ファースト・オブ・バレット   作:パルバール

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第49話『狂っているのは街か人か』

そろそろ蝉が長年の眠りから起きてやかましい音を鳴らす時期に入りそうなこの頃、いかがお過ごしだろうか

俺は今日も今日とて仕事…ではなーい!今日は有給もらってとある場所に来ていた、 とあるビルに入り受付の人にアポイントはあると伝え上を目指す

 

ちなみに入る過程でカクロはナイフになってもらい隠しといたのでエレベーターに乗った時に取り出しとく、息苦しかったのか軽く溜息を吐いて俺の頭の上に登って一息つく

もう面倒なのでそのままにする、エレベーターは最上階に着いてゆっくりとその重い扉を開く

俺はエレベーターから降り廊下を歩く、外はガラス張りで外の景色がよく見え遠くに薄らと今まで戦った場所が見える

 

そして廊下を進みとある扉の前で立ち止まる、至る所に宝石が散りばめられた無駄に豪華な扉だ…いらんだろ

俺は軽くノックをした

 

しかし返事はない

 

俺はノックを5回行う

 

しかし返事はない

 

俺はノックを連続で行う

 

返事がない、ただの屍のようだ

 

「いや早く気づけやオラー!」

 

しびれを切らして俺は豪華な扉にドロップキック攻撃をして中に突入する

 

「あああああ!!!この前直したばかりなのに!!!」

「うるせぇ!ならもっと早く俺のノックに気づくんだな!」

 

まぁ壊すけど

部屋の中はかなり広く垂れ幕と金庫が置いてあり…

吹き飛んだ扉の前で膝をついている男、金田金郎

錬金術師にして宝石店金郎を1代で大企業まで育て上げた男が大事そうに扉を壁に立てているのを見ると罪悪感を感じなくはない

 

「はぁ…それで何ですか突然本当に私に対する精神攻撃ですか?」

「よく分かってるじゃないか」

「…ブチ切れますよ?この歳なのに脇目を振らず人の目気にせず」

 

それは…ちょっと…

 

「…すみません」

「分かればいいんです、まぁ用事は大体分かりますが…例の件ですよね?完成してますよ」

「…早いな」

「この道30年くらいですから」

 

と、金郎は頑丈そうな金庫の前に行き手を当てる

すると模様が浮き上がりガチャ…とロックの外れる音

 

「魔力を流して開閉するのか」

「まぁ調整が難しいので頻繁には使わないですけどね」

 

そう言いながら1つの小さな袋を取り出し渡してくる、中には小さな感触があり目的の物だというのが分かる

 

「…本当に大丈夫なのか?これ」

「まぁ私も作るのは初めてじゃないですし簡単ではないですが安全は保証いたしましょう」

 

俺が金郎に頼んだ物…それは『魔力貯蔵庫』だ

カクロを使うのはいいんだが如何せん俺の魔力がそこまで多くはない

常人が0とすると俺は10段階の3くらいだと思う…金郎は7とか8とか

別に魔術師にも魔法使いにもなりたいわけではないのでいいんだがカクロの恩恵『身体強化』はかなり強力だった

切り札くらいには持っておきたい物の一つだったので今回金郎に頼み作ってもらった

 

「…んで、代金の方なんだが…」

「私今お金は困ってないのですよね」

 

宝石店金郎の社長、金郎は大金持ちである…ので代金ではなくお願いを一つ聞けという条件を出てきた、まぁ無理難題ならカクロの錆が増えるだけだ…カクロ錆ないけど

 

「…それで一体どんな難題をふっかける気だ?」

「ふふふふ…それは…」

 

と、金郎は…ずっと気になってた垂れ幕に向かっていく

突然カクロがだらけてたのに起き上がり興味津々に垂れ幕の向こうを覗くように前のめりになる

 

「これです!」

 

勢いよく垂れ幕を剥がしその向こう側に置いてあるのが見える

 

「こ、これは…」

「ふふふ…これぞカクロ様専用人体!合法ログファ?!?」

「てめぇはこんなの作る暇あったら普通のロボット作れよ!」

金郎に腹パンをキメる

垂れ幕の向こうにあったのは一糸まとわぬ姿の少女だった

無駄に作り込んでおり肌のツヤ加減から髪のサラサラ加減まで…趣味は好きにしてもいいと思うが…その…作り込みすぎだって

とりあえず近くに落ちてる垂れ幕を体に纏わせ頭だけ出せるようにしてたらカクロが頭の上から降りてキラキラした目でロボットを見ていた…気に入ったのね

 

「ふ、ふふふ…柏崎様が否定してもご本人が気に入ったのならどうしようもできないでしょう…?」

「突然の様付け!?」

 

怖っ!何考えてるか分かんねぇ!…てか

 

「多分カクロは俺に少し似てるから喜んでるんじゃないだろうか…」

 

このロボット…金髪で顔が少し似てる…いや、マヨイに似てるな…金郎もしかしてマヨイと知り合いなの?

 

「まぁこれは未完成ですが、完成したら猫神様のように入り込み操る事が可能です」

「操る…」

「聞いた話ですが猫神様とお戦いになったでしょう?あれは猫神様が私が作ったロボットに入り込み操作を行ってたのですよ」

 

確かあの時黒い刀を見たが…なるほど、つまり金属を操る事ができるから操れると…まぁ多少は快適にしてるのだろう

金郎の事だし

 

「ん?けどあと何が未完成なんだ?」

 

見た限り普通に動いたら人間と見間違えそうだが…

 

「ふふふ…実はまだ私の技量では肝心な馴染みやすさを追求するのが難しくてですね…機械など開発の専門家がいればいいんですが…」

 

どうやら趣味の範囲でやってる為全部を理解してるわけではないらしい…ん?開発の専門家…

 

「うちの開発部長はかなりの腕前だぞ、田村さんって言うんだが…」

「田村!?」

 

金郎がすごい勢いで迫ってくる、やめろ!むさ苦しいおっさんに詰め寄られても嬉しくもなんともない!

 

「あああ…あの田村清彦様ですか!」

「どの田村さんか知らないが清彦は田村さんだ」

「あぁ…知らないとは…田村清彦といえばあの某ロボットの1/2スケール…しかも完全操縦で戦えるロボットを開発した!…あぁ私があと数十年若ければ弟子入りを申し込みましたよ…」

 

なんな田村さん凄い人だった、確かに無理難題も簡単に答えてくれたけど…

 

「ま、次会ったら紹介しとくよ」

「ありがたい限りです、はぁー…楽しみ」

 

その後俺は金郎と雑談をして家に帰る事にした

 

 

──────────────────────

 

 

葉巻の煙が揺らぐ、岡薗龍は後ろを振り向かず問う

 

「…誠、てめぇ何のつもりだ?」

 

龍の背後、入口側から入り龍に向けて拳銃を向ける1人の青年…岡薗誠

 

「龍さん…俺は全部知ったぜ…この前の病院送りにした奴らの最後を、今まで俺が助けようとしてた奴らがどうなったか」

「………」

「…エイレーネーって所と手を組んで悪巧みしてたって事を」

 

いつでも撃てる状態の拳銃、そして誠から感じる真剣な声

 

「…誠、てめぇはまだ分かっちゃいねぇよ…やる時は覚悟決めて死ぬ気でやりやがらんかぁ!」

 

左脇の下から右腕を通し、リボルバーを誠に発砲する

驚きトリガーを引いた誠の弾は龍の腹部に当たり、龍の弾は誠の頬をかする程度で扉に弾丸がめり込んでいた

 

「ぐっ…誠、てめぇが…染まるのは…早い…」

 

そう言い机の裏に付いている隠しボタンを押す、すると龍がいた場所の床が開き龍の体は穴に吸い込まれるように消えていく

 

「龍さん…いつの間にこんなものを…」

 

誠は震える手を抑えやがら言う、これでいい

 

「組長!どうしやした!」

「誠ぼっちゃん!組長は!?」

 

銃声を聞きつけ屋敷にいた構成員達が部屋にやって来る

 

「…お前ら準備しろ」

「は…?」

「…龍さんは『エイレーネー』の奴らに襲われ連れ去られた」

「な、なんですって?!」

 

ここで長年いる構成員ならデタラメだと言えた、だが屋敷にいるのは若い構成員が多い、全部誠によって構成員になったどうしようもない者達だ

 

「…これでいい」

 

この日の深夜、街にて任務を遂行していた支援部隊が襲撃されるという事件が発生し街は狂い始める




どうも、寒さで腰を痛めた私です、寒い…

今回は話の始まりにすぎず、ここから狂い悩み何が正しいのか分からないようになる…かもしれません、多分恐らく私の事ですからそんな事にならないでしょう(適当)

では明日、また次の話で会いましょう
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