ファースト・オブ・バレット   作:パルバール

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第68話『突入』

飛行機が降り立ったのは恐らく国にも言ってない着陸場だった、何故なら最低限の施設だけ置いてあり軍用に使うというより移動手段である飛行機の駐車場に思えたからだ

 

「なんというか、お土産コーナー期待してた訳じゃないけど遊び心欲しいよね」

「緋彩、お前隠してるだろう場所にお土産コーナーあったら雰囲気ぶち壊しだろ?」

「そうかなぁ…」

 

緋彩がぼやき翔太郎がツッコミを入れる、俺もちょっと期待してたんだよな…アメリカのお土産コーナー…

 

「さて、とりあえずここで待ってれば車で来てくれる…んだよね?」

『はい!ジャンカルロ支部長が来るらしいですか…』

「…あれでは?」

 

俺と芦川が話してると青葉が指を向ける、流れるように視線を向けた先には何故か日本の軽トラが遠くから走ってくるのを見てしまった、目撃したくなかった…

 

「…カルロ支部長…何故軽トラなんだ…」

「えっ、あれに支部長が乗ってんのか?嘘だろ?

「よく見ろ誠、運転席の窓から手を振ってるおっさん見えるだろ?あれ」

「えぇ…」

 

穏やかな表情で上半身を窓から出して手を振る坊主頭で褐色肌の男、それなりに鍛えられてるだろう筋肉が引き締まった手を振りながらこっちに軽トラが来てるのは少しシュールだな…

 

「私には日本の友人にこれが日本の普通車だと言われて購入した優しそうな人に見えますが…」

「普通にいい人なんだけどちょっと騙されやすいんだよな…ま、まぁ軽トラ普通に馬力あるしいいと思う…」

 

軽トラは少しドリフトしながら…ドリフトする必要あった?

俺達の前まで来て運転席のドアが開く

 

「やぁカシワザキ、久しぶりだね」

「ん?日本語喋れるのか?」

「君はスゴウだね?体格がいいし筋肉もバランスいい…日本の超人は質がいいね」

 

そう言いながら須郷の筋肉を叩き笑いながら頷くおっさん…

 

「カルロ支部長、自己紹介より前に聞きたいんだが」

「なんだい?」

「なんで軽トラなの?」

 

俺に言われて自分が乗ってきた軽トラを見るジャンカルロ支部長

 

「日本の友人にオススメされてね!山道とか荒れた場所に最適だったよ!」

「ほう!そうだったんだね!所でその友人名前何かな?」

「キシイセイジさ!」

「あんのクソ支部長がぁ!」

 

カルロ支部長はもっとこう…カッコイイ車に乗せるべきだろ!なんで軽トラなんだ!

 

「初めましてアメリカの支部長さん!私はただの一般人の長内青葉と申します!今度取材させてもらっても?」

「いいよ」

「わーい」

「青葉…あいつが一般人なら俺らなんだよ…」

 

誠の一言に頷く一同、あれが一般人なら俺はミジンコだな

 

「はぁ…皆紹介する、この人はエイレーネーアメリカ支部の支部長でジャンカルロ支部長だ」

「初めまして日本の超人の皆さん、気楽にカルロと呼んでいいよ」

「初めまして!涼風緋彩です!」

「道華翔太郎」

「俺は須郷雅弘だ」

「岡園誠、スーツアクターだ!」

「あ、私はもう自己紹介したので省略しててください」

 

自由だなこいつら…あ、カルロ支部長凄いニコニコしてる…この人また自分の若い頃思い出してそう…昔も若い頃はとか話し出したから本題切り出すか

 

「カルロ支部長、そんな事より本題だ」

「そうだったね、とりあえず乗って乗って」

『あ、私運転しますよ』

「ならカルロ支部長は案内役として助手席に…」

「え?僕も荷台に行くよ?」

「なら誰が案内するんだよ…」

「カーナビ付けてるからその通りに進んでもらえれば」

 

あ、この人凄いウキウキしてる…分かるよ?荷台に乗るのってちょっとワクワクするよね

まぁいいけど…

 

「んじゃ芦川が運転席、適当に青葉助手席の残りは荷台でいいだろ」

『えっ』

「よろしくお願いしますね、芦川さん?」

『は…はい…』

 

許せ芦川…青葉が荷台にいると俺の気が休まないからお前は生贄になってくれ…

俺達は軽トラに乗り込みカーナビの言う通り進んで目的地を目指す

 

───────────────────────

 

「さて、それじゃ今回の作戦の詳しい内容を説明しようか」

 

カルロ支部長が荷台に座りながら両手を使って色々表現しようとしている、それと須郷のせいで荷台が狭く感じるな…

 

「…今回のミッションは3つある」

 

指を3つ立てて1つずつ折っていくようだ、まず1本目が折られる

 

「1つ、内部の調査…これは中がどうなってるか、町がどうなってるかを確認してほしい」

 

2本目が折られる

 

「2つ、生存者の確保…町の人々や先に入って行った超人と特殊部隊…ケイトが生存していた場合外まで帰還する事」

 

そして最後の3本目が折られる

 

「3つ、原因の解析…今回の相手は敵なのか、もしくは自然に起こった事なのか…敵だった場合は排除、そして自然に起こった事ならば対処法を探してほしい」

 

カルロ支部長の話を聞いて緋彩が手を上げる

 

「あのー、1つ聞きたいんですけど」

「何かな」

「…飛行機乗ってる時に聞いたんですけど爆撃がなんちゃらって…」

 

誠二支部長が言っていた政府にいる派閥の1つがどうとか言ってたやつか、カルロ支部長は困った表情で口を開く

 

「実はその話は本当でね、しかもそれなりに発言力があるから実行されかねないんだ…実行されるとしたら明日の早朝…出来る限り時間は稼ぐけど…実行されたらかなり面倒になる」

「面倒?」

 

面倒と言ったカルロ支部長は俺の疑問に答えるように両手を使って説明してくれる

 

「君達の所に来たA…だったかな?そこが所属してるって言ってた『6席会』…報告で見て思ったんだけど、そこの1人がどうやらアメリカにいるらしいんだ」

「…よく分かったな」

「裏の連中には有名らしくてね、ある組織の資料に『N』って名乗る魔術師がこのアメリカ大陸に来てるって書いてあった…1ヶ月前の話しだ」

 

N…なんかAと近い何かを感じるな

 

「…それで、そのNってのがいて?爆撃とかされたら何が面倒になるってんだ?」

 

少し顔が青い誠が疑問を口にする、お前ちょっと酔ったろ

 

「もしだ、もしだよ?もし…今回の件にそのNってのが絡んでたら爆撃は無意味になる可能性も高い…そして下手に刺激して標的をこちらに向けられたら…どこにいるか分からない脅威に警戒しないとならなくなる」

 

人間がずっと警戒し続けるのは難しい、どこかで休憩しなければならずその隙を突かれたら崩壊するだろう

ましてやカルロ支部長の言い分を聞く限りN自体見つけれてないのだろう、そんな敵をずっと警戒する?不可能だ

 

「違ったとしても中にいるであろう超人と特殊部隊が巻き込まれる可能性もある」

「どっち転がってもあまり良い結果にはならない…か」

 

そう言いながら須郷がこちらを見てくる、なんだ?もしかして寝癖付いてる?

 

「お前はどっちだと思うんだ?」

「何がだよ」

「今回の件にそのNってのが絡んでるかどうかだよ」

 

Nねー…

 

「実際見てみないと何とも言えないな、どっちにしろ戦うのは俺じゃない」

「はぁ?お前!俺達に戦わせる気か?!それでも大人かよ!」

「ええい!超人に成り立てのお前は分からないと思うが俺とお前達じゃ強さの差が段違いなんだって!」

 

実際、あまりパワーがない翔太郎に負けた経験があるんだぞ俺は

 

「まぁいいけどねー、柏崎は柏崎の戦い方あるから」

「だな…あ、どうも昔柏崎をボコボコにした俺です」

「よし、おーい芦川車一旦止めてー?今からこいつをボロ雑巾にすっからー」

「どうやら俺にまた負けたいようだな」

 

少しずつ姿が消えていく翔太郎、くそっ!それ卑怯だからな!

 

「カシワザキ達は仲がいいんだね」

「「「「「仲良くない」」」」」

「そ、そんな全員で否定しなくても…」

 

茶番をしつつ、今回の目的に到着するまで色々と話し合って情報を集めたのであった

 

──────────────────────

 

車の荷台から降りて伸びをする、体が痛てぇ…荷台にずっと乗るもんじゃないな…

運転席から芦川が降りてきたが何故か凄く落ち込んでおり、逆に凄いにこやかに青葉が助手席から降りてきた

 

『うぅ…もうお嫁にいけないです…』

「青葉ー!?うちの機動部隊隊長さんに何したー?!」

 

こいつ!うちの兵士に精神攻撃したのか!?

 

「いえいえ、そんな仲間に何かするわけ…ちょーっと芦川さんの身の上話をすこーし聞いただけですよ☆」

「その身の上話って芦川は自分から言った?」

「………………………………さぁ?」

「カクロ!ナイフになるんだ!」

「落ち着け柏崎!青葉も多分わざとじゃない…と思うぞ!」

「離せ誠!俺はこいつを始末しなければ気が収まらねぇ!」

 

うちの仲間に何してんだこいつぁ!

 

「おーい、置いて行っちゃうよー?」

「もう俺達だけで行かねぇか?雅弘」

「流石に置いては行かねぇよ…」

「やっぱり仲がいいんだね〜」

 

その後色々あって俺と誠が殴り合う事になったがそこは割愛しよう

 

 

 

 

「では今から作戦区域に入る」

 

今回の目的地とされる町までの一本道、そこを進んで行く事になってるんだが…その道は途中から行かせないと言わんばかりに紫色の膜のように境界線が作られていた

その境界線はぐるっと大きく囲まれてるらしく地図を見る限りでは町が中心っぽい

 

「カルロ支部長、俺達が戻らなかった場合は死んだと判断してくれ」

「分かったよ」

「よし、現在時刻午後5時…作戦を開始する」

「おう!」

「了解です」

「はーい!」

「行くか」

「ま、熊くらいなら任せろ」

『あれ?私も行く事になってません?』

 

俺達と逃げようとする芦川を引っ張りつつ紫色の境界線に近づき…中に入る

 

 

 

 

 

 

 

「……は?」

 

外はまだ夕方だった

だが中は違った

 

 

 

 

 

満月が真上にあり星空が光を灯し、道路が木に侵食され荒廃している

遠くにはぼんやりと明かりが見えるがそこまでの道はあるとは言いづらい獣道だ

後ろから入って来た超人達は突然の暗闇に驚くが月明かりで見える事に安心したらしい、安堵の吐息が聞こえる程だ

 

「…須郷」

「…なんだ?」

「お前今回の件にNってのか関わってるか聞いたよな」

「そうだな」

 

俺はナイフになったカクロを片手に周囲の茂みを見る

『何かが近づいてきている』

 

 

「今ははっきりと分かる、『魔術師』が関わってるってな…お前ら準備しろ!一気に突破する!」

 

ナイフを構え俺は明かり見える方を目指す

 

 

現在時刻午後5時

爆撃予測時刻まであと14時間




どうも、9時頃の予定が10時過ぎ、私です

ちょっと書いてたら熱入って…しょうがないね

では明日、また次の話で会いましょう
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