人助けをするのは自己満足か?いや、誰かの為にするのにそんな細かい事は気にしてられない
何が人を救いどうすれば人々が安全に過ごせるのか…その答えを導き出すのがこれほどまで簡単に思えるのは何故だろうか
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「んで?今日は銀行強盗を捕まえて?さらに窃盗犯も捕まえたと、ただのヒーローじゃないか」
「いや、そんな簡単に済まされる事じゃないっすって」
俺はナイフの手入れをしてるのに無理やり視界に入ってくる天田、ツインテールをビシバシ俺の顔にぶつけてくる為かなり集中力が削れていく、そしてカクロ…お前ナイフを睨んで威嚇するな…これ俺の趣味…
「私らの部隊が襲われたんすよ!このまま放置するのは良くないっす!」
「確かにそうなんだが…今は無理だ、『岡薗組』は大衆のヒーローになっちまったんだから」
そう、岡薗組…いつの間にか誠が組長となっておりまず行ったのはエイレーネーの支援部隊の襲撃…重傷だが命に問題はなく狙いが何なのか見極める為に支部長が怒り狂う支援部署、人事部署にストップをした、がそれがこうなってしまった決め手だったとも言える
岡薗組は支援部隊を襲撃した後、まずコンビニ強盗を捕まえ窃盗、凶悪犯、挙句の果てには人身売買と怪しい粉を取引してた組織すら壊滅させ…またボランティアや慈悲活動もしていた
なんて『良い奴ら』なんだ、『彼らは完璧なヒーロー』だ
俺もエイレーネーなんて辞めてアイツらの組に入れてもらおうかなー
「んじゃ、俺出掛けてくるから」
「え?ちょっ、柏崎さん!?今から支部長室で会議で…」
そんな天田の声を俺は無視して街を目指す…カクロは何故か付いて来てくれなかった何故だろうか?まぁいいか…あぁ…なんていい朝なんだ…こんな日は誰かの為に…
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まるで水中から水面に浮かび上がるような感覚がして俺は目を開ける
「…ん?ぁ?ここは何処だ?」
俺はいつの間にか大量のゴミによって体を拘束されていた、そして酒臭いこの部屋…何処かで…
「や、やっと捕まったねー…柏崎君」
「…?タヌキ?」
声がした方を向くと全身傷と血だらけのタヌキが壁に寄りかかって肩で息をしていた
「な、お前どうしたんだその傷!」
「何も覚えてないのかー…君は魔術の効果で僕を襲撃しに来たんだよ?」
「俺がお前を…?」
何を言ってるかさっぱりだった、確かにタヌキは情報屋という職業上知ってはならない情報も持っており狙われる事もあるらしいが…俺が狙う理由がない、というか記憶がない…
「…俺は…何をしてた?」
「突然ここに来てねー、柏崎君だったから普通に玄関の扉を開けたけどそれが失敗だったねー…第一声がおはようじゃなく『悪は滅ぼせ』だったよー」
悪…悪?俺がタヌキを?
「その後はどうにか抵抗したけど柏崎君を捕まえるにはちょっとタヌキさんでは難しくてねー、無理やり隙を作って捕まえれたけどこのザマなのさー…」
…話だけ聞くと俺はどうやらタヌキを『悪』と認識して攻撃を仕掛け、どうにかタヌキに止めてもらった感じか…
「なんか…迷惑かけたな」
「いいよー、これで貸し1つねー」
「まったく…んじゃとりあえず治療するから、これどうにかしてくれ」
俺の体を拘束してるゴミの山を見る
「あ、はいはーい」
タヌキは右腕をゴミの山に向け
『酷使せよ、万物の兵士』
そう唱え右腕を横に振るとゴミの山は人の形になり壁際まで移動してゴミの山となる
「…しかしゴミが兵士なのどうなのかと思うんだが」
「しょうがないでしょー、私の操れるのこれくらいなんだからさー」
タヌキは情報屋であり『魔術師』でもある、ただ本人が言うにはかなり弱い魔術しか使えない低位の魔術師らしいが
俺はタヌキの傷に治療を施す、ただ治療の訓練はしたはしたが矢本に丸投げしてたのでそこまで上手くない為悪戦苦闘した…
「柏崎君へたっぴー」
「うるせぇ、俺は治療は苦手なんだ」
どうにか治療を終える、だがまだ完全ではないので後ほどうちの医療部署に任せるしかない
「…タヌキ」
「なんだーい?柏崎君?」
「…お前の知ってる事を教えてくれ」
タヌキはこの現象について何かを知ってるかもしれない、知らないとしても何かしら手掛かりが欲しかった
「うーん…まぁ今回は緊急事態だから情報料はとらないであげようー!」
「これでとってたら俺はお前をタヌキ鍋の材料にしたからな?」
「あ、ははははソンナワケナイジャナイカ…」
ちょっと最後怪しかったがタヌキから情報を聞く
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まず分かったことは以下の事だった
・この街にいる住人の大多数が『良い事』をしている
・その良い事は様々だが大体はゴミ拾いやボランティア
・だが1部いじめや嫌がらせをしていた者が『殺されていた』
・この事を街の人々は『良い事』とした
・一定数この事に対して否定的な言葉を言っている者もいるが数は少ない
…こう情報だけ見るとおかしな事だらけだな
「君のところはどうだったかなー?ちなみにタヌキさんの組織はボスを除いて大体が『狂ってた』よー」
『狂ってた』…というのは『良い事』をしてたという事か…内容は聞かなくてもいいだろう
「…エイレーネーは…どうだったろう?俺は多分『狂ってた』1人だったからな…」
「んー、一見普通だったもんねー」
実際どうなったのか、街の様子は分からない
「…タヌキ、お前ちょっと今暇?」
「タヌキさんは暇だー」
「そうか…ちょっと大通りまで行かない?」
「了承ー、流石にこれは解決してくれないとうちの組織崩壊するからねー」
今現在もネットに情報屋の情報が流れ続けている、今はそこまで重要そうな情報は流れてないが…
「うちの事やそっちの重要情報が流れるのも時間の問題かもしれないな」
「それは困るねー、私達どれだけ恨まれてると思ってるのかなー?」
「ま、岡薗組どうにかすりゃいい、今回の敵は岡薗組だしな」
そう言い合いながら俺とタヌキは扉を開け外に出る
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………………あいつを見つけなければならない……………
情報屋が言うにはエイレーネーの奴らの場所は誰も掴めてはない、1人だけいるが居場所はボスしか知らないらしい
あのチビを見つけなけれならない、エイレーネーを潰せば『平和が』
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「…タヌキさんやタヌキさんや」
「なんだい柏崎君〜」
「あー…もっと違う服なかった?」
「…タヌキさんの私服はこれなのだー」
今俺は変装の為に黒のカツラを付けて、タヌキは何故か
魔女っ子服を着ていた…何してんの?
「…まぁ今はそれはいいんだけど何故魔女っ子?」
ちょっとサイズ合ってなくてそっち系の人に見えるから目のやり場に困る…
「…ボスの趣味〜…」
「あぁ…お互い無能が組織の上にいると苦労するな」
さて、ここまで普通に雑談してて気づいた事
俺達はタクシーでここまで来たんだが…
『着きましたよお客さん』
『はい、いくらですか?』
『あぁいいよいいよ、今までちょっと他のお客さんにもね冷たい対応しちゃってたから君達のお代はいらないよ』
『ん?けど商売だろ?』
『いいんだいいんだ、今までの罪滅ぼしだよ』
なんとタクシーのお代払わずここまで来れたのだ、いやぁいい事をしてるとこういう事もあるのか
…なわけがない、異様過ぎる
「あー、なんというか皆誰かの為に何かしようと必死だねー」
タヌキが見てる方を見ると恐らくこの状況を不思議に思っていた旅行客に町人が大人数で押し掛け道案内、代金を肩代わり、名所を教え赤ん坊を代わりにあやして豪華な旅館の予約をしてあげる
まったくの赤の他人、知らない人に親切をする町人達
旅行客は不気味がり怖がり走って逃げていってしまう、普通…これを普通というのは違うと思うが普通ならここで終わり…だが
町人はそれを追いかけて『良い事』をしようとする
まるで『罪滅ぼし』のように
「…なんだこれ」
「さぁ〜、でも分かるのは皆何かの為に必死になって『良い事』をしようとしてるねー」
これが良い事?俺には他人の迷惑を考えずに自己満足を満たそうとしてる人らにしか見えなかったが…
「…エイレーネー支部に戻る、タヌキも来てくれ」
「ん、いいのかい?何か情報を取っちゃうかもよ〜?」
「勝手にしろ、今はそんな事気にしてる場合じゃない」
口を手で隠してにやけ顔をするタヌキを無視して支部を目指す
「あぁー!ちょっと待ってよー!せめて服屋に寄らせて!このままじゃ恥ずかしい〜!」
「ならもっとまともな服を着てこいよ!」
「これ以外は水着だったのー!」
何故水着しかない…タヌキを話しながら街中を歩く、だがもう少し警戒すれば良かった…ここ最近…少しぬるま湯に浸かり過ぎた
『…あいつが悪だ』
そんな声が聞こえた、咄嗟に声の方を向くと…
「…岡薗誠?」
件の岡薗組、自称『現組長』の岡薗誠は俺達に…いや俺に指を向けてくる
一瞬街の時が止まったのかと思った、街の人々はゆっくりと『俺達を見てくる』
「やばい!」
俺はタヌキの手を引き走り出す、タヌキも異常性を感じ取り走り出すが周囲の行動も早かった
『『『『悪は滅ぼせ』』』』
敵は岡薗組だけではない敵は『街全体』だった
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民衆に、紛れた一人の男、男は笑い
「さぁ、ゲームの始まりだ…柏崎くん」
そう言って人混みに紛れるように消えていく
どうも、久しぶりに早め投稿私です
昨日はお休みしたので体調回復!もう大丈夫です!
あ、あと明日はハロウィンという事で本筋は一旦置いといてハロウィン回を投稿します(ほんぺは明後日です)
では明日、また次の話しで会いましょう