ファースト・オブ・バレット   作:パルバール

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第72話『運に賭ける』

町を歩いて分かることは子供が多い事…そして大人が1人も見当たらない事だった

 

「すみませんNさん、大人の方はどちらに?」

 

青葉がNの隣を歩きながら尋ねる、Nは機嫌が良いのか青葉の質問に簡単に答える

 

「大人はとても薄汚れた存在だから1箇所に集めてるわ、私の楽園を作るのに邪魔だったから」

「ほう、楽園ですか?」

「えぇ、今までの大人とは違う綺麗な心を持つ大人に子供達がなれば素敵だと思わない?」

「はい!とても素敵な場所になると私は思います!」

 

ここで切り上げるべきだと判断した青葉は他の超人に目配せしてNを向く

 

「私達少し疲れてしまったので先に休ませてもらってもいいでしょうか?ずっと歩いててヘトヘトなんです」

 

そう言って本当に疲れた顔をする、実際青葉は体力はそこまであるわけではない…この空間に入ってすぐに走りここまで歩いて来た事で疲れているのだ…嘘はついてはいない

 

「…そうね、先に貴方達のお部屋に案内するわね」

「助かります!」

 

Nを先頭に超人達は街中を歩いてある場所に辿り着く、そこはある一軒家でかなり大きな家だ

 

「さぁ、入って」

 

扉を開けて中に誘導するNに従って青葉、緋彩、誠、須郷の順で中に入る

 

「この家は好きに使って構わないわ、1時間後に貴方達の歓迎パーティーを開くから起きててね?」

「歓迎パーティーとは嬉しい限りです!では寝ないように全員で集まって荷物を整理しましょうか!」

 

出ていくNを見送りながら青葉は全員にある部屋に行くよう指で指示する、それに気づいた須郷達は部屋の扉を開けて中にはいり青葉もNが遠ざかったのを確認して中に入る

 

「…ふぅ…」

「すまねぇな青葉、俺達が口挟むのは難しいと思ってな」

「いえ、雅弘さん達も喋っては良かったんですけど…」

「俺達が喋っても…な?」

「そうだね…ボクとか何喋ればいいか分からなかったよ」

 

誠と緋彩は肩を竦めて青葉を見る、2人にとっては口先では絶対勝てない存在なので邪魔したくなかったのだ

 

「…そんで?青葉、お前は何が分かったんだ?」

 

何も無い場所から翔太郎が現れ青葉の方を向く、青葉は少し考え言葉を選ぶように口を開く

 

「まず分かった事で1番重要だと思うのは…彼女は恐らく『子供』です…と言っても私達より少し幼い程度でしょうが」

「…子供?」

 

青葉の言葉に緋彩は困惑した顔になる、何故なら

 

「ま、まってよ青葉!あのNって人…どう見ても20代の女性だったよ…?」

 

自分達より年下…つまり15歳以下となる

Nの見た目は完全に大人の外見でありどう見ても未成年とは思えないだろう

 

「そう、そこが重要なんですよ緋彩さん…外見は大人で精神が子供の可能性があるって事です…つまり下手に機嫌が悪くなってしまったら感情の赴くままに何をするか分からないんですよ」

 

できるだけ感情を逆なでしないように言葉を選んで喋っていた為、何とかなったが…

 

「それと、どうやらこの空間だと言語が統一される魔術があるとか…本人もよく理解してないようですがね」

「便利だな、それ」

「そうなんですよ、誠さんもこれがあれば違う言語の人とお話できますよ」

「便利だと言ったが魔術関連はNGだ」

 

過去に魔術師に踊らされた過去がある為あまり魔術は好きではないらしい

 

「…後は何ですかね、まぁ皆さんに忠告する事と言えば彼女に対する言葉を気をつける…ですかねぇ…」

「おいおい、難しいじゃねぇかよ…俺には無理そうだな…」

「雅弘さんはそのままでいいんじゃないでしょうか?変に言葉を選んでも不自然なだけですからね…あと翔太郎さんには頼みたい事が」

「ん?なんだ?」

 

青葉は翔太郎の近くに行き、耳を貸すようにジェスチャーする…拒否する理由がないのでとりあえず耳を向け体を屈める

 

「…翔太郎さんは集められてるこの町の方々の解放と…柏崎さん達の捜索をしてもらいたいんです」

「…まぁ俺はNって奴にバレてはないからできるが…耐えるんじゃないのか?」

 

翔太郎の考えでは青葉の今回の選択は耐える、だと思っていたがどうやら違うらしい

 

「耐えるのは…まぁ無くはないですがあまりやりたくない行動とも言えるんですよ、今回の敵があのAみたいなら動かないのが得策です…ですがNは見張りを置いてるわけでもなく普通に私達から目を離してるのでチャンスでもあるんですよ」

「つまり今回の敵はあんまり考えてないからガンガンいこうぜ…と」

「まぁゾンビの大軍がいるので厄介なのは変わりないんですけどねぇ…とりあえずできそうですか?」

「任せとけ、町の人らは何処にいるかは分からないが…すぐ見つかるだろ…だが柏崎は川を辿って…まぁ数時間は欲しいな」

 

翔太郎の想定を聞き青葉は考え…今回の方針を固める

 

「皆さん聞いてください」

「はいはーい」

「おう、どうした?」

「なんだ?」

 

2人で話してるのを離れた場所で見ていた3人が反応したのを確認し青葉は話を切り出す

 

「まず今回…最優先事項は『柏崎さん達との合流』、そして『Nの弱点、戦力の把握』…これを行いながら明日の早朝6時に行動を開始します」

「え?明日の朝って青葉、爆撃の1時間前じゃん!?」

 

緋彩は驚愕して青葉の肩を掴み前後に揺らす

 

「お、落ち着いてください…ぶっちゃけてしまうと私達が出来ることは限られてます、無理に戦うよりも今の環境で体を休め決戦の時に戦うのが1番勝率が高いと私は思いますね」

「そりゃそうか…俺達ずっと戦ってたからなぁ…」

 

伸びをしつつ誠は呟く、体に負担が蓄積しており今から全力で戦うのは不可能だろう

 

「つまり、速攻を仕掛けるってわけか」

「はい…翔太郎さんの負担が大きいですが…」

「動けるのが俺だけしかいないからな、そっちは頼んだぞ」

 

翔太郎はハット帽を被り直し窓から外に飛び出して町を駆ける

 

「…青葉、今回の勝てる確率はどんくらいだ?」

 

須郷が青葉を見ながら尋ねる、柏崎達と翔太郎が合流できるかどうか…それ以前に先に入った超人とアメリカの特殊部隊が生きてるかどうか…かなりの博打だ

 

「…10割中…1割ですかねぇ…」

「低いな…」

「ま、なるようになれ…ですね」

 

窓の外を眺めながら青葉は今回の行動が成功するかどうか予測する

 

「…吉と出るか凶と出るか…」

 

あまり運任せは好きじゃないが運に任せるしかないと思いつつパーティーをどう乗り切るか考えるのであった




どうも、私です

今回は少し物語の展開は遅め、ここから少し早くなるかも

では明日、また次の投稿でお会いしましょう
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