「パーティータイムだ。踊ろうぜ‼︎」
言うと同時に死神は飛び上がり、襲いかかる。その手にはナイフ《エターナル エッジ》を逆手に持っている。
落ちていくスピードを乗せた一撃をIS《ラファール・リヴァイブ》は手に持つ銃で受け止める。
『何!?』
受け止めた銃が2つに切れる。ISの最強たる所以はその機能だけでなく武器にもある。パワーアシストのある動きに耐えられるよう普通の武器より硬く作られている。それを真っ二つにした事実は女を動揺させるのに充分すぎた。
「なんだ、結構もろいじゃねぇか」
『舐めるなよ!!』
「舐めちゃいねぇよっと」
死神は連撃に連撃を重ねていく。人間の目では追うのがやっとのスピードで行われる攻防。ラファールは新しいソード型の武器で応戦している。
刃が交わっていく回数が増えていく。戦闘が長引くにつれ、明確な技量の差が出始めていた。
「おい、なんかあの白いのIS相手を押し始めてねぇか?」
連撃についていけなくなったラファールはジリジリと後退を始めていた。
死神はその間も追撃のスピードを上げていく。
「…というかなんであのISは飛ばねぇんだ?飛んだら簡単に距離を取れそうなもんだが…」
「…あれは飛ばねぇんじゃない、飛べねぇんだ」
「え?」
「よく見ろあいつの動きを。飛びそうになった瞬間、地面に留めるように攻撃してやがる…。ISとの戦闘に慣れてやがる…」
ISは
『クソッ!!』
「おいおい、まだ始まったばかりじゃねぇか。そんな浮足立たなくてもいいぜ?」
『うっさい!!』
「おわっ、まじか」
ラファールはグレネードを爆発させる。至近距離で爆発させたためラファールにもダメージが入る。しかし、本来の目的はそこではない。
『飛んでしまえばこっちのもの‼︎』
「ちっ…めんどくせぇ」
爆発により無理やりこじ開けた間合いを使って飛翔する。
空を主戦場とするISにとって空中戦は十八番である。それを差し置いても上からの攻撃と下からの攻撃、どちらが有利かは日を見るより明らかであった。
『今までよくもやってくれたわね…!!タダでは殺さないわ、一方的に蜂の巣にしてあげる!!』
「キーキーうるせえなぁ…。ステージを変えたいならそう言えっての」
【サイクロン】
言うが早いか右手に新たな緑色のメモリを持つ。そしてそのメモリを右腰の《マキシマムスロット》に差し込む。
【サイクロン マキシマムドライブ】
「おいおい、さすがに嘘だろ…?」
「風を纏ってる…のか?」
身体に緑の風を纏い、ラファールより飛び上がる。
「あり、飛びすぎた」
『このぉぉ!!』
ラファールは両手に銃を展開、弾幕を張る。
しかし、放たれる弾丸はかすることも許されない。
「殺気のねぇ弾丸に当たってやる道理はねぇなぁ」
迫る弾丸を避けながらラファールへと接近していく。
「そろそろフィナーレだ」
【エターナル マキシマムドライブ】
腰のベルトのスロットからメモリを引き抜き、エターナルエッジへと差し込む。刃にエネルギーが充填されていく。
『く、来るなぁ!!』
「嫌だね!!オォラァァァ!!」
『キャァァァ!!』
一閃。エターナルエッジを振りかぶりそのまま横に一文字に切り伏せた。
ラファールは飛行状態を維持出来ず落ちていく。
ドォォォォォン!!!!!
再び天から金属の塊が落ちてくる。しかし今度はただの塊であるが。
「すげぇ…」
「ISに勝っちまった…」
「あのーすみませんー」
空から悠々と降りてくる白き死神。その姿と裏腹に聞こえてくる声は明るいものである。
「捕縛とかお任せしてもいいですか?絶対防御あるんで気絶してるだけだと思いますから」
「あ、あぁ…」
「よろしくお願いしますー」
《絶対防御》とはIS特有の、エネルギーを大量消費する代わりに操縦者を保護する破られない盾。
「んじゃ、お疲れ様でしたー」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!!お前は一体誰なんだ!?」
「んー」
ベルトの倒してあるスロットを立て変身を解除する。するとメッキが剥がれていくように死神が男に戻っていく。
「俺の…、いや違うな」
バババババッ!!
救援物資を積んだヘリコプターが飛んでくる。そのヘリの横には『NEVER』という文字。
「俺たちの名前はNEVER以後お見知りおきを」
エターナルのマキシマムドライブは、ちょっと強い溜め斬りです。