ファースト・オブ・バレット   作:パルバール

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無駄話6回目『神力』

 

潮の香りが強まる中、タヌキは神社を目指して走る

柏崎は害がないのなら…など言ってたがこれほどの規模では見過ごす事はできない、周囲を見ると魚人のような姿にはなってるが彼等は『島民と観光客』だ

 

「まぁ服着てるから間違えないけどねー」

 

兎にも角にもこの現象を止めるなら神社に行くべきだ、そう思いタヌキは神社の階段を駆け上がる

その道中、森を目の端で確認すると…魚人達が銛を片手に町に出てきているのが見えその数は10…20…30…もっといるだろう

 

「海底大戦争でもあったのかなー?…魔力が持つといいけど」

 

目の前の光景を後回しにする、神社まであと少し

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

広い境内、空の屋台に誰もいない舞台…いや、1人だけいた

境内の中心に作られた舞台は360度どこからも見れるような設計になっており簡易的な屋根と人が舞うには丁度いい広さだろう

 

「香織ちゃん!」

 

その舞台の中央には豪華だが動きやすいように作られ髪は纏められそこに深い青の簪が刺さっていた、その香織が舞台の上で横になっており気を失っているのが分かるだろう

 

「一体何が…っ!『酷使せよ!障壁!』」

 

突然背後から殺気を感じ、咄嗟に魔術の壁を生成する

だが障壁は少し耐えただけで粉々に砕け刀はタヌキに迫ってくる

 

「あっ…ぶない!」

 

顔スレスレに通っていく日本刀を避けタヌキは殺気の主と距離を取るために素早く舞台側に後退する

 

「…やはり魔術師だったか…厄介だ」

「いやぁ、貴方の方が厄介ですよー?…源次郎さん」

 

最初とは違う、刀身が深海を思わせる蒼色の日本刀を手にタヌキを睨んでいた海沢源次郎…その姿には青いオーラが纏われておりタヌキの目にはこの潮の香りから自分を守ってるという事が分かる

 

「源次郎さんって海人じゃなかったんだねー?」

「…何故そうだと思った?」

 

ジリジリと後退していくタヌキと距離を詰めようとする源次郎はお互い時間を稼ごうと会話を始める

 

「簡単な事だよー?ある物を見つけてねー…源次郎さん、貴方は何者なのかな?」

 

まだ距離が近い、ゆっくりと…それでも確実に距離を広げていく

 

「私はただの神主だ」

「ただの神主が日本刀を振り回して一般人襲わないんじゃないかなー?…それに、それ神刀でしょ?よくそんなの持ってるねー…」

 

神刀、文字通り神の刀…魔力とは違う神力を付与し絶大な力を所有者にもたらす数少ない宝具

 

「…これは海刀、海神様から与えられた『邪魔者』を消す刀…つまり貴様とあの柏崎とかいう小僧を消すためにこの刀を私が持っているのだ」

 

そう言い源次郎は刀を構えいつでも飛び出せるように準備をする

 

「ふーん…その刀で一体何人切ったんだろうねー…『自分の娘を守る為に』」

 

意味ありげに微笑み源次郎を見るタヌキ

 

「…何の事だ」

「いやぁ?タヌキさん的には大変だろうなーと…『100年』もの間、部外者から娘と儀式を守るなんてねー」

 

あの時見た写真、撮られた日付は今から12年前…そこには『今となんら変わらない姿の源次郎と香織』の姿が1人の少年と共に写っていたのだ

 

「『生贄』には『海人の巫女』と聞いてたんだけど気の所為かなー?香織ちゃんは今もいるし」

「…貴様はどこまで知っている…?」

 

あたかも自分は元々知ってたという風に話す、相手は何故と悩み…もしかしたら生け捕りを狙って手加減するかもしれない

 

「…いや、関係はないな…貴様を殺し儀式を成功させれば私達は開放される」

 

どうやら生け捕りは考えてないらしい、日本刀を軽く振ると潮の香りが一層強まり源次郎の体を包んでいるオーラはさらに色濃くオーラとしてユラユラと揺れる

 

「…うーん、考えるのは柏崎君に任せるかー」

 

タヌキは荷物から眼鏡ケースを取り出し開けると中にはロイド眼鏡…丸メガネがあり、タヌキは丸メガネを装着する

 

「社長ってどこまで予想してたのかねー…」

 

丸メガネ越しに見る風景は青く輝く何かの流れと空気中を漂う青く輝く球体のようなもの…神力だ

そして自身を見ると紫色のオーラがほんのり体を包んでいる…魔力である

 

「さらばだ…」

 

源次郎が日本刀を持ち上げ…振り下ろす

一見何をしてるのか分からないが、タヌキの目にはハッキリと見える『こちらに飛んでくる神力の斬撃が』

見てたからと言って身体能力が上がったわけじゃないので転ぶように避け危機を脱する

 

「あっぶないなー…何1人だけ異能バトル系の攻撃してるのさー」

「貴様…何故避けれた…?もしやその眼鏡…っ!?」

 

避けたタヌキを問い詰めようと言葉を口にしようとしていた源次郎に向け何かが高速で飛んでいく、それを目で見て日本刀で切り裂き難を逃れた源次郎が地面に落ちた飛んできた何かを見る

 

「…串…?」

 

イカ焼き等で使われるだろう串が地面には落ちていた、周囲を見ると誰かがいるようには思えない

 

「不思議かなー?不思議だよねー?」

 

タヌキが起き上がりつつ源次郎に煽るように問いかける

 

「貴様何をした」

「さっきから疑問ばかりだねー?まぁ特別に教えてあげようー!」

 

タヌキは右手を振り上げる、すると境内にあった屋台や機材等が動き始め人型に近い形態になっていく

 

「『酷使せよ、万物の兵士』…源次郎さんの相手はタヌキさんだけじゃなくて、『会場全て』だねー」

 

礫が、串が、熱された油が、電気のコードが、全てが源次郎を囲むように動き始める

 

「…(柏崎君が来るまで耐える…って前もしたねー…ま、やるけどさ)」

 

自分の周囲にも配置して長期戦を開始する

 

───────────────────────

 

暗い空間…恐らく洞窟等だろう

そんな空間に1人、タコに色々されてしまった男がいた

 

「うぅ…屈辱だぞ…誰だこんな所にタコ置いたの…」

 

誰もいない場所、いるとは思えない空間

 

そこに何かの足音が聞こえてくる、咄嗟にナイフを探すが見当たらず丸腰の状態だった

 

「くそっ!何か武器ないのか!?」

 

とりあえずまだ近くにいたタコを掴んでみる、盾くらいにはなるだろ

暗闇に目が慣れてきて…どうやら洞窟の横穴があるらしくそこから聞こえてきていた、足音はどんどん近付いて来て…その姿を現す

 

「お前は…」

 




特に何もなしっ!
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