ファースト・オブ・バレット   作:パルバール

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第75話『暗い洞窟の中で』

食事を終えて、それぞれ楽な体勢になる

俺とケイトはともかく、芦川とエド少年は居心地が悪いらしくずっとキョロキョロと周囲を見ていた

 

「…しかし…あれだ、言葉が簡単に通じるのって便利だな」

 

普通に喋ってたが、ケイトはともかくエドワードの言ってる事が『日本語』として聞こえた…という事に気づいたのは洞窟に帰ってきてからだった

最初は気づかなかったが…英語にはない日本語特有の言葉が当たり前のように聞こえた時は驚きのあまり壁に頭をぶつけてしまった

 

「日本語なんて習ったことなんてないから…僕の言葉も分かるんだよね?」

「あぁ、エドが日本語バリバリ使える秀才じゃなければな」

 

日本語って難しいよね、たまに日本人より日本語喋る外国の人がいるけど尊敬する

…日本人でも日本語怪しい時があるが

 

「それで、これからどうするんだい?」

「んー…とりあえずケイトが1人だけになった経緯を教えて欲しいんだが…大丈夫か?」

 

表には出さないが…仲間達を失い、尚且つゾンビにされてしまった

ケイトだけに問わず普通ならあまり思い出したくないとは思うが…

 

「………大丈夫、ってか気にするなよカシワザキ!この仕事をしてるのなら覚悟の上…だろ?」

 

エイレーネーは正義のヒーロー…今は超人か、それらの戦闘に参加して戦力として戦っている

能力に目覚めた者でも超人達の戦闘では最悪命を落とす…どうしても覆せない事実だ、だから俺達はいつ死んでもおかしくはない…

 

「…だな、それじゃ…頼む」

 

だからこそ彼らの死を無駄にはしない為に、情報を少しでも手に入れる…今出来るのはこれくらいだ

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

「まず、3日目に数人の保安官が異変が起きた町に向かって1人だけしか戻ってこなかったって話はしってるだろ?」

「知ってる知ってる」

 

結局全員亡くなったが

 

「あの後私達…特殊部隊と超人達ですぐ町を目指したんだが…多分だけどタイミングが悪かったんだろうね」

「ん?」

「入ってすぐ『ゾンビの大軍』に襲われたのさ」

 

ゾンビの大軍…俺達も出会ったがあれと同じなのだろうか?

 

「目的は分からないが…あの大軍はここ辺り一帯を覆ってる範囲内を大移動してる、この3日間調査をして判明したってわけさ」

「…話を続けてくれ」

 

調査結果の詳細も気になったが今は全体を聞いておきたい

 

「まぁゾンビの大軍は良かったわけよ、超人達もいたし…念の為に軽機関銃を持たせてたからね」

「念の為に持たせるもんじゃないよ?知ってる?」

 

うちにも配備されないかな?軽機関銃とかの銃火器…使う場面少ないから無理か…

 

「…4分の1、片付けたと思ってた頃…『ヤツ』が現れた」

「ヤツ?」

「……全身を人間の体で覆っていて明らかに人間サイズじゃない…言うなれば『巨人』」

「巨人…ですか?」

 

芦川が震えた声で尋ねる、今更巨人が出てきてもなぁ…Aとの戦いで巨大な化物とかいたし

 

「ただ体はツギハギだらけで恐らくゾンビとは思うけどね」

「はーん、ゾンビ集めて作られたゾンビか…」

 

ケイトは遠くを見るような目で魔銃を触りため息を吐く

 

「私の攻撃や超人達の攻撃も通じてるようには見えなかった

…自信がなくなっちゃうレベルで簡単にウチの男連中も超人も巨人の1振りで吹き飛んで重症…悪夢だったね」

 

魔銃はここ半年で開発された最新式だ、だがそれが通用しないとなると魔力弾だけでは倒せないのか…?

 

「どんどん仲間が倒れていく中…あの女が現れたのさ」

「…『N』か」

「そう、まだ耐えれてた仲間達が一瞬で…そしてこう言ったわ………『貴方達はお呼びじゃない』ってね」

 

なるほど…

 

「しかし、あのNってのからよく逃げれたな…俺達でも超人の助けがなかったらやられてたのに」

「へぇ、優秀な超人が日本にいるのかい?」

「質だけが取り柄でな」

 

こう話してる間もケイトの表情は暗くなり魔銃を握る手が強くなる

 

「…こんな情けない隊長をあいつらが逃がしてくれたのさ…部下を捨てて…ね」

「…そうか」

 

ケイトは仲間を第一に考え、仲間が死なないように前線で戦い…部下達もケイトが死に急がないようにケイトの隣に立っている

ケイトが見捨てるというより、部下達が見捨てるようにした…という方が正しいだろう

 

「………ま、お前が言ってたようにいつ死ぬか分からないからな、この仕事」

「…だね!ま、暗い話はここまでで次はエドワードの事でも話すかね!」

 

いつものテンションを貼り付けるように元気を出すケイト、彼女が前を向いてるのならそれでいい

 

「エド少年とはどこでハンティングしたのかな?ケイト君」

「森の中で倒れてたのをガっ!とね!」

「ケイトさん!?違いますよね!?ケイトさんが倒れてて僕が偶然出会っただけでしたよね?!」

 

エドワード少年はリアクションがいいねー…嫌いじゃないぞ〜

 

「そうそう、エドワードは私を見つけて治療してくれたんだよ!」

「…僕がやった応急処置よりケイトさんの方が上手いし早かったですけどね…」

「まぁ治療訓練もしてるから…」

 

ケイトってこう見えて治療もできるのだ、何故かは知らん

 

「それで?エド少年は何故森を?」

 

時系列的には『N』の出現後…理由も無く歩いてるわけがない

 

「…僕は友人達と森にいて…」

 

エドワード少年は森で友人達と待ち合わせしていたらNと名乗る女性が現れたのと友人達が突然Nを崇め始め、怖くなり逃げた…という内容だった

 

「エド少年、なんか最初の部分嘘ついてない?」

「エッ!?そ、ソンナコトナイデスヨォー」

「そうか…そうなのか?」

 

なーんか最初の部分濁してる気が…

 

「………ただ、その…なんて言うんでしょう」

「ん?どうした?」

 

エド少年は言いにくそうに口をモゴモゴさせ何かを言うのを迷っているようだ

 

「何でも言ってみてくれ、もしかしたら君の一言が重要な情報かもしれない」

「あ、で…では…その…なんて言うか…あのNって人…

『懐かしいんです』」

 

………?

 

「懐かしい…?」

「はい…何でか分からないですけど…」

 

う、うーん…?懐かしい…

 

「会ったことがあるのか?」

「い、いえ!会ったことなんて…多分…ないです」

「そうか…」

 

あれかな、デジャブか?

 

「あ、あの…その…忘れてください…多分気の所為ですから」

「あー、まぁとりあえず覚えておいて…次は町に向かう案を考えよう」

 

重要かどうかは分からないが今は目の前の事を考えつつ町にいる超人達救出作戦を練るとしよう

 

 

 

 

『デジャブ:実際は一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じる現象である。』




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