ファースト・オブ・バレット   作:パルバール

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ハロウィン企画!『エンの大冒険(1)』

ハロウィン、それは現代だと人が怖いお化け等に仮装して他の人にトリックオアトリート…お菓子くれなきゃイタズラしちゃうぞ、という脅しをかけ…え?脅しじゃない?脅しだろ

 

とにかく、そんなイベントを知った一人の少女のお話である

 

───────────────────────

 

服を身に纏い、ちょっとオシャレをして準備万端!と意気込む一人の少女…エン、彼女は超人達が集まるハロウィンパーティーに誘われ仮装して行く事になったのだ

 

「うーん…何か足りない…」

 

鏡の前でくるっと一回転する、魔女っ子服の装飾がヒラヒラと揺れて可愛らしいが彼女には何かが足りないらしい

 

「うーん…あ、そうだ!」

 

部屋を走りとある机の前に行く、机の上にはナイフや写真立てなどの小物…そして1匹の子猫が丸まって寝ていた

 

「カクロ!一緒に来て!」

「にゅ?」

 

寝惚け気味のカクロの体を無理やり持ち上げ抱き上げるエン、時計を見ると午後の4時…まだ時間はある

 

「トリックオアトリート!」

 

エンは期待に胸を膨らませてまずは1人目の場所を目指す為に移動を開始する

 

──────────────────────

 

ピンポーン、ピンポーン、ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン

 

 

「うるせぇ!ぶち〇すぞ!」

 

玄関の扉を全力で蹴り開けたのは金髪の男、柏崎悟…物語の主人公だが今回はエンが主役なのでモブ扱いである

 

「トリックオアトリート!」

「…トリックオアトリート…?」

「トリックオアトリート!」

「…トリートオアトリート?」

「????」

「????」

 

エンと柏崎はお互いの顔を見合って困惑顔になる

 

「すまないなエン…俺四徹の夜勤明けでさっき帰ってきたばかりで…眠いんだが…」

 

と、若干クマができてる目の下を指さす

 

「…トリックオアトリートっ!」

「お前今の話聞いてた?!」

 

ゴリ押しをするエンにチョップする柏崎はため息を吐いて財布を取り出す

そして1000円を取り出しエンが持ってるカゴに入れた

 

「これで好きな物を買いなさい」

 

そう言って扉を閉めて鍵をかける

エンはポカーンとした顔をしてカクロを地面に下ろす

 

「カクロ」

「ニャ」

「ごー」

「ニャッ!」

 

カクロは尻尾を鍵穴に差し込み回して中に侵入する

どこでそんな技術身につけたのか、誰にも分からないがしばらく待つ

 

『痛たたたたたた!?やめ、やめてカクロそこ噛まないで!痛たたたた!!』

 

断末魔が響き少しの沈黙の後、満足した顔のカクロが戻ってくる

 

「ニャッ!」

 

その口にはドーナッツの袋が咥えられていた

 

「トリックオアトリート!」

 

エンとカクロはホクホク顔で柏崎の家を後にする

 

───────────────────

 

「トリックオアトリート!」

 

エンがとある部屋で魔法の言葉を言う

 

「ハロウィンですか?」

「うん!」

「ハロウィンって…なんだったっけ?」

「ハロウィンってのは小さな子供が可愛く仮装する日よ、とっても可愛くて食べちゃいたいくらい」

「ふん、興味ないな」

 

ここはエイレーネーが設置している部隊の為に用意された休憩所、様々な物やベット等が設置されており休憩するには十分な場所が用意されている

そして今現在、柏崎が不在の第1特殊部隊の面々が休憩していた所で雨森は外にて警戒をしていた

 

「お菓子ちょうだい!」

「可愛いわね〜…」

「なぁここに何か菓子あったか?」

「探してみましたが…見当たりませんね」

「ニャ」

 

矢本がお菓子を探すがそんなものはここには無く肩を竦める

 

「どうしましょう?」

「ん、食い物あげればいんだろ?」

 

と、宮島が鞄から何かを取り出しエンのカゴに中に入れる

それはエイレーネーが各部隊に支給してるレーションだった

 

「………」

 

エンが困惑してると雨森が部屋に入ってくる

 

「皆さん、そろそろ時間です」

「お、もうそんな時間か」

「それじゃあ行きましょう」

「はい、皆さん気を引き締めて」

 

ゾロゾロと4人は外に出ていき部屋にはエンと宮本だけが残った

 

「…ふん」

 

宮本はすれ違いざまにカゴの中に何かを入れる

それは小さな袋、そして開けると中身は金平糖だった

 

「…トリックオアトリート!」

 

────────────────────

 

「トリックオアトリート!」

「ん?お前は確か須郷とよく一緒にいる…」

 

エンは街中を歩いていた岡薗誠に突撃してカゴを差し出す

 

「お菓子くれないと…潰すよ?」

「お前どこでそれを教わった!?教えろ!そいつぶっ飛ばしてやる!」

 

エンは黙秘権を行使する、どこかの金髪の小さな男に教えられてなどいない

 

「…しかし、今なんか持ってたか…?」

 

カバンを漁り探す誠、そして1つの袋を取り出す

 

「ほら、これやるからイタズラはやめてくれ」

 

それは、チータラだった

 

 

 

─────────────────────

 

 

「ふふん!カクロ見て!沢山貰ったよ!」

「ニャッ!…ニャ?」

 

エンのカゴには1000円、レーション、金平糖、チータラが入っておりカクロは微妙と思わざるを得ない

 

「それじゃ行こ!」

 

と、カクロを肩に乗せて走り出すエン

カクロは死ぬ気で肩に…爪を立てないように全力で肩に掴まる

人混みが多く進むのも一苦労だった…が、突然浮遊感を感じる…そして口を塞がれてカクロは落とされ人混みに消える

エンは突然の出来事に放心してたが自分が運ばれてる事に気づいて抵抗しようとするが人気のない場所に連れていかれる方が早かった

 

「むぐぐぐ…」

「黙れ」

 

ドスの効いた声を耳元で言われ体が硬直してしまう、分かりやすい程の脅しにエンは怖くなり震える

 

「へへへ、嬢ちゃん1人で無防備に歩いてるのは危ないぜ?こわーい誘拐犯が拐っちゃうからさぁ」

 

男はエンを小脇に抱えながら人気のない場所を走り…突然壁にぶつかったように男は何かにぶつかり尻もちをつく

エンも同じように落ちるはずだった…が一瞬体に圧力がかかり景色が変わる

 

「ごめんねー、けどもう大丈夫」

 

頭上から声が聞こえ顔を上げる、どうやらお姫様抱っこされてるらしく銀色の髪がヒラヒラと見える

 

「くっ、なんだ!?」

 

男が正面を見ると、少しずつハット帽子を被った男が姿を現す

 

「すまねぇな、他の道あたってくれ…あと、あまりそいつをキレさせるなよ?」

 

そう言い終わると男の肩は肩を壊されんばかりの力で掴まれる

 

「お前…いい度胸してんなァ?」

 

2m程の大男が男の体を押し潰さんと言わんばかりの力で押さえつける

 

「まぁまぁ、皆さん落ち着いて下さい…この人が誘拐犯じゃないかも知れませんじゃないですか」

 

 

そう言って男に歩いてくる一人の少女、何故か身体中に包帯を巻き血糊を付けてるピンク髪の少女は男の前に来て座ってる男に目線を合わせる

 

「さて、ではとりあえず…貴方はどこの誰ですが?」

「けっ、教えるわけないだろ」

 

男は強気に言う、今ここでバラす訳にはいかなかった

 

「…ふむふむ…田中隆志34歳、母と兄弟3人の5人家族で父親は他界しておりお金に困った貴方は裏稼業をするようになりこの街に最近やってきた、そしてこのハロウィンのイベントに乗じて1人2人拐っちゃうと…?」

 

少女はゆっくりと手帳を閉じる、男はダラダラと汗を流し下を向く

 

「これも様々な情報とこの街に来た余所者を照らし合わせて導き出したものですけどねー…さぁ?どうです?」

 

男は何も言わない、いや…言えないでいた

 

「…ちゃーんといい子のように答えてくれないとイタズラしちゃいますよ?…後ろの方が…ね?」

 

男は怯え言葉を捻り出す

 

「な、何なんだよお前ら…!」

「私達ですか?私達はですね…」

 

少女は立ち上がり男に不敵な笑みを浮かべる

 

「超人、ですよ?」

 

─────────────────────

 

「エンさん?貴方はまだ子供なんですから気をつけないとダメですよ?この子猫さんが教えてくれなかったらどうなってたか」

「ごめんなさい…」

 

とあるカフェ内にある椅子に座るエンと叱ってる青葉、そして須郷と翔太郎…そして緋彩が1つの机を囲むように座っている

 

「まぁまぁ、青葉の言う通りこの子猫のおかげで事なきを得たんだしいいじゃないか」

 

と、何故か吸血鬼の仮装をした緋彩が青葉を宥める

 

「たく…しかしこの子猫賢いな…名前はなんて言うんだ?」

「カクロ!」

「カクロか、てめぇやるじゃねぇか」

「ニャッ!」

 

カクロは誇らしげに座りしっぽを揺らす

 

「はわわわ!翔太郎ボクも猫欲しい!」

「うちには珍獣がいるだろうが」

「え?何処に?」

「緋彩と言ってだな、トイレをよく壊すんだ」

 

翔太郎をポカポカ殴る緋彩を横目に青葉はため息を吐く

 

「はぁ…まぁ次からは気をつけましょう、とりあえず今は…ハッピーハロウィン!です」

「あ、トリックオアトリート!」

 

エンが思い出して魔法の言葉を唱えると超人達は互いを見合って苦笑する

 

「怖いですねー、イタズラされたくないのでお菓子をあげましょう」

「ボクもボクも!自信作なんだ!」

「俺が作ったやつだけどな」

 

3人がエンのカゴに豪華なお菓子を入れる、その過程で1000円とレーションと金平糖とチータラを見て訝しげな顔をしたが…

 

「…?すごうは?」

 

と、エンは須郷を見る

須郷はお面を外して机の上に置く

 

「ん、ちょっと待ってろよ…おい!出番だぜ!」

 

そう言うと奥から足音が聞こえ一人のエプロンを付けた男が現れる、その両手には蓋が付いた皿を乗せて

 

「兄さん、もう少し良い登場のさせ方はなかったのかい?」

「へ、いいんだよ…今回の主役はエンだからな」

 

と、エンの頭に手を置く須郷

 

「はいはい…どうもエンちゃん、僕はそこの馬鹿兄の弟でね…君のおかげで兄さんが救われたんだろう?ありがとう」

 

と、手に持ってる皿を置いてエンに頭を下げる

 

「おいてめぇ!小っ恥ずかしいから頭上げろ!」

「何言ってるのさ、兄さんの命の恩人だよ?」

「つってもよ…」

「はいはい!お二人共落ち着いてください!今はパーティーしますよ!」

 

と、青葉がエンに皿の蓋をとるように促す

エンが恐る恐る蓋を開けると、中にはかぼちゃのパンプキンパイが

 

「わぁ!」

「これは僕が兄さんに無理やり作れって言われて作ったものなんだ」

「へぇ、雅弘の弟さんって料理上手なんだ」

「かなり上手だぞこれ」

 

緋彩と翔太郎が大絶賛するのに照れながらも誇らしげな顔をしながら男は次の料理を取りに行く

 

「エン、どうだったんだ?ハロウィンは」

 

と、須郷がエンを見ながら尋ねてくる

 

「えっと…凄く…楽しかった!」

 

途中ハプニングがあったが…これもまた思い出の1部となるだろう

 

 

ハッピーハロウィン?

 




どうも、ハロウィンは特に何も無い私です

ハロウィン…特にイタズラもした事ない無縁のイベントですね、うん…エンが可愛いので許すけど…(?)

では明日、また次の話して会いましょう
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