戦姫絶唱シンフォギアchao ~Seelf-sacriflcing devil~ 作:瞬間接着剤
翼さん……申し訳ない。
その頃二課では、ネフゥシュタンの鎧の出現に困惑していた。石動は顔を歪め、自身の席を立つ。
「弦十郎!俺は研究室からネフゥシュタンの鎧に関する資料を持ってくる!」
「なっ!?おい待て!」
石動はそんな弦十郎の制止を振り切り研究室に向かう。
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翼と鎧の少女はお互いに武器を構える。二人が戦おうとしたそのとき、翼を止めるために響が抱きつく。
「止めてください!翼さん!相手は人です!同じ人間です!」
「「戦場で何をバカなことを!」」
次の瞬間空から歯車に包まれながら人型の何か…いや仮面ライダーが降ってくる。
「ハンター!ハンター!カオスッ!ハンター!」
その姿は今までのもとは違い、翼はなくその眼は悪魔の翼ではなく、マスケット銃が変わりに三丁ずつあった。それを見た翼や響さらに鎧の少女、二課これを見ていた全ての人が驚いていた。
「お前の着ているのがネフゥシュタンの鎧か…それは危険だ、破壊させてもらう!」
「ッ!待ちなさい!それは私達が!」
「黙れ」
「あれはお前達が知っての通り完全聖遺物だ、欠片ではどうすることも出来ない。」
カオスはその一言で奏者達を黙らせ、鎧の少女に突っ込んでいく。二人の戦闘が始まり、カオスは今までの拳や蹴りを使ったものではなく、そこに銃を加えたガンカタに近い戦い方になっている。その攻撃は、反撃すら許さない連撃でありしかしその一撃一撃がとても軽いものになってしまっている。それもそのはず、このセカンドステージはカオスが持つ形態の中で最も弱く相手を殺さずに無力化するための物、そのため初めは優勢だったがその攻撃の軽さが原因でどんどんとその攻撃を読まれ防がれるようになる。
「ハッそんな子供だましの攻撃で!このあたし様を倒せると思ってンだ!」
ネフゥシュタンの鎧はカオスが思っていた以上に耐久力が高く、カオスは吹き飛ばされ、さらにそこに鞭による追加が入り遠くに吹き飛ばされる。さらに杖から4匹のノイズを解き放ちそのノイズが響を捕らえる。
(クッ!私は何処までも無力なんだ!)
「おいおい、どうした?人気者?来ないのか?ならあたしから行くぞ!」
「クッ!」
そのまま鎧の少女は翼に挑み翼は抵抗するも虚しく鎧の少女にやられ頭を踏まれる。
「ハッ良い事を教えてやる。あたしの目的ははなっからこいつをかっさらうことだ!」
響はその事に驚く。
「鎧も仲間もあんたにはすぎてんじゃ無いのか?」
翼は刀を空に上げ、空から大量の剣を降らせる。
「千ノ落葉」
捕らえられた響は何かを思い出す。
「そうだ!アームドギア!奏さんの変わりになるには私にもアームドギアが必要なんだ!それさえあれば!出ろ!出てこい!アームドギアァァ!」
しかしのそ声にガングニールは答えない。
「何でだよ、どうすればいいか分かんないよぉ」
その頃二人はあちらこちらを行き来しながら戦っていた。
「鎧に振り回されているだけではなく、この強さは本物!?」
「ここでふんわり考え事たぁしべてぇ!」
翼は攻撃を回避するもその隙に大量のノイズを放たれる。翼はそんなノイズと戦いながら鎧の少女に残撃波を当てるが避けられてしまう。鎧の少女は鞭の先に黒い雷撃を包み込むように白いエネルギー球を作り出し翼に向かって放つ。翼はその攻撃を受け止めるも吹き飛ばされしまう。
「フッ!まるででき損ない。」
「確かに私はでき損ないだ。」
「ハァン?」
「この身をひと降りの剣と鍛えてきたはずなのに、あの日無様に生き残ってしまった。でき損ないの剣として恥をさらしてきた。だがそれも今日までのこと奪われたネフゥシュタンを取り戻すことでこの身の汚名を注がせてもらう!」
翼は刀を杖にし、ふらつきながら立ち上がる。
「そうかい、脱がせるものなら脱がせ、なっ!?」
「影縫い」
「クッ!こんなもので私の動きを!まさか、お前…」
「月が覗いているうちに決着を着けましょう」
「まさか、歌うのか?絶唱…」
「翼さん!」
「防人の生きざま覚悟を見せてあげる!貴方の胸に焼き付けなさい!」
翼の顔は覚悟を決めいていた。鎧の少女は必死に抵抗し叫ぶ。そこにカオスが戻り、叫ぶ。
「それを歌うな!バカ野郎!!」
翼は歌う。禁忌の歌を、
「Gatranadis babel ziggurat edenal Emustolronzen flne el zizzl Gatranadis babel ziggurat edenal Emustolronzen flne el zizzl」
翼はゆっくりと鎧の少女に向けて歩き始める。鎧の少女はノイズを放つが翼は進み続ける。そして翼は鎧の少女の肩をつかみ笑う。次の瞬間周りのノイズは消し飛び、響や鎧の少女は叫びながら吹き飛ばされる。ゼロ距離にいた鎧の少女は鎧の再生に最盛に巻き込まれ叫ぶ。そして鎧の少女は舌打ちをしながら飛び去っていく。
「翼さ~~ん!翼さ~~ん!」
その場に弦十郎達の載った車が到着する。
「無事か!?翼!」
「私とて人類守護の勤めを果たす防人、こんなところで折れる剣じゃありません。」
しかし目や口からは大量の血を流していた。そして翼はその場に倒れこむ。弦十郎は翼のもとに行くが後ろからカオスが現れて言う。
「どけ、今から応急措置をする、このままでは手遅れになるぞ。」
そう言いながら何処からか取り出した白色のボトルをカオスマグナムにセットする。
「ロストライダーシステム!ドクター!クリエイション!」
カオスはその手から淡いピンク色の光をだし、翼を包み込む。すると先程まででていた血が止まる。
「俺がしたのはあくまでも応急措置だ、速く連れていけ。」
そう言ってカオスはその場からネビゥラスチームガンを使って消える。
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場所は変わり病院、そこには翼が搬送されていた。
「辛うじて一命は取り止めました、しかし容態が安定するまでは、絶対安静余談も許されない状況です。」
「よろしくお願いします。」
「俺たちは鎧の行方を追跡する、どんな手がかりも見落とすな!」
響は手術室の隣にある椅子に座り込んだいた。そこに緒川が近づき響に話しかける。
「貴女が気にやむ必要は有りませんよ。」
「翼さんが自ら望み歌ったのですから。」
響は消え入りそうな声で緒川の名を呼ぶ。
「緒川さん…」
「ご存知とは思いますが、以前の翼さんはアーティストユニットを組んでいまして。」
「ツヴァイウイング…ですよね」
響は緒川から渡された飲み物を受けとる。
「そのときのパートナーが天羽 奏さん今は貴方の胸に残る、ガングニールのシンフォギア奏者でした。」
「二年前のあの日、ノイズに襲撃されたライブの被害を最小限に抑えるため奏さんは絶唱を解き放とうとしたんです。まぁカオスに止められてしまったんですが。」
「絶唱…翼さんも言っていた…」
「奏者への不可を厭わず、シンフォギアの力を限界以上にうち放つ絶唱は奏者の命を同時に燃やし尽くす物です。」
「奏さんは今までのバッグファイヤにより意識不明、一人なった翼さんは奏さんの抜けた穴を埋めるべくがむしゃらに戦って来ました。同じ世代の女の子が知ってしかるべき、恋愛や遊びも覚えず自分を殺しひと降りの剣として生きて来ました。そして今日剣としての使命を果たすため、死ぬことすら覚悟して歌を歌いました。」
「不器用ですよね、でもそれが風鳴 翼の生き方なんです。」
響はその事を聞き涙を流す。
「そんななの、酷すぎます。」
「そして私は翼さんのこと何にも知らずに、一緒に戦いたいなんて、奏さんの変わりになるだなんて。」
響は泣きながらその事を話す。
「僕も、貴女に奏さんの変わりになってもらいたいだなんて思っていません。そんな事誰も望んではいません。」
「ねぇ、響さん僕からのお願い聞いてもらえますか?翼さんのこと嫌いにならないでください。翼さんを世界にひとりぼっちなんてさせないてください。」
「……はい」
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石動の研究室…
「ついに…翼までも倒れたか…それにそろそろ、正体を隠すことも難しくなってきた………そろそろ潮時か……さて、それはともかくこの山のような書類を終わらせるか………」
その目下にははっきりとうつるほどの、隈があった…
後書きです。ついに主人公が二課に自身の正体を明かす覚悟をしました。次回かまたはそのつぎには明かしたい(真顔)