…すまねぇ」

「いいってことよ、青葉に巻き込まれて災難だったな」

 

誠は謝った後自分の席に戻り青葉は満足げな顔になる

 

「柏崎ー、ちょっと来てくれー」

「あ、はーい!青葉ちゃんまたね!」

 

と、光は先生に呼ばれ教室から出ていき朝の喧騒は終わる

 

──────────────────────

 

またやってしまった、そんな事を思いながら帰路を辿ってる1人の男…岡薗誠は後悔していた

 

「…俺はただ…ヒーローに…」

 

ただ誰かを助けられるヒーローになりたかった、超人達のようになりたかった…だが現実はそう甘くなくヤクザという肩書きのせいで馴染めず、超人達とも亀裂が入り…どんどん自分の理想ともかけ離れ…そして龍達は何かを隠している

 

「…どうすりゃ…」

 

どうすればいいのか、そんなのは何度も考えた…だが答えは出ずに今に至る

 

「…俺はどうすりゃいいんだ」

 

夕日が照らす道、誰かが返す筈もない問い…だが

 

「簡単な話だ、君は何がなんでもヒーローになるんだよ」

 

問いは返され答えを目の前に出してくる

 

「だ、誰だ?」

 

振り向くとそこには茶髪に高身長な男がローブを身に纏っており…

 

「初めまして岡薗誠くん、僕はAさん…しがない教祖さ」

 

悪魔の囁きが誠を地獄の道に誘う




どうも、寒さに喉をやられた私です

今回の話は初の学校の描写がありましたが、しばらくは軽く程度で今後の出番は少ないです
あ、いやかなりあるかも(どっちだよ)

では明日、また次の話で会いましょう
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