一般人と雪の音の少女   作:FKIN

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正直に言います……前回のお話で一気にお気に入りと評価がついてとても驚きました……本当にありがとうございます……後々この中村圭人の闇も出てくるでしょうがよろしくお願いします……


大学生、遭遇する

 

 クリスに鍵を渡して1日が過ぎた……クリスは結局服が乾いても出ていくことはなかった。その代わり家でゴロゴロするようになった。今朝は昨日の晩御飯のあまりで作ったロコモコ丼を美味しそうに食べていた。そしてたった一日なのに強烈な変化が訪れた……それは……

 

 「あっ、そうそう。雪「クリス」……クリス……今日アルバイトのシフトが入ってるから帰るの遅くなると思う。だから作り置きが冷蔵庫に入ってるから食べておいてね」

 

 そう……それは、かんたんな話名前呼びである。しかも下の名前……本人曰く

 

 『家族なんだし、下の名前で呼び合っても問題ねぇよな』

 

 だそうだ。

 

 「ん」

 

 「つーわけで、昨日と同じく宅配便以外は出なくていいから。頼んだぞ」

 

 「分かってるって」

 

 「んじゃ、あとは頼むわ。暇になったら本棚にある小説か漫画、もしくはDVDか録画してためてるアニメとか見てもいいから」

 

 と言ってリビングから出ていこうとしたときに

 

 「お、おい!!」

 

 「ん?」

 

 「い、いってらっしゃい……」

 

 そう、顔をそらしながら言ってきた。

 

 「……」

 

 「お、おい!!何か言えよ!!」

 

 「あ、あぁ……いってきます……なんかいいものだな……」

 

 「ん?なんか言ったか?」

 

 「いや、何でも。んじゃ家のことは任せた!!」

 

 そう返し俺は大学に向かった。さて……今日の大学の食堂の日替わりメニューは何かね?

 

 

 

 アイツ……中村圭人が家を出ていくのを確認したアタシはリビングに戻りソファーの上で昨日もらった鍵を見た。

 

 「……家族の証……か……」

 

 雪の結晶のキーホルダーのついた2つの鍵……それがこの家の鍵だった。彼いわく

 

 『これは俺の大好きな作品で言ってたんだが、鍵ってのは家族を守る大切なものなんだと』

 

 『家族を……守る……?』

 

 『そうだぞ。きちんと戸締まりができるし、俺が留守でも守ることができるだろ?』

 

 そうやってニコリと笑っていた。

 

 「……たった半日しか喋ってない相手に鍵渡すとかどうかしてるよな……でも……」

 

 独りごちながらアタシは鍵を胸元に抱きしめた。

 

 「……何だろうな……ここにいると安心できる……あたしはここにいてもいいのか……?……いや、今はアイツの好意に甘えておこう……取り敢えず何か読まさせてもらうか……」

 

 アタシは本棚に向かい漫画を探すことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 「ハァ!?女の子を拾ったァァァァ!?

 

 食堂にて男の野太い声が響きわたった。

 

 「シー!!声でかいわ!!ボケ!!」

 

 「アホか!!大きい声出るわ!!ボケ!!」

 

 「ここどこだと思ってるんだって言ってるんだよ!!周り見ろよ!!」

 

 そう中村圭人が言うと目の前の男……西原快斗は周りを見る。すると目線は自分たちに一直線に向いていた。

 

 「……それはそうだな……で?大学の講義休んだ挙句に昨日は理由をはぐらかせられたけど実は拾った女の子の介護をしてたって本当か……?」

 

 「……何だその疑いの目は……?」

 

 「そらそうだろ?俺、お前が女子とまともに話せるとかマジで思えんのやけど?」

 

 「うーん……否定できねぇのがつれぇ……」

   

 そう言いながら俺は今日の日替わり定食であるとんかつ定食を食べる。今日はあたりの日のようだ。

 

 「……まぁ、お前なら手を出す度胸は絶対ないから大事には至らないとは思うが……大丈夫なのか?」

 

 「……?何が?」

 

 そう返すと快斗は呆れた顔をしたあとに……

 

 「……絶対その子訳ありだろ?何か盗まれても知らねぇぞ?言っちゃ悪いがお前の部屋にあるあれ……知ってる奴らにとっては財産だぞ……?」

 

 あれというのはただ単にカードの事である。何もひらない人から見ればただのカード。だけど知ってるものからすればとてつもなく価値のあるお宝である。

 

 「……まぁ、そうかもね……でも大丈夫だよ」

 

 「……根拠はあるのか?」

 

 「……根拠ってほどでもないけど……」

 

 そう言いながら思い返すのは味噌汁をすすったときの顔……噛み締めるような、悲しい笑顔が何故か心に刺さった……

 

 「……あんな顔をされたら……助けたくなるさ……」

 

 そう答えると目の前の悪友は盛大なため息をついたあとに

 

 「まぁ、そのことに関しちゃ俺はお門違いだからな……どんな顔されたのか全くわかんねぇ……でも……」

 

 「……?」

 

 「……何かあったら言えよ……相談くらいはのってやる」

 

 そう言いながら目の前の悪友は俺の奢りの定食についている味噌汁を啜る。

 

 「あぁ……頼りにしてる」

 

 「……マッ、取り敢えず単位を落とさない事と、遊ぶ時間減らさないとな?」

 

 と、ニヤニヤしながら言ってきた。

 

 

 「え"!?」

 

 「当たり前だろ?学生の本分は勉強だぞ?おまけに家主が遊びに行ってばかりだと同居人が心配するぞ?」

 

 「……せやな……考えておく……」

 

 そう答え俺らはその後は他愛ない話を繰り返し、飯を食い終わると次の講義の教室へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして時間は過ぎて夜の22時前

 

 「ありがとうございます。またお越しくださいませ〜」

 

 いつものように仕事をこなす。今日は22時にあがることになってるから少し早く帰れそうだ。などと考えているとレジに人が並んだ。何故か22時前と23時前は人が並び始めるという謎がある。そこもどうやら前世と同じのようだ……俺は客の対応をするためにレジに向かうとそこには赤シャツを着た巨漢がそこにいた……

 

 「……」

 

 「い、いらっしゃいませ、こんばんは〜商品お預かりします」

 

 いつもと同じように商品を預かり借りるDVDを預かる。ただ、

 

 (で、でけぇ……これが昼の人の噂の赤シャツさん……かな?いつもアクション映画借りるガタイのいい人がたまに来るって聞いてたけどマジですげぇな……)

 

 なんて考えながらディスクの確認を行い、お会計を行う。ただ、

 

 「……」

 

 (何だこの人?俺の顔に何かついてんのか?ジロジロ見られても困るんだけどな……)

 

 そう思った。何か人を見て何かを確認してるような……そんな感じがした。まぁ、仕事に集中するか……そんなことを考えながら商品を袋に入れてお渡しする。

 

 「ありがとうございます。またお越しくださいませ〜」

 

 そしていつもの決まり文句の挨拶をしてお客様である赤シャツさんを見送る。

 

 「来たね〜赤シャツさん」

 

 そうやって投げかけてくるのはパートリーダーの石田さん。

 

 「……俺、初めてですよ……あの人のレジしたの」

 

 「まぁ、あんな目立つ格好で来店されたら印象に残るよね……ただ、あんまり夜に来ることないんだけど……珍しいな……」

 

 そうやって呟く石田さん。だけど何故か俺はこのあと悪いことが起きるのではないかと不安に何故かなった……あの赤いシャツの男……一体何者なのだろうか……

 

 とか思ってたのが数分前。そして今……

 

 「……少し混んだから時間がかかっちまったな……」

 

 俺は下宿先へ向かって走り出していた。取り敢えず家に帰って明日の講義の準備とクリスが起きていたら今後の予定を話し合おうかとか考えていた。だが曲がり角を曲がった側にある電柱から人影が現れる。それは先程TATSUYAで俺が対応していた赤シャツの客だった。

 

 「……ちょっといいかな?」

 

 「……何なんですか?時間も遅いので手短にお願いします」

 

 「そんなに時間はかけるつもりはないぞ。改めまして……かな?俺の名前は『風鳴弦十郎』。特異災害対策機動部二課で責任者を勤めている。『中村圭人』君でいいかな?」

 

 「ッ!?」

 

 俺は正直動揺した。何で目の前の人物が俺の本名を知っているのか……と。確かにユニフォームには名前の書かれた名札をつけてはいるが……あくまで苗字だけで下の名前は一切書かれていない。更に俺は目の前の男とさっきレジで対応するまで一度もあったことも喋ったこともないのだ……故におかしいのだ……自分の名前を知っている目の前の男が……

 

 「……そうですけど?なんで俺の名前を知ってるんですかね?おじさん?」

 

 と、目の前の男を警戒しながら近くに武器になりそうなものを探す。正直不気味すぎて怖い。

 

 「警戒させてすまない。我々はこういう情報収集は得意だからね」

 

 「情報収集?なんでどこにでもいる大学生の情報を手に入れてるんですかねぇ?何か悪いことでもしましたかね?」

 

 と、目の前の漢を睨みつける。正確に言うとそれくらいしか出来ないので逃げ出す機会を伺っているのだが……隙がなくて逃げ出せそうにないのだ……

 

 「いや、君は特に悪い事はしてないよ。むしろ感謝してるくらいだ」

 

 「……感謝ぁ?」

 

 「あぁ、彼女を保護してくれた君に感謝している。故に話がしたい。雪音クリス君について」

 

 そうおじさんがいってきた。

 

 「……調べがついてるって言ってますけど俺、知らないですよ。そんな人の名前」

 

 「……これを見ても……かね?」

 

 そうやって言いながら懐から写真を取り出した。そこには銀髪の少女を背負っている男の姿が……って、おい。

 

 「な、なんでそんな写真が!?ど、どこで!?」

 

 「なぜそんな反応をするのかね?これは酔っ払いを背負っている男の写真なんだが?」

 

 と、言って写真を渡してきた……遠目でわからなかったが確かに俺と全く関係のない男女の写真だった……

 

 「……騙したな……」

 

 「い、嫌……君が勝手に自爆しただけなんだがな……」

 

 と、苦笑いをするおじさん。

 

 「……で、おじさんはあいつの何なんですか?」

 

 結局嘘をついて逃れることはできなさそうなので観念して認めることにした……絶対アイツ隣りに居たら笑ってるか盛大なため息をついてるかのどちらかだよ。

 

 「あぁ……まずはそこからか……」

 

 と、おじさんが雪音クリスとの関係を語り始めた。雪音クリスの過去を……

 

 バイオリン奏者と音楽家の一人娘であること

 

 難民救済のNGO活動中に戦火に巻き込まれて死亡したこと

 

 クリスも行方不明だったが、国連軍のバルベルデ介入によって現地の組織に捕まっているところを確保され日本に移送されたが帰国後行方不明になったこと

 

 そして……目の前のおじさんがクリスの担当になった最後の捜査員であるという事を……

 

 「……と、これが彼女の経歴であり、彼女と俺との関係だ」

 

 「……」

 

 「……信じられないか?」

 

 「……いや、おじさんとクリスとの関わり以外は納得がいったよ……」

 

 (そら、そんな過去背負ってたらあんな顔するわ……)

 

 俺はそう思った。あのときの味噌汁を飲んだときの顔、そしてあの感情の吐露、鍵を渡したときの反応……

 

 (アイツ……寂しかったんだな……)

 

 だから人の温もりに敏感なんだ……親が死んで、その後何があったか知らない。でもあの反応は間違いなく碌な目にあっていない。

 

 「……で、おじさんは何がしたいの?クリスに?」

 

 「……俺は……彼女を救い出したい。引き受けた仕事をやり遂げるのは大人の本望だからな」

 

 そう、俺に真っ直ぐとした目をして言ってきた。話していて分かった。この人は言ったことを曲げない人だろう……なんなら正直者だ……俺みたいに嘘をつくのが下手ってわけでもなく……

 

 「……アンタのすることはその特異災害対策機動部二課ってところでクリスを保護することが目的か?」

 

 「あぁ……そうだ……」

 

 「……そうか……」

 

 沈黙があたりを支配する。だが、次に言う言葉は決まっている……

 

 「……すいません、クリスをそちらに渡すことはできません……」

 

 「……理由を聞いても?」

 

 「……俺はただの大学生です。オマケに特異災害対策機動部はよくニュースで聞きますけど二課なんて聞いたことありません……だから本当に一般の人が知らないものが関わってる訳ありの子なんだと思います……でも……」

 

 「……」

 

 「たとえ訳有であっても関係ない。彼女は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (帰りが遅いな。22時半までには戻ると言っていたのに……)

 

 ふと時計を見上げると時刻は既に22時半を過ぎていた。ここの家主……中村圭人は22時半までには遅くとも戻ると言っていたのに……だ。

 

 (何かあったんじゃないだろうな……?)

 

 アタシは不安になった。匿われているとはいえアタシのことをフィーネは追っている。故にすでに見つかっている可能性も否定はできないのだ……

 

 「……留守番任されてるけど、少しだけ外の様子を確認しにいくか……?近くらしいし通り確認して戻るだけでも問題ないだろ……」

 

 そう思いアタシはハンガーにつるしてあった彼のフード付きの上着を勝手に羽織り、渡してもらった鍵を使い家から出た。当初の目的は通りを確認してフードで顔を隠しつつあたりを確認するために家を出てきたのだが……

 

 「……アンタのすることはその特異災害対策機動部二課ってところでクリスを保護することが目的か?」

 

 と、声が聞こえた。どうやら結構聞こえる声で喋っているらしい。アタシはチラッと通りを確認すると交差点の奥の方に圭人が、そして電柱の側にあの男が立って話をしていた。

 

 「あぁ……そうだ……」

 

 「……そうか……」

 

 そう互いに神妙そうな顔をして会話を交わす。その光景を見て

 

 (……そうか、もう特機部二には見つかってたのか……内容は……アタシを二課に引き渡すこと?か?)

 

 と、悟った。そして彼の様子を見る。彼の顔は見えない……だが、クリスは思った……自分を裏切るのではないか……と。

 

 (……そうかよ……やっぱり口だけだったのか……何が家族の証だ……やっぱりアタシにはどこにも居場所は……)

 

 無いんだ……そう思い、その場を立ち去ろうとした……だが……

 

 「……すいません、クリスをそちらに渡すことはできません……」

 

 彼が答えたのは明確な拒絶だった。

 

 (え?)

 

 「……理由を聞いても?」

 

 話は続いていた。

 

 「……俺はただの大学生です。オマケに特異災害対策機動部はよくニュースで聞きますけど二課なんて聞いたことありません……だから本当に一般の人が知らないものが関わってる訳ありの子なんだと思います……でも……」

 

 「……」

 

 「たとえ訳有であっても関係ない。彼女は……

 

 家の鍵を預けた大切な家族だ」

 

 (……)

 

 「たった2日間しか過ごしてなくてもわかる。アイツはひねくれもので、勝ち気な少女……でも、クリスは人の心の苦しみを知ってる……」

 

 (……)

 

 「……だから今はもうひとりじゃない……今のクリスは……俺の大切な家族だ。だから……クリスの事は俺に任せてくれませんか?」

 

 その言葉を聞いたとき……クリスは静かに涙を流した……

 

 (疑って……ごめんなさい……信じれなくて……ごめんなさい……)

 

 そしてアタシは彼に心の中で謝った……彼を疑った事を彼は知らないだろう……でもアタシは謝りたくなった……アタシは見つからないように彼の家に戻った……

 

 

 

 

 「……例えそれが……苦難の道であっても……平凡な日常を送れなくなる可能性があっても……君はその選択をするのかい?」

 

 「……はい……ただの大学生が関わる世界じゃないのかもしれないけど……でも……」

 

 そう言うと目の前の男は笑いだした。

 

 「……は?」

 

 「いや、すまない。勝手に君の覚悟を試させてもらってね」

 

 「……どういうこと……ですか?」

 

 「……君も知っての通り彼女は訳ありだ……一般人が知らないことにも関わってくる」

 

 「……」

 

 「だからこそ……君を試させてもらったんだ……彼女を……雪音クリス君を……大人を信用できない彼女を助けてくれる存在かどうかを……ね……」

 

 「……大袈裟ですよ……俺はただの大学生ですよ……それに……俺はただ彼女を拾って介抱して、家で匿ってるだけですし……」

 

 「……そんなただの大学生が大人を相手にあんな事を言ったのかね?」

 

 「……」

 

 「まぁ、君が彼女を大切に思ってる事が分かったからそれでいい」

 

 そう言いながらおじさん……風鳴弦十郎はこちらに歩いてきて俺の方に手をのせたあとに

 

 「……彼女の帰ってくる場所になってあげてくれ」

 

 そう言って夜道に消えていった……

 

 「……言われなくてもそのつもりですよ……」

 

 俺はそう一人つぶやき自宅へと歩いっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ただいま〜」

 

 そう言いながら玄関を開ける。反応はない。

 

 「あれ?もう寝てるのか?まぁ、予定よりかなり遅くなっちまったからな……そら仕方ない……か」

 

 そう一人つぶやきながら玄関に鍵を占めたあとにリビングの方に向かう。すると……

 

 「……」

 

 ソファーの上で体育座りをしながらフードを被ってるクリスがいた……

 

 「お?起きてたのか?なら何か反応くれよ……寝てるかと思ったじゃねぇか……まぁ、帰りが遅くなってゴメンな……俺今から飯作って食べるからクリスはそろそろ寝……」

 

 たら……という言葉が続かなかった……何故なら……クリスが顔をフードで隠しながら立ち上がり俺に飛びついてきたからだ……

 

 「……おい、どうしたんだ……急に……」

 

 「……なぁ……」

 

 「ん?」

 

 「アタシって……圭人にとっては何なんだ……?」

 

 「え?」

 

 「……いいから答えてくれよ……頼む……」

 

 「……そうだな……クリスは俺にとって……大切な家族だよ」

 

 「……どっか遠くに行っても出迎えてくれるか?」

 

 「……この家を引き払ってなかったらな。ただ、俺がクリスの帰ってくる場所くらいにはなってやるよ……どうした?急に?」

 

 そう答えると……目の前の少女は悲しそうな顔をしながら……

 

 「……ゴメン……アタシ……圭人の事疑った……」

 

 そう言って来た。もしかして……

 

 「……さっきの話聞いてた?」

 

 そう聞くと目の前の少女はコクンと頷く。

 

 「そうか……聞かれてたか……」

 

 「……勝手に聞いて、ゴメン……それでも……」

 

 「……皆まで言わなくていいよ」  

 

 「……え?」

 

 そう言いながら俺は目の前の少女をあやすように背中をポンポンと叩き、

 

 「……会ってすぐの男の事なんざ信用できないのはわかるさ」

 

 「……」

 

 「だからこれから互いに信用できるように話し合っていこう?な?」

 

 「……あぁ……」

 

 「よし、それじゃあ今回の件はこれでおしまいだ。帰りが遅くて心配かけたね……ご飯食べた?」

 

 「……実はまだ何だ……」

 

 「そうか……なら時間遅いけど軽めの物すぐ作るから一緒に食べようか?」 

 

 そう言うとクリスは顔をあげて

 

 「あぁ、そうさせてもらおうかな」

 

 と、笑顔で返事をしてきた。そうだよ。俺の見たい顔は悲しそうな顔でも何でもない……そういう君の笑顔なんだ……

 

 そう思いながら俺は晩御飯の支度をはじめた。




今回はここまでです。ありがとうございます。目標は雪音クリスの帰る場所。それがこの作品のコンセプトです。戦闘は……どうでしょうね?基本的に大学生と雪音クリスの同棲話ですので……G編に入ると他の装者とも絡みだすと思うのでよろしくお願いします
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