ファースト・オブ・バレット   作:パルバール

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無駄話11回目『契約』

 

日が沈みかけて夕焼けがぼんやりと膜の外から差し込み2人の男を照らす

1人は深い深海を思わせる刀身の日本刀を右手に

1人は明るい青色の刀身の日本刀を左手に

 

「…亜門、貴様何故この中を動ける…?」

「潮の神力を防ぐ方法は貴方も知ってるはずでは?」

 

亜門に言われ源次郎は自分の日本刀を見る、視覚では分かりづらいが黄金色のオーラ…神力が日本刀から出て自分の体を包むように覆っていた

亜門を見る、亜門も全身が神力によって包まれており空気中に漂う神力を防いでいた

 

「…なるほど、何故亜門が『海刀』を持ってるかは知らないが…何故邪魔をする?」

 

数歩距離を置いて鋭い目付きで亜門を見る源次郎の威圧感に亜門は少したじろいでしまったが、ここで怖気付くと何の為に今まで準備をしてきたかを思い出して逆に威圧するように亜門を睨む

 

「貴方が信仰している神は海神様ではない!海神様の名を語るただの下級神だ、今なら止められる…私と共に下級神を倒しましょう!」

 

当初の目的は下級神の従順な信者である源次郎は…海刀で切り捨てるはずだったが、亜門は12年…源次郎と香織と過ごし、情が湧いて源次郎と香織を助けたいと思っていた

だが

 

「…ふ、最初から海神様ではない事は知っている」

「っ!なら何故!?」

「……契約だ、私は100年生贄を捧げ続けなければこの島と島民達を捧げると下級神と契約したのだ」

 

知らない情報、突然の事に亜門は慌ててしまう

 

「契約…何故そんなもの…!」

「100年前、この島は異常な程の飢餓に襲われた…作物は育たず家畜は病死し海は荒れていた」

 

これは亜門も知っていた、この島は食料が無くなり人が人を食うような事態になってしまったとも

 

「…そして人はある存在を崇め初め…あの方が降臨した」

「…海神様ですね」

 

海神は島に魚等の食料を恵む変わりに信仰を要求した…と

 

「我々は食料を手にし生き延び、私は島を守る者として…香織は海神の巫女となった…だが地獄はここからだった」

 

源次郎の手は怒りか恐れか、僅かに震えている

 

「次の日、海神と一緒に来ていた者が私の元に現れ…契約をするよう言われた」

「…」

「契約の内容は海人の生贄だった…そして新海水を定期的に島民に飲ませるようにと、受けなければ…また飢餓地獄と」

「そ、そんな無理矢理な契約…それに今ではもう飢餓はない…契約を反故するのは…」

「それは無理だねー」

 

亜門の言葉に拒否したタヌキはため息混じりに口を開く

 

「神との契約は下級神だろうが上級神だろうが『絶対』…まぁ基本的に契約はあまりできる事じゃないけど」

「そんな…」

 

源次郎は亜門とタヌキを見据え口を開く

 

「私はどうにかして『契約完了』までの存命を要求し…今までこの島を見ていた、香織を守る為に」

「っ!なら尚更私達は協力するべき…」

「亜門さんは知らないだろうけど…神同士が敵対すると信徒も敵対する傾向があるんだよ、亜門は敵意はなくてもあちらは分からないねー」

 

タヌキの言葉を肯定するように源次郎は日本刀を構える

 

「亜門…私はな…戦う気はなかった…だがお前が海神の信徒になり…私の奥底の感情がお前を憎く思っている」

「源次郎…様…」

「だが亜門、お前が来てから香織は笑うようになった…記憶が無くなり都合のいい記憶が無理矢理入れられていたのを薄々感じ取っていたのだろう…あの子は笑わない子になってしまってた…」

 

日本刀を構えながら少しずつ近づいていく

 

「あの子にとってお前は大切な弟の様なものだと言っていた…今では年上だと思ってるようだがな」

 

苦笑をする源次郎、だが歩みは止めない

 

「…私はまだ諦めん、刺し違えてでも奴を切る…だがこの感情を押さえつけれられない…すまない…亜門」

「源次郎様…私は」

「亜門さん!構えて!」

 

タヌキが狼狽する亜門の前に立ち魔術を使用して障壁を張る

 

「ふん、そんなもので止められると思っているのか…?」

「止めるか止めないかじゃない、行動が全てなのさー…」

 

一筋の汗がタヌキの頬から落ちる、体が震える…約100年に近い信仰と生贄を吸収した神の信者の威圧に足元がおぼつかない

 

「…さらばだ」

 

『海刀:破壊』を大振りに振りかぶる、タヌキはメガネ越しに異常なまでの神力が海刀の刀身に集まってるのがはっきりと分かった

あぁ、ここまでなのかと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぁぁぁぁぁあああああああ!??!??!」

 

何処からか声が聞こえ…源次郎の頭に何かが落ちる

 

「いでぇ!?」

「ぐぅふぇ!?」

 

源次郎は勢い良く頭に何かがぶつかり白目になって倒れてしまった

 

「ぁぁぁ…あたまがいたい…」

 

そのすぐ横で悶絶してる1人の人影…

 

「柏崎君?!」

「…えっ?柏崎さん?」

「あぁ…?」

 

涙目になり痛みを堪えている顔でタヌキと亜門を見るその男、柏崎はゴロゴロ転がって痛みを堪えていた

 

「頭痛が痛い…」

「冗談言う余裕がある程なら大丈夫そうだねー」

「…酷くない?もうちょい労わって?」

 

頭をさする柏崎は思い出したかのように階段の方を向いて怒りの表情になる

 

「おい五魚と六魚!お前ら俺が途中休憩したからって投げる事ないだろ!」

 

怒鳴った後に階段から勢いよく何かがジャンプしてきて境内に着地する

 

「えー?だって急がないといけないのに休憩してたからー」

「職務怠慢?」

「職務怠慢じゃないし何処で覚えたそれ?海神だな?分かる」

 

お下げを左側と右側にしてる少女2人の頬を引っ張りいじめてる柏崎、光景が犯罪だがタヌキはある事に気づく

 

「…あれ?柏崎君それ魚人…?けど下で見たのと違うよね?」

「あ?あぁ、こいつらは海神の眷属だと」

「こいつら?」

 

タヌキが疑問を口にすると階段からゾロゾロと4人、少女と同じようにエラと水かきがある魚人達が歩いてきて横一列になる

 

「海神様の眷属、一魚到着した!」

「同じく二魚、到着!」

「同じく三魚、到着!」

「2+2=4魚、到着」

「えーっと…………………」

「えっと、片手が5本だから…」

 

横一列に整列した魚人達を見てタヌキは横目で柏崎を見る

 

「…ちょっと既視感あるねー?」

「ここに来るまでにばっちり叩き込んできたぞ!」

「そこの人間がする事ないと言って勝手にやってたがな」

「一魚うるさいぞ」

 

騒ぎ出す魚人と柏崎を見ながらタヌキはため息を吐く

 

「はぁ…柏崎君?まだやる事終わってないよ?」

「あ、やっべ…よし…亜門!」

「……あっ、はい何でしょう?」

「やるぞ」

「え…?……!は、はい!」

 

亜門の尻を蹴りつつ柏崎は周囲を見る

 

「所で…何があったの?」

 

とりあえずは事情説明からだ




どうも、ニット帽はいいぞ…私です

前回なんか亜門VS源次郎的な空気だったな…あれは、嘘だ(▂▅▇█▓▒(’ω’)▒▓█▇▅▂うわあああああああ)

では明日、また次の話で会いましょう
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