星空はとても綺麗だ、こんな地獄みたいな地上よりもずっとな…俺はタバコを入れているポケットに手を入れ指先に何も当たらないのに気づく
「あれ?なぁケイト、俺のタバコ知らないか?」
「ん?あぁ…水に濡れてたからアシカワが捨ててたよ」
「芦川ぁ…」
まぁそろそろ禁煙しろって遠回しに矢本からも言われてたから…これを機に禁煙するか…
「そろそろ戻るか、芦川とエド少年が二人っきりという絶対会話もしてない場所に」
「それ言う必要ある?…あ、いや…言う必要あるか?」
「俺といる時は普通にしててもいいぞ…」
戻って作戦会議だな、ケイト一人だけとはいえ…かなりの戦力と言っても過言ではない
俺とケイトは来た道を戻りながら昔話に花を咲かせながら戻る
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時は遡り
夜の町、明るく灯されているがそれでも屋根の上や路地などは比較的暗がりが多くなっていた
光が強くなればなるほど闇は濃くなる、そんな闇の中を駆ける1人の男がいた…その姿は僅かに見える程度で家の屋根を、路地を、ある時は堂々と道の真ん中を歩いてある場所を探していた
「…(そこそこ家があるな…家1つに2人の大人として…かなりの大人数だ、そんな大人数を隔離するには…何処だ?)」
探偵の超人、道華翔太郎はハット帽を被り直しながら周辺を見回っていた…子供達は自由になったと言わんばかりに道のあちこちで玩具を広げ遊ぶ子供やサッカーをする子供…
「…(まるで子供の楽園だな、こいつらは親がどうなったか知ってるのか?)」
遊んでいる子供一人一人を観察して翔太郎は一つの仮説を立てる事にした
「…(親の存在を記憶から消した…?いや、思い出せないの方が正しいかもしれないな)」
記憶をどうにかするというのは難しい事だ、それも大人数にやって全員同じ事を忘れさせるのは時間がかかるだろう
「…(魔術か…便利だが関わりたくないもんだ、さて…捜索を続けるか)」
遊ぶ子供達にぶつからないように避けながら歩き…
「…(ん?あれは…パンと…鍋?)」
ローブを羽織り手足と頭を完全に隠している集団が車に食料らしきものを運んでいるのを翔太郎は目撃した
先程青葉が言っていたパーティーに使うにしては車を使う程なのだろうか?
「…とりあえず追うか」
恐らく詰め込み待ちであろう車の上に乗り適当な場所に掴まって出発を待つ
食料を車に入れている一行は何も喋らず、黙々と運んでいるのが不気味だがどうやら普通の人間らしくペットボトルの中身を顔を覆っていたローブの隙間から飲んでいる者がいた
ゾンビという線も考えたが…死人に水分が必要なのか?
「…(それにゾンビが車運転するとか聞いた事ないしな)」
発進し始める車にしがみつきながら翔太郎は揺られる
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体感的には15分くらい経っただろうか?距離にして2km程…車は止まる気配がない
「…(…ん?あれは…)」
暗く見えづらいが僅かに何か大きな影が見えた、それは十字架が立てられておりかなりの広さの建物…教会だ
翔太郎はあと少しで到着というところで車から脇の茂みに飛び込み身を潜める、気づかれた感じはしない…そのまま教会を目指して茂みを歩き木の陰に隠れ様子を伺う
「教会と…墓地か、ゾンビに墓地は相性抜群じゃねーか…」
恐らく何体かはあそこで蘇ったのだろう、土が荒れており穴が何個もある
「…ん…?…!?」
教会は建物を囲むように塀が作られておりその敷地内に墓地が作られていた、それを順番に見ていると教会の横…来た時には死角になっていた部分に『何かがいる』
それは適当に集めてくっつけたように人間がその『巨体』に張り付いていた、体長は教会よりも大きくない程度だろうか?それにしても大きい…そして尚且つあの巨大な人型の何かは…ゾンビなのだろうか?
偶然、その巨大な人型の生物の近くをゾンビが一体歩いていた…が、直ぐにそのゾンビは巨大な生物に掴まれ『捕食』される
「うっ…あまり見てて楽しいもんじゃなさそうだな」
遠くにいても聞こえるほどの咀嚼音、骨を噛み砕く音が生々しい…巨大な生物に集中してる間にローブ達は食料を教会の入口まで持っていき扉を開ける
開けたと同時に中から木材等を手に持った若者が現れローブの1人の頭をぶん殴る
「へ!くたばりやがれ!このイカれた野郎が!」
その後ろからさらに武器を持った者達が現れローブ達を襲い始める
「…町の住人達か?加勢するべきか…?」
数で押してる町人達に協力するか悩んでいた翔太郎の耳に何かが折れる音と砕ける音が聞こえ教会の方を見る
ローブの1人が木材を掴んで片手で折り、また1人が教会のコンクリートで作られた壁を『破壊』したのだ
「…あ、ま、まっ…」
止めようとした若者の1人の顔をローブの1人が殴る、その動作だけで若者は教会内に吹き飛び中で悲鳴と衝撃音が響く
他のローブ達は反抗してきた若者達を掴み無理やり教会内に連れて行き教会の扉は閉められた
「……人間…じゃないのか?………教会は後回しだ、柏崎達を見つけよう」
頭の中に響く警告音を信じ一旦町に戻ろうと立ち上がり振り返る
その先にはローブを羽織った人影が立っていた
「っ!…はっ…運がない…だがすまねぇな…見なかった事にしてくれ」
能力を使い体を透明にしていく翔太郎、だがローブは動く気配がない
「…(様子見か?もしくは援軍を呼ぶ気か?どちらにせよ…今は眠ってもらうぜ!)」
素早くローブの背後をとり首筋に回し蹴りをする、戦闘が得意ではないが普通ならこれで意識を刈り取れるはず
だがローブはそれを避け、拳を翔太郎に向け殴りかかってくる
「危なっ!」
咄嗟に避け、冷や汗が流れる…この反応速度と拳の『重み』どこかで見たことがある
ローブの人型は完全に翔太郎を見ており…『構えをとる』
「…っ!?…お前は誰だ…!」
相手を見ながら逃げる選択を取るしかないと悟る、何故なら
ローブの人影は
『須郷流』の構えをしていたからだ
どうも、今回短め私です
物語の進行が遅いような遅くないよなー…遅いな(確信)
明日から少し早めまーす
では明日、また次の話で会いましょう