とりあえず飛ぶらしいので空いてる席に座って一息つく、どうせ断れない仕事だというのなら今のうちにリラックスしとこう…
「ニャー」
「ん、カクロか………お前も連れてこれたって事は確定かぁ…悲しい」
通路を歩いて俺の膝に飛び乗るカクロ、あぁー…癒される
『うぅ…私は関係ないはずなのに…』
俺の隣の席に座って落ち込んでいる所属がどこか分からない人、ガスマスク付けてるが…
「あんた確か第40支援部隊の隊長だったよな」
『私を覚えてるんですか!?』
「まぁ、1度は同じチーム組んだ仲だし」
Aとの対決の為に護衛を務めてくれたエイレーネー日本支部第40支援部隊隊長、あの後別れ負傷者を逃がし超人達の援護をしたと支部長から表彰されてたので覚えてはいた
『わ、私実は功績を評価されて…新しく編成された第1機動部隊の隊長を任される事になったんです!』
「へぇー…何を装備してるんだ?」
『主に装甲車ですね、使う場面が限られますが…通常では普通車です』
まさか俺の知ってる人物が機動部隊に配属されるとは世の中どうなるか分からないな
「てかちゃんと動かせるのか?」
『一応軍等に使われてる戦車や戦闘機等も扱えます』
「…なんで支援部隊にいたの???」
エイレーネーでなくても自衛隊として活躍できるだろうに
『…元々は機動部隊配属だったんです』
「あー………ま、まぁとりあえず良かったな!んで他の隊員は?」
『私だけです』
「ん?」
『私だけです』
「………任命したの支部長?」
『は、はい!支部長直々に』
あぁ…人事部…この可哀想な新人をもっといい場所に配属してあげて…この人は言うところ支部長の私兵みたいなもんか…
「よ、良かったな…所で支部長から何か聞いてない?俺何も話聞かされずに拘束されて今空の旅してるんだけど」
『は、はい!えっとですね…こちらに』
十分な高度に到達し、立ってもいい状態なのを確認して俺は席を立ち上がり支援部隊の…いや、今は機動部隊か…てか名前知らないな
「そう言えばあんた名前は?」
『あ、申し遅れました…私は芦川明姫です』
「んじゃ芦川さんよ、どこに行くんだ?」
実はこの飛行機地味に内部が小分けされている
前と後ろを阻むように中心に横壁が作られており、個室があり…これ何用の飛行機?
『この先、前席の方に今回の作戦同行者の人達がいます』
「同行者?」
誰だろうか、特殊部隊の面々は全員それぞれの持ち場で忙しい筈だし…うちもそこまで離れられない筈だ
かと言って支援部隊と工作部隊等は戦闘専門ではない…
『柏崎さんのお知り合いですよ』
「ますますわからん」
とりあえず会ってみるしかないか…横開きの扉の1つを開け俺は待っている同行者達がいる飛行機前部に足を…
「なぁ?なんでビーフオアチキンって聞かれないんだ?」
「それはこの飛行機のCAさんが日本人だからですよ、海外行くからってビーフとチキン出されても困るじゃないですか」
「わー!翔太郎見なよ!ボク達の住んでる所見えるかな!」
「見えたらお前が人間かを疑うぜ、緋彩」
「うぅ、耳が痛てぇ…飴玉買えば良かったかな?」
う、うわぁ…!……俺はそっと扉を閉めて芦川を見る
「…あれ?」
『あれです』
「…帰っていい?」
『同じ飛行機です』
…俺は扉を少し開けて中を見ると真ん前に青葉の顔があった
「うわぁ!?!?!?」
「おや?人の顔を見て悲鳴を上げるのは酷いですね?これは傷つきましたね〜、慰謝料を請求します」
「唾でも付けときゃ治る治る」
「え?私の唾を舐めたい?」
「なんでそんな俺を変態にしたいのかな君」
くっそ、にこにこ笑いやがって…
俺が超人、長内青葉と話してると他の超人達も気づいたらしくゾロゾロと扉に集まってくる
「あー、柏崎だ!」
「よう、元気してたか元気馬鹿」
「おい柏崎、緋彩は馬鹿じゃなくて阿呆なんだぞ?そこ気をつけろよな」
「翔太郎ちょっと酷くないかなぁ?!」
緋彩がフルパワー元気パワーをぶつけてくるので翔太郎と手を組み虐める、あぁー…超人に勝った余韻が楽しい
「よぉ、最近また神と戦ったらしいじゃねぇか?」
「お前達がいれば即解決だったんだけどな、なんで来てくれなかったの???」
「いや、知らねぇよ…お前がいなかったの」
可愛らしい兎のお面付けやがって、エンからそれ貰ってなかったらただの図体でかい不良だからな須郷お前
「なー…飴持ってないか?飴舐めれば耳痛くならないって聞いたんだ」
「お前は………特に何も無いな、帰れ」
「おいおいおい!?突然呼ばれて来たら今度は帰れかよ!」
必死な表情で喋る誠
知るか、俺は誘拐されたんだよ…ん?突然呼ばれた?
「なんだ、お前らも何も聞かされてないのか?」
「そうだな、俺達はお前んとこの支部長に来るよう言われてここに来たんだ」
翔太郎がCAから貰ったコーヒーを飲みながら答える
つまりこの中で事情を知ってるのは芦川だけか…
『支部長から今回の作戦に関する説明が入ってるDVD持ってきてるのでそれを視聴しながら説明させていただきます』
「あの人そんな余裕あるなら自分で説明してほしいと切実に思うんだよね」
芦川が近くの壁にあるボタンを押すと椅子が移動し始め中心を囲むような席になっていくのを眺めつつカクロを撫でて癒される
「普通にしてるけどよ、これ凄いよな?」
「凄いよねー…ボクもあのボタン押しちゃ駄目かな」
誠と緋彩を無視しつつ俺は近場の席に座る、超人達もそれぞれ好きな席に座り天井からなんとテレビが出てきた
『では流しますね』
DVDを差し込みしばらくするとテレビの電源が入り椅子に座って机に肘をついて手を合わせた状態の支部長が映る
『御機嫌よう柏崎君と超人達…あと柏崎君はバカンスどうだったかな?実は言うとあれ知っててわざと柏崎君を行かせたんだけ…』
俺は近くにあったナイフをテレビに投げつけ強制的に電源を落とす
「柏崎さん流石に行動がワイルド過ぎじゃないですかね」
「ばっかお前テレビは叩いて落とすもんだよ」
思わず壊しちゃったテヘペロ
と、思っていたが画面がひっくり返って何故か新しい画面が現れ支部長の姿が映された
『柏崎君が壊すことを見越して実はこれ2枚分画面があるんだな、これが』
「完全に行動が予測されてるじゃないですか」
「…無念」
「馬鹿だろこいつ…」
支部長は少し微笑んでいた顔から一変して真剣な表情になる、どうやらおふざけは終了のようだ
『…話を始めよう、まず今回の作戦は柏崎君、カクロ君、そして超人の君達がメンバーとなり行動してもらう』
「俺達がメンバーか、まぁ何度か一緒に戦ったから問題はないな」
翔太郎がコーヒーの入ったコップを揺らしながら俺を見る、確かに何度か戦ったし背中を預けた事もある
『そして今回の作戦区域は…『アメリカ』だ』
「…アメリカ?ですか、海外には行くとは聞きましたが」
「ボク海外始めてたがら楽しみだ、ね?翔太郎」
「あぁ、と言っても俺はあるけどな」
「えぇ?!翔太郎ボクに内緒で海外行ったの!?」
「仕事だ」
うるさい超人達を無視しつつ俺はある疑問を口にする
「…アメリカ支部はどうしたんだ?あそこは『超人が主体』だった筈だが」
エイレーネーアメリカ支部は日本支部とは違い超人を多く雇用しており、1つの州に数名の超人と特殊部隊を配置する方法を採用しており全州をカバーしてるはず
『柏崎君は疑問に思ってるかも知れないが…今回の作戦区域にいた超人と特殊部隊は『壊滅』した』
「………は?…う、嘘だろ…?」
アメリカの特殊部隊や超人は平均以上の強さを誇る、それに一般市民達も超人達に感銘を受け自分達の故郷を守る為に超人達と共に活動をしていると聞いていた…壊滅するなんてありえない
『今から三日前、ある町との連絡が途絶えたのを確認する為保安官数名が区域に侵入して1人だけ生き残り戻ってきた
生きて帰ってきた保安官は『ゾンビ』と言い残して謎の死を遂げた…保安官の体には無数の噛み傷と噛みちぎられた痕があり…対処に向かった超人と特殊部隊との連絡が途絶えたのを確認したアメリカ支部長がこちらに援軍を求めたのが事の始まりだ』
…ふーむ、ゾンビね
『また今回超人に同行したのは第1特殊部隊『バード』だったらしい…彼女が死ぬのは有り得ないが救出作戦を行える戦力がいない為どうする事もできないと』
「…『ケイト』なら木に噛みついてでも生きてるだろうなぁ」
「ケイトって誰だ?」
誠が俺を見ながら聞いてくる
「アメリカの第1特殊部隊隊長、ケイト…昔何度か会った事がるけど愛国心が強くて自由大好き人間だよ…死ぬなら最後は国の為にってよく言ってた」
「へー、そんな奴がいるのか…」
「まぁとりあえず俺は苦手な人種と言っておこう」
無駄に絡まれた記憶が…
『アメリカ政府はこの事を重く受け止めており1部の派閥がその地区周囲を爆撃してこれ以上の拡大を防ぐべきと騒いでるらしく、早急な作戦遂行が要求される』
「無茶言うなぁ…」
『今回、アメリカ支部長『ジャンカルロ』が直々に護衛をしてくれるとの事…今回の作戦は一夜限りのミッションだと思ってくれ、諸君の健闘を祈る』
俺は席に体を預けてため息を吐く
「…ゾンビ…か」
その後、耳が圧迫されて誠が苦しんだり緋彩がCAに怒られたり等など…俺達はアメリカ大陸を目指す
どうも、疲れすぎていつの間にか寝てた私です
今回の話は作戦説明回と、海外支部の軽い話でした…ジャンカルロって誰!?ケイトって誰だ!?と思う方は明日の投稿にてお会いしましょう
では明日、また次の話で